※この作品はR-18です。

聖娼館ハルトゥム   作:Anacletus

145 / 318
第三章五十五節

第三章五十五節「閑話休題者達Ⅳ」

 

 嘗て。

 

 大陸南西部の海辺にガウスという国があった。

 

 軍事、政治、経済、どれも中流より下と侮られる国だったが、その数カ国に通じる恵まれた地理と複数の大国との貿易関係から派遣駐留された各国の部隊によって、彼(か)の大地は栄えていた。

 

 民は貧しさというものを知りながら、それでも笑みに溢れ。

 

 幾多の商人や旅人達が集い生まれた経緯から人種というべきものは無く。

 

 大陸各地から流入する多種多様な存在を受け入れて。

 

 その当時は稀に見る猥雑、あらゆる姿形の者達が跋扈していたのである。

 

 肌色。

 

 文化対立。

 

 宗教相違。

 

 人であるかどうかすら、国の民にとって問題では無かった。

 

 彼らの理想郷たる国に弓するなら、それがどんな巨大な宗教だろうと彼らは抗ったし、文化は改善させるか排斥された。

 

 人間以外や亜人が多数混じっているのに肌の色を気にする輩も無い。

 

 あらゆる対立は行為によってのみ図られ、総意から外れ要らないと思われたモノは国から消え失せる。

 

 明快なまでに示された秩序はそれ故に多くの敵を作ったが、同時に味方もまた多く作った。

 

 滅びた国の要人だろうと人類に仇為す生物だろうと、彼らを尊重するなら受け入れられる。

 

 故に誰が言ったか。

 

 其処は小さな大陸の縮図であると説かれた。

 

 隣りにいる相手が異種や亜人なんて珍しくも無い。

 

 だが、対立もあれば、争いもする。

 

 しかし、其々が独立して尊重される為に大きな意味では同じガウスの民として肩を並べるのだ。

 

 百数十年前。

 

 亡んだも同然の国から流れ着いた彼女達の一族もまた他の誰とも同じ流浪の身であった。

 

 真白き体毛に特異な魔術大系を有する魔力形質。

 

 大陸中央南東部に程近い偉人の国からやってきた彼らはすぐさまに頭角を顕し。

 

 国でも重要な地位を占める存在となっていった。

 

 魔王に滅ぼされるまでの数十年間。

 

 大いに権勢も誇ったと言われている。

 

 そんな新天地たるガウスを再び亡くしても元々の故郷は騒乱の只中。

 

 再び流浪となった一族は同じような魔術の秘奥と血統を保つ一族との交流を持ちつつ、大陸を周遊。

 

 多くは様々な場所で分派して血筋を薄め、その力を薄れさせて現地へ同化していった。

 

 しかし、一族間での婚姻すら難しくなる人数となっても彼らは力を保持し続けた。

 

 その最たる理由は彼らの寿命と血統の特徴にある。

 

 彼らの多くは老いを知らず。

 

 また、歳を取る事も遅い。

 

 同時に死ぬ時は若い姿のまま朽ち。

 

 可能なら、その身を小さな次代の糧とするべく。

 

 自らの魔術大系の秘奥を持って、知識と力を一族の幼子へ受け渡す。

 

 そんな彼らの生き様はもはや数人のみに受け継がれるだけの話となった。

 

 ラグナロク。

 

 藩落と今は呼ばれる国の創始者ニェハエルに仕えた特異な血統。

 

 その力は自らと混血した血筋のものに対して絶大な力を与えるものとされる。

 

 過去、人々が今も信奉する神々が跋扈した時代。

 

 神と神の争いに終焉を齎した事から名付けられたと言い伝わる一族は今も健在。

 

【稀呪(ヴィクス・マギア)】

 

 術師達の畏怖と憧れの的。

 

 大陸に十家も現存しない神代の大魔術血統として続いている。

 

 超常の術が神々や超越者、異種達によって秘匿され、その契約者や信仰者の一部にしか使用が許可されていなかった時代から確固たる力を持っていた存在。

 

 彼らの血筋からは例外なく三世代に一人大魔術師、もしくはそれ以上の階梯に至る存在が輩出される。

 

 皮肉な事にその一人が七教会を統べ、魔術の合理化と一般化を説き、自らの創始した【魔導技術(ハイ・クラフト)】で魔術師を絶滅せんとしているハティア・ウェスティアリアであり、今は二児の母である彼女フェシリア・ヴァール・ラグナロクなのだ。

 

 魔王の欠片に啖呵を切ってきたその夜。

 

 その娘達は洋光(ランプ)が照らす宿屋の一室で彼女から溜息を吐かれていた。

 

 勿論、勝手に小旅行と洒落込んで来た事がバレたからである。

 

「マゥヲ?」

 

