762 囚われの奴隷妻
「なるほど、媚薬か……」
すかさず、
すると、牛魔王は嗜虐的な笑みを浮かべて、銀角の顔をじっと見た。
「どうした、銀角? かなり苦しそうだな。俺に股をほじって欲しいか? お前の夫の許可ももらった。お前が望むなら俺の一物で膣の中をいじり回してやるぞ」
牛魔王が貞操帯の鍵を見せびらかせながら笑った。
銀角は、自分で下袍をまくって、貞操帯の喰い込んだ股間を露出させるという屈辱の姿のまま歯噛みした。
もしも、それが叶うのであれば、銀角はたとえ、一矢も報うことができなくても、この場で牛魔王と巴山虎に襲いかかって死んでみせるだろう。
だが、首に嵌められた『服従の首輪』という支配霊具は、巴山虎に命じたことに一切逆らわないことを銀角に強要している。
すでに、牛魔王に逆らうことも、刃向うことも禁止され、たったいま抱かれることさえ命じられてしまった。
この首輪の恐ろしさは、この三箇月間、肌身に染みるほど味わった。
姉の金角を裏切って牛魔王に処刑させた巴山虎を「主人」として受け入れさせられ、巴山虎の言葉に絶対服従の奴隷にされてしまったのだ。
毎日のように抱かれ、痴態を晒し、ありとあらゆる屈辱的な仕打ちを受けた。
どんなに逆らおうとしても、どんなに道術を遣おうとしても、一度禁止されてしまうと、巴山虎の逆らうことや逃亡しようとすることができないのだ。
これによって、銀角は、正妃という名の巴山虎の性奴隷にされた。
銀角はこれほどの支配霊具というものに接するのは初めてだ。
もちろん、ほかにも支配道術というものは存在する。
たとえば、『奴隷の刻印』だ。
だが、あれはある程度の霊気を持った道術遣いであると、刻印を受けても完全な支配に陥ることがないのだ。
無論、どんなに高い霊気を帯びている存在であっても、それを遥かに上回る霊気を帯びている者から刻印を刻まれれば、奴隷状態になるものの、ある一定の霊気があれば、それを遥かに上回るというのが事実上不可能になる。
だから、ある水準を超えてしまう霊気を持っていると、『奴隷の刻印』を受け入れない。
銀角はこれでもそれなりの霊気を持っていると思っていた。
ましてや、巴山虎は単純に霊気だけの比較であれば銀角の格下だ。
その銀角が完全に巴山虎の奴隷状態になったのだ。
つまり、これは『主人側』と『奴隷側』の霊気の違いに依存しない究極の支配霊具なのだ。
「どうぞ、存分にお使いください、牛魔王様──。隣に寝室も準備しております。よろしければ、そちらで……」
巴山虎が牛魔王に媚びへつらうような笑いを浮かべた。
巴山虎……。
裏切者の下衆男──。
金角に忠誠を誓った四天王と称された重鎮でありながら、金角域の魔王の地位と銀角の身と引き換えに、金角を牛魔王に売り渡した男──。
卑劣漢──。
卑怯者──。
銀角は歯を喰い縛って、その憎い男を睨んだ。
しかも、この男は、一応は銀角を自分のものにしたいと思って、銀角を正妃という立場にしたのにもかかわらず、牛魔王に媚びるために、銀角を抱かせようというのだ。
こんな男の言いなりにならなければならない自分の立場を呪いたくなる。
しかも、そんな仕打ちまで強要されながらも、自殺さえもできないのだ。
それも首輪の力により禁止されている。
「どうした、銀角、お前からもお願いせんか。命令だぞ」
巴山虎が銀角に言った。
命令により、銀角の口が開いた。
「ど、どうか、あたいを抱いてくれ……」
銀角の舌は勝手にそんな言葉を吐いた。
「命令」されれば、どんな恥辱的な言葉でも口にさせられる。
抵抗など不可能だ。
ましてや、すでに牛魔王に抱かれろという命令を与えられてしまっている。
銀角の身体は、やはり牛魔王に対して、身体を開いてしまうだろう。
