「わたくしの主人は、宝玄仙様です……。ほかに……」
隣の石牢にやってきた新しい囚人の少女が壁越しにそう言ったので、
「う、うう……」
壁に繋がった鎖付きの鉄の枷で両手首と首を拘束されている
「……倚海龍さん、宝玄仙様だって……。もしかして、宝玄仙様がここにいるのかな? ああ、だけど、もしかして、その供の素蛾という少女が捕らわれているということは、その宝玄仙様も
日値は倚海龍に振り返って声をかけた。
倚海龍は全裸だ。倚海龍だけでなく日値もそうだ。
この牢に監禁されるときに、身に着けているものは全部剥がされて素裸にされた。
それから、数箇月──。
ふたりは下着一枚与えられることなく、ずっとここで素裸で暮らしている。
倚海龍は拷問に傷ついた身体を懸命に起こして、日値を強い視線で睨んだ。
「と、とにかく、た、訊ねろ……」
倚海龍が言った。
日値は壁越しに素蛾に訊ねた。
素蛾の答えは、ここには宝玄仙はいないということだった。
捕らわれたのは素蛾という少女ひとりであり、向こう側の牢にいるのも素蛾だけのようだ。
日値が倚海龍に、宝玄仙は捕らわれていないということを倚海龍に教えると、倚海龍はほっとした表情をした。
金角が殺され、銀角までも捕らわれとなっている現在、失ったものを取り戻すとともに、金角の無念を晴らす最後の望みが、金角が屈服したほどの霊気を持つ宝玄仙という人間族の女の存在なのだ。
この牢の中で、日値は倚海龍から何度もそれを聞かされた。
日値と倚海龍がこの連環城の軍牢に入れられたのは約三箇月前だ。
日値と倚海龍のいる牢は最上部の明かり取りが封鎖されて、消えることのない小さな蝋燭の霊具が照明になっているだけなので、陽の光で一日を知ることができない。
日値は一日に一回に夜に配られる食事の回数を目安に日数を数えていたのだ。
あれは、「魔域大戦」とも称された数年続いた戦いの最中に起こった突然のことだった──。
もともとは、牛魔王の息子の紅孩児を旅の宝玄仙が殺したことから端を発している金角軍と牛魔王軍の戦いは、魔域内のほかの魔王を巻き込んで四年目に突入していた。
数を誇る牛魔王軍に対して、金角軍は数こそ劣るものの、金角の巧みな作戦指導と、銀角及び金角四天王の活躍により、互角以上の戦いをしていた。
金角四天王というのは、倚海龍、
四年目に入った今年には、主戦場はこれまでのお互いの勢力地の境界に拡がる
その倚海龍の部下として、つけられたのが日値だ。
日値は主に南山大王域に位置して物資調達などを行い、倚海龍は金角本拠地と後方の南山大王域を往復するという態勢で活動をしていた。
とにかく、武具や兵糧などの兵站物資を南山大王域で揃えて前線に送る──。
それが倚海龍と日値の役割であり、任務だった。
その活動が突然に終わったのが三箇月前だ。
兵站活動をしていた日値のところに、突如として九霊聖女の隊がやってきて日値を捕えたのだ。
そして、この地下牢に入れられた。
そのときに聞かされたのは、金角軍が
九霊聖女は、金角の弔い合戦を唱えていた魔王の南山大王を捕えて封印し、その勢力地と部下を乗っ取るとともに、勝者である牛魔王に媚びるために、金角の主要な部下に捕縛命令を発したということだった。
負けたということも、金角が殺されたということも、俄かに信じられることではなかった。
だが、数日して金角域から旧南山魔王域──つまり、九霊聖女域に入ったところを捕えられた倚海龍がこの同じ牢にやってきて、同じ話を聞かされた。
金角軍が負けたのは事実と思うしかなかった。
しかも、金角軍の敗戦の理由は、四天王のひとりの巴山虎の裏切りだという。
巴山虎は、偽の情報で精細鬼と伶俐虫の二将の軍を別働隊として分離させ、さらに道術で誘導して牛魔王軍主力の侵入を許すとともに、突如として巴山虎軍をもって金角主軍に襲いかかったらしい。
守りの核心だった巴山虎軍に裏切られて逆に攻撃されては、さすがに金角にも銀角にもどうしようもなかったようだ。