 テシッと少女達の膝の上で前足を手に乗せ、黒猫が遊ぶ。

 

 ウロウロしたかと思えば、我が物顔で宿屋のフカフカな枕に座り込んだり、ゴロゴロと掛け布の上を転がったり。

 

 傍若無人に愛らしい。

 

 我関せず、みたいな流儀なのか。

 

 男達とフェシリアが双子達と話している最中もまったく臆した様子も無かった。

 

 その全開で黒猫を表現する演技力は舞台女優顔負けだ。

 

 少年に看破された事はまったくもって人外少女クヲンにとって例外だった事がよく解る。

 

 実は……演技力は高くても集中力が無いのは秘密だ。

 

 一度ヘマをするとボロが出やすい性質なのだ。

 

 基本的に姉たるマヲンの下位互換か相互互換に近い能力とはいえ、中身は良いところの箱入り娘である事に変わりない。

 

 好奇心旺盛なのは彼女も変わらないが、姉は活発的で社交的で何より身体が丈夫だ。

 

 化身(アバター)を使って世界を闊歩するクヲンの肉体は脆い。

 

 毎日フラスコ暮らしの培養液に浸かりっぱなしという状態なので、黴が生えそうだと三日に一回は日光浴が欠かせないし、姉がいない間は家の決裁を全部やらされるし、ストレスは溜まる一方。

 

 クラウゼン公爵家は今アーズトリテの復興中であり、人手も足りない為、彼女一人の世話にも手が回らない有様なのである。

 

 まぁ、そんな状況だからこそ、勉学をすっぽかして意識を飛ばした仮初めの肉体で西部をウロウロしているわけだが、家中の者達は『お願いですから、真面目に勉強してください~~~(泣)』と彼女を諌めるばかり。

 

 少年やその周囲以外で久方振りに興味を持った相手。

 

 双子とその親達は彼女にしてみれば、自分と同じ血統に連なる興味深い観察対象であり、娯楽提供してくれそうな面白い素材であった。

 

「売るには丁度良さそうな珍しさだな。泣き声が面白い」

 

 草臥れた風体のフラウツがクヲンを見ながら何か珍しい種類なのだろうかと観察する。

 

「おいおい。それよりお嬢ちゃん達にちゃんと大人として言っておく事の方が先だろ」

 

 アルヴァートの声にフェシリアが頷いた。

 

「そうね。2人切りで出て人買い、奴隷商の類に捕まらなくて良かったわ。反省しなさいね」

 

「「はい……」」

 

 シュンとなった双子の罰の悪そうな顔に我ながら甘いと思いながらも、母として彼女が頭を撫でた。

 

「でも、面白いものを見つけてきたから、今日の事はもう怒らない。でも、次はせめてアルヴァートを連れて行きなさい。魔術を使えば、注目も集めなくて済むだろうしね」

 

「「いいの?」」

 

「ええ、暗くなる前に帰ってくるなら」

 

「「ありがとう。大好き。お母さん」」

 

 母に抱き付く子供の図。

 

 それをまるで父親のような面持ちで微笑ましく三人の男達が見守る。

 

「……」

 

 いつの間にか。

 

 逆に自分達が観察されているとも知らず。

 

 双子を女部屋で寝かし付けた彼らがクヲンのいる男部屋の方で作戦会議を始める。

 

 それを横目にしながら、欠伸を噛み殺しつつ、彼女はどうやらまた少年の周囲で何事かの事件が起きているのだと知った。

 

 来ていない間に面倒事となっている。

 

 そう勘付いて。

 

 彼らが見張り役を立てて眠りに付いた後。

 

 こっそり十八番(おはこ)の転移で跳べば、ゼオ家の門はすぐ前。

 

「マゥヲ~~」

 

 小さく鳴けば、鉄門が渋々といった感じで一人手に開いた。

 

 どうやらゼオ家の主から許可が出たらしい。

 

「……」

 

 勝手に入ったら焼かれるから、一声掛ければいい。

 

 という彼女の最もな思考は現状の諸々の問題を抱えるアルゥ・ゼオにとってはやれやれと肩を竦めるべきものなのだろうが、その存在が問題を解決するのに役立ちそうである事も否めない。

 

 そんなわけで足音も立てずに僅か開いた扉を潜って、クヲンは人の気配のする一室へと向かった。

 

 食堂の前まで来るとピクピクと小さな耳が音源を向いて、会話を拾う。

 

『イクスさんが何処に行ったのか。解らないんですか? 兄さん!』

 

『悪いが、完璧に撒かれた……何に憑依されているのか知らないが、かなり高位の術を使う存在だと見て間違いない』

 

『おいおい。お前よりも高位って事は大魔術師か……』

 

