「余に庇護を求めるというのだな、
しかも、北方の人間族らしい肌の白さがいい。
ここまで真っ白い肌というのは数多い雷音の側女にはいない。
それだけでも、是非とも雷音の後宮における収集物に加えたいと思う。
「……影女殿は政争で一族が敗れて、身ひとつで逃亡してこられたのです。北方帝国に戻れば捕縛されて処断──。運がよくても奴隷としての身分に落とされるのは間違いないでしょう。それで伝手を頼って、この魔域までやってこられたのです、大魔王様。どうか助けてあげてください」
影女の横に座っている美小淋が静かに言った。
この女宰相には、すでに雷音が影女を騙して犯すつもりだということは伝えてある。
庇護をして助けてやるどころか、魔域までわざわざやってきた北方貴族の美女を捕えて側女にしてしまうつもりでいることも教えている。
魔域の亜人族を“妖魔”と蔑み、存在さえ認めない東方帝国に比べれば、北方帝国については亜人族との交流の歴史も長い。
北方帝国やその属国の北方諸国には、亜人族の居住地域があるところも少なくないし、魔域世界に存在する人間族には北方族の出身者が多い。
だからこそ、政争で敗れた貴族姫が魔域まで逃亡してくるということが起こり得るのだ。
影女も一族の一部が魔域内に居住しており、最初はそれを頼って魔域に逃げてきたらしい。
それを美小淋が伝え聞いて、雷音大王に庇護を求めてはどうかと勧めたようだ。
もちろん、美小淋は、なんの縁もない影女という貴族美女の一族を本当に雷音に助力させる気などなく、女好きの雷音のために、この北方の人間美女を提供しようとしただけにすぎない。
影女はここで雷音の側女のひとりとして後宮に加える。
それは決定している。
だが、そんなことはおくびにも出さずに、影女の救いを雷音に美小淋は口にする。
なかなかの芝居上手だ。
雷音は笑いそうになった。
また、影女にもうまく言い含めて、安心をさせているのだろう。
影女が美小淋をすっかりと信用して頼り切っているのは、それとない仕草や表情でわかる。
「い、命はもう惜しくはありません……。し、しかし、なにとぞ、一族の汚名を晴らす力を大魔王様にお貸しいただきたいのです。どうか、このとおりでございます」
影女がもう一度言った。
「まあ、心配することはない。余はもう助力をすることを決めている。だからこそ、こうやって打ち解けた面談を準備したのだ。さあ、飲むといい。魔域産の最高級のお茶だ。舌の肥えた北方族の姫君に、この野蛮な魔域で採れた茶の味が合うとよいのだが」
雷音は笑いながら言った。
侍女役として部屋の隅にいた孫女が、そっと卓に近づいて、三人の前に杯に入れた温かい茶を差しだした。
孫女は、魔域の南東にある女人国という女しか住んでいないという不思議な人間国からさらわれてきた性奴隷であり、赤毛に相応しい激しい乱れぶりが気に入っている雷音がもっとも寵愛している側女のひとりだ。
今日は裸身が透けて見える薄物だけを身につけさせて給女を命じていた。
「い、いただきます」
影女が杯を取った。
さっきの雷音の物言いにより、影女は茶を口にしないわけにはいかないだろう。
飲まないということは、魔域産の茶を侮辱していると捉えられかねないからだ。
これから庇護と助力を求めたい魔王を前にして、できるだけ失礼に繋がるようなことは避けたいはずだ。
しかし、影女が口にしようとしている茶には、即効性の痺れ剤が入っている。
すぐに手足が麻痺して動かなくなるのだ。
それでいて、身体の感覚は通常の数倍に跳ねあがるという効果もある。
この影女を犯すために雷音が準備したものだ。
無理矢理に手籠めをするのは簡単だが、それでは面白くない。
折角の北方帝国から雷音の餌食になるためにやってきた獲物だ。