なんとか脱出したものの、奪取していた青竜山にある支城で包囲され、金角は部下の命を取らないという条件で降伏した。
そして、金角は殺され、銀角は捕虜となった。
倚海龍は、その報に南山大王域に移動する途中で接し、あちこちに情報を集めて、事実であることを確信したらしい。
しかも、金角の居城の「金角城」はすでに巴山虎の部下が押さえて、戻れない状況になったようだ。
それで南山大王を頼ろうと逃げているところを南山大王に取って代わって新たな主人となった九霊聖女の軍に捕らわれたということだ。
「た、訊ねてくれ……。ほ、宝玄仙殿の……い、居場所を……」
倚海龍が弱々しい声で言った。
太陽の光を本来の常食とする日値は、その光を遮られた生活を数箇月も強いられたことでかなり弱っていたが、倚海龍の衰弱はそれ以上だった。
倚海龍は、ここに監禁されて以来、連日のように、ここの牢番たちから拷問を受け続けている。
なにかを白状させるとか、屈伏させるための拷問ではない。
拷問のための拷問だ。
牢番たちは、ここに監禁している金角軍の四天王のひとりである倚海龍をできるだけ衰弱させておくようにという命令を受けいているらしく、毎日、代わる代わるここにやってきては、さまざまな拷問をするのだ。
今日は火串だった。
真っ赤に焼けた石炭の火桶に入れた鉄の串を運んできて、壁に鎖で繋がれているために逃げられない倚海龍の全身に次々に真っ赤に焼けた鉄串を当てたのだ。
最後には動けなくなった倚海龍をうつ伏せにして押さえつけると、先が男性器のかたちになっている金属の棒を持ち出して、それを真っ赤に熱してから倚海龍の尻の穴に押し込んだ。
絶叫して気絶した倚海龍を嘲笑いながら、牢番たちは日値に倚海龍の傷を治すための霊気のこもった傷薬を放り投げて去っていった。
あのまま放っておけば、倚海龍は死んでいると思うが、連中は倚海龍を殺すつもりまではないらしく、拷問の最後には傷を治す薬を必ず置いていく。
日値は倚海龍と異なり、拘束はされていない。
倚海龍をその薬で治療するのが日値の役割だからだ。
そして、翌日の拷問に耐えられるだけの回復をさせるのだ。
最初の頃は、日値も同じように拷問をされていたのだが、陽の光を封じることで十分に弱らせることができると知った牢番たちは、あまり日値への拷問はしなくなった。
せいぜい、連中の前で自慰を強要させられるとか、弱っている倚海龍の性器を舐めさせられるとかのいじめを受けるだけだ。
「わ、わかったよ……」
日値は、もう一度壁に作った穴に口を寄せた。
だが、質問は向こうからやってきた。
「……そっちにはほかにも誰かいるのですね? 随分と弱っている声ですが……」
素蛾が心配そうな口調で訊ねた。
「俺と一緒に捕らわれている隊長がいるよ……。拷問を受けたんだ……」
日値は言った。
「あ、あの……わたくしの唾液で治療をすることができます。わたくしの唾には『癒し』の効果……つまり、治療の効果があるのです。よければ、その穴からまた指を出してもらえますか? その上に唾液を乗せて運べば……」
「癒しの術? 君は道術遣いで、しかも、道術封じの腫瘍は発生させられていないの? ここの連中は、君には魔蛭を使って霊気放出の腫瘍は作らなかった?」
日値は傷の回復のことよりも、素蛾が唾液による治療術ができるということに驚いた。
日値も倚海龍も、この牢に入れられて直後、道術を遣えなくなるように身体に幾つかの腫瘍を作られた。
蛭のような生き物に肌が剥き出しになっている部分を吸わせて、そこに瘤のような腫瘍を作るのだ。
それが霊気を放出する吹き出し口になり、身体に霊気を溜められなくなり、道術が使えなくなるというわけだ。
それで日値も倚海龍も道術を封じられている。
