第一章十一節「淫魔」
首の黒いチョーカーから吊るされた薄紫色のベビードールは少女の蒼い肌を透かせて見せていた。
少女の前面、胸から臍まで、身体の中央にしか布地は無い。
紐で太ももへと結ばれている衣装は横から触れれば、たぶんペロンと簡単に捲れてしまうだろう。
平らな胸もぽってりと厚くなった胎の中央も全て透けて男を誘っている。
同じ色のショーツは少女の秘裂も密やかに魅せて、男ならぬ身だろうと欲情させるに足る光景を演出していた。
ピッタリと張り付いた生地の下に透ける本来なら愛らしいと言えるだろう姿態も秘部も魔術具の薄暗い照明下では欲望の対象に為り得る。
少年が伴とする二人の少女よりも幼い魔族の血を引く少女。
エフィリム・エーネ。
舌足らずの拙い発音で男を誘惑する言葉が陳腐に聞こえないのは声に篭る清らかさと魔族特有の早熟さ故か。
あるいは少女の声にある恥ずかしげな色や卑猥な言葉の効果か。
どちらにしろ。
ティアにとっては色々とまずい状況だった。
返品出来ない。
少女の面倒を見る。
身請けの権利の条件はエフィリムの処女(はじめて)を奪う事。
もう少年にとっては降って沸いた話だ。
青天の霹靂だ。
あまり人間として出来た方ではないと己を自覚している少年は如何に心を通わせようと伴となった少女達と一線を越えて来なかった。
少女達を自分の人生に巻き込むのを恐れてきた。
少年とて男だ。
巻き込んだ者もいる。
情を交わした者もいる。
しかし、それでもまだ幼く未来ある少女達の明日に影を落としたくなくて、幸せになれる未来を断ち切るような行為は慎んできた。
いつか少女達が望む相手に捧げられるように。
いつか少女達が自分より大切な相手を見つけた時の為に。
だからこそ、少年は突如として発生した娼館からの要請に驚いた。
線の細さは本当に少し力を掛ければ折れてしまってもおかしくない。
まだ等身も低く腰のくびれも見えない姿態。
その慎ましやかな無毛の丘とすじは小指一本すら入るか怪しい。
少年の勃つ前のものですら入らないようにも見える。
それでも娼館の内実を知っている少年にすれば。
女の言葉は事実なのだろうと分かった。
そのショーツを脱がして。
少年の怒張を宛がって押し込めば。
きっと、少女のそこはきっと大きく広がって呑みこむのだ。
「てぃあにいさまぁ。あの……えふぃではその……たちませんか?」
自分の幼さを理解しているからか。
少し不安そうに聞いてくる左隣の少女へ少年が困った笑みで首を横に振った。
「いや、そういう事じゃないんだけど……」
「では、えふぃがごほうし、いたします」
「あ、ちょ、待って」
「?」
止められて、その止められた理由も分からず。
エフィリムが少年を見上げる。
「その……こういう事、エフィリムは始めて?」
「ぁ……はい。おとこのかたでは……てぃあにいさまがはじめて、です」
頬を染めて笑んだ少女。
その初々しさに少年は今も部屋を監視している視線を意識する。
(このままってわけにはいかない……かな……)
少女の処女を奪わなくても少年は少女を娼館から連れ出す事が出来る。
それが地域一帯に影響力を持つ賭場との火種となるとしても、少年はそんな事を厭いはしない。
だが、少年は現在七教会から逃走している身で二人の伴(とも)がいる。
少女達を出来るだけ危険から遠避けて旅をしてきた。
それがただの自己満足に過ぎなくとも、少年は少女達の事を守ってきた。
教会の動きが此処であると考えていた少年にしてみれば、この時点で騒ぎを起こすのはどうにか回避しておきたい事柄だ。