『それ以上だろう。奏美紗からの報告では自分をイクス・ゼオの欠片だと名乗っていたそうだ』

 

『あん? 欠片、だと?』

 

『ああ、その言葉からするに人格の一部かもしれない。不死者というやつにも幾つか大別した類別(カテゴリ)がある。人格の入れ替えで命やその他の傷諸々が回復する、といった者もいる。何かしらの肉体変化が人格へ影響を及ぼしている可能性も高い。とにかく霧の中でずっと戦ってきた以上、何が起こっていてもおかしくはないんだ。此処は冷静に行動するべきだ。対処を間違えば、人格の回復がどういう事になるか……』

 

『……イクスさん』

 

『それで対策は何かあるのか?』

 

『イクス・ゼオの人格が消失していると仮定して、憑依しているのが高位の術者であるとした場合、自己の人格を安定化させる術を使用している可能性が高い。ならば、そういった精神安定化系の術を破壊すれば、元の人格が浮上するという可能性もある』

 

『つまり?』

 

『今、脳裏で精神を短時間、極度に不安定化させる術を編んでる最中だ。これを頭部に打ち込めば、少なからず人格を揺さぶる事が出来る』

 

『どうやって打ち込む?』

 

『効果が強力な分、接触式にせざるを得ない。何かの魔術に術式中核を貼り付けて頭部を狙い撃つか。または』

 

『―――拳に貼り付けてド突くか、か?』

 

『分かってるじゃないか』

 

『お前の考えそうな事だろ』

 

『兄さん。ウルさんから連絡が来ました。捜索していた魔術中核が北部近辺で反応したそうです』

 

『なら、そこを再びの起点として再度の探索をするようにと。それから一度こちらへ引き上げて来るようにとも』

 

『ど、どうしてですか!?』

 

『一人で捜し当ててもあちらの能力からいって、一人じゃ何も出来ない。居場所が比較的絞り込めてきたら、夜明けを待ってから全員で探した方が効率的でもある。疲れた身体や精神で大魔術師クラスを相手にして目的を達成出来ると思う程、お前の兄さんは楽観主義者じゃない』

 

『……分かり、ました。すぐ伝えます』

 

『そうしてくれ。明日の朝までには専用の不安定化術式も組み上がる。前々から測定していた情報で効きそうな方式を全て専用に調整(チューニング)してる。勝負は明日だ』

 

『はい……』

 

 何やら自分が出て行っても構って貰えなさそうな雰囲気に黒猫はしばし考え込んでいたが、更に気配を探って再び歩き始めた。

 

 少年の部屋がある屋根裏へ続く階段の先。

 

 たった数mを転移で跳んで室内へ。

 

『……どうしよう。師匠があんな事するなんて』

 

 自分の部屋に戻る事もせず。

 

 さりとて、不安というよりは困ったような顔で。

 

 ネグリジェ姿の璃紗がポツリと寝台に座っていた。

 

「ぁ……黒猫、さん?」

 

「マヲー」

 

 軽く挨拶したクヲンがトコトコ歩いて少女の傍、寝台の上に座り込む。

 

「ごめんね。今日、イクスいないの……」

 

 沈んだ様子で呟く璃紗に近寄って、テシッと膝を前足が叩く。

 

 それは人間の仕草にするなら、元気出せよと肩に手を置くようなものかもしれない。

 

「あ、はは……ありがとう。心配してくれて」

 

「マゥヲ」

 

 小さく鳴きながらクヲンが枕の上まで歩いていくと丸まった。

 

「イクス。今日は帰ってこないかもしれないけど、此処にいる?」

 

「マーヲ」

 

 コクリと頷いた黒猫に璃紗が分かったと同意して。

 

 ネグリジェ姿のまま、寝台へ横となる。

 

「早く帰ってくるよね……イクス……師匠……」

 

 枕のフカフカした寝心地に心奪われながら、しばらくは付き合ってみようと黒猫は自分に出来る事をし始めた。

 

 それは久方振りの研鑽。

 

 自らの力の探究。

 

【真理極典(アレーテイア・イド)】の検索。

 

 究極の法則改編能力を駆使する為の疲れる作業。

 

 また使用人達に怒られるだろうなと思いつつ、それでも黒猫の姿に身を窶(やつ)したまま。

 

 クヲンのちょっとした苦労が始まった。

 

 いつも少年の頭にいるとお菓子をくれる少女。

 

 そんな優しい相手への恩返しは……凡そ人類には為しえない超高速の思考演算。

 

 限り無く【基幹異種(バルバロス)】に近い魔術血統生物が行なう主観時間で一千年近い情報の海への潜行として行われた。

 

「ん……」

 

 眠る小獅子の腕に抱かれながら、眠る子猫は夢を見た。

 

 幸せな温かさに包まれて本を読む。

 

 とても長く長く短い。

 

 そんな一夜の泡沫を………。

 

 *

 

―――???