「……わたくしは道術遣いとは違います……。その蛭のようなものは、確かに身体につけられかけましたが、わたくしには効果はなかったようです。わたくしの『癒し』の技は、宝玄仙様の道術陣を受け入れたために、偶然に祖先の血が活性化されたために引き起こったものらしいです……。それがどうして引き起こったのかは、宝玄仙様にもよくわからないと言っておられました。普通の道術ではないので、道術封じのようなものが効果がなかったのではないでしょうか……? それよりも、指を……」
素蛾の言葉に、日値はさっきのように壁の穴に指を差し出した。
石壁は厚いが、なんとか指を伸ばせば、指の二本くらいの先は向こう側に差し出すことができるのだ。
すると、壁の向こうで素蛾が日値の指を口に含んだのがわかった。
「あっ……」
思わず溜息ができるほどの快感が指先に流れた。
だが、次の瞬間に指に覚えた違和感に、日値は当惑してしまった。
「ちょ、ちょっと待って──」
日値は素蛾という少女の口から指を抜いてみた。
指先の素蛾の唾液に濡れた部分が見事な緑色の肌になっていた。
さっき、こっちの部屋には当たらない陽の光を浴びることができて、茶色に枯れかけていた皮膚が少し緑色を取り戻したのだが、それとは違う。
本来の日値の肌の色である完全な緑色だ。
陽の光を本来の力の源とする日値は、この牢で与えられる普通の食事だけでは、身体を本来の力のまま保っておくことはできないのだ。
それで日値は弱っていっていた。
それが、ほんの少しだけ素蛾の唾液に触れただけで、元の肌の色を取り戻している。
しかも、指先だけのことだが、ずっと以前に失われたままだった霊気まで指先に漲っている。
まあ、もっとも、この霊気も日値の首に作らされた霊気発散の腫瘍が霊気を放出するまでのことだ……。
いまこの瞬間にも、日値の首にある腫瘍が凄い勢いで霊気を身体の外に出し続けている。
日値の指は目の前で、さっきの深緑の色を失い、少し薄くなってしまった。
いずれにしても、すごい力だ……。
日値は壁の向こうにいる少女の力に感嘆してしまった。
そして、ふと思った。
これだけの治療の効果のある唾液だ。
ならば、日値たちの霊気を失わせている腫瘍そのものに効果がないだろうか……?
魔蛭に作られたこの瘤の腫瘍も一種の病だ。
ならば……。
「ねえ、もう一度、君の唾液を指に乗せて。今度は舐めるのではなく、指に乗せる感じで……」
日値はそう言って、指先を壁の向こうに伸ばした。
素蛾はすぐにそうしてくれた。
日値は急いでそれを首にある腫瘍の瘤に塗ってみた。
日値の首には、最初の日に牢番たちに作られた霊気放出の腫瘍が三個ある。
倚海龍に至っては、全身に数十個もある。
「うわっ」
日値は思わず声をあげてしまった。
あっという間に腫瘍が消滅したのだ。
全身にかすかに霊気が溜まるのを感じた。
さっき素蛾に舐めてもらったことで取り戻した霊気で放出されきらなかったものが体内に残ったのだ。
日値は感動で身震いした。
これで身体に陽の光を浴びれば道術が復活する
倚海龍も……。
「い、倚海龍、すごいよ──。しゅ、腫瘍が……」
日値は倚海龍に振り向いた。
壁に繋がれたまま、日値を見守っていた倚海龍も目を丸くしている。
「ひ、光を浴びろ、日値……。い、俺の腫瘍は……後でいい。もうすぐ……陽が……暮れるはずだ。そうすれば、お前が……霊気を溜める……機会は失われる……。ど、どうせ……お、俺は……鎖に繋がれている……。これは……霊気が復活した……ところで外れない。そ、それよりも……お前の霊気を溜めることを優先しろ……」
倚海龍が必死に声をあげた。
日値は素蛾に声をかけて、隣の部屋に射している陽の光を身体に受け入れるために指を伸ばした。
かすかな光だが、それでも腫瘍により放出されないので、どんどんと霊気が身体に溜まっていくのがわかった。
素蛾も事情を理解して、光の吸収を妨げないように指の下側から唾液を指に塗ってくれる。
それが、日値の霊気の吸収を助けてくれた。
素蛾は唾液が出やすいように、水差しの水を全部飲んだようだ。
その時間を利用して、日値は改めて素蛾から宝玄仙のことを訊いた。
素蛾の話によれば、宝玄仙は人間族の国である西方帝国の帝都にいるようだ。
