※この作品はR-18です。

聖娼館ハルトゥム   作:Anacletus

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第一章二十三節★

第一章二十三節「幸福」

 

 その夕景にもしも値打ちを付けるなら“無価値(プライスレス)”と人は言うに違いない。

 

 柔らかな橙色(だいだいいろ)の陽光。

 

 沈むまで後どれだけ今日を照らすかも分からない耀き。

 

 吹き抜ける一陣の風は迷いも雲も吹き払う涼に満ちて、全てを流し去っていく。

 

 空の蒼も海の漆黒も今はまだ宵闇に佇んで。

 

 一生を大陸の大地で終える大多数の人間が知らない光景が其処にはあった。

 

 途切れ途切れで細切れな意識の中。

 

 イフィミスラ・ハージェット・テトス・エルデナンドは己の博識に納まっていた世界を確かに見た。

 

 七教会が出した分厚い百科事典。

 

 一生見るはずのない景色。

 

 水平線に沈む夕日と絶海。

 

 それは地平まで続く穀倉地帯、美しき稲穂に彩られた故郷の【黄金郷(エルドラド)】にすら勝るとも劣らない。

 

 少女がまだ姫であった頃。

 

 この世で一番美しいと思った風景と同等以上の世界が目前には広がっていた。

 

「ごめん。僕以外の人間が複数人入る時には認証が必要で。ちょっと、待ってて」

 

 自分を抱いた腕。

 

 女のように細くて。

 

 女みたいに美しい顔をして。

 

 前に見た一子纏わぬ姿すら、男という感じはしなかったのに。

 

 それなのに少女(イフィミスラ)は少年(ティア)が確かに男なのだと感じた。

 

 力強さは感じない。

 

 だが、温かさがあった。

 

 熱い身体に伝わる優しげな熱。

 

 たぶん、女には出せない熱。

 

 心の底から安心する命の鼓動。

 

「跳ぶよ」

 

 声は途切れ途切れにしか聞こえない。

 

 それでも、何も分からなくても、何が見えなくても。

 

 少女は全てを少年に委ねた。

 

 うむ、とか。

 

 そんな風に頷いたようなそうでないような。

 

 胡乱なまま。

 

 不安は無い。

 

 少女の心に晴れた心地以外見当たらない。

 

 馬鹿みたいにお人よしな声が聞こえる限り、きっと。

 

 世界が闇に包まれてすら、きっと。

 

「到着。ナーリャ。エフィリム。しばらく此処のロビーに座って待ってて」

 

 足音。

 

 二つの気配が背後に消えていく。

 

 頑張って。

 

 だいじょうぶです。

 

 そんな応援を少女は聞いた気がした。

 

『我が創造主。ご希望のものは全て用意されました』

 

「ありがとう。破損状況は?」

 

『稼働率0.000423%以下に低下。聖女クラル・リテル及びフルー・バレッサの防衛用魔導機構による術式四万三千五百七十八種全弾を受け小破。稼動機体十三機の内、四機は復元まで3203時間を要します』

 

「無理をさせた自覚はある。一機を残して全機休止。完全復元まで活動を凍結。これで復元まで1000時間を切るはずだけど。いけそう?」

 

『警告。一機による単独運用は全範囲での行動に制限が付与されます。今後の戦闘及び旅中のフォローに支障有り。最低三機の平行稼動を推奨します』

 

「構わない。その分は僕がやればいいんだから」

 

『現行の因痕波の許容範囲ではSクラス以上の脅威存在が現われた場合、消滅状況に固定化される可能性は34.443%以上。危険と推測』

 

「半分も切れば十分だよ。処置する部屋の整備は?」

 

『現在作業中。作業中。作業中。終了しました』

 

「それじゃ、しばらく話をするから、呼ぶまでは静かにね」

 

『了解しました。我が創造主。娼館内部においてオーレムからの接触要求有り。繋げますか?』

 

「ごめん。少し待っててって。それと出来ればナーリャやエフィリムと仲良くするように伝えてくれる?」

 

『通達完了。これより活動機体一機による単独運用に入ります。現行、空間潜行の必要性は皆無と判断。通常空間への復帰を申請』

 

「いいよ。出来る限り能力は復元に費やしてくれた方が僕としてもいいし。皆と仲良くね」

 