 

 遥か遠方の暴風を見つめる者が数人。

 

 灰色の外套を纏って断崖に座り込んでいた。

 

 彼らの姿は等しく人型であったが、明らかに人間とは違う部位が混じっている。

 

 翼、角、爪、鱗。

 

 亜人。

 

 いや、それにしては妙に現実感の薄い彼らの肉体はこの世のものとも思えない。

 

「七聖女も失敗に終わったか……」

 

「しょうがないでしょう。七つの奇跡に対してすら切り札の消耗は少なかった」

 

「封印は叶わぬか」

 

「温い戦をしおってからに」

 

「いえ、それでもよくやってくれました。彼女達がいる限り、そうそうあちらも無茶は出来ない」

 

「もはや我々にどうこう出来る存在ではない。そういう事じゃろうな」

 

「規格外だ。我々と同等以上でありながら人間という形を維持する。そんなものは規格外だ」

 

「力の強弱で倒せる相手ならば最初から苦労しはすまい。奴にとって戦いは真摯に誠実に規律を重んじるべきもの。その一方で全ての障害を排除する。優しくな」

 

「無限では勝てん。有限でありながらも行き着く極致。その先にこそ奴は自らの限界を設定した。一線を越えない者が、一線に極限まで近づく事でしか奴に勝機は見出せん」

 

「まるで迷宮を彷徨う心地ですな」

 

「我々が滅んだとしても奴を倒せる可能性は常に生き残る。それでよい」

 

「人が何処まで出来るものか……」

 

「ただ一つ言える事は―――」

 

「どうしました?」

 

「お嬢ちゃん。出てきても良いぞ」

 

 外套達がざわめく。

 

 黄昏に溶けるようにソレが姿を現した。

 

 外套達が振り返る中。

 

 日を背にして佇む存在。

 

 揺らめくのは夜闇に近い紫紺の輝き。

 

「【最従者(ディアコノス)】端末本体か」

 

『貴方達にはこの世界から退去して頂く事になりました』

 

「それは主の意思か?」

 

『はい』

 

「ほう。魂は無いようじゃが、受け答えはしっかりしとるの」

 

『意思も心も魂すら持たないからこそ道具として創造主はこの身を使い潰せる。そういう事です』

 

「で、具体的にはどうするつもりなんじゃね?」

 

『これより貴方達には“外”に出て頂きます』

 

「やれやれ。この歳で外なる神々と閨を共にするのは辛いのう」

 

『周辺は概念位相結界と七教会の封印式を乗っ取って封鎖してあります。約百六十秒間ですが、貴方達は下部3000機にも劣ります』

 

「もう、我々では逃げられん、か……」

 

 周囲にはいつの間にか黄昏が満ちていた。

 

 その色だけが徐々に彼らの視界を塗り潰していく。

 

『システムエラー。2333機中破。取得した知覚情報に情報性遅行破壊術式らしき知性体を確認。ただちにシステムダウン、再起動』

 

 声が徐々に遠くなっていく。

 

 彼らはそのまま黄昏色へ飲み込まれながらも、最後の仕事をしたとばかりに溜息を吐いた。

 

「せいぜい長旅をしてこよう。お嬢ちゃん。主を無くさんようにのう。あの“天”は決してお前さんの主に劣りはし―――」

 

 最後まで声が響かなかった。

 

『現在、創造主の敗北確率は計算出来ません。ですが、如何なる敵が来ようとも蒼穹の騎士と、この高格外套【最従者(ディアコノス)】がある限り、全てを退けてみせましょう』

 

 天に巨大な門が現れるのを確認して。

 

 彼女はそっと呟く。

 

『我が創造主シンア・ザ・クリティカルアンラッカー。いえ、全てを救いし者―――』

 

 少年の真の名は呟かれ、風に乗って消えた。

 

 地の果てまでも埋め尽くす天使達を前にして。

 

 砂漠と化した大地に一人。

 

 少年は七つの剣に貫かれながら笑み。

 

 そして、本当の闘いを始めた。

 

 傍らに倒れ眠る少女達を守る為に。

 

 全てを仕組まれた世界にただ約束だけを背負って。

 

 *

 

―――ハガス南西部ミイヤ・マーケット端【徽章の稼ぎ手亭】。

 

 ハガスの中央北部にある市場は基本的に都市民の台所的な意味合いが強い一角だ。

 

 劇場に隣接する商業区は多くの店が比較的立派で。

 

 つまりは屋台ですらもそれなりに稼ぐ“大手”と言って差し支えない。

 

 だが、人間奴隷や労働階級を中心とする都市民達の間でも貧しい者達は自分達の居住区からも程近い場所にあるミイヤ・マーケットと呼ばれる通りを利用する事が多い。

 

