※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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741 第二皇子と淫乱童女

「本当にあんな童女を抱いていいんですか、宝玄仙殿?」

 

 釘鈀(ていは)は言った。

 

「いまさら、なにをかまととぶってんだい、皇子。帝都一の女たらしが呆れるよ。素蛾も承知なんだ。あいつは修行中でね。いまのうちから、いろいろな男を経験させたいんだよ。そうやって、性奴隷として調教している最中さ」

 

「修行ですか?」

 

 釘鈀は苦笑してしまった。

 

「第一、寝台の上に素裸になり、すっかりと準備万端に整っているのに、なに言ってんだよ。すっかりとやる気なんだろう? 心にもない遠慮はするんじゃないよ」

 

 宝玄仙が声をあげて笑う。

 釘鈀の寝室だった。

 

 裸体で寝台の上に座って下半身に掛布をかけただけの釘鈀に対し、宝玄仙は浴衣一枚を羽織った姿で寝台の横の椅子に座っている。

 ここで素蛾という宝玄仙の性奴隷の童女を抱くことになったのだ。

 別の部屋では、陳嬌(ちんきょう)を宝玄仙の供三人が百合責めをしている。

 

 昨夜までは、陳嬌が沙那と孫空女を焦らし責めで性拷問していたから、その仕返しをさせろということだった。

 それですべてを水にも流してくれるという。

 仕方がないのでそれを許したら、宝玄仙の方から、その代わりに素蛾を抱かせてやると言ってきた。

 そんなことは必要ないと思ったが、実は興味があるので受けることにした。

 釘鈀は、性奴隷だというわりにはどこかしら高貴の匂いのある素蛾という童女のことが少し気になっていた。

 

 自分に童女趣味があったということに、釘鈀自身が驚く気持ちだが、実際のところ、素蛾には無邪気さは感じることもあるが、幼さはあまり感じない。

 あんな年端もいかないような童女の舌で呆気なく三度も精を出さされたという気後れもあるのかもしれないが、釘鈀はあの素蛾に、子供らしくないしっかりとした芯の強さも感じるのだ。

 

 いや、むしろ、そこらの大人よりもずっと我慢強いし、優しい──。

 あの可哀想な劉姫(りゅうき)のことだって、ほぼ二日間、彼女の手足の切断部を舌で舐め続け、ついに四肢を復活させてくれた。

 にこにこと文句ひとつ口にすることなく健気に劉姫の患部を舐め続けていたが、実際のところ、あんなに長時間、なにかを舐め続けるということは、並大抵のつらさではないはずだ。

 それなのに、素蛾は一度闘技場に行って、沙那と孫空女のことを応援していた以外は、食事や睡眠の時間だってそこそこに劉姫の介抱のために尽くしてくれた。

 そして、闘技場から戻って数刻でやっと足の先まで復活して、劉姫の身体は元通りになったのだ。

 

 劉姫は感動して、性奴隷の素蛾にその場にひれ伏して礼を言ったくらいだ。

 その光景にも釘鈀は立ち合っていたが、一介の奴隷のわりに素蛾は、高貴な婦人の感謝の態度も物怖じすることなく堂々としていた。

 それでいて、素蛾の態度には回復した劉姫に対する優しさが醸し出ていた。

 

 普通なら、劉姫のような上級貴族が一介の奴隷にひれ伏して礼を言うなどあり得ない。

 劉姫の興奮がそれだけ激しかったからだと思うが、一方で、素蛾はしっかりと精練された慣れた仕草でそれを受けとめていた。

 いったい、素蛾は何者だろう。

 

 扉が外から叩かれた。

 返事をすると、箱を抱えた釘鈀の家の侍女とともに、宝玄仙と同じように膝までの浴衣を身に着けた素蛾が入ってきた。

 素蛾はにこにこと微笑んでいるが、いささか緊張しているように思える。

 侍女はすぐに追い返し、部屋は三人だけになった。

 

「よろしくお願いします」

 

 すると、すぐに素蛾はその場に正座をして、床に深々と頭をつけた。

 そうやって挨拶をしろと教えられているのかもしれないが、この娘には不思議な高貴さがやっぱりある。

 床に土下座をして挨拶をするなど、奴隷の仕草のはずなのだが、この素蛾がすると、ちっとも卑しさを感じさせない。

 それどころか、それが礼にかなった正式の作法のようにも思えるのだ。

 とりあえず、素蛾に寝台にあがるように言った。

 素蛾が浴衣を脱いだ。

 

