※この作品はR-18です。

聖娼館ハルトゥム   作:Anacletus

196 / 318
第三章~西部「魔族侵攻編」~
第三章九十三節


第三章九十三節「武芸術部校外活動Ⅱ」

 

 夏、ハガスを襲った怪異から一月半が過ぎていた。

 

 あの事件において様々な事が変わった事は間違いなく。

 

 それはこの一年で起きた複数の奇怪な事象の内実。

 

 国が置かれた危機的実情を知る政府関係者に絶望的なまでの“敵”との差を見せつけた。

 

 深刻過ぎる状態を何とか潜り抜けてきたとはいえ。

 

 その大半を解決したのは軍や官憲ではなく。

 

 特殊な能力を持つ民間人。

 

 これでは立つ瀬が無いと軍部は大幅な組織改革と軍事力の増強、兵器開発を断行し、異相特殊存在、要はよく分からない化物を倒す為の特殊部隊拡張へと傾いた。

 

 行政も祭りの一件で消えた行方不明者の数が数百人に昇った事から、さすがに裏事情を隠し続ける事が苦しくなり、春頃のテロ騒動と絡めて一部の危険な勢力が国内に潜伏しているという微妙な広報を出した。

 

 しかし、全体的に見てアルヴァスの大まかな流れはまったく変わっていない。

 

 敵を異相内部で撃滅する為の艦隊の創造は急ピッチで進められており、現在は二十隻近くの竜骨が官庁の密集するハガス中央部の地下ドックで姿を露わにしていた。

 

「進捗は?」

 

 スーツ姿の赤鬼が地下に広がる巨大な空間内部。

 

 急拵えの造船所の壁に備え付けられた階段の弩檻場で隣にいる歳のいった女に尋ねる。

 

「外殻の製造に2%の遅れが生じていますが、国内の重工業用崩燼機関をフル稼働させて対応、二週間以内に取り戻せるでしょう」

 

「……という事は間に合うと?」

 

「載せる“中身”の方は……あの事件で内部に納められていた【源理粒子】が約二百倍以上に増えた事で稼動可能となりました。現在、14号までの製造を終了。旗艦のパーツが揃った時点で本格的な組み上げに入ります」

 

「今後も順次足りない予算はこちらで捻出する。遠慮なく会計に申し付けてくれ。我輩はこれで……」

 

 軽く頷いて。

 

 ドゥーズ・スィール・ファイル。

 

 赤鬼宗家の当主は僅かに遅れていた計画の実務状況を見届け、女に背中を向ける。

 

「あの……」

 

「何か?」

 

 振り返った大男を女が少し躊躇いがちに見上げる。

 

「あの子達は大丈夫、ですか?」

 

「自分で確認してみては?」

 

「……時間が取れないと言い訳させて下さい」

 

 ドゥーズが何も問題無いと呟き。

 

 再び彼女に背を向け、歩き出した。

 

 それを見送って、息子と娘の顔を思い出しながら、女は静かに瞳を閉じる。

 

 結局のところ。

 

 自分で確かめない限り、安心なんて出来はしないと男の背中が言っていたような気がしたからだ。

 

 まるで墓場のように静かな場所で世界の終りに挑む艦隊はその日へと向かっていく。

 

 数日後、元老院議会において福祉政策と公務員の予算が大幅にカットされ、国民の間で動揺が奔る事になるが、それはまだ先の話だった。

 

 *

 

―――首都ハガス東部ゼオ家リビング。

 

 本日は休日。

 

 朝から賑やかなゼオ家の食卓は今や人でビッシリ埋まっている。

 

 家主であるアルゥ・ゼオ。

 

 娘であるシルメイア・ゼオストス。

 

 少年の侍従たる奏璃紗。

 

 今やすっかり落ち着いた殆ど少年の愛人みたいな立ち位置のウル・エイフォン・バーゲル。

 

 言わずと知れた居候イクス・ゼオ。

 

 そうして近頃増えた同居人赤鬼宗家長女エンシェン・イル・フォイル。

 

 ついでに近頃目覚めた異相からの出戻り記憶喪金髪失幼年者ネハシム・セラーフィーム。

 

 こう表現してみるとその胡散臭さは誰にでも分かろうものだが、少年と事情を知る者達からすると異相側から戻ってきた相手が記憶喪失、というのは少年の事も相まって放っておけなかった。

 

 特にウルやエンシェン、時折朝からやってくるエストリアが日々ボヤッとしてアルゥの横で食事する金髪の少年もしくは少女を構っている。

 

 性別がハッキリしていないのはアルゥがそれを明言せず。

 

 また、ネハシムの世話を自分でしているからであり、人の増えたゼオ家の食卓は正しく戦場ではないにしても、一年前からは考えられない程の活気を帯びる事となっていた。

 

