「た、頼む、ち、珍棒を舐めさせてくれ──。一生の願いだ──。お、お前の……い、いや……、あ、あなた様の珍棒を……お、お願いだよ──」
銀角の顔は火のように火照っていて、顔だけでなく全身に信じられないくらいの汗をかいている。
そして、上衣は左右にはだけて、二つの乳房が完全に露出していた。
おそらく、この数刻、ずっと乳房を揉んで自慰を続けていたに違いない。
三日前に銀角の股間に媚薬を塗りたくって貞操帯で封印したのだが、いくらなんでも、そのまま放置していては銀角が発狂してしまうのは間違いないので、乳房で昇天できれば、貞操帯が霊気を集めて、しばらくのあいだ、振動により痒みが癒えるように細工をしたのだ。
それで銀角は昨日から必死になって自分の乳房を揉み続けて絶頂の快感をむさぼっている。
時折様子を見に来るが、最初は乳房だけで絶頂するのは無理だったのだが、媚薬の影響で全身がおかしくなるに従って、乳房でも絶頂ができるようになった。
だから、銀角はいまでは狂ったように乳房で自慰をする乳人形に成り下がっている。
あの女将軍の銀角が乳房を自ら乳房を揉み続けて、昇天していく姿はおかしくて仕方がない。
また、それを巴山虎が躾けてやったのかと思うと、巴山虎の征服欲が途方もなく満たされもする。
そして、銀角が貞操帯の中の股間の痒みを癒す方法は、もうひとつあり、それが巴山虎の性器を舐めることなのだ。
銀角が巴山虎の性器を舐め始めると、すぐに貞操帯の内側が銀角の痒みを癒すように振動を開始するように細工した。
もちろん、これはいくら振動しても達することはないのだが、それでも猛烈な掻痒感が消失するのは、なにものにも耐えがたい快感のようであり、巴山虎が部屋にやってくるたびに、銀角は振動が欲しくて巴山虎の性器をしゃぶることをねだるようになった。
巴山虎は、これをしばらく続けるつもりだ。
そうなれば、巴山虎の珍棒を舐めると、気持ちがよくなるという暗示が強烈に銀角の心に刻み込まれてしまう。
そのうちに、貞操帯や媚薬がなくても、巴山虎の性器を舐めなければ、快感を味わえなくなると思う。
そうやって、完全に銀角の心に巴山虎を刻んでしまい、巴山虎のものにしてしまうのだ。
銀角が巴山虎の下袴に手をかけて、部屋の真ん中で巴山虎の性器を露出させようとした。
「駄目だ──。おあずけだ、銀角……。それよりも、練習の成果を見せんか。乳房だけで昇天できるようになれと申し渡していたはずだが」
巴山虎は笑った。
銀角には『服従の首輪』の力によって、巴山虎の命令には一切逆らえないように命令を与えている。
巴山虎の言葉で銀角の手は凍りついたようにとまってしまった。
「そ、そんな……。ああ、痒い……痒いのだ……。こ、こんなの耐えられない……。た、頼む。霊気を……霊気をおくれ。振動を……。こ、股間を貞操帯で癒してくれ──。お、お願いだよ──」
銀角は顔を左右に振り乱して絶叫した。
だが、銀角の両手は巴山虎の下袴をさげようとした状態で動かなくなっている。
「ははは……。つらいだろうが、これが調教だ。そんなに舐めたければ、舐めさせてやるが、その前に椅子を持って来い。ご主人様がやってきたのに、椅子も出さずに立たせたままでいるとは、妻としては失格だぞ。俺の珍棒を勃たせるのも、その後だ」
巴山虎は下手な駄洒落を口にして笑った。
銀角はよろよろと立ちあがると、部屋の隅から椅子を抱えて持ってきた。
金角軍の大将として、金角とともに数万人の金角軍の頂点に立ってきた女だ。
それを侍女のように扱っていると思うだけで、巴山虎は震えるような感慨に耽りそうだ。
巴山虎は銀角の持ってきた椅子に座った。
「では、まずは乳房を揉んで自慰をしてみろ。俺の目の前に跪いて、乳揉みだけで絶頂するんだ。この時計の砂が落ちきる前にな」
巴山虎は懐から小さな砂時計を取り出すと手摺りの上に置いた。
銀角がはっとしたように、その砂時計を凝視した。
そして、慌てたように跪くと、両手で自分の乳房を揉みだした。
指はしっかりと乳首を挟んでいる。
かなり荒々しい揉み方だ。
「はあ、はあ、はあ……あ、ああ……」