普通に優先順位を付ければ、エフィリムがどうなろうとさっさと犯して連れ出すのが最良。
けれど、それは少年の生き方ではなくて。
少年には出会って間もない幼子を不幸にする選択は容易な決断ではない。
魔王だとイフィミスラ達に名乗りながら、それでもただの少年として彼は少女達を慈しんできた。
だからこそ、その偽善と現実の脅威の狭間で苦悩する。
「てぃあにいさま……あの……」
「何?」
無意識に伴の少女達にするのと同じ調子でエフィリムの頭を撫でた少年は上目遣いに見つめてくる少女の顔にあるものが“心配”なのだと気付いた。
「てぃあにいさまはおやさしいのですね」
「僕が優しいなんて……」
そっと少年の胸に指を這わせて、エフィリムが笑みを零す。
「ほかのこのあなをつかっていたかたは……てぃあにいさまみたいになやんだり……しんぱいそうなかおはしてくださいませんでした。ですから、てぃあにいさまはとっても……その、おやさしいです」
如何に幼くとも娼婦。
そう教育されたエフィリムの言葉は実感が篭っていた。
「そ、その……えふぃのあなは……ぁぅ、ちゃんとてぃあにいさまをうけいれられますから……ですから、しんぱいせずにつかってくださいませ……」
さすがに自分のそこに関しては幾ら教育されていようと恥ずかしいのだろう。
それでも自分に心配しないで欲しいと伝えてくるエフィリムの声が少年に一つ決心をさせる。
「エフィリム」
「は、はい」
「僕は旅をしてる。だから、これから君を奪ったら……僕は君を地獄の底まで連れて行く。君が嫌だって言っても、君がどんなに泣いて叫んでも、僕の旅路の果てまで、必ずね」
酷い事を言われているのだとちゃんと少女は理解していた。
意味はあまり取れない。
それでもエフィリムは少年の顔にあるものを見逃さなかった。
娼婦として教育された少女の瞳が見るのは何処までも澄んだ決断の色と、大げさなくらい怖い言葉を吐きながら、それでも深く深く湛えられた慈しみの色。
故にエフィリムは少年の宣言をちゃんと覚えていようと思った。
きっと、自分の為にこそ少年がその言葉を伝えてくれるのだと感じて。
「だから、もしも辛かったら、悲しかったら、苦しかったら、寂しかったら、君が出会う全ての不幸、全ての絶望は僕のせいだ。憎んでいいし、幾ら罵ったって構わない。これが君をこれから奪う男から、君の人生を壊してしまうだろう僕からの、約束だ。君がもしもそうしたくなったら、いつでも僕は君の刃を全て受け入れよう」
難しくて。
でも、伝えたい事は伝わって。
初めて出会った自分にそんな事を言ってくれる人がいるのだと、これから大切にしてくれる人がいるのだと理解して、エフィリムは自分が今まで見てきた他の子よりも恵まれているのだと悟った。
「てぃあにいさま……」
きっと今まで生きてきた人生の中で一番鮮烈で心に響く言葉をくれた少年。
彼を、ただの自分の持ち主ではなく、娼婦達が寝物語に囁いてくれたような、本当に心の奥に住まわせる人にしようと、幼い少女はその時、そう決めた。
たった一人。
恋も愛も無い娼婦達が望んだ“愛しき君”にしようと。
「なんだか……ゆめみたい……」
「え?」
「てぃあにいさまみたいなかたのものになれるのが、です」
そっと少年の股間に細く小さな指が触れる。
「てぃあにいさま。えふぃのからだ、さわってくださいませ。えふぃはもう……てぃあさまのもの、ですから……」
喜びに輝く少女の笑み。
それは少年にとって救いかもしれず。
「それじゃ。始めようか。エフィリム……」
「はい……」
己の罪深さを自覚しながら、少年はそっとエフィリムの小さな身体を寝台に横たえた。