銀角は絶望感に襲われた。
しかし、一方で諦めてもいた。
抱くなら、抱けばいい……。
「……しかしながら、見たところ言葉とは裏腹に、この銀角はそれを望んでおらんようだぞ、巴山虎。さすれば、俺も別にいまこの場で抱く必要もない……。実のところ、今日はここでゆっくりとするというわけにはいかんのだ……。お前と話が終われば、すぐにでも戻らねばならん。なにしろ、牛魔王軍は各地で連戦の真っ最中でな……」
「なるほど」
巴山虎が媚びるような口調で応じる。
銀角は漫然と其れを訊いていた。
「しかしながら、いまいまの戦いが片付くまで三日もあればいいだろう……。さすれば、その夜は泊れようのう……。どうかな、巴山虎? この貞操帯の鍵を三日ほど預かってもいいか? そして、俺は三日後に、この銀角を馳走してもらいにやってくる」
「構いませんよ。では、その鍵をお預けしましょう。その鍵がなければ、誰がどんな方法を使おうとも、その銀角の貞操帯は開くことはありません。ご安心ください、牛魔王様……。ならば、銀角、抱かれろという命令は解除する。それは三日後だ」
牛魔王と巴山虎が言った。
銀角はびっくりした。
「み、三日──? そんな馬鹿な──」
思わず銀角は悲鳴のような声をあげてしまった。
すると、牛魔王がにやりと笑った。
「どうしたのだ、銀角? それとも、俺にこの場で抱かれたいのか? そうであれば、少しくらいの時間は作れるぞ。お前がどうしてもと願うのであれば、まあ、お前の股倉をほじってやってもいい……。だが、さっきも言ったとおり、俺は忙しい。お前がどうしてもというのでなければ、俺は三日後にお前を味わいたいのだ」
牛魔王が嘲笑の声をあげた。
続いて、巴山虎も口を開いた。
「どうした? もしも、お前から抱いて欲しい心から願うのであれば、すぐにでも言った方がいいぞ。本当に俺にはどうにもならんのだ。その貞操帯は本当にあの鍵がなければ、この俺でも外せんのだ……。牛魔王様が戻ってくるのは三日後だそうだぞ」
「くっ……」
あまりの口惜しさに歯ぎしりとともに声が出る。
股間に塗られた媚薬による強烈な身体の火照りはともかく、実は、貞操帯の内側の猛烈なむず痒さが銀角をずっと悩まし続けていたのだ。
昨夜、巴山虎は、珍しくも銀角を抱くことがないと思ったら、首輪の力で銀角の抵抗を防ぎ、おかしな薬を塗ってこの貞操帯をはめたのだ。
貞操帯は金属製であり、しっかりと固定されていて、銀角が直接自分の股間に触れないどころか、どんなに揺すったり動かしたりしても、貞操帯の内側の敏感な場所には刺激を加えることができないようになっていた。
同じようなものは、この巴山虎から何度もはかされたことはあったが、それは大抵は大小の張形が内側にあって、それらで女陰や肛門を深々と打ち抜くような仕組みになっていた。
しかし、今回はそれはない。
貞操帯はただ金属で銀角の股間を覆っているだけだ。
だが、それこそが銀角を苦しめる仕掛けだといのは、やがて悟った。
巴山虎が部屋を立ち去る頃には襲ってきていた妙な痒みに、銀角は貞操帯を擦って刺激を得ようとした。
ところが、どんなに強く動かしても、まったく刺激を得ることができないのだ。
これで張形でも挿入されていれば、それを股間で締めることで、ほんの少しは痒みを癒すこともできる。しかし、それもできない。
あまりの痒みの苦しさに、銀角は昨夜はほとんど一睡もできなかった。
そして、今日に限って、巴山虎は銀角を閉じ込めた部屋をまったく訪れず、あてがわれた侍女たちに巴山虎を呼んで来いと命じても、彼女たちはそれは禁止されていますの一点張りで、相手にもしてくれない。
媚薬の効果は痒みばかりでなかった。
時間が経つにつれて性感もどんどんと昂ぶり、自分でも匂うほどに愛液が貞操帯の隙間から滲み出てもくる。
