第三章五十七節★
第三章五十七節「集う華」
―――ハガス東部ゼオ家客室。
「……」
宵闇の天井。
薄いカーテン越しの終わり掛けた陽射しが室内を花柄に飾っていた。
僅かに身を起こせば、周囲には寝台へ寄り掛かるようにして眠る少女達がいて。
「……」
どうしてか。
少年はとても泣きたくなった。
「ん……? イクス!?」
最初に目覚めたのは左側にいたウル。
思わずなのか。
少年は肩を掴まれた。
「イ、イクス!? 起きたのね!? 大丈夫!? 痛いところは無いの!?」
「ッ、イクスさん!!?」
右側にいたエストリアが目覚めると慌てて両手を握る。
「ッ、イクス!! 良かった!? 起きた……っ」
足元の璃紗が少年の起き上がった姿に笑みを咲かせる。
「起きたようですね。イクス・ゼオ……良かった……」
壁に背を預けて瞳を閉じていた美紗が何処か顔を歪めながら、その目の端に雫を滲ませた。
「~~ん? イクス、起きたの? ゴハン食べよう!」
床の上に掛け布を敷いて膝を抱えていたシルルゥが目覚めると、イソイソとポケットからお気に入りらしい紙包みの菓子を取り出して笑った。
「みんな……ちょっと、大げさじゃない?」
「何を馬鹿な事を言っているのですか!? わたくし達がどれ程心配したか!! 貴方の身体は乗っ取られていたのよ!? でも、良かった……本当に……っ……」
少年の言葉に大声が返され、ウルがきゅっと胸元に少年の頭を抱きしめる。
「苦しいよ。ウル……」
「我慢なさい!! 貴方が別人になってしまったらとわたくしは―――」
声にならない様子のウルによっぽど心労を掛けたらしいと少し反省して。
「ありがとう。心配してくれて」
少年が微笑んだ。
「もぅ。イクスさんはっ!! 知らない人になっちゃうのかって、凄く凄く心配したんですからね!!」
「エストリアもごめん」
「そんな風に笑うのは反則です。怒れなくなっちゃうじゃないですか……」
少しだけ涙目になった少女が少年の足元で口を尖らせる。
それでも隠し切れない喜びに頬を緩ませた姿はどれ程心配を掛けたのか如実に物語っていた。
「ハハサマに教えてくる」
シルルゥがそう言って部屋を出て行くと他の少女達もようやく好転した事態に安堵した様子となった。
「私は兄さんに詳しく連絡してきますね」
エストリアが兄達に経過を連絡する為、頭を下げて席を立つ。
「もう大丈夫そうですね。では、私はこれで帰ります……もし、また何かあったら呼んで下さい。いつでも駆けつけます」
少女達にそう言い置いて、美紗が少年の顔を一瞥した後、呆気なく部屋の扉へと向かう。
しかし、その背中にはハッキリとした安堵があった。
「ありがとう。美紗……また明日」
「っ、ええ……また、明日。必ず」
何処か言葉に混じったのはらしくもない涙で。
余程、大事になっていたのだろうと少年は納得する。
全員がイソイソと起きた少年の世話を焼き焼き今までの経過を報告するも、分かっている事は二つだけらしかった。
別の人格に乗っ取られて数日間行方不明。
そして、何故か二日前に玄関で倒れていたらしい。
発見される前に何でもアルヴァスの北部と南部で大規模な地殻変動や天変地異の類が起きたらしく。
何か関わっていたのではないかとの憶測まで出ていた。
もしも、当日に璃紗が玄関で発見していなければ、捜索隊が少年の体を乗っ取った何者かを追い出すべく戦闘まで考えていたとか。
全部、少女達から聞き終えるまでに十五分。
如何に自分達が大変だったか切々と説教された少年はお得意のごめんを連発する事となった。
どうやら家主であるアルゥ・ゼオから熾きれば普通に生活してもいいとのお墨付きが出ていたらしく。