*
「ぁ…ん…ふ…てぃあにいさまのゆび……やさしいです」
少年の指が幼い姿態の上を這っていく。
頭を撫で、頬を撫で、首筋を撫で。
ゆっくりと為される愛撫とも言えない触れ合いはエフィリムの身体から緊張を取り去っていく。
くすぐったさに微笑みながら、少女の指が少年の手を捕まえて、優しく口の前に持っていく。
「エフィリム」
穏やかな少年の声が嬉しくて少女は指を口に含んだ
少年の少年の指先がエフィリムの唾液に少しずつ濡れていく。
「てぃあ、にいはまえふぃのした……どうれふか?」
「温かくて、こんなに優しくしてくれて……嬉しいよ」
「ぁ…ごあいさつ。うまくできて……よかったれふ」
「ご挨拶?」
「これからえふぃを……きもちよくしてくれるゆび……だから……」
少年の中指と人差し指を同時に舌の上で舐りながら、上目遣いに見上げて。
嬉しそうにエフィリムは少年の一部を愛撫する喜びを味わう。
そんな愛らしくも幼いエフィリムの優しさを少年は大事にしたいと思った。
ゆっくりと口から指を引き抜いて、口淫さながらの事をしてみせた少女の乳房の上、今はまだ平たい胸の上に触れていく。
「ひぅ。てぃあにぃさまぁ♡」
淫靡なベビードールの上から触られて、甘い声がエフィリムの口から漏れた。
まだ膨らんでもいない二つの突起。
未熟な乳房はそれでも少年が触れていくと頂点が小さく尖っていく。
「それじゅ、此処直接するよ。準備しないと、ね?」
「ふぁぃ♡ んぅ♡ んく♡」
自分の胸に少年が直接触れるのを期待していた少女は、クリクリと自分のそこが直に優しく捏ねられるのを感じて軽く股間を濡らした。
「てぃあにいさまぁぁ♡」
娼婦達の教育の通り。
甘い声でねだって。
それが教えられたからなのかエフィリムは分からなくなる。
娼婦達に身体を触れられ、全身の性感帯をくまなく開発されていても、初めて感じる少年の指に勝る悦楽を少女は知らない。
「きもちいいれす♡ てぃあにいさまぁ♡」
小さな乳首を指で捏ねた感触に少年の股間は熱を帯びていく。
両方の乳首を捏ね終わる頃にはエフィリムの口の端からは唾液が零れていた。
喘ぎながら少年の指を舐った舌が口内でチロチロと揺れる。
「それじゃ、ここもするよ」
ふくらみを帯びる胎の上を指が滑った。
その淫靡な曲線の下、もう下着の上にプックリと蜜を溢れさせているすじを少年が撫で上げる。
「ひぅぅぅぅん♡ んぁぁああ♡」
甘い啼く事を躾けられた声が少年を少し大胆にさせた。
透けた下着越しのすじをなぞりながら、まだ豆粒程もない突起が包皮の上から捏ねられる。
「てぃあにいさまぁぁぁ♡ てぃあにいさまぁぁぁぁ♡」
幼いすじでも触れれば、しっかりと濡れる。
その事実は娼婦達がエフィリムに施した教育の成果であると同時に少年が少女の心を開きつつある事も意味していた。
「えふぃのあかちゃんのあなぁぁ♡ せつなくてぇぇ……」
エフィリムが少年の指を受け入れ、為すがままにされる喜びに震える。
自分を征服されていく悦び。
それに溺れかけながらも、少女は娼婦達の言葉を脳裏に甦らせて、もうパンパンに張っている少年の股間を触り始めた。
「エフィリム」
「ご、ほうしぃ……させてください……」
「いいの?」
コクンと自分の秘部を男に触られる快楽に頬を上気させつつ少女は頷いた。
少年が少女の股間から手を引いて。
寝台の上で腰紐を溶こうとすると少女がその手を止める。
「ごほうしですから、えふぃが……」
解き易いよう膝立ちになる少年の股間に少女が身を起こして顔を寄せる。
シュルシュルと紐が小さな手で解かれ。