「ほら、零さないように」

 

「………」

 

 アルゥは静かにネハシムの世話を焼き。

 

「イクス……あーん」

 

 シルメイアは事情を知らない相手の前では前と同じように……いや、それよりも明らかに朗らかで積極的な様子で名前を呼びつつ、過去とは似ても似付かない姿で少年へベッタリと甘え。

 

「イクス。今日はどうするの?」

 

 璃紗は日常の如く少年の給仕をしつつ、飲み物や麺麭を取り分け。

 

「あ、イクス。今日はわたくしにちょっと付き合ってくださいな」

 

 前より表情(と胸)が豊かになったと評判なウルが嫋やかに微笑み。

 

「ウル。済まないが、その前に少しコイツを借りたい」

 

 先月の事なんて何事も無かったかのようにエンシェンが会話に参加している。

 

「(……こういうのを幸せって言うんだろうな……)」

 

 口には出さずとも、そう噛み締める少年はナイフにフォークで朝から分厚いベーコンを切り分けつつ、そう意識を緩ませる。

 

 全てが影絵に飲まれる寸前だった前回の一件において。

 

 身体のあちこちがボロボロに逆戻りしたものの。

 

 それでも守れたものは大きかった。

 

 今現在、異相側から霧が出ている兆候は無い。

 

 無論、失われたものある。

 

 事件の中核だった屍蝋の仮面は一組の兄妹だったが、兄は消え、妹と父はそれを嘆いた。

 

 けれども、まだ生きているのだと。

 

 そう唇を噛み締めて、後日事件に関わった少年達や他の全員に魔術で通信を送ってきた事は記憶に新しい。

 

 祭り当日に影絵やその餌食と化し、消えた人数は都市全体で数十人。

 

 間に合わなかったと後悔するべきではないが、素直に喜べる数字でも無かった。

 

 アーギストの崩燼機関を暴走させる結界が無ければ、勝てもしていなかったのだ。

 

 祭りの最終日までジルムスと共に酔い潰れていたとはいえ、結界を用意していたアーギストには感謝しかない。

 

 こうして全てが丸く収まっていった最後の夜。

 

 少年に誘われるがまま、縁日で笑顔を見せていたエンシェンは彼の部屋に来ると自分が赤鬼宗家から齎された任務を語り、自分の父親が何をしていたのか語り、涙こそ浮かべなかったが、唇を噛み締め土下座した。

 

『じゃあ、今までの分を傍で償って貰おうかな』

 

 その言葉に泣き出そうな顔で馬鹿と短く呟いた彼女を二本の角ごと抱き締めて、それを関係者だからと訊いていたエストリアは問題はもう解決してるようだとエンシェンに告げ、感謝されっぱなしだった。

 

 何もかもが上手く進んでいる。

 

 その影で自分に尽してくれた【最従者(ディアコノス)】が機能を停止した事を少年は関わった相手には告げず。

 

 最後の力で部屋のクローゼットに転移したのだろう躯体。

 

 頭部が半分しかないソレを今も保管している。

 

 いつかまた再起動する事もあるかもしれない。

 

 そう願っての事だ。

 

(……そう言えば、近頃見てないけど……あの子も大丈夫かな……)

 

 思い出されるのは黒猫の事。

 

 当時、異相側から殆ど化物らしい化物が出て来ていなかった事に違和感を覚えた少年は祭りが終ってすぐにアーギストへ状況の観測を依頼していたが、その話に拠れば、異相側は恐ろしい程の霧で埋め尽されており、観測が殆ど不可能であるとの事だった。

 

 もしかしたら、自分達が戦っている裏で援護してくれていたのだろうかと少年が思うのも無理はない。

 

 絶対に死んではいないと確信出来るものの。

 

 何か怪我を追っていたとしても、連絡する手段が無い以上、安否の確認は取りようもない。

 

(今の僕より強いのは確かだろうし、心配はしてないけど……)

 

「イクス?」

 

「え、うん?」

 

「どうかしたの? 何処か痛い?」

 

 璃紗がボウッとしていた少年の顔を少し覗き込む。

 

「いや、そうじゃなくて。そう言えば、あの子はどうしてるかなぁ~って」

 

「あ、あの子?! あの子って誰ですの!?」

 

 また、自分の知らない相手が増えるのか。

 

 いや、自分の知っている相手でも恋敵が増えるのは断固阻止するという決意を胸にしたウルが思わず少年を追及した。

 

「えっと、猫、なんだけど……」

 

「黒猫さんの事?」

 

「うん。そう言えば、近頃見てないなぁ、と」

 

 頷いた少年に璃紗が確かに祭りの日よりも前から見ていないと自分の瞳を片手で覆った。

 