イソイソやってきたアーギストとジルムスに溜息を吐かれるやら、やれやれと肩を竦められるやらしながら、少年の午前中は過ぎていった。
乗っ取られていた間の事は何も覚えていないとの言葉にアーギストは幾つか簡易の検査をした後。
大丈夫とは断言出来ないが、今のところは問題なさそうだと魔術を幾つか少年に貼り付けて去り。
ジルムスも姦しい少女達の声にそろそろお暇するぜと退散した。
残ったのは一緒に暮らしている璃紗とウルとシルルゥのみ。
しかし、シルルゥは特別にアルゥから許可を取って学校を休んでいたらしく。
午後にはしっかりと少し不満げな顔で登校させられた。
ウルも本来なら少年の世話なんて璃紗に任せて学校へ行くべきなのだろうが、そんな気にはなれないらしく。
今も寝台の横の椅子に座っている。
一通り璃紗が世話をし終えたのは病人食を昼飯として出した後。
うつらうつらと眠気が襲ってきた少年は穏やかな「眠って」と顔を綻ばせたウルの優しい言葉に甘え、再びの床に就いた。
それからどれだけ経っただろう。
自分の顔を不安げに覗く視線に気付いて苦笑が零れる。
「……大丈夫だよ?」
「分かってます……でも、わたくしの胸はどうにもならないようですわ……」
身を起こせば、もう夕暮れ時。
黄昏た窓辺から差し込む斜陽に少年が瞳を細める。
「…………夢を、見た気がするんだ……」
「夢?」
「昔々の夢」
「記憶がその……戻ったの?」
ゆるゆると首が横に振られる。
「色んな事があった気がする。けど、それだけ……ただ……」
少年の横でそっと片手が頬に添えられた。
「ただ?」
「最後に皆の声が聞こえた……」
「そう……」
微笑んでウルが頷く。
「僕を呼んでくれた事。嬉しかった……だから」
少年が顔を横に向けて笑う。
「ありがとう」
「―――ごめんなさい以外ようやく言えるようになったのかしら?」
「あはは、そうかも」
軽口にいつもの調子で噴出した少年の髪を撫でて。
「もう寝なさい。わたくしが傍にいますから」
小さな子をあやすような声音。
「でも、ウルだってそろそろ寝ないと。今度は僕の方が看病する方になっちゃいそうじゃない?」
「そうなったら、責任を取ってくださる?」
悪戯っぽく笑む彼女の姿に随分と変わったものだと少年はまだ出会ってそれ程経っていないはずの年月を感じた。
「僕は……君が、君達がそう思ってくれる限り、イクス・ゼオで在り続ける。だから、もし……今回みたいな事があっても、名前を呼んでくれない? そうしたら、きっと帰ってこられると思うから……」
「ええ、そうしますわ。それに貴方を他にどう呼んでいいかなんて分からないもの。呼ぶに決まってるじゃない……呼ばないわけ、ないじゃない……馬鹿……」
ポツリポツリとシーツに染みが広がって。
ゆっくりと少年の頬に触れる手に手が触れる。
「その……一つお願いしていいかな?」
「お願い……?」
片手で目元を拭っていたウルに少年はまるで秘密を告げるように少し恥しげな調子で呟いた。
次に起きたら触れたい、と。
何を言われたのか。
そんなのは自明。
いつもなら恥しくなって照れ隠しに怒るか。
真っ赤になっていたかもしれない。
しかし、彼女の唇は艶やかに少年の耳元へ。
「……馬鹿」
甘く甘く囁いた。
*
夕暮れ時から数刻。
次目覚めた時。
少年の傍らには制服姿の彼女がいた。
何も言わず。
唇が少し重なって。
掛け布が剥がれた。
慈愛の笑み。
恥しさよりも相手へ全てを曝け出す昂揚に頬を染めて。
衣服が一枚一枚ゆっくりと脱がれていく。
上着、スカート、タイツ、靴下。
生まれたままの姿に近付いていく途中。