『仲良くを仲間である事の立証と定義。外見上の非武装化を完了。認識阻害十七種の術式をカット。外見年齢を若年者一桁に固定』

 

「お茶でも入れてあげて」

 

『我が創造主。貴方の道に一時の喜びが在らん事を』

 

「ようやく着いた。イフィミスラ……起きて……」

 

 意識が呼び覚まされる感覚。

 

 少女が最初に聞いたのはドアの蝶番(ちょうつがい)が少しだけ軋んだ音。

 

(ティア……)

 

 薄く目を開けて最初に見たのは少年の泣きそうな笑顔。

 

 旅の最中、死に掛けて、少女はついに選択の時を向かえた。

 

 *

 

 扉の中。

 

 ランプに照らされた室内が浮かび上がる。

 

 色褪せた薄茶色(ベージュ)の壁。

 

 今は宵闇を運ぶ大きな窓。

 

 寝台は一つ切り。

 

 嘗て流行した王宮風の内装。

 

 金に似せた真鍮の輝きが家具にも付属する浴室や湯船にも鏤(ちりば)められていた。

 

 決して広くない部屋の中、唯一立派な寝台は真っ白なシーツを被せられ、念入りなベッドメイクを施されていて、皺の一つも無い。

 

 柔らかな発条(ばね)の入った敷布(マット)は少女の身体をゆったりと受け止めて、背にしている部分にすら負担を掛けない。

 

 頑強に固定された寝台の脚は上でどんな行為が行われようと軋み一つ漏らさないに違いなかった。

 

「寝かせるよ」

 

「……ん」

 

 イフィミスラの身体をそっと横たえ、枕に頭を下ろして。

 

 少年は横の椅子に腰掛ける。

 

「少し、ピリピリするかもしれないけど、我慢して」

 

 頷く気力も無い少女はそれでも内心で首肯した。

 

 それを分かっているのかいないのか。

 

 優しく頷いた少年が指を弾く。

 

 バンと強烈な音がして少女は思わず飛び上がった。

 

「お、驚いたではな―――」

 

 思わず抗議し掛けようとして、彼女は気付いた。

 

 自分が未だ眠っている事に。

 

「な!? これは……幽体?」

 

 マジマジと自分の手が透けているのを見てから再び視線が少年に戻される。

 

「幽体じゃなくて意識体とか。そんな感じだけど、あんまり代わらないかも。ちゃんと話しておきたかったから、ちょっとね」

 

「これが、“ちょっと”なものか。お前はまったく……」

 

 呆れた様子になったイフィミスラに少年が自分の膝をポンポンと叩く。

 

「傍で安定させながら話させて欲しくて。いい?」

 

「う、うむ。構わない」

 

 思い切り子供扱いなのは気に食わなかったものの、自分の様態を見て、少女は素直に膝の上へ乗ることにした。

 

 まるで我が子を抱き締めるように包んで。

 

 頭が撫でられる。

 

「子ども扱いは嫌いだ……」

 

「ごめん」

 

「いつもそればかりだな。そなたは……」

 

「謝る以外に何か出来る事があれば、いいんだけどね」

 

「……率直に聞くぞ。我は死ぬのか?」

 

 その問いに少年は首を横に振る。

 

「このままなら絶対に助からないけど、もう準備は済ませたから、君は死なない」

 

「そうか……」

 

「安心した?」

 

「ん、ちょっとだけ不安だったのだ。このまま、何もせずに、出来ずに、消えるのかと……」

 

 死ぬ事は勿論(もちろん)怖い。

 

 しかし、それよりも何も出来ずに消える事の方がもっと怖い。

 

 そう己の人生を振り返る少女に少年は「大物だなぁ」と笑った。

 

「ティア。一つ聞いてもよいか?」

 

「何?」

 

「我は……そなたの重荷になってはいないか?」

 

 少女の顔はこのままなら死ぬかもしれないと言われた時よりも曇っていた。

 

「イフィミスラ。イフィミスラは自分の家族が重荷だから、捨てたいと思う?」

 

「え……」

 

 少年は屈託無く、嬉しそうに少女の頭を撫でる。

 

「こんな時だから話すけど、僕は本当に大した事なんて無い人間だよ。大した事のある部分は魔王としての部分だけ……僕単体、僕が人間として振舞った仮面(ペルソナ)なんて、イフィミスラやナーリャやエフィリムに比べたら、きっと吹いて飛ぶくらいのものでしかない」