 瞬間、ピントの合った魔眼が瞬時に黒猫クヲン・クラウゼン・イストリア・ニェハエルの様子を映し出す。

 

 というか、見返されて彼女が驚く。

 

「マヲ~~」

 

「あ、黒猫さん!!」

 

「え?」

 

「む」

 

 いつの間にか。

 

 少年の肩で黒猫が普通に座っていた。

 

 その早業に思わずアルゥ以外の全員が目をパチクリさせる。

 

 シルメイアが食べ終ったのを機に少年の横に行くとナデナデと黒猫の頭を撫でた。

 

「マゥヲゥ~~」

 

 それに機嫌も良さそうにひょいと黒猫が常の自分の居場所。

 

 少年の頭へと移動してへばり付く。

 

 それを見ていたウルは本体を見た事があるので、何処か複雑そうな表情になり、エンシェンは自分の目にも止まらぬ速さで少年の肩を占領した獣をジッと見つめた。

 

 ちなみにもうエンシェンの姿は祭り以前のものに戻っている。

 

 仮面の効力が切れるのは案内早かったのだ。

 

 少年に敗北してゼオ家に就く頃にはもう主神にすら劣らない力は消えてしまっていた。

 

 でも、それで良かったのだとエンシェンは納得している。

 

 確かに屍蝋の化物に対しては有効な手立てかもしれない。

 

 しかし、いつ何処で借り物の力が切れるのか。

 

 分かっていなければ、危なくて使いようもないのは明白。

 

 全ては自分の未熟だと思えば、惜しいとの思いなんて有りはしなかった。

 

「それでええと……何か用なんだっけ?」

 

 エンシェンの方に向き直った少年が訊ねると彼女が頷く。

 

「ああ、少し話したい事がある。軽くでいい。この後、二人で話がしたい」

 

「いいけど」

 

 許諾した少年にアルゥとクヲン以外の女性陣の視線が向いた。

 

 言いたい事は一言。

 

 またか。

 

 そういう軽い調子で女性に返事をしていたら、いつの間にか恋敵多しという状況なのではないかという暗に呆れた半眼がジットリと突き刺さる。

 

「では、食べ終ったらこちらの部屋に来てくれ。話はすぐに終る」

 

「うん」

 

 そうして何事も無かったような、とは行かない朝食時は過ぎていった。

 

 *

 

 食事も終り、各々が自分の用を済ませに部屋に戻っていった時間帯。

 

 少年は約束した通り、自分と同じく居候となったエンシェンの部屋に入っていた。

 

 元々、フォイル家から送られてきた荷物は然程多くなかった。

 

 細々とした小物と衣類くらいだ。

 

 だからと言うべきか。

 

 そもそも部屋を飾るというのが性に合わないのか。

 

 アルゥがエンシェンに部屋を貸し出した時とほぼ同じように見える室内は簡素だった。

 

 掃除はされているが、殺風景と言えるだろう。

 

 少年はそんな部屋の横にある椅子に腰掛け、テーブル越しにエンシェンと見つめる。

 

「それでどんな用件?」

 

 二人で話したいとの事だったので現在璃紗は少年の部屋で待機中。

 

 エンシェンはようやく二人切りとなった少年に対し、静かに今まで自分が進めていた計画。

 

 祖国を救う為の算段を語り始めた。

 

 アルヴァス・カレッジの裏山に在る門の事。

 

 その門を自在にコントロール出来れば、異相側からの干渉を操る事が出来る可能性。

 

 鍵を産み出す為に【聖王同盟】と呼ばれる魔王の側近集団。

 

 要は過去の少年の傍にいた者達と接触を持った事。

 

 そこまで話したエンシェンが少しだけ黙り込む。

 

「エンシェン?」

 

「その……こういうのは……自分なら簡単に言えるものだと思っていたんだがな……」

 

「ゆっくりでいいから、聞かせてくれる?」

 

「……そう聞き上手では何でも話してしまいそうになる……」

 

 少年がにこやかに言葉を待つ。

 

 それにエンシェンが意を決したか。

 

 そっと告げた。

 

「鍵となる子を産む為にお前が欲しい」

 

 時が止まったような沈黙。

 

『ちょっと待ったぁああああああああああ!!!』

 

 ドアがバーンと破られる音。

 

 其処には三人の女性陣の姿がある。

 

 エストリア、ウル、シルメイア。

 

 待ったを掛けたのはエストリアだ。

 

 それを前にエンシェンが今まで誰にも見せた事が無いような狼狽ぶりで羞恥に視線をオロオロさせて顔を伏せた。

 

「イクスさん!! 一体、どれだけ女性に手を出せば済むんですか!?」

 

「あ、エストリア。おはよう……ていうか。まだ、何も回答してないんだけど……」

 

 エストリアの迫力に少年が汗を浮かべて返答する。

 