 中央北部の市場からすれば品揃えは劣るし、品質もそう良くは無いが、とにかく安い。

 

 これが受けて今も賑わう都市民達にとっての二つ目の台所。

 

 それがその露天ばかりの市(いち)だった。

 

『今朝方入ったばかりの南部の果実十種即売だぁあああ。いらっしゃい!! いらっしゃい!! 朝から子供達が喜ぶよぉ~~~!!!』

 

『北部からの直輸入品!! 乾酪(チーズ)だ!! 此処らじゃ手に入らない特産品で味はちょっと確かめて見てくれ!! お客さ~~ん!!』

 

『東部から取り寄せた珍品をご紹介します!! 本日の目玉は東部ではよく使われている魚醤で、これは―――』

 

 朝から最高潮に達した軒先の喧騒も露知らず。

 

 今にも崩れそうな襤褸い店内でベタベタと壁に張られたお品書きに目を奪われつつ。

 

 イーギルフィストは手頃な料理を二十皿程頼んで店員の目を丸くさせていた。

 

 古惚けたテーブルの上にやってくる庶民の味を一皿二十秒そこらで胃の中へ納めながら、驚きに固まる周囲の客の視線を物ともせず。

 

 彼は店舗全ての品を食い尽くす勢いで追加注文を出していく。

 

 途中、明らかに食い逃げではないのかと懐疑的な視線を向けていた店員達もその食いっぷりと堂々とした佇まい……そして、貴族としか思えないような二枚目の横顔に見入るしかなくなっていた。

 

 やがて一時間もすると彼が店のお品書き最後の一皿を完食する光景に固唾を飲んで見守る野次馬が群がっていた。

 

 最後の一口と最後の一杯が飲み干されるとまるでお祭り騒ぎのように野次馬達が騒ぎ立て始める。

 

『兄ちゃん!! あんたすげーな!!?』

 

『すっげー!!? あんなにあった料理が全部なくなっちまってるよ!?』

 

『貴族がこんな場所で大食いとはっ!! 愉快な若造だ!!』

 

 人々の賞賛をそこそこに受けつつ、店員に最高価値の通貨一枚を支払った彼は残りは取っておけと言い渡して、イソイソその場を後にした。

 

 空中散歩と洒落込んだ翌朝の事だ。

 

 それなりに上品な場所で前日は食い散らかしたので、今日は大雑把な料理が喰いたくなった。

 

 というのが、彼の庶民派な店舗への入店理由である。

 

 腹拵えを済ませた後。

 

 今日は何をするかと通りをブラブラしながら歩いていたイーギルフィストは不意に人間奴隷を扱うお立ち台に出くわした。

 

『いらっしゃい!! いらっしゃい!! 今日は活きの良い人間奴隷が十人ばかり入ってるよ~~!! 女は七人!! 男は三人!! 全員が十代だ!! さぁ、見て寄って買ってくれ~~』

 

 口上を上げているのは獣人(ベスティア)の壮年男。

 

 そして、周囲に奴隷達以外の人間は一人もいなかった。

 

 人間奴隷がそう差別される事なく普通に暮らしている国とはいえ、それでも自分達の同種が売り買いされるところを見たいと思う輩はやはり少ないのかもしれず。

 

 興味を惹かれた青年は最前列に陣取ると横長の粗末な台に登壇してくる十人の奴隷達をしばし眺めた。

 

 男の方は最初から見ていない。

 

 連れて来られた女達はせいぜいが十代前半。

 

 器量はそこそこで悪くない。

 

 憔悴した顔色は隠せていないが、栄養管理はされているのだろう。

 

 肌艶はまぁまぁ。

 

 だが、何より彼が見入ったのは彼女達が健康かどうか。

 

 病気は無し。

 

 身体の資質にも異常無し。

 

 魂魄も常人の範囲内。

 

 更に妊娠や出産の経験も無し。

 

 そこまで揃えば、彼にも其処にいる全員が上等な奴隷である事は理解出来た。

 

 金貨が一枚弾かれて、司会をする獣人の額にビシリと張り付く。

 

「女七人を買い受ける。代金はそれで足りるか」

 

『な!?』

 

 思わず驚きに固まり、それから怒りが込み上げ、張り付いた硬貨を取って罵声を浴びせようとした司会役が、自分の手にあるものがどんな価値を持つのか悟って顔色を変えた。

 

「あ、き、貴族様でしょうか?」

 

 近寄ってきてヒソヒソと訊ねる獣人に鷹揚な態度で彼が頷く。

 

「た、足りますが、聊か金額が多いかと。これなら男三人もお付けしますが」

 