すぐに銀角は荒い息とともに甘い声を出し始めた。
「ほう、なかなかに感度のいい乳になったではないか、銀角……。いずれにしても、こういう修業がお前を一人前の淫乱奴隷妻にするのだ。そのうちに俺なしでは生きられない身体にしてやるからな──。いや、もう、そうなっているかもしれないな」
巴山虎は笑った。
銀角はそんな言葉など、まるで聞こえないかのように一心不乱に乳房を揉み続けている。
やがて、真っ赤に上気した顔を激しく揺さぶりだした。
早くも快楽の頂点を極めようとしているようだ。
砂時計はまだ半分も落ちきっていない。
巴山虎はほくそ笑んだ。
媚薬の効果は痒みだけではない。
銀角の身体をこれ以上ないほどの淫情に襲わせてもいる。
そんな状態であるのに、貞操帯に包まれた股間には刺激を得られず、巴山虎の性器をしゃぶることで痒みはいえても、絶対に絶頂の快感だけは与えられないようにしている。
そんな銀角がいま絶頂するほどの快楽を得られるのは、乳房だけなのだ。
この銀角が巴山虎が姿を見せないあいだに、どんなに自分で乳を慰め続けていたのだろうかと想像すると、どうしても笑いが込みあがる。
しばらくすると、銀角は最後の気力を振り絞るように、激しく身悶えを見せだした。
懸命に首を横に振っているのは、そうやって、首輪や貞操帯に支配されて痴態を演じさせられる恥辱を追い払おうとしているのかもしれない。
「うはああっ」
銀角が乳房を鷲づかみしたまま、大きく身体をのけ反らせた。
そして、全身をぶるぶると震わせる。
どうやら絶頂したようだ。
「はあああ……あああ……き、気持ちいい──」
銀角が吠えるように叫んだ。
きっと、貞操帯の内側が激しく、銀角の股間を刺激し始めたに違いない。
すぐに痒みも疼きも復活をするのだが、この一瞬だけは銀角は痒みを忘れることができる。
痒みがなくなる快感で銀角は痴呆のような表情になった。
「舐めろ──」
巴山虎はすかさず性器を露出して銀角の顔の前に示した。
銀角のあられもない姿を目の当たりにした一物は、すでに勃起している。
赤黒い巴山虎の怒張を銀角の端正な顔に迫らせた。
銀角が表情を硬直させたのは一瞬だけだ。
すぐに、顔を蕩けさせて巴山虎の一物を咥えた。
性器を口に含んで舌で舐めれば、自動的に貞操帯が股間を苛み、さらに痒みを忘れることができる。
それを思い出したのだろう。
「んんんっ」
巴山虎の股間を舐め始めた銀角は、すぐに声をあげて全身を震わせた。
早速、貞操帯が振動を始めたのだ。
「どうだ、天にも昇る気持ちになったか? こんな快感を与えてくれるのは俺だけだぞ? 俺に一生仕えよ。奴隷嫁としてせいぜい可愛がってやろう」
銀角は返事はしなかった。
その代わりにさらに熱のこもったような奉仕を始めた。
銀角がうっとりと顔を崩した気がした。
この銀角の心を陥落させるには、まだまだ時間がかかるはずだと思ったが、確実に銀角は堕ち始めている。
こうやって、一心不乱に巴山虎の性器を気持ちよさそうに舐め続ける銀角に接すると、銀角が心の底から巴山虎の奴隷に成り下がるのに、それほどの時間は必要ない気もする。
巴山虎は予告なしに、銀角の口の中に精を放出させた。
銀角が当惑したような表情をしたが、それでも懸命に精を飲み下している。
満足した巴山虎は、銀角に舌で性器を掃除させると下袴をあげて性器をしまった。
「あっ、ああ……」
再び銀角が腰を揺すり始めた。
痒みが再発したのだ。
銀角が苦しそうに呻き出す。
暴れまわったり、発狂したように叫び声を出さないのは、それだけ銀角の自制心と精神力が強いからだろう。
あの強い媚薬で三日間も放置されては、大抵の女は狂って使いものにならなくなる。
しかし、見たところ、銀角はまだまだ耐えられそうだ。
「た、頼む──。な、なんでもする……。なんでもするから、この貞操帯を外してくれ──。どんなことでもするから──。お、お願いだ。なにをしたら、この貞操帯を外してくれるのか教えてくれ──」
銀角が血走った眼で訴えた。