「でも、エンシェンさんにOKしちゃうんですよね?! しちゃうんですよね!?」

 

 ズイッと顔を近付けられて、半笑いの少年が沈黙する。

 

「分かってるんです!! イクスさんの考えそうな事なんて全部まるっと私達にはお見通しなんです!! そうで無かったら、私やウルさん。璃紗さんに美紗さん。シルルゥちゃんにまで手を出したイクスさんじゃありませんから」

 

「ぅ……」

 

 最もな話にさすがの少年も反論出来なかった。

 

「いいんですよ? どうせイクスさんは自分の意見を曲げたりしない人だって分かってますから、私達が何と言おうと絶対こうと決めたらヤっちゃう人ですから。ええ、そんな事は最初からこの私には分かってるんです。でも!! でも、ですよ!! イクスさんはこの間から一人ずつじゃなくて、数人ずつで相手をしてくれていますよね? ええ、いいんですよ。時々は一人ずつがいいな、とか!! 思ってますけど、イクスさんの身体の事もあるし、無理矢理独り占めして、負担を掛けたくないですから!! でも、ですよ!! イクスさんが思いっきり人を増やすとイクスさんの時間を割り当ててるこちらに思いっ切り皺寄せが来るんです!!」

 

「割り当てって?」

 

 初耳の言葉に少年が訊ねる。

 

「私達とする時、誰か一人とすると他の人も感じちゃうんですよ!!? それなのに不用意にイクスさんとしっぽり出来るわけないじゃないですか!! もし、何かしている最中にそんな事が始まったら、私達どんな顔して日常生活を送ればいいんですか!? だから、イクスさんとする時はしっかり時間を割り当てて、お昼とかは我慢するようにしてるんです!! ついでにイクスさんとイチャイチャしていい時間帯をしっかり当事者の間で色々決めたんですよ。この一ヶ月の間に!!」

 

「ええと、もしかして……近頃、同じ時間帯に同じ人と過ごしてるような気がしてたのは……」

 

「そうです!! ちゃんと割り当てがあるからです。曜日によってもイチャイチャ出来る時間は違うんです!! 私の【OEDS】で緻密な計算を繰り返した結果得られた皆さんが満足出来る割り当てになってるんです!?」

 

 何て無駄使いという言葉はさすがに飲み込んだが、少年は女性陣の苦労を知って、叱られるのは我慢しようと小さくなった。

 

 その間も頭にへばりついている黒猫はムニャムニャしており、ダラダラと涎を零している。

 

「この一ヶ月、負担を軽くする為にシルルゥちゃんの魔術でイクスさんとしてる人は全員繋がっちゃってるんですから、人が増えると、す、する回数も多くなって大変なんです!! ただでさえ、夜はウチにいても、部屋にいても、大変なんですから!! 今日は誰としてるのかみんな知ってるから、今日は誰誰とこういう風にしてるんだなって分かっちゃうんですよ!? や、優しかったり、激しかったり、他の子とどんな風にしてるのか分かっちゃう女の苦労がイクスさんに分かるとでも言うんですか!? いや、分からないッ!!」

 

「あ……うん。何だか、ごめん……」

 

「という事でお付き合いというか。イクスさんと関係を持つ人が増えるのは私達にとって他人事じゃないんです!! だから、エンシェンさん!!」

 

「お、おぅ……」

 

 常とはまったく違う迫力のエストリアに思わず引き気味に赤鬼女が答える。

 

「そういう事をする場合は二回目にちょっとした儀式を受けて貰う事になります!! 今日のところはいいですけど、つ、次からはエンシェンさんにもしっかり割り当てを守って貰いますから!! 後、イクスさんとする時に他の子も混ざっちゃう事を了承して下さい!!」

 

「ぅ……わ、分かった。留意する」

 

「じゃあ、私達はこれで!!」

 

 エストリアが言いたい事は言い切ったと額に浮かんだ汗を拭って部屋から出て行った。

 

 シルメイアはクスクスと微笑んで少年の耳元に「パーパ。もてもて」と呟いて去っていき。

 

 ウルはジットリした半眼になっていたが、不意に溜息を吐いてから、エンシェンに向き合った。

 

「わたくしは何かを言える立場ではありませんわ。でも、同じ女として……負けませんわよ。エンシェン」

 

「ぁあ、そうだな。いや、今はこちらが負けているのだから、努力しなければ、な……」

 

 親友。

 

 少なからず。

 

 そういう間柄であるだろう二人が互いに苦笑した。

 

 また、後でと流し目を送って、ウルがやはり少年と出会った頃とは別人のように薄ら色香を振り撒きながら、部屋を後にする。

 

「………幸せ者だな。イクス」

 

「うん」

 