「ほう……」

 

「へえ?」

 

 釘鈀と宝玄仙は同時に声をあげてしまった。

 浴衣の下の素蛾は素裸だった。

 だが、ただの素裸ではない。

 身体に縄がかかっていて、六角形の大小の模様で素蛾の裸身に縄がかかっているのだ。

 

「亀甲縛りかい、素蛾? 自分でやったのかい?」

 

「は、はい……。この前、朱姫姉さんに教えてもらったんです。いかがでしょうか……? 股の部分は邪魔にならないように、少し緩めに左右に開いてかけています」

 

 素蛾は、寝台の上に跪いて、股間を開きながら言った。

 確かに、股間に縄がかかっているが、二本掛けの縄が股の中心を避けて、左右に分かれて足の付け根にかかっている。

 それにしても、童女の縄化粧姿というのもそそるものだ。

 釘鈀の股間は敷布の下で元気になってしまった。

 

「ところで、その箱にはなにを持ってきたんだい、お前……? あれまあ……」

 

 宝玄仙が、素蛾が侍女に持たせてきた箱を開いて、呆れた声をあげた。

 釘鈀もそれを見て、少し驚いた。

 箱の中には縄や大小の張形、あるいは、なにかの薬剤の詰まった小瓶が入っている。

 刷毛や筆まである。いわゆる淫具一式だ。

 

「あ、あの、なにを持ってきていいかわからなかったので、とりあえず、一通りは持ってきました。朱姫姉さんたちは忙しそうだったし、ちょっと訊ねられなくて……」

 

 素蛾が顔を赤らめて言った。

 宝玄仙が噴き出した。

 

「馬鹿だねえ、素蛾──。普通は男に抱かれろという命令だったら、なにも持たずに身ひとつでくるものだよ。お前の股に、この男が精を注ぐというだけのことじゃないか。そんな支度はいらなかったんだよ」

 

「そ、そうなのですか? 申し訳ありません。わたくしは、なにも知らなくて……」

 

「悪いねえ、釘鈀──。この素蛾にとっては、性交といえば、嗜虐の性交ばかりだからね。なにも言わなければ、性交とはこういうものを介して行うものと思い込んでいたようだよ」

 

 宝玄仙が笑って言った。

 

「そうですか……。でも、素蛾もいささか緊張しているようですし、それで気持ちがほぐれるなら使ってみますか。俺も興味ありますしね……。じゃあ、縄で縛りましょう。宝玄仙殿、縄束を取ってくれますか」

 

 箱は宝玄仙の足元に置いてある。宝玄仙が縄束を釘鈀に渡した。

 素蛾が両腕を背中に回して、背中を向ける。

 その身体が小刻みに震えていた。

 

 怖いのだろうか? 

 釘鈀はどうやったら、この童女の緊張がなくなるのだろうかと考えた。

 そのとき、不意に扉が大きく開いた。

 入ってきたのは朱姫だった。

 随分と急いできたらしく、少しばかり荒い息をしている。

 

「朱姫、なんだい、お前は? 沙那と孫空女と一緒に陳嬌の報復の百合責めの最中だろう? だいたい、お前、仮にも皇子の寝室に、案内をつけないどころか、許しも乞わないで勝手に扉を開けるやつがあるかい」

 

 宝玄仙が呆れたような口調で言った。

 

「そんなの、いいじゃないですか、ご主人様──。それに、陳嬌さん相手の遊戯なんて、もう終わってしまいましたよ。陳嬌さんが三回目の絶頂で気絶しちゃったら、沙那姉さんも孫姉さんも、もういいって、許してしまったんです……」

 

「気絶──? なんだい、そりゃあ。それで終わらせちまったのかい」

 

「本当ですよ。気絶しているのを無理矢理に覚醒させて、責め続ければいいのに──。それよりも、ご主人様、素蛾を勝手に調教しちゃだめですよ。あたしが素蛾の調教係なんですからね──」

 

 朱姫が声をあげて、つかつかと部屋に入ってくる。

 そして、部屋の隅にある椅子と運んできて、宝玄仙の隣に持ってきた。

 

「しゅ、朱姫姉さん──」

 

 寝台の上の素蛾が嬉しそうな声をあげた。

 同時に、さっきまでの素蛾の緊張の気配が嘘のように消滅した。

 小さな震えもなくなり、身体の硬さのようなものがなくなったのだ。

 それどころか、全身に赤みまで差してきた。

 どうやら、素蛾はこの朱姫がそばにいるとほっとするようだ。

 