「それは無理だ──。俺ができるのは、お前の頭が痒みと疼きで狂ってしまわないように、ほんの少しの慰みを与えてやることだけだ。お前の貞操帯を外す鍵は牛魔王様に預けてあるのだ──。牛魔王様の周りには敵が多いしな。それがひと段落すればやってくるはずだ。それまで我慢しろ……。もっと乳を揉め。そうすれば、ほんの少しの時間だけだが、痒みからも疼きからも解放されるぞ」
巴山虎がそう言うと、銀角が泣きそうな顔で乳房を揉みだした。
もう銀角には、乳揉みをやめることなどできないだろう。
痒みで狂わされた身体で痒みの消失を代償に強要される乳揉みによる自慰は強い中毒効果を作り出すはずだ。
およそ、人の自制心では耐えることなどできないと思う。
現に、いまも、銀角は憎い巴山虎の目の前で、乳揉みをするという醜態を晒すことに抵抗もなくなっているようでもある。
「また来る──」
巴山虎は必死で乳を揉んでいる銀角を置いて、部屋の外に向かう扉に向かった。
そして、そういえば、今日は牛魔王が再びやって来るという三日目だということを思い出した。
だが、まだ、牛魔王が巴山宮に再訪問するという報せは来ていない。
巴山虎は部屋を出た。
すると、そこに
牛魔王が玉面とともに置いていった軍師のふたりのうちのひとりであり、巴山虎は、一応、この鉄扇を全軍の軍師という位置づけにしていた。
もうひとりの軍師である
その南の境界で田楽天が大敗し、玉面が行方不明になったという情報に接したのは昨日のことだ。
ただ、敗戦は一昨日だ。その報せが届くのに、一日がかかったのだ。
「巴山虎様、お話があります」
鉄扇が神妙な表情でそう言った。
「どうした? 牛魔王様から再来の報せでも入ったか? 早く軍団を率いて来てくれねば、南山軍を支えきれないかもしれん……。それから、馳走の銀角はすっかり熟れきって、まさにいくらでも料理ができる状態になっておるのだ。それを報せてくれたか?」
巴山虎は言った。
だが、鉄扇は不機嫌そうに首を横に振った。
「牛魔王様は、少なくとも数日は訪れぬでしょう。北の騒乱が思ったよりも片付かずに手が離せぬのですよ。それよりも、お話があります……。こちらへ……」
金角軍を中心として集まった反牛魔王の勢力を相手に大きな戦役を続けてきた牛魔王だったが、三箇月前に金角軍を騙し討ちのようなかたちで破ってからも、まだまだ多忙な戦の日々を送っていた。
牛魔王に逆らい、一時的とはいえ、牛魔王に敵対した各地の魔王をひとつひとつ潰しているのだ。
それが続いている。
牛魔王は、魔域の覇王である
牛魔王は、雷音大王や牛魔王に敵対する勢力を完全に潰すことは、雷音大王に与えられた最大の使命だと思い込んでいて、常に軍団を率い、あちこちを転戦している。
逆に言えば、雷音大王が魔域の覇者と称していられるのは、無敵の牛魔王軍団の存在によるものが大きく、牛魔王の絶対の忠誠がなければ、雷音大王の覇道はありえない。
なにしろ、雷音大王軍の大部分の勢力は、そのまま牛魔王軍団でもあるからだ。
いずれにしても、鉄扇によると、三日後に再来するということだった牛魔王の訪問は数日遅れるようだ。
巴山虎ががっかりした。
南の境界における田楽天に与えた二万が破れ、巴山虎の領域を侵攻する南山軍の勢いはかなりのものだ。
いまは、
巴山虎は、牛魔王にこの窮状に接してもらい、牛魔王軍団の一部でもこちらに回してもらうことを切望していた。
鉄扇は、巴山虎の従者に部屋の外で待つように告げ、巴山虎だけを空き部屋に導いた。
「まだ未確認ですが、どうやら金剛天殿と夜叉天殿の守る要塞は落ちたようです。おそらく、間違いないと思います」
鉄扇がそう言った。
巴山虎は驚愕した。
「な、なにを言っているか──。そんなわけがあるか──。どんなに早くても、南山軍があの二個の要塞に接触したのは今日であるはずだ。まだ、戦いも始まっておらんほどの状況だ。それなのに、要塞が落城したということなどありえんわ──」
「ですから、あのふたりは戦わずして下ったのです……。それが明らかになれば、この巴山宮のある国都に集まっている各部族長たちにも動揺が走ります。それで箝口令を布いておりますが、いずれ、あの二将が下ったというのは兵の口の端に乗りましょう……。そうなれば、さらなる離脱者を生むことになるかも……」