 即答する少年の笑みにエンシェンはそんな表情を向けられる少女達が少し羨ましくなった。

 

「では、その……今日の夜に……詳しい話は其処で……」

 

「分かった。でも、いいの?」

 

 自分の子供を門の鍵として産み落とす。

 

 言葉だけにしてみると鬼畜外道とも見える。

 

 しかし、エンシェンは何事も無いかのように微笑んだ。

 

「最初から子供は欲しいと思っていた。もう少し後になるはずだった予定が早まっただけの事だ。それに祖国を救うとしても、我が子は我が子……そして、それを好いた男との間に儲けられるとしたら、それは幸せな事だと思う。私が、このエンシェンが保証する……その子はきっと幸せだ。いや、幸せにする。私が……」

 

「……うん。安心した……」

 

「お前は……いいのか? 私と子供を儲ける……その……ウル以外の他の子達とはまだ、なのだろう?」

 

「好きな人とだったら、嬉しいよ……みんなが安心して子供を育てられる未来くらいは……守るつもりだし……」

 

 既に少年の制限時間は迫り始めている。

 

 少しずつ断絶していく意識の事を薄々知っている相手もいるだろう。

 

 エンシェンはそれでも、そんな自分の存在が欠けていく恐怖にすら強く笑む少年の姿に、僅か泣きそうになった。

 

 しかし、自分がそんな有様ではと袖で目元を拭う。

 

「では、これで話はお終いだ。ウルと一緒に行ってくるといい。こちらはこちらで準備がある」

 

「うん。分かった。じゃあ、また後で」

 

 少年が立ち上がり、僅かにエンシェンの額へ自分の額を近付け、ふっと離し、部屋から出る。

 

 僅か手を振って扉の先に消えていく少年の姿が彼女の脳裏には焼き付いていた。

 

 その後。

 

 今まで何とか取り繕っていたものが一気に彼女の脳裏に雪崩こんで来て、エンシェンは生まれて初めて寝台の上にダイブすると悶えた。

 

 羞恥、安心感、期待、昂揚。

 

 不安を押し流してくれた少年の言葉が今も多幸感となって彼女の内部で残響していた。

 

(これがイクスの力、か……惚れるわけだ……まったく、度し難い程に私は、このエンシェンは、女なのだな。こんなにも嬉しい……絶望にも負けない程強く……幸せだと感じる……あいつならどうにしかしてくれると、あいつになら何もかもを任せられると……だからこそ、何もかもを捧げて共に歩みたいのか……誰もが……)

 

 それから小一時間程、まるで恋する乙女のように。

 

 いや、乙女そのもので赤鬼宗家の長女は寝台で幸せを噛み締め続けた。

 

 *

 

 少女達が姦しく色恋に勤しんでいる頃。

 

 アーギスト・エス・トリア。

 

 常に古臭い魔術師ルックな青年は一人自身の工房の中で無数の情報を虚空に読み出しながら、先日の一件で得られた数値や解析結果を確認していた。

 

 室内と言っても、現在は彼が自室内に創造した異相空間内部。

 

 白い世界には朝焼けのように紅と薄紫の二重の境界が左右に広がっている。

 

 読み出されたデータは膨大だが、それを仕分けてしまえば、見るものは然程多くない。

 

 その仕分けだけで一ヶ月以上掛かってしまったものの。

 

 何とか前日に目処を付けた処理は既に終了を迎えていた。

 

「(崩燼機関の連結と相互干渉による共鳴。フルドライブによる限界出力以上の結果、破綻する空間制御……無理矢理ではあったが、これで父さんが残したデータの一部の意味が分かる……)」

 

 元々、都市を守る為の仕掛けとしてアーギストは崩燼機関を暴走させる結界を張っていたが、その絶対に使用する日が来るだろう切札の一つは彼が今も妹の首に掛かっている鍵。

 

 秘儀の箱。

 

 【OEDS(エデス)】を解析する為の代物でもあった。

 

 未だ膨大にある未知の領域を少しでも解析し、その結果を応用した研究成果で少しでもアイウィスの踏破を行なう。

 

 このような算段だったのである。

 

 その仕掛けがすぐ発動するとは思っていなかったアーギストにしてみれば、その結果を早めに得られたのは僥倖と言ってもよかった。

 