「あたしに、素蛾を縛らせてもらっていいですか、殿下?」

 

 朱姫が寝台の横にやってきた。

 釘鈀は朱姫に縄束を渡した。

 素蛾がなんだか愉しそうに朱姫に背中を向け直した。

 朱姫は折り曲げさせた素蛾の腕に軽く縄を巻くと、胴体に巻いている縄に括り付けた。

 

「朱姫姉さん……。こ、この亀甲縛りはどうですか? この前、教えてもらった通りにやってみたんです」

 

「上手にできているわ、素蛾」

 

 朱姫が素蛾の頭を撫ぜると、素蛾は本当に嬉しそうに微笑んで顔を赤くした。見ていると、思わずもらい笑いをしてしまうような微笑ましさだ。

 もっとも、やっているのは、微笑ましいどころか、淫靡で変態的な性行為の前戯だ。

 それを考えると苦笑してしまう。

 

「さあ、素蛾、今夜のお前は淫乱な“ど淫乱”よ。そのふりをしなさい」

 

 後手縛りの終わった素蛾を釘鈀の方向に押し出しながら言った。

 

「あ、あのう……朱姫姉さん、“どいんらん”とはなんですか?」

 

 素蛾は言った。

 釘鈀もなんのことかわからなかった。

 

「性交が大好きな“やりまん女”のことよ」

 

 朱姫が笑って言った。

 

「また、知らない言葉が出てきました。“やりまん女”とはなんですか?」

 

「いいから、釘鈀殿下に自分から求めなさい。お前の方からやりたいと言って誘うのよ。気持ち良くなくても、性交が気持ちよくて仕方がない演技をしなさい。今夜は、そういう女になるのよ」

 

「でも、朱姫姉さん、性交は気持ちいいです。わたくし、好きです」

 

「それは、お前をいままで相手をしてくれた人が優しくて上手な人だったからよ。世の中にはいろいろな性交があるのよ。下手糞で自分勝手な男だって多いわ……。というよりも、それが大部分よ」

 

 朱姫は言った。

 

「偉そうなことを言っているけど、お前だって、大した男経験はないじゃないかい。女相手の経験は多いようだけどね。素蛾と変わるものかい」

 

 宝玄仙がからかうような口調で言った。

 

「それを言わないくださいよ、ご主人様」

 

 朱姫が笑った。

 

「俺だって、優しく扱いますよ。性技だって平均以上の技量のつもりですけどね。ちゃんと素蛾を愉しませてみせますよ」

 

 釘鈀は苦笑しながら素蛾を抱き寄せた。

 

「あっ……、わっ……、よ、よろしくお願いします」

 

 縄掛けをされた素蛾が、釘鈀に抱き寄せられて慌てたような声をあげた

 

「大丈夫よ、素蛾。じっと見てるからね。緊張しないで……。この殿下に精を注いでもらいなさい」

 

「は、はい、朱姫姉さん」

 

 やはり、朱姫の存在が素蛾の気持ちを楽にするようだ。

 再び硬くなりかけた素蛾の身体がほぐれたのを感じた。

 

「あ、あのう、わたくし、びっちのやりまん女です。性交が気持ちよくて仕方がありません。お願いですから抱いてください」

 

 素蛾が言った。

 どうやら、さっきの朱姫の命令を忠実に実行しようとしているようだ。

 釘鈀は微笑んだ。

 

「普通でいいよ。さあ……」

 

 釘鈀は素蛾と口づけを交わそうと思って、それを慌ててやめた。

 そういえば、この素蛾の唾液は危険な媚薬でもあったのだ。

 そんなものを口にしてしまえば、今度は釘鈀がおかしくなる。

 釘鈀はその代わり、ほんの少しだけ膨らんだ場所を縄で強調している胸に手を伸ばして、小さな素蛾の乳首を摘まみあげた。

 

「はあっ、き、気持ちいいです、ああ……」

 

「それは演技ではなさそうだな。随分と敏感な身体だ」

 

 釘鈀は素蛾の左右の乳首に指を交互に這わせながら言った。

 素蛾の身体は、快感が走り抜けたようにびくりと弾ねた。

 そして、すぐに息も荒げ始める。

 

「て、手が……く、括られていると……感じるんです……。わ、わたくし……括られて触られるのが……、す、好きなんだと……お、思います……はあっ、そ、そこ、だめえええっ」

 