中にある幹が少女の目の前で露になった。
「ふ…ぁ…てぃあにいさまの、おおきぃです♡」
感嘆と陶酔に支配されながらの賞賛。
それは少年にしても少し恥ずかしく。
ピクリと幹が震えた。
「てぃあにいさま。えふぃのおくちのあなとしたで……きもちよくしますね」
赤子のような肌の手が二つ。
少年の幹をやわやわと握り始める。
そして、小さな唇が開かれ、舌が出されて。
んぁ、と少年の幹の先端が咥えられた。
「ん……」
少年がその甘美な衝撃に少し呻く。
「おくひ、はいりゃな…ん♡」
少年の大きなそれの先端全ては頬張れないエフィリムだったが、手で脈動する幹を優しく摩(さす)り扱いて、鈴口から裏筋を舌で舐めながら少年の化身を、味わった。
口淫、した。
「んちゅ♡ ぴちゅ♡ ちゅぐ♡ てぃぁにぃひゃまぁ♡」
愛らしく穏やかな、男への初めての奉仕。
少女はそれを辛いとか苦しいとは思わなかった。
それどころか。
とろとろと鈴口から流れ出す少年の心地良くなった証の蜜を甘く感じ。
口の中に次々に溢れ溜まっていくソレを嚥下して。
割れ目を少年に弄られた時以上に腰の奥を震わせた。
はやく大きくなって少年の先端を全部咥えられたら良いのにと。
喉の奥まで娼婦達みたいにズボズボ性器の代わりに使って欲しくなり、少女はショーツの完全に中身を透けさせる染みを広げていく。
淫猥な妄想が口淫を積極的にして。
「そんなにしたら。エフィリム……」
心地良さを堪える声。
それが自分の奉仕の結果だと知って、少女の股間から溢れる蜜の粘度が増した。
今、その部分を弄られれば、少女は呆気なく達して。
少年の前ではしたなく割れ目を自ら割り開き、まだ誰も通った事のない蜜穴へ男根をねだっただろう。
チュルチュルと蜜を啜り、舌で幹を擦る音が薄暗い部屋の中で響く。
淫らな音を奏でる幼い少女の頭を優しい手が撫ぜる。
自分の上向く幹を咥えて必死な少女の姿に少年は心を震わせて。
奥から蜜ではなく白濁が、子種が溢れていく。
それを察したエフィリムは喉を一度だけコクンと鳴らして準備した。
一滴も零さずに喉の奥へ受け止めようと。
口を一杯まで開いて、少年の先端を大きく咥え込む。
「いく、よ……」
そして、少年の精が勢いよく噴出した。
「ん゛ぐ!!!?」
大きくエフィリムの目が開き、その大量の子種を受けた衝撃に涙を零す。
しかし、少年の暴れる幹を離さず、喉の奥に白濁を受けながら嚥下していく姿には、娼婦として、いや、女としての慈愛が滲み出ていた。
幼い喉の奥へ二度、三度と呼吸を許さず放精してしまった少年は性器が砕けるような快楽に腰を震わせつつも、少女を気遣い口から先端を引き抜いた。
ビュルルルルルルルルルルルルルルル。
そんな音がして。
喉を精に焼かれながらも全て呑み込もうとしていたエフィリムの全身がビチャビチャと精に塗れていく。
「てぃあにいさまぁ♡」
少し残念に思いながらも身体に受けた精の熱さで軽く達した少女は快楽に蕩け切った顔で「おいしかったです」と笑みを浮かべてみせる。
そして、自分の其処がもう十分に潤っている事を実感して、コロンと寝台に仰向けになり、股を大きく開いて下着の紐を外した。
ズチュル。
下着とすじの間に引いた蜜糸が冷めやらぬ内に少女は両手で自分のあまりにも幼い子作り穴を開いた。
「じゅんびできまひたぁ♡ てぃあにいさまぁ♡ ここへ♡ えふぃのあかちゃんつくるあなへ♡ ぉ、おまんこあなへ♡ てぃあにいさまのおちんちんくださいませぇ♡♡♡」
知識としてあった言葉。
けれども、自然とはしたない娼婦のおねだりを口にして。