 

 唖然として目を丸くした少女の顔に思わず少年は噴出してしまいそうになった。

 

「そんな顔しなくても。事実だよ。でも、そんな僕にも譲れない事はある」

 

「譲れない事?」

 

「本当に誰かの事を考えるような人間なら、人間として生きていきたいと思うなら、この世界に住まう全ての命と、僕の大切な人達の事を考えるなら、僕はさっさと死んでるべき存在だから」

 

 ガツンと頭を殴られたような衝撃がイフィミスラの意識を揺さぶる。

 

 本当にさりげない言葉。

 

 事実を事実のまま話しているという態度。

 

 紛れも無く本心。

 

 己が消えるべきだと本気で少年は信じている。

 

 それが少女には痛い程に感じられた。

 

「それでも僕は生きている事を望んだ。それが結局は誰に対しても最大の暴力だと知りながら」

 

「そんな事!?」

 

「博学を修めたなら、知ってるよね? イフィミスラも……僕が今まで歴史上何をしてきたのか」

 

「それは……」

 

「実態は殆ど知られてなくても、結果として事実は数多くある。僕のせいで滅んだ国は数知れない。間接的な影響だとしても本当の事。沢山の人を不幸にしてきた。その人達の為、僕のせいで不幸になった、これからなろうとする人々の為に立ち上がった者を、僕は無慈悲に退けてもきた。殺した者もいたし、復讐で狂った者も破滅した者もいた」

 

「お前が過去に殺された魔王達のような者ならば、その言葉を真(まこと)であると受け取ったかもしれぬ。だが、我はそなたに救われたのだ。そなたに生かされたのだ。それでどうしてそなたの言葉を真(ま)に受けられる……」

 

「全部本当の事だよ?」

 

「そうなのだろう。でもな。我はそなたに……感謝しかないのだ。それも確かに真(まこと)の事だ……」

 

「イフィミスラ……」

 

「なぁ、ティア。我にそんな風に話してくれる理由は何だ? 我を治す事と何か関係があるのか?」

 

 鋭い少女の声。

 

 賢(かしこ)く全てを見通す瞳。

 

 少年の本当の心(おもい)を捉えて離さないとばかりに真剣な表情。

 

「イフィミスラには一生敵わないかも……」

 

 苦笑する少年に何処か明るく少女は告げる。

 

「ティア。我は国に家族に全てに見離された。けれど、な。そんな我にも近頃一つだけ信頼出来るものが出来たのだ。それはそなたが先程言った通りのもの。共に歩き、共に笑い、共に食事をする。そんな我がいつだったか失ってしまったもの……家族だ」

 

 お前は家族だと。

 

 家族以上の者だと。

 

 少女は少年を見上げる。

 

「家族を重荷だから捨てるなど、我には断じて出来ない。そなたの事を考えていなかった。あの失言は忘れてくれ……」

 

 晴れ晴れと微笑まれて少年はそれ以上遠まわしの説得なんて無意味だろうと悟る。

 

「……君を助ける方法が今の僕には二つある」

 

 声は何処か苦渋が滲んでいた。

 

「二つ?」

 

「僕が持ってる方法か。あるいは七教会の頂点に立つ誰かに助けてもらう方法か」

 

「それで、か?」

 

 だから、自分の事など話し出したのか。

 

 自分が罪人だ悪人だと言い始めたのか。

 

 少女はそんな少年に呆れた。

 

「僕の方法は君の人生を台無しにする。これからの人生で君が得られるかもしれない全ての幸福と可能性は露程も残らない。生きている限り、存在している限り、いや、僕がこの世界から消え去れない限り、君は永遠の呪いを受ける事になる」

 

「ならば、聖女に助けて貰えば、そうではないと言うのか?」

 

「少なくとも、君は人並みの幸せも悲しみも何もかもを得て、きっと幸せに天寿を全うする。終わる事すら喜びだって事を理解出来るくらい、幸福に包まれて」

 

 真面目に。

 

 あくまで少年は少女に事実を告げた。

 

 それは確信。

 

 決して覆る事の無いだろう魔王の語る結末。

 

「く…ふ、ふふ…あはは…ふふふふ…あははははははは!!!」

 

「イ、イフィミスラ?」

 

 いきなり笑い出した少女の様子に少年は驚き固まった。

 

