※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

805 / 819
 第122話 裏切りの摩雲(まうん)城【御影(みかげ)Ⅱ】
805 死闘終わって~操り遊戯


「よし──。これで、沙那と孫空女の『服従の首輪』は、両方とも、わたしが『主人』と変更されたよ」

 

 沙那の首に装着されている『服従の首輪』に集中していた宝玄仙がほっとしたように脱力した。

 牛魔王を倒した盤桓(ばんかん)平原の戦場だ。

 

 沙那たちは、いまだに牛魔王を倒した場所に留まったままでいた。

 すでに牛魔王軍団は逃げ散っていなくなっていた。

 そして、彼らが放置していった幌付きの馬車を一台分捕り、それを天幕代わりにして、丸一日以上をここですごしているのだ。

 

 お蘭の影法師に導かれた宝玄仙がここにやって来て牛魔王とお蘭の影法師を倒したのは昨日の朝だったが、いまは翌日の朝をすぎ、そろそろ、陽が中天に差しかかろうとしていた。

 お蘭の姿をしていた御影の影法師によって、自軍からは離されてしまっていたので、ここにいるのは、沙那と宝玄仙と孫空女、そして、銀角と金角だけだ。

 

「大丈夫かい、ご主人様? まったく寝ていないよねえ」

 

 沙那の隣の孫空女が心配そうな声をあげた。

 

「たった一晩くらいどうということはないさ。まあ、少し眠いけどね」

 

 宝玄仙が苦笑した。

 ここに留まり続けていたのは沙那の判断だ。

 

 お蘭の影法師は倒したものの、御影(みかげ)はいくらでも影法師を再現できるらしい。

 御影が牛魔王の体内にあった宝玄仙の道術石とともに、宝玄仙自身をさらおうとしていたのは明白だ。

 すぐにまた罠を仕掛けてくる可能性がある。

 それなのに、沙那と孫空女が、“御影の命令に従え”という鳴智の命令を服従の首輪に刻まれたままでは、再び襲われたときに抵抗できない。

 それで、移動よりも首輪を外すことを優先することにしたのだ。

 

 宝玄仙がずっとやってもらっていたのは、首輪に刻まれている「主人」の刻み換えだ。

 宝玄仙としては、「主人」が刻まれている首輪を無理矢理に外すよりも、「主人」を宝玄仙自身に書き換えるという作業の方がしやすいらしい。

 それで一晩がかりで、それに取り組んでいたのだ。

 

 お宝は簡単には書き換えができないように工夫をしていたようだが、さすがに霊具作りの天才と称された宝玄仙だけに、それをやってのけてくれた。

 予定では、宝玄仙を「主人」に書き換えた後、すぐに外してくれる手筈になっている。

 

 一方で、無論、馬車については、宝玄仙の結界で包んでもらっていた。

 移動すると宝玄仙の結界は崩れてしまうが、停止している限り、宝玄仙の結界は絶対に安全だ。

 また、迎撃に出ていた三隊については、すでに摩雲城に帰還の状況だ。

 朱姫のいた精細鬼(さいせいき)隊については、昨日の朝の前には摩雲城に戻っていた。

 西方帝国からの援軍である人間族の隊の伊籍(いせき)隊については、現時点で摩雲城に一度入ったが、補給を受けてからさらに南の金角城まで戻るという連絡を受けている。

 どうやら、摩雲城の守備のために残っていた九霊聖女(くれいせいじょ)の指示のようだ。

 

 さらに、沙那たちが所属していた銀角隊は、沙那が強要された撤退命令により移動を開始していて、すでに摩雲城の手前だ。

 沙那と孫空女と銀角に化けていた六耳という変身妖魔はすでに退治され、檻に閉じ込めているということだった。

 

 足の速い騎兵に沙那たちを迎えに来させることも考えたが、御影はどの集団にも影法師を紛れ込ませることが可能だ。

 安全が確保できない状態で、味方を呼ぶのはむしろ危険と判断した。

 だから、そのまま摩雲城に向かって南進させることにした。

 