せいぜい、いたぶり尽くしてから犯そうと思っている。
「はっ、なっ……?」
影女が飲んでいた杯をその場に落とした。
そして、そのまま椅子の下に崩れ落ちていく。
「あら、影女殿、お召し物が濡れてしまいましたよ」
美小淋がわざとらしく笑った。
影女が杯を落としたとき、飲んでいたお茶が服を濡らしてしまったのだ。
すかさず駆け寄った孫女が、美小淋とともに身体が弛緩している影女を卓の上にあげてしまった。
細い身体をしていても、孫女はなかなかに力が強い。
それは亜人族である美小淋も同じだ。
並の人間族の男よりも怪力のふたりの女に抱えられて、手足の動かない影女はあっという間に四肢を拡げて卓に寝かされてしまった。
美小淋が道術で四肢を拘束する革紐を卓に出現させる。
一方で孫女は雷音と美小淋の前にあった茶を撤収した。
そして、床にこぼれた影女の杯を取りあげた。
「まだ、少し残っています。飲ませます……」
孫女が影女が落とした杯を持って、仰向けになって顔を天井に向けている影女に近づいてくる。
すでに影女の両手首と両足首はしっかりと革紐で卓に拘束されていた。
「な、なにをするのです──。や、やめなさい──。大王様、助けて──。助けてください──」
孫女に鼻を摘ままれて、無理矢理に口を開かされて薬剤入りの茶を飲まされようとしている影女が悲鳴をあげた。
だが、声を出すために口を開いたところで、残っていた薬入りの茶を孫女に全部飲まされた。
ずっと椅子に座ったままだった雷音は、その影女の言葉に思わず噴き出してしまった。
「お前を凌辱するために、薬剤入りの茶を飲ませるように命じた余に、助けを求めるとは面白いな。こうなったら諦めよ。余の後宮に入れる資格があるかどうか、ゆっくりと確かめてやろう。合格すれば余の後宮に入れて、贅沢な暮らしをさせてやる……。まあ、まずは容姿は合格だな。さすがは美女が多いことで名高い北方族だ。だが、身体はどうかな……。ちょっと、脚を見せてみよ、美小淋」
すると、美小淋が影女の身に着けている下袍をゆっくりとたくしあげた。
影女が悲鳴をあげる。
しかし、手足が弛緩しているうえに、拘束までされているのでは抵抗のしようもない。
簡単に影女の下袍は白い下着が見えるくらいまで引きあげらてしまった。
「どうなさいます、大王様? とりあえず、裸にしましょうか? まずは、犯してしまって、諦めさせてはいかがです?」
美小淋が言った。
「いや、それでは風情がない。余はせっかくのご馳走をゆっくりと弄びたいのだ。そうだな……。まずは、孫女……。お前の手並みを見せよ。服を身につけさせたまま、影女の気をやらせるのだ。そして、一度気をやれば、一枚ずつ服を剥げ。それをすっかりと全裸になるまで続けるのだ」
雷音は言った。
「や、やめてください──。び、美小淋殿、騙したのですね──。わたくしを助けると申してくれたくせに──。は、恥を知りなさい──」
影女が金切声をあげた。
「はいはい、無論、騙しました──。でも、のこのことたったひとりで雷音院にやってくるなど、なにをされても仕方がないのではないですか、影女殿? それはあなたの油断でしょう。それに、ここは大魔王様の後宮です。雷音大王様が欲望を女に放たれる場所です……。そう考えれば、こういうことになるのは自明の理ではないですか?」
美小淋が椅子に座り直しながら笑った。
「それでは失礼します……」
一方で孫女は卓によじのぼってきて、仰向けで手足を拡げている影女に添い寝するように横になった。
「では、まずは下着の上から女芯を擦ってあげますね。それで達したら、まずは下袍を脱ぎましょう」
孫女がゆっくりと下袍がめくられている影女の股間の付け根を指で揉み始めた。