少年は思わず大胆な下着に驚いた。
本来、合うものが無く。
背中から伸ばした触手で締め付けているはずの胸と股間が同じ紅と紫の糸であしらわれた上等な絹の下着で覆われていた。
「それって……」
「ええ、あの水の宮殿の籤で当たったものですわ……魔術で大きさが変えられて、とても助かっているのだけれど、その……見せる相手がいつも見せようとする度にいないものだから……」
普通なら分厚い布地が肌を隠してしまうところだろうが、さすが中央諸国のものか。
まるで薄絹一枚としか見えない繊細で透き通った布地は薄らとウルの超大な胸を魅せている。
野暮な太い線は見付からず。
まるで繊細な刺繍の如く胸を覆うソレは肌に直接色を塗っているのではないかと思う程に下着というものからは程遠い厚さだった。
咲き乱れる花々を模った象形の合間には肌色が見える。
また、胸にしても股間にしても、性器の中心を隠すような代物でも無かった。
正に飾り立てる、というのがウルの下着の本来の仕様だろう。
薄い生地を内部から押し上げるようにして膨れた乳輪と乳首が顔を見せ、その部分だけをあからさまに刺繍は強調している。
股間を覆うショーツも中央の柱と、その左右から二股に分かれた丸い二つの華の蕾が性器を暗示している。
すじを覆う中央のクロッチ部分は内部を透けさせながら、少し食い込み気味でクッキリと形を浮かび上がらせていた。
「どう……?」
サラサラと流れる銀の巻き毛。
モヂモヂと微かに羞恥で擦れ合う白い太腿が洋光(ランプ)の明かりに照らされて眩い。
少年よりも大きい背丈だからこそ、その大き過ぎる胸も不恰好には見えない。
これから何をするのか理解しているからか。
いつも毅然としているウルは今や悩ましげに顔を歪ませて眉を八の字とし、困ったように少年へ視線を向けた。
そのいじらしい姿はもう最初の頃、少年に刃を向けた姿を想像出来ない。
「綺麗だよ。凄く……」
頬を染めて。
ウルが掛け布を剥ぐと少年の上に跨った。
「触って……イクス」
そのふるんと揺れた垂れる事ない豊満な乳房が少年の眼前に差し出される。
「うん……」
ゆっくりと両手で下着越しの胸に指が沈み込む。
「んっ、ぁ、っ、貴方の手……優しくて、気持ちいいですわっ」
薄いからこそ、肌に直接触れたような感触。
ズッシリと重く。
ふわりとした焼き立ての麺麭を思わせる弾力は強く。
しっとりと汗ばむ肌は布越しでも生々しく温かい。
下から持ち上げるようにして指が蠢けば、既に悦びを覚えた身体が芯から熱くなって、ウルの背筋を震わせた。
吐息に混じるのは快楽と愉悦。
自分の胸を揉み解して堪能する少年の顔が僅かに緩んでいるのを見て。
彼女の胸の奥が沸々と愛しさに焦がされていく。
(イクス。わたくしの胸……そんなに好きなの? わたくしのこんな大き過ぎる胸が……っ~~~♡)
股間に感じる熱(いき)り勃ち始めた脈動する大きな幹の感触。
太腿で挟んだ細い腰を二枚の布越しでは足りない程に欲して。
じゅくじゅくと自分のすじの奥で襞が蠢くのをウルは素直に受け入れた。
(早く貴方と繋がりたい……貴方をわたくしの膣内(なか)に受け入れて、どろどろに蕩けた此処(おまんこ)で一つに……イクス……イクス……わたくしの、わたくしだけの―――)
想い溢れ過ぎたか。
下着の中央はもうヌルリと濡れていた。
「イ、クス。わたくしの、胸……わたくしのお乳の先を……食んで?」
もどかしく急く想いに圧されて。
そんなオネダリが今は熱い喘ぎを漏らす唇から漏らされた。
胸の先端。
内部で窮屈そうにしていた乳首と乳輪がウルの小さな呟きと共に開放された。