「(やはり、【OEDS】の内部機構の大半は教会の遺産関連の技術を使っているようだな……空間制御の許容値(キャパシティ)が実際にはほぼ無限大……ついでに使われている金属の組成は全部精練済みの純度99.999999999%以上の【銀金(ミスリル)】と……内部機構の複雑さは魔術というよりはフルー・バレッサの技術全般に通じると見るべきか。魔術系の技術が見られる領域は増幅に関する場所ばかり……肝心の制御系には魔術が入った様子は見受けられない……内部構造の一部が解析出来たとはいえ、やはり母さんから貰った情報だけじゃ圧倒的に足りないな。父さん自身も自分の造っているものがどういう使われ方をするのか本質的には理解していたが、実際の詳しいところは分かってなかったんじゃないか? 空間制御、粒子の複製、表裏無き機構。内包される複数の領域における無限という値……超高位の魔術と同等の現象を引き起こせるだけの代物にするなら、必要無い部分が多過ぎる……今まで僕は超越解釈領土機構という単語を“世界の規定値を変える機構”という意味合いだとばかり思っていたが、本当にそれだけなのか?」

 

 アーギストがあーでもないこーでもないと思いを廻らせている間にも読み出された情報がスクロールされ続ける。

 

 その中に彼は興味深い部分を見つけ、一時術式を停止した。

 

「何だ? 複製と復元……物体の“紐”を二つにする準備? 術式上の予備コードか……いや、これは物体だけじゃない……因果律……“紐”と運命糸を波動錬金学を使ってイコールにする方定式……何だ?! つまり、これは物体と因果の関係を再定義する儀式術なのか?!!」

 

 アーギストの顔色が変わっていく。

 

 そして、その情報を読み進めていく内に彼の顔に名状し難い表情が浮かんだ。

 

「……救世主の創造……その力の再現……イクス・ゼオの不死と復元能力……空間制御、運命糸と物体に存在する関係性の再定義。法則干渉による世界の改変、規定値の改訂はまさか……」

 

 直感的な閃きにアーギストは沈黙し、一旦情報を整理する為にスクロールしていた情報を止めて、指を弾いた。

 

 一瞬の間に元の研究室内部へ戻った青年がドッカリと椅子に腰を下して頭に手を当てつつ天井を見上げる。

 

「旧教会派がコレを指示したとすれば……なる程、本来のアプローチとは違うのだろうが、確かに救済とは言えるわけか……ふぅ……間違っていてくれればいいが……」

 

 その顔を疲労が覆う。

 

 そんな時だった。

 

 玄関で鐘が鳴らされた。

 

 アーギストの網膜には親友ジルムスの姿が映り込み。

 

 彼はドアを開けて招き入れる。

 

『アーギスト。朝っぱらから呼び出したんだ。さっさと用件を言え』

 

 ズンズンと進んで数分。

 

 開かれた扉の先からやってきた相手が彼の疲れた様子に以外そうな顔をした。

 

「お前がそこまでやつれてるのは珍しいな」

 

「僕だって人間だ。こういう事もある」

 

「で、親友。今日は一体何をさせようってんだ?」

 

 ジルムスがすぐ傍にあった椅子に腰掛けて、半眼で相棒を見つめた。

 

「母さんから新しい装備が届いた。お前宛だ」

 

 私室内部。

 

 妖しげな機器が詰まった一角。

 

 本棚の上に置かれていた1m四方の褐色の紙箱を下して、アーギストがそれをジルムスに渡した。

 

「あん? 装備ってアレか。白い外套か?」

 

「ああ、最新式だ。一ヶ月前半前の状況で危うく飲み込まれるところだったのを酷く気にしていて、不安になったんだろう。出来たばかりのやつを寄越した。とりあえず製造方法は貰ってるから、全員分今創ってるところだ。コレはその手本にした試作品。まぁ、前よりも全面的に強化されたと思えばいい」

 

「崩燼機関は祭りの一件で全部おシャカになったんじゃなかったか?」

 

「民生用も軍用も被害を受けたが、製造設備は残ってたからな。民生用は製造停止、今は軍用だけが急ピッチで再生産されてる。コレは母のお手製……今までより経戦能力が飛躍的に向上した代物だ」

 

「長く戦えるわけか?」

 

「ああ、今までは個人個人の崩燼機関には粒子量の制約と限界があった。だが、コレは違う。ハイダルの持つ【OEDS】と同期、経路の連結によって共鳴を維持する事であまり離れていなければ、事実上は無限に稼動する。まぁ、今まで帰る為に残しておかなきゃならなかった余力を気にせず能力を常に全開で使い続ける事が出来るって事だ。勿論、磨耗限界はあるから機関の物理強度上の制約はあるがな」

 

「つまり?」

 

「崩燼武装を定常出力で使い放題+機関の出力による攻撃方法の増加+防御力場と対侵蝕領域の維持時間を無限化。現実への帰還は機関が壊れない限り、心配しなくても良くなった」

 

「それでもまったく不安てのが問題だな。この間の敵を映像で見させて貰ったが、ありゃ明らかに軍の戦闘レベルを超えてたぞ。結局、イクスの野郎が倒したが、ギリギリだったのは間違いない。戦い易くなったんだろうが、これからあれ以上のレベルが来たら、さすがにオレ達個人の技量じゃどうしようもないんじゃねぇのか?」