痒みと疼きで頭は朦朧とし、ほとんど銀角は気が狂いそうだった。
やっと呼び出されたのが、牛魔王が待っていたこの部屋だったのだ。
それにも関わらず、この牛魔王は、この貞操帯を外す鍵を受け取って立ち去り、三日間もこの状態で銀角を放置すると仄めかしている。
おそらく、放っておけば絶対にそうするだろう。
牛魔王は、いますぐでなくとも、三日経てば確実に銀角を抱くことができるのだ。
だが、銀角がこの状態で三日も放置されれば……。
呆然とする銀角を前にして、牛魔王と巴山虎のふたりは、さらに会話を続けて、銀角をいたぶる。
「だが、三日間ともなれば、現実的にはやはり問題はあるか? この貞操帯を装着したままでは、大小便もできんのではないか?」
「いや、それは問題ありません、牛魔王様。そこにある小さな穴から小便だけは出せるようになっておりますからな……。まあ、大便は我慢するしかないでしょうが、この銀角なら三日程度なら大便をせずとも耐えきるでしょう」
「そうか……。ならばいいか……。では、三日後とするか……。それでよいか、銀角?」
牛魔王がわざとらしく、銀角の顔を覗き込むようにした。
「ま、待って……。待ってくれ……」
銀角はそう言うしかなかった。
それがどんなに屈辱であっても、耐えられる限界というものがある。
牛魔王に哀願するしかない……。
銀角は決心した。
だが、それに続く言葉が出てこない。
姉の金角を惨たらしく、大勢の者の目の前で首を切断した光景がありありと頭に蘇る。
それをやった男ふたりに屈するなど……。
「どうした? なにか言いたいのであれば、早く言え、銀角──。そんなに震えてなにか我慢しているようだが、どうかしたのか?」
牛魔王が笑った。
すでに銀角の貞操帯の中の状況をよくわかっているのだろう。
だから、こうやってねちねちとなぶっているのだ。
「……ふふふ……。ところで、牛魔王様……、この貞操帯には、面白い機能もありましてね。その貞操帯の正面の鍵穴のところに霊気を集めてみてください」
巴山虎が言った。
「霊気? こうか……?」
次の瞬間だった。
「はううっ」
銀角は思わず腰を落としかけた。
“牛魔王の前で立て”、“下袍をめくれ”……。このふたつの「命令」が与えられていなければ、確実にその場にしゃがみ込んでいただろう。
牛魔王がほんの少し貞操帯に霊気を注ぐと、貞操帯の内側に吸盤を感じさせるものが出現して、銀角の股間全体を苛み始めたのだ。まさに、脳天を直撃するような衝撃だった。
「うわっ、ぐううっ、はぐうううっ」
銀角は懸命に歯を喰い縛って耐えた。
こんな男たちの前で醜態は演じたくない。
まさにその一心だった。
そして、不意に振動も吸盤も消滅した。
牛魔王が霊気を注ぐのをやめたのだ。
「なるほど……。だいたいの仕組みはわかったが、どういう仕掛けになっているのだ、巴山虎?」
牛魔王が巴山虎に視線を向けた。
巴山虎は得意気に、霊気を注ぐと貞操帯の内側に刺激物が出現して、銀角の股間を刺激するということと、ただし、いくら刺激しても、それは銀角の脳波を監視していて、決して達することも満足させることもないようになっていると説明した。
銀角は歯ぎしりながら、それを聞いていた。
「……なるほど、いくら振動させても、銀角は貞操帯の中の悩みを解決できんということか?」
牛魔王が言った。
「くあっ」
そして、再び吸盤が出現して振動が始まる。
牛魔王が再び、貞操帯に霊気を注いだのだ。
「んぐううっ」
銀角は膝をがくがくと震わせた。
あまりもの仕打ちに、屈辱で気を失いそうにさえなる。
だが、凄まじい快美感の戦慄に銀角の神経という神経が官能の暴発を起こして、銀角が失神に逃げることを許さない。