透けていた布地が柔らかな極細の糸に解けたかと思えば、シュルシュルと周囲の布地を彩って、飛び出た性器を強調するように素朴な花柄の浮彫(レリーフ)となる。
「ん」
コクンと頷いて。
少年が両手で乳を搾るように左右へ添えると片方に吸い付いた。
「っ、ひぁぁぁぁ゛♡」
ゾクゾクゾクッと背筋を衝撃が一瞬で駆け抜け、子宮が燃え上がり、ウルは自分の乳首を赤子のように吸った少年の舌先と唇の感触で軽く達した。
(あ、ぁあぁぁああっ、こんなっ、わたくしぃ……♪ お乳吸われただけでぇ……♡)
しばらくの間、こういう触れ合いをしていなかったというだけではない。
肉体を海神の触手によって蹂躙されてから身体はずっと疼き続けて来た。
しかし、今までのドロドロとした快楽に今は愛おしさともう一つ。
動物としての本能。
母性としての悦びが混じる。
「んくぅ……っ……っ……イクスぅ、わたくしぃ♡」
ウルは己を苛む甘美な牝としての衝動に少年を慈しむ気持ちを見つけた気がした。
それは少年を乗っ取っていた何かに言われてから自覚された事。
少年の子を胎に宿している。
そんな本当かどうかも分からないのに……何よりも嬉しく感じてしまった彼女の本心。
仲間として救われて、牝として満たされて、それで十分だと思っていた彼女が知るもう一人の自分。
相手を求めてばかりだった己とは違う。
相手に与えたいと。
相手を包み込みたいと願う。
母として奉仕する心。
両手で我が子を包むように少年の頭が抱かれた。
牡として男として仲間として母として、今は一つ屋根の下で交わる交尾相手として。
ウルは少年を抱き締めた。
「っ、っ、イクス……わたくしのお乳、美味しい?」
「うん。凄く…甘くて良い匂いがして……もっとこうしていたくなるよ……」
「いいの。貴方なら……幾らでも吸っていいの……貴方が満足するまで沢山、して?」
「ウル……っ」
「んぁ、そ、んなぁ♡♡ 二つ同時だなんてぇ♡ ひぁぁぁぁ゛♡♡♡」
少年が我慢出来なくなったように両手で二つの乳首を口元に持って来ると両方唇で食み始めた。
「イクスぅ……してぇぇっ、貴方の好きなようにしていいですからぁ……わたくしに貴方の唇の痕(あと)を付けてぇ♡」
コリコリと歯で甘噛みしながら、コロコロと舌先が桜色の先端を転がして舐る。
少年が乳房を吸う度に身体をビクビクと軽く跳ねさせて。
ウルはだらんと舌と唾液を垂れ流しにした。
少年の愛撫は熱心で。
同時に授乳する心地を味わう彼女はもう自分の胎が完全に精を飲み込む準備を出来上がらせていると悟る。
「っ、んく。ウル……このままウルと……一つになって……いい、かな?」
「~~~♡」
少年からの申し出に彼女の脳裏は乱れたまま否応無く肯定だけを返した。
胸に両手を添えさせたまま。
股間のすじを覆う薄布の部分が乳首と乳輪を露出させた時と同様に周囲で花の浮彫(レリーフ)となって性器を強調する。
下穿きが簡単な動魔術でスルリと脱がされるとすじから溢れた粘性の高い沸騰したかのような蜜が鈴口を濡らしている幹にヌチュルッと滴り落ちた。
糸を引かせながら少年の股間を濡らすウルは淫らな笑みで反り返って自分の蜜でヌトヌトと照り光る先端を上向け、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「わたくしの膣奥(なか)で一つに……イクス……貴方の雄々しいコレで……種付けして……」
クプッ。
「ん、くぁ……っ」
思わず少年の唇から漏れて可愛らしい声にウルは我慢出来ず。
割り開かれ、先端が入ったばかりのすじを降ろした。
グヂュリュリュリュリュリュ。
「っ~~~」
少年が声にならない様子で背筋を震わせた。