影女がたちまちに喘ぎ声をあげた。
*
「あっ、あっ、ああっ、だ、だめええっ、ああああっ」
「影女様、もっとお悶えください。そして、奥の奥までしっかりと魔王様にお見せなさるのです」
孫女がくすくすと笑いながら、筆で影女の恥毛の上をくすぐり続ける。
しかも、ちゃんと雷音に影女の局部を見せつけるように、考えて身体を置いている。
おかげで、雷音は椅子に深く腰かけたまま、余すことなく影女の狂態を愉しむことができた。
「ああっ、も、もう許して──」
影女は汗びっしょりの素裸を揺さぶって叫んだ。
もう、数刻も続いている孫女による影女への百合責めだ。
一回気をやるごとに一枚ずつ服を脱がせよと命令して始めさせた孫女による影女への責めだったが、やっと最後の一枚を剥ぎ取ったところで、孫女は影女の股間に筆責めを開始した。
すでに六回も達している。
その状態で筆によるくすぐりを開始された影女は半狂乱だ。
卓に四肢を拡げて磔にされ、大きく開いている影女の股間は、真っ赤に熟れて大量の愛液でまみれている。
「前だけではなくて、しっかりと後ろの穴も責めてやれ、孫女。尻の穴が寂しそうだぞ」
雷音は酒を飲みながら笑いながら言った。
横で給女のように酒を注いでくれるのは美小淋だ。
今夜はこの北方美女のいたぶりをこの三人だけで愉しみたいという美小淋のたっての願いにより、ほかの側女を呼ばずに女宰相の美小淋が大王の世話を務めてくれている。
美貌の女宰相に酌をさせて、薄物だけの側女が、縛られた人間族の裸体の美女を責めるのを眺めるというのも、実にいいものだ。
雷音は嗜虐の情念がかっかと燃えあがるのを覚えた。
「ならば、脚を吊りましょうか。台に磔のままではお尻の穴は責め難いですわ」
美小淋が立ちあがると、さっと道術によって天井から垂れている二本の鎖を出現させた。
その鎖の先には革紐がついている。
美小淋は孫女と協力して、一度、影女の足首を卓の革紐から外してから、その天井の鎖に繋ぎ直した。
すでに弛緩剤の効果は消えきっているはずだが、影女は身体の力が抜けているのかまったく抵抗はしなかった。
ただ、恥ずかしそうな狼狽の声を示すだけだ。
美小淋が影女の足に繋がった二本の鎖を天井に引きあげる。
影女の脚が大きく拡げて天井に向けた格好になった。
美小淋は影女の尻が少し浮きあがるくらいまで鎖を短くして、それで道術で鎖の長さを固定した。
「ああっ」
これ以上ないというくらいの羞恥の姿に、影女は真っ赤になった身体を左右に揺さぶった。
「じゃあ、さっそく、始めます……」
卓の上の孫女が、横に置いていた筆を取り直し、影女の尻たぶの亀裂に這わせだした。
「いやあっ、いやあっ──」
影女は狂乱の悲鳴をあげるとともに、お尻を振ってのたうちまわる。
しかし、孫女の筆は的確に影女の肛門を上下に掃き続けていた。
一方で孫女の反対の手はすっかりと勃起して膨らんでいる影女の肉芽もゆっくりと揉みほぐしている。
影女がまたもや絶頂の波に乗ってしまったのは明白だ。
激しい影女の乱れぶりに、雷音の興奮もそろそろ頂点に達してきた。
「さて、そろそろ、余も精を出したくなった。一度、出しておくか──。それから、また孫女に責めさせよう。夜はまだ半分もあるだろう。その次の日もある。その夜もある……。影女、いたぶり尽くしてやるぞ。その身体に被虐の性が完全に染みつくまでな」
雷音は影女を責めていた孫女に卓からおりるように指示し、入れ替わるように雷音自身が今度は卓にあがった。
「お支度は、あたしが……」
床におりた孫女が手を伸ばして、雷音の腰から下袴を緩め始める。
「わたしも参加させてください」