昨夜からずっと苦しめられていた猛烈な痒みが、一瞬にして癒されて、さらにそれが強い愉悦となって全身に響き渡った。
「うあっ……ああっ……あがっ、があっ……ふわああ……」
銀角は必死になって、脚を踏ん張るとともに声を耐えた。
「どんな気分なのだ、銀角? 銀色の悪魔とまで称された女将軍が、こんなふうに敵将だった俺に股間を弄ばれるというのは?」
牛魔王が笑いながら言った。
「も、もう……、や、やめろ……」
銀角は牛魔王を睨みながら言った。
すると、ぴたりと貞操帯の振動が消滅した。
銀角はがっくりと脱力した。
「そうか……。振動は要らぬか……。では、三日後にな、銀角」
牛魔王が貞操帯の鍵を懐にしまった。
そして、腰を浮かせるような仕草になった。
「……よいのか、銀角……。本当に牛魔王様は言ってしまうぞ」
巴山虎が銀角にささやいた。
銀角ははっとした。
「ま、待ってくれ──」
銀角が叫んでいた。
こんなことを牛魔王に頼むのは血の凍るような恥辱だが、一瞬でも刺激を味わってしまった銀角の身体は、貞操帯の刺激がなくなった瞬間から、それまで以上の痒さに襲われていた。
この焦燥感と飢餓感のまま三日も放置される……。
しかも、三日目に牛魔王が戻ってくるという保証はない。
この巴山虎は、牛魔王へのおべっかのために、本当にそのあいだ、銀角を放置し続けるだろう。
三日間、苦しみでのたうち続ける自分の醜態の想像が、恐怖となって銀角に襲いかかる。
「なんだ、言いたいことがあれば、早くしろ」
牛魔王がわざとらしく、素っ気ない口調で言った。
「あ、あたいを……、あたいの股を犯してくれ……」
銀角はついに言っていた。
その瞬間、銀角の中のなにかが崩壊した気がした。
「これが欲しいのか?」
すると、牛魔王が下袴をその場にさげて肉棒を露出した。
「ならば、舐めよ、銀角……。舐めて奉仕すれば、いますぐに犯してやろう」
牛魔王が高笑いした。
「わ、わかった……。命令してくれ」
銀角はもう観念した。
これ以上、股間の疼きと痒みには耐えられない。
銀角の首には、『服従の首輪』が装着されている。
巴山虎の命令には絶対に逆らえず、その巴山虎から牛魔王の命令に従うように命じられてしまったので、いまは牛魔王の言葉にも逆らえない。
だから、その牛魔王の命じられれば、性器でも尻の穴でもなんでも舐めるしかない。
実際、巴山虎の身体をそうやって奉仕させられたのだ。
しかし、牛魔王はどこまでも残忍だった。
「いや、俺はそんなことは命じん。舐めたければ舐めよ──。舐めんのなら、帰るだけだ」
牛魔王は笑った。
銀角は下袍を握る拳にぐっと力を入れた。
だが、もう躊躇はできない。
この屈辱はいまだけは忘れるしかない……。
「そ、その代わり、あ、あたいの股を……」
「おうおう、一生懸命に奉仕すれば、媚薬を塗りたくられた股間をこの珍棒で慰めてやるぞ」
牛魔王は言った。
銀角は跪いた。
命令が解除されないので、両手は下袍の前側を握ってめくりあげたままだ。
牛魔王の脚のあいだに進み入って、震える口を牛魔王の性器に近づけた。
傘と傘のあいだを口の内側で揉むように包み込んでいく。
男の性器を舐める技術など、銀角はなにも知らなかった。だが、この三箇月で巴山虎に強引に覚えさせられたのだ。
牛魔王の性器を口で含んだとき、ついに、銀角という人格が崩壊したような思いに襲われた。
銀角が牛魔王の口を舐め始めると、すぐに牛魔王の性器は逞しくなった。その巨根が銀角の口を圧迫する。
「なにをもたもたしておるか──。もっと、熱を入れて奉仕せんか──」
牛魔王が銀角の銀色の髪を掴んで、喉の奥に怒張を突っ込んできた。
「おおっ、おっ──」
喉を詰まらせて、銀角は呻き声をあげた。