ウルの膣内(なか)は相変わらず常人では考えられないような襞と溢れんばかりの蜜に満たされていた。
ただ、時折交わる時と違い。
今は少年を過剰なまでに求めて蠢いてはいない。
男を絞り尽くそうとする動きは無かった。
無論、それでも十分に達してしまいそうではあったが、それよりも少年が感じたのはウルの中に余裕が出来たというか、遊びの部分が出来た事だった。
決して締まりが悪くなったわけではない。
どちらかと言えば、圧迫感は身体を重ねる毎に上がっている。
ただ、膣の構造が変化したのか。
今までよりもウルの性器は様々な形で自由に擦り上げられるような余裕があった。
「~~~ッ♡」
ブルブルと背筋を震わせて己も軽く達した彼女は雄々しいソレが自分の奥。
子宮口にピッタリと先端を潜り込ませたのを感じて、腰を振って何度も何度も射精させたい欲求に駆られた。
しかし、そうはせず。
ゆっくり、ゆっくりと腰を揺すって膣中(なか)の少年の幹をあやすように優しく襞で嬲り始める。
「ウル……?」
いつもなら此処から激しい行為になるのが普通だった為、少年が少しだけ怪訝そうな顔をした。
「今日はずっと……貴方と繋がっていたいの……だから、時間を掛けてしたいと、その……ダメ?」
「そんな事無いけど」
「なら、わたくしの膣で……愉しんで……イクス……」
プチュッと男根の根元が蜜で濡れていく。
襞が軟く蠢くと腰も動いていないのに優しく幹の表面を満遍なく舐り始める。
「っ」
腰が砕けてしまいそうな高ぶり。
しかし、決定的に扱き上げるような動きが無い為、心地良さだけでジリジリと焦らされているような状態。
少年にしても息は上がるが、達するには程遠い。
「イクス……っ…イクス……イクス♡」
恥骨を合せて少年の肌に陰核(クリトリス)を蜜で擦り付けながら、名前を呼んで。
自分の膣(なか)で一つとなった幹を嬲る度。
ウルは背筋を駆け抜ける衝撃に打ち震える。
グヂュグヂュズシュヂュグヂュスジュヂュ。
「っ、くぅ♡ っ、あ、あ、ぁ、っ~~~♡♡」
自分で望んだとはいえ。
少年と交わる度にすじの奥で子宮口が押し込まれる快楽は普通に犯されている時と同じように彼女の意識を追い詰めていく。
「ウル……ちゅ」
「イ、イクスぅ♡ わたくしのお乳またぁ♡」
交わりながら、両の乳首が吸われ始めた。
コリコリと甘噛みされる度、唾液に濡れた先端が悦びに震える。
少年の指と唇と歯と舌が渾然一体とウルの身体に熱で染め上げていく。
桜色の乳首は色彩を淫らに濃くして。
(やぁ……♡ わたくしのお乳ぃ♡♡ おしゃぶりみたいにぃ♡♡ こんな、こんなのぉ♡ あ、ぁ、っ~~~♪)
完全に蕩けた牝の顔でウルは自分の胸に顔を埋める少年の頭を両手で抱く。
「イクスぅ♡ わたくしのイクスぅ♡ んひぃ♡ わたくしのお乳吸ってぇ♡ わたくしのお、おまんこを使ってぇぇ……♡ わたくしの赤ちゃんのお部屋も使ってぇ……♡ 好きに子作りひてぇぇ♡♡♡」
「ウ、ルッ」
蜜と襞だけで埋められた穴が自分を押し広げる幹をグリュヂュッと愛撫した。
快楽神経の束はそれだけで達してもおかしくない程の快楽で背筋を焼くが、ウルは背中の触手で自分と少年を包み込んでしまいたい衝動を必死に抑える。
もっと一つに。
もっと少年に快楽を。
気に入ってくれるよう何度でも己の肉体を変える事など今の彼女には造作も無い。
けれど、今日は少年を悦ばせる為の行為。
時間を掛けてゆっくりと慣らして意識がなくなるまでずっと密着したまま。
そう決めたのだ。
だから、何度も何度も高ぶらせながら、それでも達しないように膣の襞を緩める。
ずっと、一晩中貫かれて少年との心地良い行為に溺れる。