 

「お前にしては最もな意見だな」

 

「殴っていいか?」

 

「勘弁してくれ。一応、対応策は一通り揃えておいた。この間の結界もそうだが、イクス・ゼオの肉体やハイダルの【OEDS】を解析した成果は出てる。母さんの研究も有るしな。この服も僕が強化したものだ。生半可な攻撃じゃ傷一つ付かない」

 

「具体的には?」

 

「七教会が公表してる新式の警備用【高格外套(ソーマ・パクシルム・ベルーター)】に汎用性じゃ負けるが、対屍蝋の仮面戦なら数十倍以上の差でこちらが有利だ」

 

「お前が危険人物なのはよく分かった」

 

 ジルムスが呆れた溜息を吐く。

 

「今更だな。事態が悪化しつつある今、大魔術師以上の能力が無ければ、此処からは必死確定の戦闘しかないだろう。個人の技量を最高ランクまで上げるのは前提。そこから先に行く為の努力は技術を司る僕の領分だ。お前は何も心配しなくていい」

 

 肩を竦めたジルムスが箱を一度開けて、透明な袋にギュウギュウ詰めにされた服を確認してから再び元に戻した。

 

「じゃあ、コレはありがたく貰ってくぜ」

 

「ああ、今日はコレを渡したかっただけだ。帰っていいぞ」

 

「そう言えば、妹はどうした?」

 

「ハイダルは……武芸術部の集まりだそうだ」

 

「いつからお前の妹は武道派になったんだ?」

 

「分かってて訊くな。こっちはコレでも紳士的な兄でいたいんだ」

 

 アーギストが妹の惚れた相手の顔を思い浮かべて、溜息を吐く。

 

「お前も大変だな。妹の恋敵が多くて」

 

「……個人的には幸せな恋愛というのをして欲しいが、本人が選んだなら茨の道だろうと応援するさ。それ以上は余計なお世話だろう」

 

「だが、実際のところ……イクスの野郎は持つのか?」

 

 一度だけアーギストがジルムスを見たが、その顔にある本気の表情にポリポリと頬を掻いた。

 

「……気付いてたのか」

 

「そりゃな。顔を合せてる度に意識が飛んでる間隔が長くなってるんじゃ、丸分かりだろ。最初は気のせい程度に思ってたが、近頃は露骨になってきた。断絶の間隔はまだ0.001秒にも満たないんだろうが、不意に動作が途切れてたら、武術を嗜んだ連中には分かるだろ」

 

「今のところどうしようもないというのが本音だろう。こっちでも色々と聞いてみたが、何をしようと無駄だろう事が分かっただけだった」

 

「知ってるのか? 妹は」

 

「いいや、知らないだろう。たぶん、後数ヶ月もすればバレるだろうが、それまでは気を使わせたくないと口止めされたよ」

 

「……まぁ、こっちはこっちでやる事をやる。それでいいんじゃねぇか?」

 

「最善は尽す。後は本人達の問題だ。僕の最終目標は妹と妹が生きる世界を守り抜く事だからな」

 

「そうか。じゃあ、オレはこれで行くぜ」

 

「ああ、また連絡する。次は働いてもらう事になるだろう」

 

「こき使ってくれるぜ。はぁ……」

 

 ジルムスが来た時と同じく。

 

 箱を小脇に抱えて帰っていく。

 

 それをもう見る事も無く。

 

 アーギストはこれからの事に思いを馳せていた。

 

 アイウィスが現実に迫り出し、侵蝕し始めるまでもう然程の猶予は無い。

 

 出来る限りの備えをしなければと彼は再び異相側の空間へと赴き、情報をスクロールさせ始めたのだった。

 

 *

 

「という事になりました。美紗さん」

 

「え、ええ、分かりました……」

 

 昼近くになって集合した少年と少女達は中央付近にあるカフェの一角。

 

 ウルを筆頭に璃紗、美紗、シルメイア、エストリア、ついでにユアルまでが集っていた。

 

 学生組は制服。

 

 璃紗のみがいつもの女給服姿である。

 

 四人掛けテーブルを二つ占領して。

 

 姦しく現在の少年周辺の恋愛状況を報告し終えたエストリアは咽喉が渇いたとばかりに氷で冷やした南部果実の果汁を一口。

 

 璃紗とシルメイアは揃って氷菓(アイスクリーム)の乗ったパフェを頬張っている。

 

 妹と同じものを頼んでいた美紗はその場で唯一の男性である少年にジットリした視線を向けて、頭に黒猫を乗せる少年から半笑いで誤魔化された後、溜息を付いて紅茶を嗜み始めた。

 

 耳をヒコヒコさせながらユアルは部長であるウルと何やら話し込んでおり、恋愛トークなんて耳に入っていない様子である。

 