 その代わり、銀角がここから守備隊のいる場所まで一気に『移動術』で跳躍できる準備を手配した。

 こちらの態勢さえ整えば、この瞬間にも摩雲城の手前にいる銀角隊に合流できる。

 

「まったく、大したものさ。ひと晩でわたしの身体の復元に加えて、その服従の首輪とやらの主人変更までやってのけるのだしね」

 

 馬車の壁に背をもたれさせている金角が言った。

 牛魔王に捕らわれて首だけの状態で生きさせられていた金角だったが、宝玄仙が銀角に預けていた金角自身の道術石、すなわち、『魂の欠片』を使うことにより、とりあえず身体の復元が始まっていた。

 いまだに肉体の再生の途中であり、金角の身体は凹凸の少ない真っ白な肌の状態だ。だが、すでに四肢のかたちまでは再生されている。

 ただ、まだまったく動けないらしい。

 霊気にしても、ほんの少しも身体には溜まっていないようだ。

 

 宝玄仙によれば、まだ外観だけであり、内臓や骨などはこれから少しずつ戻っていくとのことだ。

 霊気も同じだ。

 金角の身体がある程度動けるようになるまでには夕方までかかり、霊気が遣えるほどに回復するのは、五日以上はかかるとのことだ。

 

 まあそれは、宝玄仙が『治療術』などの道術で金角の肉体復元を手助けしなければの話だ。

 宝玄仙や、あるいは肉体の治癒能力を持っている素蛾が協力すれば、二日間くらいで終わるのではないかと宝玄仙は言っている。

 

「お前については、ただ道術石を放り込んで放っているだけだ、金角……。どうということはないさ。それにしても、再現を始めた身体は随分と普通じゃないかい──? 確か、お前の身体って、巨漢の筋肉質の男の身体に、女の顔があるような感じじゃなかったかい?」

 

 宝玄仙が訊ねた。

 沙那もそれは思った。

 ずっと以前に、沙那たちを襲ったときの金角は、まるで男に乳房がついているような大きな身体だった。

 いま再生している身体の外観は、多少大柄なだけの随分と女性らしい身体つきだ。

 

「あ、あれは、奴隷時代に大勢の男たちから、よってかたって肉体改造をされていじられた挙句の身体さ。こっちが本来の身体なんだよ」

 

「そんなものかい?」

 

 宝玄仙が疲労した身体を休めるように、金角の反対側の壁に身体をもたれさせた。

 その動きで、宝玄仙の首にかかっている袋が揺れる。

 昨日まで金角の魂の欠片を包んでいた袋の容器だ。

 いまは牛魔王から取り出した宝玄仙の魂の欠片……、つまり、道術石が入っている。

 これについては、あれからすぐに九霊聖女から通信球が入り、南山大王域に留まっている南山大王が欲していると伝えてきた。

 宝玄仙は今回の助力に対するお礼として、それを提供してもいいと思っているようだ。

 それで、魂の欠片が劣化しないように、宝玄仙自身が作った保管容器に入れているのだ。

 

「いずれにしても、沙那と孫空女から首輪を外したら、とりあえず夕方まで休みな。それから戻るとしようか、宝玄仙。わたしもそれまでには、多少は動けるようになるだろうしね」

 

「休む? 冗談じゃないよ、金角。折角、首輪がうちのふたりに装着されて、しかも、わたしを『主人』と刻んでいる状態になったんだ。少し遊んでから外してやるよ──。さあ、沙那と孫空女、ふたりで口づけをし合いな。お互いに口で相手をいかせるくらいにねっとりとやるんだ、命令だ」

 

 宝玄仙が笑いながら言った。

 

「え、ええっ──? ご、ご主人様──」

 

「ちょ、ちょっと、やめてください──」

 