それが今彼女にとっての目的だった。
「好き……イクス……イクス……イクス……」
子作りをしながら授乳して。
愛を囁き襞を絞る。
そこには動物のような交尾とはまた違った快楽があった。
売るは永遠にそのままでいられたらと、そう思わずにはいられない。
いつの間にか。
部屋の中には二人の濃密な蜜と汗の匂い。
それから熱が篭っていた。
粘性の水音とチュウチュウと乳房を吸う音。
必死に快楽を押さえ込む喘ぎ声。
銀の巻き毛が揺れる度。
天蓋の蒼き光に照らされ続ける行為は絵画のようですらあった。
慈愛の女神と少年の交わる姿。
もしも、見た者が在れば、自分もまたこんな風に想い人と交わりたいと願うだろう景色。
「もっと、して……わたくしの身体で好きなだけ交尾してぇぇ……♡」
「うん。ん……」
「ひあぁ……あ、あぁ、ひっ、んひぃ!?」
少年の指が胸に痕を残すように強く食い込み。
口に含まれた乳首が強く食まれた。
「イクスぅ!? イクスぅぅっ♡ イクスぅ……♡」
童貞だろうと処女だろうと。
二人を見れば、己を慰めずにはいられないだろう。
愛する男女の営みは今日に限っては激しくなかったが、それでも刺激的に過ぎた。
それを見るのが少年と関係を持った相手ならば尚更に。
ドアの隙間から二つの視線が、ウルの痴態と乱れようを背後から見つめていて―――。
*
「ぁ……ぅ……///」
グッショリとショーツが蜜で濡れてしまったのを感じて。
ドアの先にいたエストリアは顔を赤くして股間を抑えていた。
「イクス。気持ち良さそう……良かった……」
ジュグ、ニュヂュ、グヂュ。
粘着いた音。
艶かしく尻が揺れる。
(大丈夫そう……)
エストリアの横で少年が極度に疲労している様子もない事に安堵した璃紗は疼き濡れる股間もそのままにドアからそっと離れた。
「あぅぅ……私、どうすれば……」
二人が夜となって再びイクスのいる客間へと戻って来たのには其々理由があった。
璃紗は少年とウルがよろしくやっているか一応、本当に一応確認する為。
断じて自分には無いモノを持つ相手へのちょっとした嫉妬とか。
自分も出来れば混じりたいという願望に動かされての事ではない、と彼女は自身を誤魔化す。
少年の夜を任せた手前。
罰が悪いのは致し方ないだろう。
エストリアが再びゼオ家に戻って来たのは単に教科書の一部を忘れたからだ。
少年の起きる数日間。
毎日のように通って目覚めるのを待っていた彼女はそれでも勉学に遅れる事が無いようにクラスメイトから授業の写しや渡された資料諸々を受け取り、自分なりに学んでいた。
それどころか。
いつ少年が熾きても講義に付いていけるよう自分なりに講義内容の要点を纏めたものまで作成していたのである。
だが、連日夜になるまでゼオ家にいた彼女も慣れない生活に疲労してうっかり忘れ物をしてしまった。
明日必要になる教科書の紛失。
そうして少年の事をもう一度見ておこうと再度戻って来たのはいいのだが、もう既に始まってしまっていたウルと少年の行為を視認、凝固して数分。
もう退くに退けなくなってしまっている。
このまま何も見ていない事にして、その場を立ち去るのが正しいとは理解しているのだ。
でも、頭では分かっていたとはいえ。
想い人と見知った相手が交わっているのを見逃す事は出来なかった。
(イクスさん……やっぱり、ウルさんと……一緒に住んでいるって聞いた時から、何となくはそうなのかなって思ってましたけど……ぅ……)
少年がその白く大きな胸を両手の指で鷲掴みにして赤子のように乳房を食んでいる様子。
自分とは違った交わり方をするウルへの羨望と嫉妬。