エフィリムの理性というべきものが崩壊した。
ズグンズグンと恥穴自体が熱を持っていて、開いた内部に続く穴からコプコプ蜜が溢れ出す。
「エフィリム。ゆっくりするからね」
「はぃ。てぃあにいさまぁ♡♡♡」
精を大量に吐き出しても堅さを失わない太い幹の先端がエフィリムの蜜穴の表面に密着した瞬間。
「くぅぅぅぅぅぅん!!!?」
少女は絶頂していた。
まだ、触れただけなのにガクガクと全身を震わせて、先端をズリュズリュと擦り合わせてしまう。
「ひぁぁぁぁぁぁ?!!!」
再びの絶頂。
「エフィリム。大丈夫?」
「ひ、ぁ゛、くぅん!!? てぃあにいひゃまぁぁ♡ えふぃいっれぇぇぇ♡ ぐちゅぐちゅしてほしぃれひゅぅぅぅぅ♡♡♡♡」
もう貪る事しか考えられなくなった少女の頬に口付けて。
少年が腰を沈める。
「エフィ」
「ん、ぁあ゛…く゛…ん、んぁ゛ああああああああッッッ!!!?」
ズヂュンと男根の先端がエフィリムの蜜穴に潜り込んだ。
絶頂。
愛称を呼ばれて、初めてを奪われたおかげか。
痛みをすぐさま通り越し。
少年の幹に自分という存在が割り広げられていく感覚。
その甘美にエフィリムが享受する。
(てぃあにいひゃまぁぁぁ♡ てぃあにいひゃまぁぁぁ♡♡ えふぃのなまえぇ♡ よんでくれてぇ♡)
如何に濡れているとはいえ、それでも幼い穴には違いないはずだったが、少年の幹はズブズブとそのまま埋まっていく。
内部の大きな抵抗も少年の征服感を満たすものでしかなく。
プチュンと呆気なく処女幕は破れ。
破瓜の血が一筋エフィリムの尻へと伝った。
「エフィの初めて貰ったよ。とっても気持ち良くて……癖になりそうなくらい……いい……うん」
その言葉だけで自分の中の大切なものが破られたという喪失感を埋めて余りある喜びが、エフィリムの中で湧き上がる。
幾ら幼くとも女。
初めてを貰って欲しいと思った男に自分の身体を貫かれて、褒められて、嬉しくないわけがない。
内部から一瞬潮を吹いたエフィリムは破瓜の痛みを感じている暇もなく、自分の中に感じる少年の形を覚える事に一生懸命となっていく。
痛みは既に薄れ始めていた。
(これがてぃあにいさまの…ふぁ♡)
少年の太くて長い形。
自分を気持ちよくしてくれる形。
自分のそれを三分の一程埋めたところで一番奥に辿り着いた少年は触れ合っただけで軽く達した少女の腰を両手で持った。
繋がった子宮口と鈴口が濃密に接吻をする。
男女のように睦まじく互いを貪り合う。
「てぃあにいひゃまぁぁ♡ えふぃのおくでぇぇ♡♡ ちゅながっへぇぇぇ♡♡♡」
ビクッビクッと繋がったまま震える幹の熱さと心地良さに顔を蕩けさせて、エフィリムは自分の奥から声を聞いた。
一杯欲しい。
一杯出して欲しい。
目の前の人に。
このとても強い彼に。
「エフィリム。此処……お胎(なか)、可愛いよ」
「んぁぁぁ♡ だめぇぇ♡♡ さわったらぁぁぁ♡ ひぃぃぃん!!?」
少年が孕んだ少女のふっくらとした胎を上から触りながら。
幹をゆっくり引き抜いた。
慈しまれる感覚。
エフィリムが今まで知らなかったものが意識を更なる高みへ押し上げる。
その胎が膨れているのを認めて、少女を殺そうとした母は少女のそこを悪意を持って睨んでいた。
娼館に売られてからも男達の欲望の視線に晒された事はあったが、実際誰も決して優しく触ろうとはしなかった。
その場所を、少年は慈しみ撫ぜる。
引き抜いた幹の形を覚えながら、離したくないと直接ねだっていた膣(なか)は再び押し入ってくる男を温かく迎えて、甘く絞る。
ずっとずっと、傍にいて。
そう言うかのように。