「まったく、ああ、まったく、そなたは本当に……確かに人間には向かぬのかもしれない。皮肉に過ぎるが、これなら七教会の神の方がお似合いだろう……」

 

「それってどういう意味?」

 

「大馬鹿者め。本当に何と諭せばいいのか。ティア……お前はとても優しいのだな。だが、それは過ぎた優しさというやつではないのか?」

 

「え?」

 

「ティア。シンア・ザ・クリティカルアンラッカー。我を救いし者。我を目覚めさせし者。我を、我をこんな気持ちにさせた唯一の者よ……」

 

 今まで抱かれていたイフィミスラがその腕の中から抜け出して。

 

 そっと両手を少年の頬に添えて見つめる。

 

「今、此処にイフィミスラ・ハージェット・テトス・エルデナンドが、この我が保障する。そなたは誰より気高く誰より尊く誰より優しく誰より温かいが、何一つ分からぬ幼子にも劣る大馬鹿者だ」

 

 少女の笑みはまるで慈愛の女神。

 

 こんなにも人を優しく見守る者あらば、それを人は聖人と呼ぶだろう。

 

 それ程にただ人を愛する事を知った顔で、彼女は少年の耳元に囁く。

 

「そなたは確かに神にも届く力を持ち、世を戦乱たらしめるだけの能力を持っているのだろう。だが、何故……我の幸福を、我の願いを、我が人生を掛けて得るべき解を知ったつもりになっているのだ」

 

「――――――」

 

「優し過ぎる魔王よ。我はそなたが百万言を費やそうと何一つ分からぬ。何一つだ。我の人生は我の幸福は我の願いは全て我が決める事。それが全てお前の言う通りのものなのだとしても、我には未だ可能性でしかない」

 

「全て本当になるとしても、君はそう言える?」

 

「過保護と言うのだぞ。それはな」

 

「僕は君に」

 

 それ以上をもう少女は言わせなかった。

 

 初めての触れ合い。

 

 男女の理。

 

 世の真理。

 

 女が男を愛するという事。

 

 それを少女は誰に教えられずとも一人で体現してみせた。

 

「イフィミスラ……」

 

「馬鹿。本当の身体でしたかったのに、どう我に責任を取ってくれる」

 

 本当に嬉しそうに、心の底から笑顔を浮かべて、少女は額を少年とくっつけた。

 

「ティア…ティア…聞いて欲しい。我はもう決めてあるのだ。たった一つだけ……」

 

 相手の瞳を互いに覗き込んで、少女は少年へ告げる。

 

 きっと、これからどれだけの時間が経っても変わらないだろう想いを。

 

「我がもしもこの世に別れを告げる時が来たら、その時、傍にいて欲しいのは一人だけ……そなただけなのだ……」

 

 少年は本当にその時、思考する事を止めた。

 

 魔王としての己を已(や)めた。

 

「昔、僕を好きだって言ってくれた人は結構いたよ。でも、最後には誰もいなくなった。僕が恋をした人はこの数十年で三人……今は敵になるか皆、他の誰かと幸せになってる」

 

「ああ」

 

 優しく抱き締めて、少女は今初めて少年に触れる。

 

 本当の少年の心。

 

 何処までも己の想いを閉じて、ただ優しくあろうと、誰かを救おうと必死になった少年の気持ちに。

 

「僕は死なない。僕はたった一つだけ自分に約束した。魔王としての最後の責務を果たすまで、僕は永遠を越えて在り続けるって」

 

「ああ」

 

 涙も無く。

 

 ただ力ない笑顔のままで少年は語る。

 

 いつか通り過ぎてきた日の事を。

 

「共に育った人も、僕を救ってくれた仲間も、家族として育てた子も、血も涙も人生すら捧げて、僕を殺そうと決断した。それはきっとどんな理屈を持ってきても正しくて、覆せない事で」

 

「ああ」

 

 何もかも受け止めるように頷いて。

 

 震え始める言葉を噛み締めて。

 

 彼女は聴く。

 

「きっと間違ってるのは僕の方で。君を永劫呪い続けるとしたら、僕は自分を許せなくなる」

 

「そうか。ならば、もう全て解決したな」

 

 少女は余裕の笑みで何もかもを解決する言葉を投げ掛ける。

 