鉄扇が渋い表情で言った。
巴山虎はここまで状況が悪いということに呆然とする思いだった。
確かに、部族長の離反や叛逆が多くなっていることはわかっていた。
だが、将軍級の武将が離反するなど……。
部族長が離反して兵が集まりにくくなっていることは確かだった。
もともと、あの二将には一万ずつの勢力を与えるつもりだったのだ。
だが、部族長たちが戦士の供出を拒み、それでやっと集まった一万を二分して与えたのだ。
巴山虎としては精一杯の増兵だった。
それが戦わずして降伏した……。
そうであれば、もはやこの巴山宮自体で籠城するしかない。
あの勢いであれば、数日中にも南山軍の先遣部隊はここに到達するかもしれない。
巴山虎は信じられない思いだ。
南山軍の侵攻が開始したのは、わずか三日前のことだ。
それなのに、もうこんなに追い詰められている。
「だ、だったら、牛魔王様に、一刻も早く、この状況を報せてくれ。牛魔王様は、俺を見捨てぬと約束をしてくれたのだ──。巴山宮まで、急ぎ援軍を率いて来てもらわねば──」
「それは望めません。牛魔王様は、いまや三人の他の魔王に対して軍を出しているのです。救援どころか、その三箇所の転戦だけで手一杯の状況です」
「そ、それはない──。牛魔王様は約束されたのだぞ。三日前、確かに約束された。銀角を馳走するという話もした。貞操帯の鍵も持っていったのだ」
「これですね」
鉄扇は一個の鍵を取り出して示した。
それは牛魔王が持っていったはずの銀角の貞操帯の鍵だった。
「あっ──。な、なんでそれがここに?」
巴山虎は声をあげた。
「牛魔王様は、約束が守れぬ予感があったのですね。それで、万が一、三日後に来れない場合は、これを返してくれと俺に託したのです。これはお返しします」
鉄扇が巴山虎に鍵を押しつけた。
「そ、そんな……。で、では、本当に牛魔王様は援軍を送らぬのか──? それは信義に反するではないか──」
巴山虎は怒鳴った。
あのとき、牛魔王は本当に愉しそうに銀角を嗜虐することに悦に入った感じだった。
だから、銀角を牛魔王に馳走することも躊躇わなかったのだ。
その証として、銀角の股間を貞操帯で封印して、その封印を開く鍵を牛魔王に渡した。
それを返されるというのは、巴山虎と牛魔王の仲までが、なかったことにされるような気持ちになった。
「信義ですか……。そんなものは、酒席や女席の戯れに吐く言葉ではないですか、巴山虎殿。だいたい、もともとは巴山虎殿自体も、長く牛魔王様に敵対した武将のひとりなのですよ。与えられた地領くらいは、自分のお才覚で治めるくらいでないと、牛魔王様も救援に値するとお認めにはならぬでしょう」
鉄扇は冷たく言った。
「そ、そんな──。この状況で俺だけで対処するなど……。ど、どうすればいいのだ?」
「起死回生の一手があります」
「起死回生の一手だと?」
「南山軍を迎え撃つ総大将を銀角とするのです。さすれば、雪崩を打ちかけていた部族長の離反も止まり、銀角のもとに軍が集まります。すでに内応して南山軍に従った部族たちも、こちらに戻ってくるかもしれません。なにしろ、銀角は、金角の妹なのですから……」
「ぎ、銀角を? 馬鹿な──」
巴山虎は呆気にとられた。
「お考えを……。それであれば、少なくとも、それで互角以上の戦いになって、南山軍の侵攻を支えることができるでしょう。所詮は遠征軍──。いつまでも戦い続けることは難しい。その状態になれば、牛魔王様も援軍を差しだす隙を見つけることもできます」
「だ、だが、銀角は俺の奴隷にするために調教をしている最中だぞ──。そ、それに再び軍を与えて、しかも、南山軍を迎え撃たせるだと? そんなことは考えられん」
巴山虎は怒鳴りあげた。
「だったら、そのまま巴山虎殿は滅びるだけです……。それに、あの首輪はどんなことでも従わせることができるでしょう? 軍を率いて、南山軍を撃破せよと命じれば済むことではないですか」
しかし、鉄扇は無表情のまま、巴山虎に言った。