「要らない。だが、もし余ると言うなら、この女達に給仕服か何かでいい。衣装を買って着せろ。後、手枷を外して髪型も統一すれば申し分ない。十五分でやれ」

 

 何かと注文の多い貴族の客に反感を覚えそうになった獣人の男だったが、その冷たい瞳に覗き込まれた瞬間にゾッとするような何かを感じて、慌てて頷いた。

 

「し、進行役は他に任せますので!? す、すぐ!! すぐにご用意致します!!」

 

 他の売買に関わる者達とあれやこれやと話し合い、すぐさま衣服と理髪師を用意しに走り去っていく背中を見送って、台の横へ下ろされた女達を青年が見下ろした。

 

 角や翅は魔術で意識されないようにしている為、貴族の青年とは分かっても人間のように見えるイーギルフィストをまだ十代の少女達は怯えた様子で見つめていた。

 

「名前を言え。左端から順にだ。出身地と得意な事も。後、家事炊事が出来るかどうか」

 

 少女達が怯えながらも言われた通りに話を始める。

 

 それを最後まで聞き終えた頃。

 

 ようやく獣人の男は七人分の女給の制服と蜥蜴顔の理髪師を連れて戻ってきていた。

 

 すぐさま蜥蜴面が女達の伸ばしっ放しの髪をザッとハサミで切り揃えて、獣人の男が近くの路地裏で女達を着替えさせてくる。

 

 すると彼の前には何処から同て見てもただの女給が七人困惑した表情で並んだ。

 

「さぁ、突いて来い。話はそれからだ」

 

 獣人には目もくれず。

 

 イーギルフィストはさっそく揃えた女達を引き連れて朝の通りへと繰り出した。

 

 枷も無く。

 

 逃げようと思えば逃げられただろう女達の誰一人として傍から離れられなかったのは其処が異国の地で自分達だけで故郷になんて帰れない。

 

 いや、帰るどころか。

 

 生きていく事も出来ないだろうと半ば諦観していたからだ。

 

「さて、飯を食いたい奴はいるか?」

 

 まだ自分達を買った貴族がどんな亜人かも分からず。

 

 不用意な受け答えをしなかった女達だが、すぐ誰か一人の腹がグゥと鳴った。

 

 それに触発されたのか。

 

 他にもグゥグゥと腹の虫が騒ぎ出す。

 

「くくく、身体は正直だな」

 

 自分の腹を満たしたばかりの青年は少女達に懐から金貨を取り出して一枚ずつ握らせた。

 

「それで自分の食いたいものを買って来い。オレは此処で待ってる。五分で戻れ」

 

 それに目を見張った彼女達の前でパンパンと手が叩かれ、まるで弾かれたボールのように少女達は四方へ散らばっていく。

 

 その五分という時間が長いのか短いのか。

 

 彼女達はよく考えもしなかっただろう。

 

 それは一人一人に彼が与えた猶予期間。

 

 逃げ出したいなら、逃げ出せばいい。

 

 だが、逃げ出したなら後は関係ないし、関与もしないという暗黙の試験。

 

 嫌がる者を働かせる趣味なんて彼には無い。

 

 奴隷だろうが亜人だろうが自分の下へ戻ってくる程度には賢い者を採用したい。

 

 それがイーギルフィストの思惑であった。

 

 そうして五分後。

 

 まともに考えて、金貨一枚で一人どうにか逃げるなんて事が不可能だと理解したのだろう少女が七人。

 

 舞い戻ってくる。

 

 その手には一つずつ林檎、飴、揚げ鳥、小麦菓子、杏。

 

 何も持っていない者が二人。

 

 思い付かなかったらしい者と持ってきた者に分け合って食べろと言って、彼は再び歩き出した。

 

 その歩みの先には一つの館がある。

 

 南部赤線街の端。

 

 広大な敷地を有する施設。

 

 娼館【月兎亭】。

 

 施されている概念結界を楽に越えて。

 

 彼は門扉を開けて庭へと侵入した。

 

 それと同時に変化していた肉体が少年の姿へと戻る。

 

 衣装もまたアルヴァス・カレッジの制服となっていた。

 

 本来なら不審者が入ってくる事なんて無いはずの場所。

 

 そこにやってきた少年とは別の何かをさっそく見分けたのか。

 

 頭を下げる事もなく。

 

 娼館を取り仕切る首筋に鰓持つ女性(にょしょう)。

 

 ベルンが館の玄関にある噴水前で待っていた。

 

「出迎えご苦労」

 

 イーギルフィストの態度に彼女が瞳を細める。

 

「……“どちら様”でしょうか」

 

「本人。その欠片だ」

 

「欠片……?」

 

「ああ、少なくとも此処を使う権利くらいはあるはずだが、何せ本人の一部には違いないからな」

 