「例え、そなたの大切な人が、そなたの家族が、そなたの恋した人が、そなたに復讐する者が、この世の命の全てが、この大宇の全てが、そなたを許さないのだとしても……我が許そう」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。

 

「そなたがそなた自身を許せないならば」

 

「――――――」

 

「我が何もかも許そう。全て……そう、全てだ……」

 

 しばらくの沈黙があって。

 

 瞳を逸らそうとする少年に顔を寄せて。

 

「そなたは悪くない。ただ、優しくて、不器用で、ちょっと運が悪いだけだ。何、この我が命の一つも掛ければ、幸せにくらい出来るだろう。気にするな」

 

 離さないように逃がさないように、少女は笑顔で言い切った。

 

「……………………イフィミスラ」

 

「何だ?」

 

「君を、助けるよ」

 

 少しだけ、いつもよりも温かな笑みで。

 

 少年は透けた少女の唇にそっと口付けした。

 

「当たり前だ。馬鹿者」

 

 少女は、はにかみながら、少年から離れて己の体へと戻っていく。

 

 そうして。

 

 ようやく少女の治療が始まる。

 

 魔王の呪い。

 永劫の命。

 

 人間を己の奴隷と、従者と、全てを征服した牝へと変える為の儀式が。

 

 まるで似つかわしくないくらい温かな気配を部屋に漂わせながら。

 

(ありがとう。イフィミスラ……)

 

 少年は少女の身体に触れる前、そっと一度だけ軽く口付けした。

 

 無論、その唇に。

 

 *

 

 優しい手付きで少年は少女の衣服を脱がす。

 

 今は天御門で支給された白の襦袢姿。

 

 胸と腰と膝の紐を解けば、もうそこには幼くも美しい裸体がある。

 

 仄かに桜色に色付く肌と薄紅色で僅かに膨れた乳輪と乳頭。

 

 何の余分も無い恥丘の下には神聖なすじが一部の隙もなく閉じている。

 

 その上に膨らむ蜜が少女の身体がもう既に準備を終えた事を示していた。

 

「イフィミスラ。君を僕の従者に、僕だけのものにするよ。これは肉体と魂の変革。僕の一部になる事と同義。だから、この星が滅ぶ魔力だろうと、あの太陽を砕く力だろうと、受け止められるようになる」

 

「ん……」

 

 未だ普通の肉体では頷く事すら出来ない少女の瞳が薄らと優しく細められる。

 

「最初は身体が熱くなると思う。痛くはないはずだから心配はしないで。それと君の身体に僕の刻印(しるし)を全て刻む事になるから、もし誰か魔術に詳しい人間が君の刻印を見たら、君が誰のものか一目で分かるようになる。君がどれくらい僕のものか。した回数も、どんな経験があるのかも、君がどれだけ僕の精を受けたかも全部」

 

「ん……」

 

 艶を帯びた視線。

 

 悦びに濡れていく瞳が嬉しそうに目尻を下げる。

 

「触媒を全て皮膚の内部に転移させて」

 

『生体触媒の転移を開始』

 

 虚空からの声が応えて。

 

 少女の肉体内部に浸潤するように暖かいものが皮下に混ざり始める。

 

「魔力の誘導は接触して僕が受け持つから。刻印の形成と精度は全て任せるよ」

 

『了解しました。現時点で集積されている強化、進化、復元、回復、解析、制御に付いての魔術体系及び技術体系及び特殊技能の全情報を【対重力子(グラビティーノ)】において記述します』

 

 部屋の中。

 

 少女の身体がゆっくりと熱を帯びていく。

 

「……ぁ……」

 

 襦袢はもう消え失せている。

 

 何も身に纏わない身体は期待に火照っていた。

 

「イフィミスラ……っ……」

 

 口付け。

 

 指が肉体の上を滑っていく。

 

(ぅ…ぁ…前と…違う。もう…こんなに…なって……)

 

 すじの上に溢れた蜜は粒となって、雫となって、割れ目を、尻の柔肉を滑ってシーツに染みを広げた。

 

「首筋…ほっそりしてて…鎖骨もうなじも可愛いよ……」

 

(な…ぅく♡ そんなの…ふぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ んぅ!?)