 素蛾が悶えながら言った。

 快感に歪む顔も可愛い。

 釘鈀は、次第にこの童女に心を惹かれている自分を感じていた。

 こんな奴隷童女に、女については百錬練磨のはずの釘鈀が夢中になるなど、自分でも笑止と思うのだが、確かに自分はこの素蛾を好きになりかけている。

 それを自覚した。

 

「淫乱な身体なんだね? 胸を触っているだけで、股から匂いがするほどに濡れてきたのがわかるよ」

 

 釘鈀は今度は片手を乳首に這わせながら、もう一方の手を素蛾の女芯に手を伸ばした。

 股間はすでにべっとりと蜜で濡れていた。

 女芯とその周りを揉んだり、くすぐったりして集中的に刺激をすると、素蛾の悶えがさらに激しくなった。

 素蛾の腰のあたりが小刻みに震えてきて、股間はみるみる熱を帯びてくる。

 釘鈀は女陰の部分にも指の動きを拡げた。

 

「はああ、き、気持ちいです……。わ、わたくし、淫乱です……。はああっ、気持ちいでです……」

 

 素蛾が激しく腰を動かし始めた。

 

「その素蛾は、もちろん前でもできるし、後ろでもできるよ、釘鈀……。好きなだけ試すといい。このわたしや朱姫が腕をかけて全身のどこでも感じるような敏感な身体に仕上げたんだ。なかなか、いいだろう?」

 

 宝玄仙が愉しそうに声をかけてきた。

 

「確かに……。こんなふうに、童女がどこをどう触っても悶えてくれるのは愉しいですね……。かなり無理なこともできるのですか?」

 

「存分にしな──。身体は童女でも中身は立派な女だよ。この素蛾はね」

 

 宝玄仙が言った。

 

「後ろの穴でも大丈夫?」

 

「わたしの供たちには、いつでも尻の性交ができるように、日に三度、尻穴を洗うのを日課にさせているんだ。ちゃんと、手入れをしているよ……。そうだろう、素蛾?」

 

「は、はいっ。ちょ、直前にも、ちゃ、ちゃんと洗い粉で……あっ、ああっ……き、綺麗にしてきました……。ああっ、はああ……」

 

 素蛾が甲高い嬌声をあげながら言った。

 

「だったら、一番小さな尻用の張形で責めてもらえますか、朱姫殿? 淫乱な雌なら尻尾が必要でしょう。あなたが責めてあげてください。素蛾はそれが嬉しそうだ」

 

 釘鈀が言うと、朱姫が細くて長い張形を持って寝台にあがってきた。

 

「さあ、力を抜きなさい、素蛾……。あたしが後ろを責めてあげるわよ……。その代わり、前は殿下にあげるのよ……」

 

 朱姫が素蛾の蜜に張形をまぶしながら言った。

 

「は、はい……う、嬉しいです、朱姫姉さん──。そ、それと、ありがとうございます、殿下……。くうう、はあああっ」

 

 大した愛撫でもないのだが、素蛾はもうかなり快感に酔っているようだ。

 朱姫は素蛾の腰を軽くあげさせて、下から素蛾の肛門にゆっくりと張形を挿していっている。

 

「んんん──いぐううっ──い、いってしまいます、朱姫姉さん──いっ、いぐうう──」

 

 素蛾がぶるぶると全身を痙攣させはじめた。

 

「こらっ、いくらなんでも、殿下になにもしないうちに達したりしたら、あたしも怒るわよ。せめて、女陰に殿下のものを挿してもらってからにしなさい」

 

 朱姫が笑いながら言った。

 

「で、殿下──、挿して、素蛾のお股に挿してください──早くうう──」

 

 素蛾がむせび泣いた。

 

「確かに淫乱奴隷のようになってきたね」

 

 釘鈀は敷布を取り去ると、すっかり勃起している一物の上に、素蛾の身体を持ちあげて乗せた。

 釘鈀は素蛾と対面の座位で結合することにした。その方がこの無邪気で淫乱な奴隷童女を身近に感じることができる。

 

 男根が素蛾の膣に埋まっていく。

 たっぷりと濡れた素蛾の女陰はしっかりと釘鈀の怒張を受け入れていく。

 思ったよりも、素蛾の女陰は軟らかい。

 それでいて、しっかりとした締めつけも感じる。

 挿入をすると、素蛾の股間はぐいぐいと釘鈀の性器を締めつけてきた。

 一方で素蛾の後ろでは相変わらず、朱姫が張形で責めたてている。

 前と後ろの両方を受け入れている態勢の素蛾は、すっかりと狂乱している。

 