やはり、金角の勢力地に向かって旅をしている途中だったらしい。
素蛾が言うには、一行は、帝都で開催された闘技会にあの沙那と孫空女が出場するために、しばらく帝都に滞在をしていたようだ。
それで、素蛾は、
素蛾と釘鈀という皇子を襲撃した亜人たちは、九霊聖女の手の者には間違いないと思うが、九霊聖女が人間族の帝都でなにをしようとしていたのかは、もちろん日値にはわかならない。
ただ、少なくとも、素蛾が捕らわれた時点では、宝玄仙はなんの襲撃も受けてはいなかったということだけはわかった。
「お、おい……。牢番どもがおりてくるぞ。石を戻せ……」
倚海龍が低い声で言った。
日値も牢番が階段をおりてくる足音に気がついた。
だが、食事にはまだ早そうだ。
指に感じる陽の光の強さはかなり弱くなったが、まだ失われてはいないことから、陽差しがかすかに残っていることがわかる。
つまり、いまは夕暮れという時刻だろう。
いつもは連中が夕食を持ってやってくるのは完全に夜になってからだ。
牢番の溜まり場以外には、出口のない地下牢なので、外の廊下には常時は牢番はいない。時折、点検のためにやってくるくらいだ。
それすらも最近はない。
連中がおりてくるのは、倚海龍を拷問するときと、一日一回の食事を運ぶときだけだった。
「素蛾さん、さっきの石をこの穴に急いで押し込んで」
とにかく日値は言った。
「わかりました」
素蛾が石を戻した瞬間、素蛾のいる部屋の前で複数の牢番の足音が止まり、素早く鉄の扉を開いたのがわかった。
*
素蛾が石を壁に戻し終わった瞬間、鉄の扉が開いた。
石牢に入ってきたのは三人の牢番だ。
「おう? もう、起きあがれたのか? 寓天様の話によれば、まだまだ起きるには時間がかかるだろうということだったがな」
「まあ、いいじゃねえか。それの方が好都合だ。死んだような人間族の童女を犯しても面白くねえしな」
牢番たちがそう言って笑い合った。
三人のうちのひとりが、いま素蛾が装着されているおしめと同じ布を持っていた。
ほかに薬が入っていると思われる壺を持っている男もいる。
「さあ、そこに寝な──。お前が火傷をした尻穴の治療をしろという寓天様の命令でな……。ついでにおしめも交換してやるよ……。へへへ、おしめを外す道術も受け取ってきたからな」
「だが、もちろん治療は無料じゃねえ……。わかっているな──。その代金はきちんと払ってもらうぜ」
長椅子に座っていた素蛾の前を囲むようにその三人が立ちはだかった。
「だ、代金と言われましても……」
素蛾は戸惑ってしまった。
いま素蛾が身に着けているものは、寓天に装着された布の“おしめ”だけだ。
それ以外は、指輪さえも奪われた。
支払いに充てられるものなどない。
「身体は子供でも女の性器は持っているだろう? 治療の代金はお前の身体だ。いやなら拒否してもいいが、そのときには身体に電撃板を装着して、ひと晩中放置してやるぞ。ここには、拷問具がいろいろと揃っているんだ。この世のものとは思えないような酷い目に遭わせるぞ」
ひとりがそう言うと、残りのふたりも笑った。
素蛾はそういうことかと思った。
どうやら、この三人は素蛾の治療にかこつけて、素蛾を犯そうとしているようだ。
「治療の必要はないと思います。もう、かなり楽になりましたから……」
素蛾はとりあえず言った。
素蛾の小尿に含まれた治療効果により、寓天に焼かれた素蛾の肛門はすでに治っている。
だが、その素蛾の言葉を三人は、拒否の言葉と判断したようだ。
三人の牢番の形相が一変した。
「つべこべ、言うんじゃねえ、人間め──」
いきなり、ひとりが素蛾の頬に平手を張った。
「きゃあ──」
目の前に火が飛んだかと思うような一発だった。
素蛾は長椅子に倒れ込んだ。
頬が痺れて息ができなくなる。
その素蛾を別の男が寝台に押さえつけた。
「ひぐっ」
後頭部を強く長椅子にぶつけられて素蛾は呻いた。
犯されるということよりも、暴力そのものに対する恐怖で素蛾は身をよじった。