 しばし、彼女が沈黙する。

 

「此処へ来訪した目的を聞いても?」

 

「こいつらを預かって子守が出来るように教育して欲しい」

 

「この子達を……」

 

 ベルンが彼の背後を見て。

 

 一目で人間奴隷だと理解した。

 

「今日、市で買ってきた。病気、その他の疾患は無い。普通に老衰で死ねる程度には健康だ」

 

「此処がどういう場所かを知っていて、敢えて此処へ連れて来たと?」

 

「そうだ。これからこいつの周りにいる女達には必要だろうからな」

 

「貴方は一体……」

 

 目の前の存在が自分とは比べ物にならない程に巨大な力を有していると理解しながら、それでも彼の行動があまりにも不可解で、ベルンは少年の一部だと名乗る相手に何とも言えない視線を向ける。

 

「“お前”に拒否権は無い。この大陸において“ザヴォイド”を使う者は少なからず、オレの影響下だ。あの仮面モドキ共とは違って、純粋なソレは元々が“オレの力”だからな」

 

「―――貴方。いえ、貴方様は……!?」

 

「ほう? お前……自分から進んで混じったな? それを隠す為の仮面か。その強度、この地に国を興した者から贈られたものだろう」

 

 本当の意味で背筋に冷や汗を掻いた彼女が複雑な表情でイーギルフィストを見つめる。

 

「イクス様は名の有る方だとは思っていましたが、まさか……」

 

 すっと近付いた彼が手をベルンの額に触れさせた。

 

「代金は前払いだ。女連中の方は一年かそこらで問題になるだろう。初めての子育てなんぞ、一人で出来るものじゃないからな。その時になったら、この女達をあいつらへ仕えさせるように言い置く」

 

「……そのお話、確かにお受けしました」

 

 僅か、自分の頬を触って。

 

 彼女は彼から受け取った“代金”を確かめ、その手から硬貨を数枚受け取る。

 

「さて、行くか」

 

 後ろで立ち尽くす少女達にベルンへ従うように言い付け。

 

 イーギルフィストは元来た道を引き返していった。

 

「……」

 

 彼女達をこれからどうやって館で育てようかと悩みながら、ベルン……そう呼ばれる女は深く深く世の因縁というものに思いを馳せた。

 

「……あ、あの」

 

 七人の少女達が気後れした顔でおずおずとベルンに話し掛ける。

 

 不安を覗かせた七人の顔に笑い掛けながら、彼女は全身に廻る力を感じて、自らに課した役目を全うしようと内心覚悟を固めた。

 

「私はベルン。この娼館において寮長を兼務する者です」

 

 その日、月兎亭に七人の少女達が入る事となり、彼女達は全て一から鬼の寮長に鍛えられる運命を知る事となった。

 

 *

 

 諸々、資金を使い果たしたイーギルフィストはイソイソとハガスを離れ、飛行しながらアルヴァス北部の山岳地帯へと向かっていた。

 

 痩せた土地の多いアルヴァスだが、北部は比較的肥沃で針葉樹林を有する一角がある。

 

 山岳部はエルガ大渓谷と呼ばれる全長70km近くの深く真っ直ぐな谷を中央に抱き、アルヴァスの成立した経緯から地獄の谷、または魔の谷と呼ばれていた。

 

 立ち入る者は殆ど無く。

 

 地元の猟師や付近に居を置く軍も寄り付かない。

 

 其処まで往く道は獣道しかなく。

 

 半ば千年打ち捨てられた秘境。

 

 それが青年の降り立った場所であった。

 

 長大な亀裂がバックリと大地を隔てる様子は正に酷界にも繋がっていようという異様。

 

 そんなのは戯言であると魔王たる彼には見れば筒抜けだったが、何の目的も無くハガスを出たわけでも無い。

 

 翅を展開して暗い奈落へと降りていけば、アルヴァスの亜人達が千年で忘れ去ったのだろう本当の忌み地が姿を現し始める。

 

 深さ約1km。

 

 その谷の半分程を降りた時。

 

 翅の周囲に複数展開された魔術方陣が周囲を明るく照らし出した。

 

 もしも、その瞬間を心臓の悪い者や幼子が見たならショック死していたかもしれない。

 

 巨大な孔。

 巨大な白。

 巨大な歯。

 

 少し身体を引いて全体を見渡してようやく理解出来るだろう。

 

 それが恐ろしく大きな骨格の一部であるという事に。

 

 全長500m程の骸骨が直立不動で谷の両脇にズラリと並んでいたのだ。

 

 巨人達の陵墓。

 

 苔と樹木の根に侵蝕されてはいたが、確かに其処はアルヴァスの歴史が眠る場所だった。

 

 大地の底に降り立ち、迷い堕ちた獣の白骨が所々散乱する道を進んで数分。

 