「てぃぁにいひゃまぁぁ♡ ぬいちゃやぁぁ♡♡」
今まで淫悦に乱れていたエフィリムの顔には切なさと涙と感謝が浮かんでいた。
沢山沢山少年を自分の中で愛したい。
肯定してあげたい。
優しくしてあげたい。
そんな想いばかりが溢れて。
「エフィ。もう……出す、から。エフィの此処。僕の子種で可愛がるよ……」
言葉だけで少女の膣(なか)は何度も何度も歓喜に震え、幹を絞り、束縛し、吸い付いた。
「――――――!!」
一度目とは比べ物にならない射精感に少年はピッタリと少女の子宮口へ先端を撃ち込んで。
「あ゛、あ゛、んお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛♡♡♡」
エフィリム・エーネは幹の奥から込み上げて爆発した大量の子種を一身に子宮へと受け止めて、確かに自分の内側から自分と同じ悦びの声を聞いた。
恋というものを知らずにいた幼き乙女は一人の牝として魔王に征服され。
この世で一番大事な事を知る。
「く、う……エフィ。こんなに沢山吸い付いてきて……また……」
二度目の吐精が長く続くかと思われた時、エフィリムの膣(なか)の具合に我慢出来ず。
少年は三度目の精を暴発させた。
一度目と二度目の精が混合した結果、幹が一瞬大きく膨れあがる。
「ん…ぁ゛ッッ?!! んやぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ああああ゛ああ゛ああ゛あああ!!?」
ボビュルルルルルルルルルルルルルルルルルル。
どう見ても少女の小さな穴に入らない量の精が少女の胎から、二人の繋がった場所から噴出し、少女の全身を完全に白く染め上げた。
(……し……ぁ…わ…せぇ……おま…んこぉ…きもひ…いぃよぉ……)
もう身体の感覚も無くして。
熱いものに全身を包まれながら。
意識もなく。
自分の為に出された、自分が出させた少年の愛おしい子種を、自分の中から噴出して降り注ぐソレを、エフィリムは舌で受け止めて、味わう。
「てぃぁ……にぃひゃまぁ♡」
そんな魔族の血を引く幼き娼婦の姿に少年は幹を緩ませる事なく。
完全に女を自分のものにする雄の腰使いで、精の最後の一滴まで少女の奥へと放ち切る。
ここまでしてしまった理由を薄々気付きながら、少年は優しく少女の胎と髪を撫で、しばし全てを忘れて、エフィリムの中でゆったりと休息した。
*
「ご苦労様でした。本来この子がするべき後始末までさせてしまって申し訳ありません」
寝台の上。
精に塗れた全身を浴室で洗われたエフィリムがまだ精の付いていない二つ目の寝台で眠っていた。
それを横目に身体を清め終わった少年は既に外套を着込んでいる。
「いえ」
「そうですか。貴方が今日此処に来た事はこの子にとって福音なのだと信じます」
ケバイ化粧の女が娼婦というよりは母のような面持ちで眠りこけている少女を見つめて。
「この子の母親は随分と信心深い者だったと聞きます。ですから、娘がこういう姿でも育てていた……けれども、この子が育ち、胎が膨れているのだと気付いて、態度は豹変したそうです。此処へ引き取られた時には石をぶつけられた傷が多く残っていました……」
少年は女が突然話し始めた意図を正確に理解した。
「強(したた)か、ですね」
「お医者様はこの子の胎にはもう一人一緒に生まれてくるはずだった子がいると言っていました。姿は魔族でもこの子に力らしい力がないのはそのせいだとも……」
「心配しなくとも。僕はもうエフィリムを連れて行くと決めた。だから、同情も憐憫もこの子の過去も関係ない。僕はただ、この子が気に入ったから、僕の伴とするだけです」