 珈琲で唇を湿らせる様子は他女子全員とは一味違って青春の汗を流す学生そのもの。

 

 桜色の空気が漂う一角に一人浮いていた。

 

「では、そろそろ……こほん」

 

 そう音頭を取ってウルが注目を集め、立ち上がる。

 

 店内は偶然にも彼ら以外にいなかったが、もしも誰かがいれば、思わずウルの巨乳が揺れる様に目を釘付けにされていただろう。

 

 ようやく見慣れてきた他の女性陣達にしても、その迫力にゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「これより武芸術部の今期の新しい活動に付いて、わたくしから皆さんにお伝えしたいと思っています。本来なら、エンシェンとユアル、イクスだけでするはずでしたが、此処にいる皆さんは縁もありますし、参加したい方は遠慮なく申し出て下さい」

 

 そう言うとウルが持ってきた鞄から小さな紙を取り出して広げた。

 

「これは地図? でも、この点は一体……」

 

 エストリアの疑問にウルがハガス周辺の地図に穿たれた小さな赤い点をなぞりつつ、丁寧に説明し始める。

 

「これはハガス周辺で近頃確認された【魔匝窟(ルドゥム・ラクム)』の現在地を示した地図です」

 

「ルドゥム……って、確か」

 

 ウルがエストリアの声に頷く。

 

「ええ、魔界から流れ出す魔力や瘴気によって周辺の動植物が変質して化物に変わった地域の事です。実は夏祭り以降、このような地点が数多くハガス周辺には出来ているらしく。軍や警察機構が対処に当っていますが、人手が足りないそうでハガス内の武芸術の流派門弟には協力要請が出ています。それでウチの学校から大会で優勝した実績を買われて学業を免除、単位の修得、ついでに報奨金も付けるから出て欲しいと言われました」

 

「私に異論は無い」

 

 ユアルが事前に説明を受けていた様子で肯定した。

 

「僕も別に構わないけど」

 

「そう言うと思ってましたわ。ただ、人数は多ければ多い程に良いそうです。わたくしも頼める相手がいれば、皆さんを呼ぶ事も無かったのでしょうが、生憎とわたくしの周辺で頼めそうなのは此処にいる皆さんだけでした。勿論、これは危険な活動です。ですが、この数ヶ月の事件を乗り越えてきた皆さんにならばと思い紹介させてもらいました」

 

 サッと手を上げたのはエストリアだった。

 

「活動時間は何時から何時くらいまでですか? ウルさん」

 

「三日後から大規模な一斉駆逐作戦が開始されるそうです。それに合せて割り当てられた区域を朝の9時から夕方の6時まで掃討し、内部の化物を排除。その後、魔力の流出地点を封印式が刻まれた結界の護符で閉じて終了だそうです」

 

「行きます。ウルさんの頼みって言うのもありますけど、ハガスを守りたいのは誰も同じだと思いますから」

 

 それを聞いた女性陣が我先にと手を上げ始めた。

 

「今は休んでいますが、貴族警邏隊として放ってはおけません!!」

 

「シルメイアはイクスと一緒にいくよ?」

 

「イクスが行くなら璃紗も行く!!」

 

 美紗と璃紗とエストリアが即答。

 

 ウルは宜しいと頷いて、再び咳払いを一つ。

 

「では、全員参加という事でいいですわね? じゃあ、今日のところはこれでお話はお終いにしましょう。明日にも申請してきますわ。ちなみに参加するならしばらく学業はお休みで戦闘の準備に時間をくれるそうです。ですから、その……イクス、わたくしと一緒に買い物に行かな―――」

 

 ウルの抜け目ないデートプランに他の少女達が食い付いた。

 

「わ、私も行きましょう。二人だけに買い物をさせるのは偲びないので」

 

「璃紗はイクスのお手伝いするから、付いていかなきゃダメなの!!」

 

「シルメイアも行くよ?」

 

「部長。とりあえず準備なら武芸術部員総出にするべきです」

 

 美紗に続いて、璃紗、シルメイア、ユアルが続々と参加を希望した。

 

 それに少しだけムムッと言う顔をしたものの。

 

 ウルも事前に想像していなかったわけではないので大きく頷いた。

 

 そうしておもむろに対面に座る少年の横に腰を下すとムニィッとその凶暴な胸部を腕に押し付けつつ、微笑む。

 

「では、食べ終ったら行きましょうか? イクス」

 

「う、ぅん……」

 

 少年は背後から向けられる少女達の視線に冷や汗を掻きながら何とか頷いた。

 

 そうして、残暑の熱が残る午前中。

 

 少年+女性陣の買い物は始まった。

 

 主に少年の左右を取り合う陣取りゲームの様相を呈しながら………。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。