どれもこれも無視は出来なかった。
(解ってたはずなのに……イクスさんはきっと一人だけのものにはなれないなんて……)
理解していたつもりのものをいざ目の前へ差し出されて。
混乱こそしていなかったが、彼女の胸は大きく脈打っていた。
「……」
璃紗は部屋の前から立ち去ろうとしていたが、未だ中を見て止まったままのエストリアの姿にどうするべきか思考を巡らせる。
放っておくのは少し気の毒ではあった。
彼女とは違って璃紗は誰かが少年を愛しても自分の立場を意識する事で大きく動揺したりはしない。
嫉妬も羨望も覚えるが、それでも自分にしか出来ない役割というものがある事を承知しているからだ。
だが、普通の女の子であるエストリアにしてみれば、浮気というやつかもしれない。
否、貞操観念云々の話をし始めれば、正しく少年はアルヴァス・カレッジの噂の如くハーレム王なんて揶揄されるに相応しいだけの女性を傍に置く女たらしだろう。
本人にそういうつもりがないと理解していても、社会通念というやつは全うな“お嬢様”の部類に入るだろうエストリアにとっては重いものなのだと想像は出来る。
ある意味、璃紗とエストリアの身分の違いは少年との関係を続けていく上で璃紗の方に分がある。
少年だけの娼婦だから幾ら甘えたり交わってもいいんだ、なんて言い訳が立つ分だけ、小さな黒獅子は他の少女達より自由かもしれない。
少年の対人関係に付いて最も詳しいだろう彼女だからこそ、少年を好きな誰にも愛する事で悩んで気を病むような事にはなって欲しくないと、行動を起こすのは自明だった。
「エストリアさん」
「―――?」
少し振り返った少女に璃紗はそっと近付いて“これからの事”を話し始めた。
余計なお節介だとは分かっていても、自分と同じように少年を想うエストリアを、素敵な恋敵を、このままにしてはおけなかったのである。
数分後。
少年との交わりを続けながら、ウルは一晩中したいとの想い通り、高ぶり高ぶらせながらも射精までは至らないよう緩く濃密に少年を自分の膣(なか)で遊ばせていた。
ビクビクと震える愛しい幹を何度も何度も襞で愛撫して。
少年の唇で乳首を雨のように転がされ、吸われながら。
軽く自分だけが達し続けるのも構わず。
その心地良い遊びに耽っていたのだ。
しかし、その淫靡でありながら穏やかな時間を破るようにコンコンと小さなノックの音がして。
思わずウルは背筋を張り詰めさせた。
『イクス……ウルさん……その……ごめんなさい……いい?』
「いいよ。どうかした? 璃紗」
少年が顎をウルの乳房から流れる汗と自分の唾液で濡らしながら頷いた。
キィィ……と控えめに開いた扉から璃紗が入ってくるとおずおず少年の枕元にやってくる。
「本当は邪魔したくなかったの……でも、その……一緒に……えっと……」
申し訳ない気持ちでウルの方もチラリと視線を向けた璃紗だったが、こういう事には厳しそうだと思っていた相手の顔がとても穏やかなものなのを死って、少し驚いた。
「ウル……その……いい―――」
「いいに決まっていますわ」
「え?」
少年が言うより早く。
そう頷いたウルの顔は自分の痴態を見られる羞恥に染まりながらも優しかった。
「わたくしの大切な人が選んだ子なら、恥しくはあっても……拒絶したりできませんもの……」
「ウル……ありがとう」
「か、感謝されるような事じゃありません?!」
裸を自分に見られるよりも頬を赤くした姿に璃紗が大丈夫そうだとドアの方に視線を向けた。
「良かった。エストリアさん」
「え?」
ウルが思わず疑問の声を上げたが、一足早く顔を真っ赤にしたエストリアが璃紗の背中に隠れるような、少し情けない顔でやってくる。