女が微笑む。
「教会がやってくると風の噂に聞きました。どうかお願いします。早目にこの子を連れていってください。教会の下で生きていくにはこの子の姿は……」
全身を覆う黒い礼服と革製の外套が少年の前に差し出された。
少女の身体をすっぽり覆い隠すだろう衣装はかなり手が加えられていて既製品には見えない。
「どうしてここまで? それに今日来たばかりの人間を信じる理由なんて貴女にはないはずです」
少年の問いにただの女の笑みが向けられる。
「ちゃんと見させて頂きました。この子の笑みも女の顔も……胎を撫ぜるところも……それだけで十分ですよ。お客様……」
それだけ言って、女が頭を下げた。
「どうか、よろしくお願いします」
女が部屋から出た後。
エフィリムを起こして少年は服と外套を着させ、娼館を後にした。
少年が去った後。
娼館の仲間内と話すケバイ化粧の女はラウンジで他の同僚達に囲まれ、質問攻めにあう。
「ねぇ」
―――どうして足りない分まで自分の借金にして、此処から出してやったの?
そう娼婦の一人が訊き。
それに女はひっそりと笑ってこう呟いた。
可愛い子には旅をさせろって言うじゃない、と。
*
――――――ファサルトス皇国連合東端ディシグニア皇国領山岳領域上空より。
「全艦。微速前進」
『全艦。微速前進。よーそろー』
ゴウン。
そんな駆動系のギアが一段階上がった音が艦を揺らした。
ディグニア西部に存在する水源地帯。
巨大な山岳の上空。
七教会が誇る航空戦力。
機動空母は凡そ一般人には秘匿されている航空技術の粋である。
動力源は聖女の一人が作った大気中の地脈から立ち昇る魔力を得て駆動する【大源高炉(グラン・フォルナシス)】であり、光源に使えば中規模の街一つを昼夜問わず数十年以上照らし続けられる代物だ。
【魔導技術(ハイ・クラフト)】と【電子噐械学(エレクトロニクス)】は聖女が生み出した大陸の歴史でも類を見ない高度な魔術系統であり、技術体系と言われている。
その中にある航空技術の独占で七教会は大陸の物流をも支配し始めている。
だからこそ、彼らの“臨検”でディシグニアの無法地帯に流れ込む全ての品は完全に抑えられていた。
「目標。ディシグニア国境地帯」
『目標。ディシグニア国境地帯。各艦相対速度合わせ良し。目標地点到達まで約8時間』
輸送艦の一部が列を離れて解放された奴隷や女子供を載せ、大陸中央へと向かっていく。
それを横目に艦長席へ座るハティア・ウェスティアリアはこれから行う作戦を前にして果て無き雲の果てを睨んでいた。
未だ夜中。
次の朝方に目標へ到達するだろう。
駆逐艦八隻、重爆撃艦四隻、輸送艦二隻、護衛艦三隻、旗艦である戦艦が一隻。
総勢十八隻の艦艇は小国を一昼夜で破滅させて余りある戦力だ。
既存の海に浮かぶ艦艇が鉄に置き換わって早数年。
未だ教会以外に持ち合わせない空飛ぶ鉄の船は大半が大海の船に似るが、旗艦だけは違った。
海洋最大の生物。
鯨に似ていた。
長大な艦尾から艦首までの長さは小さな街の端から端までもあるだろう。
その腹部にある艦橋は内側からは一面全てが透明になって外を見られるようになっていた。
硝子張りというわけではない。
魔術や法術による強化が施された結晶構造体から削り出された艦橋は光の屈折率を操作出来る。
外からは見えず。
中からは見える。
大陸の一般からすれば未だ未知の技術が惜しみなく旗艦には注がれていた。
これら技術は全て過去の魔王との大戦において得られた成果。
戦争の技術から成り立っている。