 彼の方陣が谷の最奥に目的のモノを映し出す。

 

 淀む事無く流れる風。

 

 風化する事も無いだろう干乾びた体躯。

 

 巨大な台座に座って、瞳を閉じた木乃伊(ミイラ)。

 

 それこそイーギルフィストの目当てとした存在。

 

 巨人の一氏族を束ねる頭領だった。

 

(やはり、いたな。霊的守護として要地を押さえるのに使われたか……」

 

 嘗て、魔王達は自分の軍によくその“大いなる者”の末裔たる存在。

 

【巨魔(タイタニアス)】を使った。

 

 その巨体は大地を削り、その鼻息は突風となり、その唸りは勇気を砕き、その拳は山すら穿つ。

 

 人と魔が混血した時代から血統種(ブラッディー)の一角を占める兵(つわもの)の血統。

 

 彼らは酷界中の実力者が認める強力な尖兵であり、有象無象の魔族達を数万、数億単位で編制するよりも単騎連れて行く方が安上がりな戦力であった。

 

 他の弱小の魔族達からの請願で大陸への出兵に際して重用され続けた経緯も相まった結果。

 

 歴代の魔王軍の多くは彼らの部隊を必ず少数連れて行くのが伝統とされた。

 

 イーギルフィストもまた大きさや氏族の違いはあれど、その血統を軍に編制した過去を持つ。

 

 アルヴァスを創った魔王が、自分と同じように【巨魔】の氏族を使っていたなら、その痕跡が今も何処かにあると踏んだ彼の想像は正しく。

 

 魔王の敗北後。

 

 過去の亜人達に利用されたのだろう屍は今も忘れ去られていながら、アルヴァスの地脈の守護として運用、残り続けていた。

 

「保存状態も良い。さすが死して尚壁となり、その力を誇示すると言われた血統な事だけはある……」

 

 台座に座り込む氏族の長の亡骸には未だ巨大な力が宿っている。

 

「今一度、暴れる機会を与えてやる。軍の一つも無くては魔王も恰好が付かないからな」

 

 彼が片腕を上げた。

 

 すると、腕がパキパキと音を鳴らして罅割れ、白く変色し、その掌の中に白亜の石版を形作っていく。

 

「貴様等は単騎で十万の軍に勝った。ならば、合計一千万騎―――」

 

 版が歪んだ。

 

 ゆっくりと先端からビキビキと形を変えながら浮上し。

 

 一枚の面が完成していく。

 

 やがて、それが数十m近くまで薄く引き伸ばされて、垂直に屹立し、谷の左右へ自己を増殖させていった。

 

「目覚めろ。我が名はイーギルフィスト・アルストス……白滅の理と千貌を宿す者也!!!」

 

 ガギョンッッッ。

 

 一斉に仮面が巨大な骸骨達の顔へと嵌められていく。

 

「さぁ、再び自らの性(さが)を全うするがいい!! 歴戦の兵共(つわものども)よッッ!!!」

 

 ボ―――ォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛ヲ゛―――。

 

 少しずつ大気が鳴動し、谷を共振で揺らしていく。

 

 何処までも大きくなる地鳴りの如き怒声が天を地を大地震の如く揺さぶり。

 

 最後には世界の終わりを思わせる空震となった。

 

 アルヴァス全土。

 

 いや、西部の遠国にまで響く程の揺れが薄い大気層を渡った時、それを聞く誰もが何かが起きると確信し、多くの動物達が動く事も儘ならずにその場で縮こまる。

 

「此処に魔王軍の再結成を宣言する。遊べよ勇士。今回の敵は恐ろしき神の加護持つ復讐者。貴様等の百分の一にも為らん羽虫。されど、努々(ゆめゆめ)忘れるな。人間は……心躍る程に手強いぞ!!!」

 

 谷の崩落と共に彼らは消え失せ。

 

 二日目の夜は更けていく。

 

 翌日、小さな六人の復讐者達の下には魔王からの手紙が届く事となった。

 

 曰く。

 

―――卑小なる人間に心よりの持て成しを。

 

 夜会(パーティー)の場所はアルヴァス南部無人の荒野。

 

 激突は必至。

 

 そうして、戦いは始まる。

 

 迎え撃つは蘇りし精鋭百騎と一人。

 

 人類一千万人を軽く皆殺しにする単なる亡霊と魔王を前にして、彼らは知るだろう。

 

 中間管理職。

 

 一角の領主。

 

 単なる中位貴族。

 

 その笑ってしまうくらいに凡庸な言葉の常識が魔族と人間で如何なる差となるかを………。

 

 開戦は午後八時。

 

 百と数十年ぶりに始まる魔王との“戦”に復讐者達は突入した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。