いつの間にか、銀角は自分が涙をこぼしているということがわかった。
口いっぱいに牛魔王の一物を頬張らされて涎が止まらない。
それでも銀角は懸命に舌を動かし続けた。
亀頭の先端をしゃぶると、次に裏筋をなぞりあげ、さらに、右からも左からも肉棒全体を舐め尽くすように繰り替えし舌を動かした。
「もっと、心を込めんか──。そんな舌では飽きてしまうわ。俺はもう帰るぞ」
牛魔王が途中で叱咤した。
腹が煮え返るのを堪えながら、銀角はさらに熱を込めて舌を動かした。
牛魔王の股間のすべてを舐め尽くすように……。
睾丸でさえも舐めた。
もう舌が痺れていうことをきかなくなり始めたとき、牛魔王が突然に銀角の口深くに肉棒を突っ込んだ。
しかも、口の中を通り越して、肉棒の先が完全に喉の奥に到達したのだ。
「んぐうう」
思わず顔を引きそうになるのを髪の毛を掴まれて阻まれた。
そのまま、喉の奥に向かって精を放たれる。
苦しさで白目を剥きかける銀角に牛魔王は精を放ち続けた。
やがて、精を放ち終わると、もう用事がなくなったかのように銀角の顔を放り捨てた。
「全部、飲めよ、銀角──。それが、お前の姉の金角を殺した仇の精だ。よく味わって飲め」
牛魔王が笑った。
銀角は吐きそうになるのを我慢して、一生懸命に牛魔王の精を飲み干した。
そのときには、すでに牛魔王は立ちあがっていた。
「ではな、巴山虎……。三日後に立ち寄る。なかなかの馳走だった……。面白かったぞ」
「恐れ入ります。三日後にお待ちしております……。そのときには、南の情勢についても吉報を報告できるように努力します」
「うむ」
立ち去ろうとしている牛魔王に対して、巴山虎が挨拶をした。
銀角は呆気にとられた。
憎い仇である牛魔王の性器を舐めるという屈辱まで演じたのは、いまも襲っている股間の痒みと疼きを解消して欲しかったからだ。
このまま三日も放置されるという恐怖に耐えられなかったからだ。
それにもかかわらず、牛魔王は、銀角になにもせずに立ち去ろうとしている気配だ。
「そ、そんな、約束が違うぞ──」
銀角は叫んだ。
「おう、そうだったな……。もういいぞ。下袍から手を離していい。命令はすべて解除する」
巴山虎が言った。
銀角の両手はやっと下袍から離すことができたが、それだけだ。
硬い貞操帯に覆われた股間の中は、気が狂うような焦燥感と掻痒感で襲われており、すでに自制のできなくなっている銀角は、みっともなく腰を動かし続けていた。
こんこんと流れる愛液は、いまや貞操帯から完全に洩れて、内腿から膝を通り抜け、足の指にまで到達している。
「ち、違う……。お、犯してくれるという約束はどうしたのだ?」
銀角は立ちあがるなり言った。
「お前を犯す? そんな約束をしたか、巴山虎? 貞操帯の鍵は確かに預かったが、いまは時間がないのだ。三日間待て、銀角。そのときは、心行くまで股倉をほじってやるぞ」
牛魔王が大笑いした。
銀角はあまりの言葉に気が遠くなりそうだった。
「三日後には、きっといまよりも、銀角も可愛くなっていることでしょう。お愉しみになさってください」
巴山虎が言った。
それで終わりだった。
牛魔王は十人の親衛隊とともに、『移動術』で消滅した。
銀角はあまりのことに、頭が真っ白になった。
「さあ、銀角、じゃあ、部屋に入っていろ。三日間出てくるな。俺も忙しい。なにしろ、領域の内外に不穏な情勢が続いているのでな」
巴山虎がにやりと銀角を見て微笑んだ。
銀角は口を開こうとした。
だが、それは巴山虎の次の言葉で阻まれてしまった。
「……命令だ」
巴山虎が言った。
銀角の足は、「命令」に従って、自室という牢獄に向かって進み始めた。
気の狂うような掻痒感をしっかりと保ったまま……。