その意味では七教会の力を強めたのは間違いなく魔王自身だ。
「ハティア様。どうぞ、紅茶が入りました」
「本来なら、貴方が此処に座っているべきだと思います。ハイネシア」
老将ハイネシア・ダールは首をゆるゆると横に振って、音も無くカップを聖女の前に置いた。
「それにお茶なら私が入れて」
「ハティア様が泰然と構えていれば、兵の指揮も上がり、こちらは随分とやりやすくなります。それにこう言っては何ですが、聖女様にお茶を入れられたとあっては他の師団の長からやっかまれて、この老いた身が持ちますまい」
「ハイネシア。お爺ちゃんみたい……」
苦笑したハティアの横。
副官の席にハイネシアが腰掛けた。
「お爺ちゃんですからな。まぁ、そろそろ引退の身です。最後の一戦にマロウ殿がいないのは残念でなりませんが、そうも言っていられない状況……これを飲み終わったら各艦との連携の確認を取ります。先行して頂く事になりますが、やり方はご自由になさって構いません」
「いいんですか?」
「ええ、聖女の戦い方に口を挟めるような者はこの場にいませんので。本来なら我々は足手まといの身。艦が十八隻あったとて、あなた一人に一秒持たない戦力でしかない事くらいは理解しているつもりです」
小国を潰せる戦力が聖女の前には一秒持たないという事実をその艦にいる殆どの者は知らない。
知らないというよりは現実として実感の範疇にあまりない。
魔王との大戦が起きたのは数年前だったが、彼らは基本的に後方支援。
たった一人の人間を除いて、戦いは常人の目が及ぶ範囲に無かった。
聖女と一般の兵との間にある圧倒的な能力差。
人間にして高位の魔族をも凌ぐ実力。
奇跡。
その超常の力の実態が如何なるものか。
大戦が終わって後、莫大な戦力を保有するようになった教会内部ではあまり語られる事もない。
それは七教会の組織が末端に至るまで統制の取れた極めて優秀な戦力となったからである。
一般的に個人で七教会騎士の標準装備である【高格外套(ソーマ・パクシルム・ベルーター)】を倒せる者は人間種に限定する場合、大陸の全人口中0.000001%以下であり、皆無だ。
無論、正確な数値ではないが、それにしても一般人に後れを取る事は考えられていない。
それ程の能力差。
治安維持や保安活動を行うだけならば、それだけの戦力があれば十分にやっていける。
人間同士での争いが絶えなかった大陸が半ば強大な宗教組織によって統べられ、数十年という時間を置けば、七聖女の戦闘力なんてものは政治家としての側面の影に埋没してもおかしくない。
強力な戦力を抱える教会は聖女を頂点に頂いてはいるものの、同胞である人間に【奇跡(それ)】を向ける事例が減った事により、聖女の力に無自覚となっていた。
「……頼りにしています。ハイネシア」
しばらくの沈黙を挟んでハティアがそう言った。
「ありがたき御言葉です」
丁度、紅茶を飲み終わった老将が頭を下げて、艦橋を出ていく。
それを横目にしつつ、聖女は遥か先の地で今も笑みを浮かべているだろう少年の事を思い浮かべた。
「シンア……」
傍から消えていく友人や知人や嘗ての仲間達。
その死の列に加わらない選択をしたのは他ならない彼女自身で、だから、聖女はまた一人離れていく者を思い、改めて誓った。
「あなたを……必ず……」
呟きは艦橋の誰にも聞こえる事は無く。
聖女と魔王の邂逅は七時間五十七分四十五秒後。
第一次魔王討伐戦と後に呼称される一戦が始まろうとしていた。
そうして人々は世に未だ魔王が存在するのだと知る事となる。
無論、聖女という存在がお飾りではないのだとも……。