 沙那も孫空女もびっくりして抗議の声をあげたが、首輪の力は絶対だ。

 身体はすでに隣りに座っていた孫空女と膝立ちになって抱き合う姿勢になっていて、次には、孫空女の唇に沙那の唇を強く押し当てていた。

 

「んんっ、ご、ご主人様……、い、悪戯は……、んあっ……んんっ」

 

「ほ、本当だ……よ……んんん……んんん……」

 

 沙那と孫空女は口づけをしながら一生懸命に訴えるのだが、その抵抗そのものが宝玄仙は愉しいらしい。

 愉快そうな笑い声が聞こえるだけだ。

 しかも、相手をいかせるくらいに舌で責めろと命令を受けいているので、孫空女の舌が沙那の舌に絡みつき、吸いあげたり絡んだりを繰り返してくる。

 沙那の弱いところを知り尽くしている孫空女だ。

 口の中の快感のつぼを確実に舌で突いてくる。

 

 沙那はまるで媚薬でも飲まされたかのような甘美な痺れを全身に覚えてきた。

 それは孫空女も同じのようだ。

 孫空女の鼻からは喘ぐような鼻声が聞こえてきた。

 すると、沙那も触発された感じになり、ますます力が抜けていき、ほとんど無意識に孫空女の舌をむさぼっていた。

 

「相変わらず、緊張感のない、あんたらだねえ……」

 

 馬車の外から銀角の呆れたような大声が聞こえた。

 銀角はひとりだけ、馬車の外にいて、この結界に包んだ馬車に誰かが近づいてきたりしないか見張りをしていたのだ。

 まずありえないとは思うが、逃げていった牛魔王軍の残党が引き返してきて、宝玄仙たちを拉致しようとしないとも限らない。

 

 銀角の首にはすでに首輪はない。

 あの首輪には、「主人」が牛魔王として刻まれていたので、牛魔王が死ぬことで「主人」が空白になり、宝玄仙を「主人」と銀角が受け入れることで、宝玄仙が簡単に首輪を外せたのだ。

 

「じゃあ、今度は口だけじゃなくて、お互いに身体を責め合いな。最初は服の上からだ。ただし、服の下に手を入れるのはなしだよ……。そして、達してしまえば、達した者は一枚服を脱ぐ。それで、どちらかが素っ裸になるまで続けるんだ──。命令だ」

 

 宝玄仙の悪乗りの命令が飛んできた。

 沙那と孫空女は、舌を絡ませ合いながら悲鳴をあげた。

 しかし、「命令」に操られている孫空女の手が、沙那の下袴の下をまさぐってきた。

 沙那の手は孫空女のお尻の辺りを狙って強く擦り始めている。

 また、反対の手はお互いに乳房を揉み合うように動いた。

 沙那と孫空女は、そのまま馬車の床に倒れ込んでしまった。

 

「ご、ご主人様……だ、大事な……は……な……し……が……ああっ、あくっ……あふっ……」

 

 孫空女の舌が一瞬離れたので沙那は懸命に声をあげた。

 しかし、力の強い孫空女は沙那を強引に仰向けにしてしまう。

 そして、沙那の両脚のあいだに膝を入れ、股を閉じられなくしてから下袴越しに強く擦ってくる。

 

 沙那は身体をのけ反らせて甲高い声をあげた。

 話したいことがあるのだ。

 だが、この状態では話せない。

 しかも、達するたびに一枚の服を脱ぎ、どちらかが全裸になるまで責め合うということになると、どちらかが五回は昇天するまで続くということになる。

 冗談じゃない。

 そんなことをしていれば動けなくなる。

 

「ご、ご主人……さ……ま……う、うう……」

 

 沙那は喘ぎ声とともに、これをやめさせてくれと訴えようとした。

 こうしているあいだにも、摩雲城で異変が起きているかもしれない。

 沙那は、首輪の処置が終わってから、自分の考えを宝玄仙たちに聞いてもらおうと考えていた。

 