「いぐうう、も、もう、いきます──。朱姫姉さん、いっていいですか──?」

 

 素蛾が喉をのけ反らせて悲鳴のような声をあげた。

 

「馬鹿……お前の相手は殿下よ──。しっかりしなさい、素蛾──」

 

 朱姫が叱るような声をあげた。

 

「で、殿下、いってもいいですか──? はあっ、はああっ──」

 

 素蛾が叫んだ。

 

「待ってくれ。俺もいこう。一緒に……。だから、少し待つんだ」

 

 釘鈀は素蛾の腰を抱え、上下に激しく律動をさせて、自分の股間に刺激を送りこんだ。

 まだ、精を出すような状態ではない。

 だが、釘鈀は乱れている素蛾を見ていると、どうしても一緒に絶頂したくなったのだ。

 

「は、はい、我慢します──。んんんっ、んんんっ──」

 

 素蛾が必死になって歯を食い縛っている。

 声を我慢することによって、絶頂を止めているのだろう。

 しかし、後ろでは、それを面白がっているらしい朱姫が、張形による責めを強めたようだ。

 素蛾は必死になって快感を堪えている。

 その仕草は本当に健気で可愛い。

 

 釘鈀は耐えられなくなって素蛾を抱きしめた。

 そして、素蛾の唾液を吸う。

 本当に、この少女と一緒に乱れたかったのだ。

 

 素蛾も夢中になって、釘鈀の舌を舐め返してくる。

 不思議な素蛾の唾液の力によって、釘鈀の身体はあっという間に熱くなる。

 釘鈀も激しく興奮してきた。

 瞬時に素蛾の唾液の媚薬が全身に浸透し、釘鈀の全身は狂ったような愉悦に包まれる。

 

「い、いって、いっていいよ、素蛾──。俺もいく……」

 

 釘鈀は言った。

 すぐに精の限界がやって来た。

 本当に強烈な媚薬だ。

 

「いぐううう、殿下、朱姫姉さん──。好きですうう──」

 

 素蛾が叫びながらがくがくと身体を震わせた。

 

「くううっ」

 

 ほぼ同時に釘鈀も精を素蛾の中で放った。

 激しい快感が釘鈀の身体を駆け抜けた。

 

 一度だけではない……。

 二射、三射と釘鈀の怒張は精の迸りを発し続けたが、そのたびに震えるような快感が釘鈀を襲った。

 精を出しきると、釘鈀は素蛾の裸身をぐっと抱いた。

 汗まみれの縛られた素蛾の裸身が、釘鈀の胸にもたれかかるように倒れてきた。

 釘鈀は素蛾を抱き締めながら、大きく息を吐いた。

 

 これまでに体験した性交の中で、最高の気持ちよさかもしれない……。

 射精直後の快感の余韻に震えながら釘鈀は思った。

 釘鈀はこの瞬間に心に決めた。

 

「宝玄仙殿、お願いです。この素蛾を俺の側室に迎えさせてください」

 

 釘鈀は言った。

 釘鈀には、まだ正后も側室もいない。

 性欲の処理は、奴隷宮ということになっている地下に集めている性奴隷たちで処理しているが、彼女たちはあくまでも性処理の手段であって、皇子の伴侶としての后や側室の扱いではない。

 宝玄仙の奴隷である素蛾を、釘鈀の奴隷ではなく、側室と言ったのは、そうでなければ、大事な性奴隷を譲ることを宝玄仙が承知しない気がするというのがあるからだが、素蛾なら単なる性処理の相手ではなく、伴侶として迎えたい。

 

 西方帝国の第二皇子の側室ということであれば、最低でも上流貴族以上の格式が必要となるが、それは素蛾をどこかの家の養女とすることでごまかせるだろう。

 正后のいない釘鈀の側室なら事実上の正后の扱いも受ける。

 性奴隷としては、あり得ない待遇と出世だ。

 宝玄仙は受けるだろうと思う。

 

「それは、お受けできません」

 

 だが、宝玄仙よりも先に素蛾が答えた。

 奴隷自身が自分の譲り先に意見を言うことなどあり得ない。

 どんなに大切にされようとも、奴隷は奴隷だ。

 物であり、人ではないのだ。

 だから、釘鈀は驚いた。

 

「ははは……。あっさりとふられたじゃないか、釘鈀」

 

 しかし、横で宝玄仙が、それを気にすることなく大笑いした。

 釘鈀は困惑してしまった。

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