 

 少年の声。

 

 少女を愛撫する為だけの言葉は今までの行為では少なかった。

 

 それをいきなり囁かれて、その部分を舌で舐められて。

 

 ゾクゾクと少女の背筋は快楽に震える。

 

「少しふっくらした胸も…二つの小さな蕾も…摘んであげるから、ね?」

 

(ひぁぁん♡ ゃぁ♡ 指でこりこりしてぇ♡♡ その上、口でなんてぇ♡ われぇ♡ われぇ♡)

 

 片方の胸の頂点を優しく指で触れて捏ねられ。

 

 もう片方を舌で甘く転がされて。

 

 腰の奥。

 

 男の精を待ち侘びる胎がきゅぅんと疼き始めた。

 

 やがて、少年の舌は唇へと代わり、優しく優しく乳房を食んで吸い始める。

 

(んぁぁ♡♡ こんなぁ♡ あ、赤ちゃんみたいにぃ♡ もっと吸って欲しくなってぇ♡♡)

 

 幼くとも目覚め始める母性が牝としての感情と入り乱れ。

 

 少女の顔を蕩かせていく。

 

 チュクッとゆっくり少年は舌と乳首を汗と唾液の蜜糸で結んだ。

 

(われの乳首ぃ♡ もぉ♡ そなたのものになってぇ♡ もっと、せぬのか、てぃぁぁ♡)

 

 少女の頭の中はもう少年に乳首を吸われる事だけ一杯になっていた。

 

 恥じらいはもう空の彼方に置き去りにして。

 

 甘く蕩けた乙女は牝の快楽をねだり始める。

 

「もっと、触れるよ」

 

 少年は背中から手を回し抱くように乳へと触れ、舌は再びもう片方の乳首へ。

 

 残った手がゆっくりと少女の中心を上からなぞっていく。

 

 こそばゆい感覚。

 

 そして、下に指が降りていく度に膨れ上がる淫らな期待。

 

 それを反映しているのかの如く。

 

 少女の身体、上半身に微細な紋様が浮き上がっていく。

 

 顔から喉、鎖骨から両腕、胸へと降りていく漆黒の刻印(しるし)。

 

 その意匠は曲線を多用し、何処か禍々しくも神々しい。

 

 肉体の細部まで及ぶ線は細く。

 

 その全ては魔導方陣のように極小の古代文字の羅列だった。

 

 書き込まれる幾多の文言は加護と少年に所有物されているという証明宣言で綴られる。

 

 最大の特徴は性器を飾り立てる事か。

 

 顎から頬に掛けて刻まれた刻印は何かを誘うように口の端に続いていた。

 

 それが一体何を誘っているか言うまでもない。

 

 今正に食まれている乳房には母性を強調するようなふくらみへの刻印と乳首を飾り立てる刻印の二つが刻まれていく。

 

「胎(ここ)で……僕のを受け入れるんだよ。イフィミスラ……」

 

 少年が臍に指を這わせながら肌の上で囁いた。

 

(我のお胎(なか)ぁ♡ 子種で孕むところぉ♡ ティアに触れられてぇ♡♡)

 

 少年の手が胎の上を撫でる度に疼く子宮からの欲求が少女の理性を溶かした。

 

 早く早く。

 

 少年の手を指を、大きくて、雄々しくて、愛しい男の化身(それ)を、幹を、早く向い入れたい、孕ませる為だけに、愛する為だけに、出される精(それ)を受け止めたい。

 

 そう、少女の感情が溢れていく。

 

「ティァ……♡」

 

 切なげな声に少年は少女が何を欲しているのか言われずとも理解する。

 

「声、出るようになった?」

 

「ん♡ 意地悪してはぁ♡ ゃぁ♡」

 

「何処を触って欲しいのか言って…おねだりしてみて…イフィミスラ……」

 

 少年の初めての要求。

 

 奪うものへの理不尽な命令。

 

 征服されるのはこういう事かと。

 

 イフィミスラは、はしたない顔で少年の愛撫に喘ぎながら媚びた。

 

「わ、われぇ♡ が、我慢できぬのだぁ♡ そなたの指でぇ♡ われの大切なところぉ♡ 赤ちゃん作るあなにぃ♡ ぐちゅぐちゅの欲しいぃのらぁ♡」

 

「うん」

 

 少年の指がようやく恥丘から下のすじへと到達した。

 

 ゆっくり割れ目の奥に潜り込んでいく。

 

「んぁぁぁぁぁぁぁッッッ♡♡♡」

 

 指で恥ずかしい大切な場所を蹂躙される快楽が少女の背筋を焼き始めた。

 