「え、エ、エストリア……さん?」
さすがに動揺したウルが驚いた様子となる。
しかし、少年は何となく全てを悟って、璃紗の顔を見つめた。
(ごめんね。イクス……)
視線のやり取りだけで内心を推し量った後。
「一緒にしよっか? エストリアも、ね?」
「ぁ……は、はい!!」
拒絶されるのではないかと心臓を早鐘のように打たせていた少女の顔がパッと笑顔で華やいだ。
「ウル……」
「………まったく、貴方には敵いませんわね。此処でダメって言ったら、わたくしが悪者になってしまいますわ」
怒った様子もなく。
少しだけ自分の膣(なか)の幹を情熱的に絞って。
此処だけは自分のものだと主張するように艶やかな微笑で応えたウルはそう許諾した。
二人が互いに赤い顔で微笑み合い。
さっそく衣服を脱ぎ始めた。
すぐキングサイズの寝台でウルの左右に陣取った二人が一枚だけ残ったショーツ姿で膝立ちとなる。
「み、見て……下さい」
「イクス。見て……」
もう羞恥よりも少年との交わりに加われる喜びの方が勝っているのか。
牝の笑みでブラも付けていない二人が自らの最後の下着を両手で下げた。
ヌチャァ。
べっとりと粘性の糸をすじと股間から引かせて、下着の間でキラキラと照り返した。
きっと、それなりの時間ウルとの行為を見られていたのだろうなと少年は理解したが口には出さず。
そのもう完全に出来上がっている二人の股間と真珠のような幼く眩い肌に幹を太くする。
「イクス。こんな、大きくするなんて……妬いてしまいますわよ?……んっ!」
膣(なか)を圧迫されて、喘ぎを漏らしたウルの愛らしい抗議は今までよりも襞を絡める事で為された。
それに吐息を漏らしつつ、少年が二人に微笑む。
「可愛いよ。璃紗、エストリア……」
「「♡」」
二人の少女が同時に背筋を震わせるとトプンとすじの中央から蜜が再び下着に幾つか糸を引かせて滴り落ちた。
少年に全裸を見られている。
隅々まで見つめられて、褒められてしまった。
それだけ、たったそれだけで、昂揚と共に蕩けてしまう。
背筋が粟立ち、甘美なものが腰から全身を駆け巡っていく。
その心地良さに彼女達は自分が如何に少年が好きなのかを思い知らされた気がした。
まだ触れてもらってもいない。
まだ言葉しか聞いていない。
それでも、それだけでも、二人の子宮と膣はジュクジュクと蜜で満たされ、期待に震えた。
膝立ちで自分達の恥しい場所を見せて、お漏らしのように蜜を滴らせた少女達に少年が近くに寄るよう言うと。
両手を股間に這わせていく。
「っ、イクス、さぁん♡」
「イクスぅ……♡」
中指がニュルニュルと蜜で滑るすじをゆっくりとなぞり、股間がなぞり上げられていく。
「ひぅ、んくぅ ひぁぁ……♡ イクスさんの指でぇ……♡ 私の、私のおまんこジュルジュルってぇ……♡」
「イクスぅ♡ 璃紗のおまんこ弄って……? イクスの指ずっと待ってたの……おまんこでイクスの指気持ちよくするから、だからぁ……♡」
控えめに熱烈に少年に懇願する二人の様は牡に征服される悦びで一杯の牝そのもの。
ウルもまた重なり合っている少年の高ぶりが解った。
ゆっくりと自分の存在を染み込ませるよう腰が揺すられていく。
「こんな、に……可愛い子ばかり侍らせて……いけない人ですわね……イクス♡」
子宮口で何度も何度も少年の鈴口を受け止めながら、その度に腰が砕けてしまうような悦びで牝としての本能を満たして、ウルは少年の胸に自分の胸を押し付ける。
三人を相手として汗と蜜の匂いに包まれながら、少年の夜は更けていく。
そうして、四人の夜の営みが始まった。
今までよりも熱く淫らな時間が………。