だが、その頬にまた平手が加えられた。
しかも、往復だ。
それで素蛾はもう動けなくなってしまった。
「まだ、抵抗するか、小娘──?」
身体を押さえつけている男が平手を打つ素振りで手を上にあげた。
素蛾は慌てて首を横に振った。
「……へっ、最初から大人しくしてれば、痛い思いをしなくて済んだのにな。おい──。布を外す道術をかけろ」
その男が言った。
別のひとりがなにか呪文のようなものを呟いた。
素蛾の腰に巻かれていた布が緩まったのがわかった。
そして、布はあっという間に剥ぎ取られた。
さらに、両脚を持ちあげられて、腿を腹側に押しつけられた。ちょうど、赤ん坊がおしめを返られるような格好だ。
「へっ、小便してたのかい──? おうおう、しかも、布で蒸れてくせえなあ……」
「だが、見たところ、尻穴はきれいなもんだぜ。まあ、内側はわからねえけどな」
「とにかく、やっちまおうぜ──。おい、お前、言っていくが、俺たちに犯されたことを寓天様に言いつけんじゃねぞ──。もしも、誰かにしゃべったら、これからずっと、ここで酷い目に遭い続けることになるぞ。いいな──」
素蛾の身体を押さえつけている牢番が怒鳴った。
仕方なく素蛾は大きくうなづいた。
ここで拒否の態度など取ろうものなら、また叩かれるに違いない。
「じゃあ、俺が一番で行くぜ。約束事はいつもの通りだ。次の者のことを考えて、中には出さねえこと──。娘っ子の身体にかけるんだ。そうだ──。今日は顔にするか──。この娘に俺たちの精液の匂いをたっぷりとかがしてやろうぜ」
素蛾を押さえている牢番が言った。
そして、その男が素蛾を仰向けに押さえつけていた手を離して、長椅子の上に乗ってきた。
さらに、その男は素蛾の股間に顔を埋めて、舌を這わせてきた。
「はああっ」
素蛾はいきなりの舌の愛撫に、思わず声をあげてしまった。
続けて男が舌で素蛾の肉芽や秘唇に舌を舐めあげてくる。
たちまちに、身体に震えるような疼きが沸き起こってきた。
「この娘、随分と身体はませてんだなあ……。もっと、手こずるかと思ったが、しっかりと感じる身体をしてるじゃねえか」
見物の態勢のふたりのうちのひとりが笑ったのがわかった。
素蛾はすでに息があがってきていた。
男が素蛾の股間の襞の裏表を丹念に舐め、さらに舌をすぼめて膣の内側に挿し入れるようにしてくる。
素蛾は込みあがった快感に泣くような声をあげてしまった。
「こりゃあ驚いたぜ──。この人間族の童女は生娘じゃねえぜ。しかも、すっかりと性器はできあがってやがる。ちゃんと感じる場所に成長しているようだ」
舌で素蛾の股間を舐めあげていた牢番が顔をあげた。
牢番は素早く下袴を下着ごとおろすと、素蛾の股間の亀裂に怒張の先端をあてがった。
次の瞬間、かなりの容積の怒張が体内に押し入ってきた。
「ううっ」
裂けるような痛みが走ったが、それは一瞬だった。
すると、素蛾は身体の力を抜いた。
貫いている男の怒張が素蛾の体内を突き進んだ。
そして、最深部に達したのがわかった。
「くうっ、も、もう──」
だが、男はまだ挿入をやめない。
さらに挿入を続けてくる。
そして、子宮そのものをこじ開けられるように怒張が突き刺さるのがわかった。
素蛾は痛くて呻いた。
だが、男は素蛾の苦しみなど無視して律動を開始した。
「あっ、ああっ、あっ」
最初は苦痛だけだった。
そんなに濡れてもいない。
その女陰を男の幹で擦られるのはつらかった。
それでも、少しずつ快感がやってくる。
素蛾がだんだんと腰の部分から小さな快美感があがってくるのを感じた。
だが、十回ほどの律動のあとで不意に怒張が抜かれた。
気がつくと、目の前に怒張の先があった。
いきなり、素蛾の眼をめがけて白濁液が振ってきた。
「いやああっ──」
素蛾は悲鳴をあげた。
男の精が目に入ったのだ。
「ははは──慌ててやがるぜ──。じゃあ、交代だ──」
男が素蛾の身体からおりた。
すると、その男を押しのけるように、次の男が素蛾の上に乗ってきた。