 ビクビクと反応した腰が勝手に浮き上がり、指を奥へ奥へと誘う。

 

「可愛いよ。こんなに乱れて…いい子だね。ん」

 

 二つの乳首とすじを同時に捏ねられて。

 

 少女は達した。

 

「われぇ♡ むねこねられてぇ♡ おまんこされてぇ♡♡ たっすりゅのらぁぁ♡♡♡」

 

 細やかな汗が肌の上を流れ落ちていく。

 

 少年はチュウチュウと甘噛みしてくる少女の穴の感触を楽しみながら、少年はゆっくりと少女から手を引いて寝かせた。

 

「ん♡ ぁ♡ ぁ♡ てぃぁぁ♡♡」

 

 何故止めるのだと。

 

 少女は達した余韻に浸りながら少年に行為を哀願する。

 

「イフィミスラ。今度は僕にしてくれる?」

 

 少年は少女の胸を跨ぐように膝立ちになる。

 

 いつの間にか。

 

 少年は何も身に着けてはいなくなっていた。

 

「ふぁ♡ そなたのこれぇ♡」

 

 少年が自らの化身を、その怒張を見せつけるように少女の上に晒す。

 

「イフィミスラの口(ここ)でして?」

 

 少年のお願い。

 

 いや、命令。

 

 少女がその甘美な言葉を拒否出来るはずもなかった。

 

 何も言わず。

 

 初めての行為に対する好奇心と牝としての本能が交じり合う女の顔で少女はゆっくりと口を開けて舌を出した。

 

「最初は難しいと思うから、僕が……自分から準備して、おりこうだよ。イフィミスラ……」

 

 撫で撫でと少年の頭を撫でられて、これから口をあの幹で犯されると考えた途端、少女の中で抗い難い欲求が生まれる。

 

 埋み火のように心の奥底にあった獣欲。

 

 あの少年の大切な白濁をまた口に出来るという歓喜。

 

 正に躾けられた狗のようにイフィミスラの脳裏には少年の精を飲み干した時の記憶が蘇っていた。

 

「じゃあ、ん……」

 

 少年が自分の幹を掴んで反り返っているのを下に向けた。

 

 少女のまだ幼く綺麗な赤い口内。

 

 その舌にカリの裏を優しく密着させて、もうトロトロと鈴口から流れている透明な先走りを覚え込ませるよう少年は先端を宛がった。

 

(ぁぁ♡ われぇ♡ こんなに優しく刷り込まれたらぁ♡♡)

 

 グチュッと淫らな音をさせて。

 

 唾液と先走りの交わった蜜を少女は自分から舌に刷り込み始めた。

 

(んぅ♡)

 

 先端を全て咥えられなくとも少女の唇は優しく少年を食み。

 

 舌は膨れた傘の裏をなぞる。

 

 クチュグチュピチュニュチュ。

 

 淫猥な音をさせて大切な場所に口付けする行為には忌避感の欠片も無かった。

 

「ん、く……」

 

 少女の清らかな口を穢す悦びに少年は初めて数分も経たず幹をひくつかせる。

 

 その様子に自分が少年に快楽を与えていると言う事実に少女は絶頂する以上の愉悦を覚えた。

 

 そして、ゆっくりと名残惜しげに先端から唇を離す。

 

「よい、ぞ♡ そなたのこだねぇ♡ われの口(ここ)にぃ♡ そそいでぇ♡」

 

 一杯となった口内から顎へと淫らな蜜が垂れ流されていく。

 

 精を待ち侘びる舌を出した少女の顔に少年は我慢出来ず。

 

 幹を己で擦って射精した。

 

「ッッッ♡♡♡」

 

 ビュボボボボボボボボボボボ。

 

 ドロリとした粘性の高い精がまるで無理やり押し出されているかのような音を立てて、少女の口内へと流し込まれていく。

 

 濃厚な雄の白濁を直に舌へ出される熱さを感じながら、少女はもうその虜となっていた。

 

 何度も何度も顔まで穢していく精を喉の奥に嚥下する悦びに股間の下へ蜜溜まりが出来ていく。

 

 ただ射精するだけでは堪らなくなって、少年はその今も脈動する先端を少女の口に再び宛がった。

 

「ん゛んんん♡♡♡」

 