 なぜ、かつて、本物のお蘭が作ろうとした宝玄仙の道術石が三個に分裂したのか……。

 つまり、魔王の力を増長させた宝玄仙の魂の欠片の正体……。

 それに、摩雲城に異変が起きているかもしれないと沙那が予想している理由……。

 牛魔王が殺された雷音大王への対応……。

 予想できる御影の動き……。

 

 これらについての沙那の推理や考えを聞いてもらいたかったのだ。

 孫空女の唇が再び、沙那の唇を覆った。

 そして、孫空女の指が下袴の上から沙那の肉芽を探し当て、そこを強く揉んでくる。

 

「んんんっ」

 

 沙那は衝撃を受けて鋭く呻いた。

 だが、その呻き声を孫空女の口が包んでしまう。

 

「これは試合だからね。さしずめ、百合試合だ。手を抜くんじゃないよ、ふたりとも──。相手をどうやって昇天させるかだけを一心に考えるんだ。命令だよ」

 

 宝玄仙の言葉に反応したように、孫空女の手が沙那の両手首を掴んで、頭の上に伸ばさせるようにした。

 そうやって、沙那を身動きできない状態にしてから、また股間責めをしてくる。

 そして、孫空女の舌は、沙那の口から耳に向かって移動した。

 

「んあああっ」

 

 沙那は悲鳴をあげた。

 孫空女に身動きできない状態にされて責められると、なぜかそれだけで快感が倍増した。全身が熱くなる。

 沙那の身体が完全に制御を失った。

 

「んふううっ」

 

 沙那は声をあげた。

 身体の芯まで疼くような甘美感が急速に込みあがる。

 沙那は耐えきれずに、顔を左右に振りながら絶頂に達してしまった。

 

「まずは、沙那だね。予想通りか……。これは服を脱ぐごとに不利になるからね。沙那の連続負けかねえ……。まあ、とりあえず、下袴を脱ぎな、沙那。命令さ」

 

 宝玄仙は手を叩いて笑いながら言った。

 肩で息をする孫空女が身体からどいた。

 

「はあ、はあ、はあ……。ご、ごめんよ、沙那……」

 

 孫空女が申し訳なさそうな声で言った。

 

「はあ、はあ、はあ……い、いいのよ……」

 

 沙那の手は勝手にはいていた下袴をおろしている。

 下半身が下着だけになると、沙那の股間の下着は、まるで小尿でもしたようにびっしょりと愛液で濡れているのがわかった。

 

「さあ、二回戦だ──。じゃあ、沙那、少し“ハンデ”をやるよ。今度は、孫空女は左手首を背中で右手で掴むんだ──。さあ、始め──。命令だ。手を抜くんじゃない。全力で相手をいかせるんだ」

 

 宝玄仙が声をかけた。

 沙那は達した身体を休ませることもできずに、再び孫空女と抱き合わされる。

 しかし、さすがに両手を封じられた孫空女を押し倒すことはできた。

 それに、全力を尽くせという命令だ。

 

 仕方がない……。

 

 沙那は押し倒した孫空女の胸の付近に指を強く押し当てた。

 孫空女の身体の快感を増幅させる経絡突きだ。

 

「そ、それは、卑怯──」

 

 孫空女が叫んだ。

 だが、そのときには、沙那は孫空女の身体を異常な欲情状態にすることに成功していた。

 こうなれば、簡単だ。

 孫空女は沙那のなんでもない手管に激しく悶え始める。

 沙那が孫空女を昇天させるのに、幾らもかからなかった。

 

「じゃあ、孫空女は下袴を脱ぎな。三回戦だ。始めな。命令だ。だけど、今度は、沙那が後ろで手を組むんだ。確かに、経絡付きは卑怯かもね。それに、あっという間に勝負がついて面白くないから、次からは禁止だよ」

 

 すぐに、下半身が下着だけになった孫空女の脚が絡みついてきた。

 これは、とことん遊びつくすまで、宝玄仙は許してくれそうになさそうだ。

 沙那はもうすっかりと諦めの境地になった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。