すると、美小淋が影女の顔の方に回って、乳房に手を這わせながら口を吸い始めた。
どうやら美小淋も興奮状態のようだ。
無理もない。
この後宮全体には、女であれば欲情せざるを得ない媚薬の香が密かに終始流れ続けている。
美小淋といえども、それから逃れられない。
もう影女も抵抗する気がないのか、美小淋に責められるままにされている。
孫女が雷音の下袴を膝までおろして、雷音の勃起した一物を外に出した。
雷音は影女の女陰に怒張の先端をあてがうと、ゆっくりと突き挿していった。
「ああ、あああっ──」
影女が激しく悶え始める。
かなりの気をやっているが、女陰を貫かれるのはこれが最初だ。
影女が狂乱の様子を示しだした。
「おう、これは……」
雷音は吸いつくように雷音の怒張に絡みついてくる影女の膣に驚いて声をあげた。
しかも、かなりの力で吸い込んでくる。
まるで男を食らいついて離さない生き物にでも捕らわれたかのようだ。
雷音も数々の女と性交としたが、こんな女性器は初めてだ。
「こんなのは、いかがですか……?」
孫女が後ろから雷音に抱きつくように身体を接し、筆を影女と雷音の接合部に這わせだした。
「おう、余もくすぐったいぞ」
雷音は笑いながら影女の股間への抽送を繰り返す。
一方で雷音に犯されながら、股間を筆でくすぐられる影女は本当に切羽詰ったような暴れぶりを始めた。
そして、さらに強い力で雷音の一物を絞りあげてくる。
雷音も思わず快感の声をあげた。
「ああっ──もうだめえ──」
やがて、影女は断末魔のような声をあげて、ぶるぶると下肢を震わせた。
雷音はそれに合わせるように影女の股間に精を放った。
大きな快感が雷音を襲う。
「大王様、孫女にもお情けを……」
後ろから手を伸ばして、筆で影女を責めていた孫女が、雷音に口づけを迫ってきた。
影女を責め続けて、すっかりと情欲に酔ったようになっている可愛い孫女の口を大王は吸った。
そのとき、大量の液体が体内に注がれるのを感じた。
「んんっ?」
違和感を覚えて、雷音は孫女の口を離そうとしたが、孫女がすごい力で雷音の顔を抱き、しっかりと口を塞いでくる。
結局、口に入れられたもののほとんどを雷音は飲み下してしまった。
「あがっ──、な、なにを……」
咳き込みながら、なにを飲ませたのだと言おうとして、雷音が部屋がぐらりと傾くのを感じた。
いや、傾いたのは自分自身だ。
雷音は卓の上にひっくり返ってしまっていた。
道術を……。
なにかの弛緩剤を口移しで飲まされたのは明らかだ。
とにかく、雷音は道術で自分の身体を癒そうとした。
だが、愕然とした。
身体の霊気まで弛緩したようになり、道術を結べない。
霊気も身体も弛緩する液薬を孫女に飲まされたのだ……。
しかし、なぜ……?
当惑が全身を走る。
そのとき、いつの間にか影女が拘束を解かれて、卓からおりようとしているのがわかった。
「やっと射精してくれたわね。精を出してくれるまで随分と時間がかったわ……。おかげで大変だったし……」
影女が全身汗まみれで苦笑しているのが見えた。
その影女に美小淋が仲よさそうに寄り添っている。
しかも、影女の裸体が
影女は御影?
雷音は驚愕した。
「女の姿でよがっているあなたも素敵だったわ。わたしも苛めたくなっちゃった」
「男の御影でも、女の影女でも、いくらでも相手をするわ、美小淋。ただし、もう一仕事してからよ」
影女から変化した御影と美小淋が仲睦まじく話している。
雷音は唖然とした。
なにが起こったのだ……?
さっぱりわからなかった。
そのとき、孫女の腕がしっかりと雷音の顔を掴むのがわかった。
次の瞬間、首を不自然な方向に強引に捻じ曲げられ、首の骨が折れる大きな音が聞こえた。
そして、雷音の意識は完全な闇に包まれた。