 ゴポッと少女の舌に鈴口が当たった瞬間、更なる精が迸り、少女は瞳の端に雫を滲ませる。

 

 それでも苦しいはずの行為を受け入れ、舌が射精を促すように蠢き、幹へと絡み付いて。

 

 少年は少女を気遣う事も出来ない程にその行為へ耽っていった。

 

 ゴプン。

 

 一分程も続いただろう射精の終りにもう白く穢され切った口内へ一塊の精が滴り落ちる。

 

 ようやく口から幹を引き抜いた少年は深い満足感と共に放心しながらも白い舌で白濁を受け止め切った少女の頭を撫でた。

 

「とっても良かったよ。イフィミスラ……」

 

「てぃぁ……♡ わりぇぇ♡ うまく“ふぇらちお”できたの…か♡」

 

 恋する乙女の無垢な笑顔で、雄に征服された牝の悦びを湛えて、精に化粧された少女は尋ねる。

 

「うん。今度、また教えてあげるから……」

 

「ん♡」

 

 口をようやく閉じて、少年の味を、身体の奥底を熱くする卑猥な悦楽を己の舌の上で味わいながら、少女はもう準備が出来た自分の股間を見つめた。

 

「ティア♡ われぇぇ♡」

 

 少年が少女の上から退いて後ろに下がる。

 

「イフィミスラ。どうすればいいのか分かってるよね」

 

 恥ずかしさよりも悦びに顔を緩ませて。

 

 少女が股を開いた。

 

 クチィッと。

 

 閉じられ蜜に濡れたすじが両の人差し指で開かれる。

 

「ティアァ♡ わりぇのここぉ♡ お、おまんこぉ♡ そなたのたくましいものでぇ♡ おちん、ちんでぇ♡♡ つらぬいてほしぃのだぁ♡♡♡ わりぇのあかちゃんのへやとこづくりあなぁぁ♡♡ そなたせんよぉにしてぇぇッッッ♡♡♡ びゅーびゅーしてぇ♡ こづくりしてぇぇ♡♡」

 

 牝としてこれ以上ない程に正しい淫猥でおねだりに少年は行動で応える。

 

「いくよ」

 

 少女の股の内側へと潜り込んで。

 

 少年の先端が蜜でぬかるむ穴に吸い付いた。

 

「ん」

 

「ついてるのだぁ♡ わりゃのあにゃにぃ♡ ぷちゅってぇぇ♡♡」

 

 軽く達しながら。

 

 自分の一番大切なところで触れ合った感触に少女は甘い声を上げる。

 

「イフィミスラ。僕のものになって。ずっと、大切にするから」

 

「ティアァァァァァ♡♡♡」

 

 何よりも嬉しい言葉に少女は心の底から頷いた。

 

 幸せに涙を零しながら…。

 

「これから君は僕だけのものだよ」

 

 ミチィッと先端が少女に埋没した。

 

「んぁああああああああッッッッ♡♡♡♡」

 

 それだけで少女は達した。

 

 幸福感、多幸感、女としての始まり。

 

 その全てを一心に受け止めながら。

 

 沈んでいく幹の太さを長さを牝として悦び祝う。

 

 完全に温かな蜜壺と化していたイフィミスラの中を少年は苦もなく進んでいく。

 

 蚯蚓千匹(みみずせんびき)と乂羅に言い習わされる女の形容を体現するような必死に幹を愛撫する少女の膣(なか)で、少年は思わず射精しそうになった。

 

 それでも構わず進んだ先。

 

 少女の中の純潔がプチンと呆気ない音を立てて貫かれる。

 

「あああああああああああッッッッッ♡♡♡♡♡」

 

「……っ」

 

 きついだけではない。

 

 少年の全てを受け入れたいとの少女の想いは速やかな少年の道行(みちゆき)を肯定し、内部を柔軟にさせていた。

 

 貫いた少年はようやく少女の一番奥へと到達する。

 

「てぃぁぁ♡ わりぇぇぇ♡」

 

 正真正銘紛れもなく純血を奪われた。

 

 その悦びに零れる涙もそのまま少女は笑顔で身体を戦慄(わなな)かせた。

 

「おめでとう。イフィミスラ」

 

 精に濡れた頬を優しく撫ぜて少年が微笑む。

 

「これ、でぇ♡ もぉ♡ そなたのぉ♡ おんな、なのだからなぁ♡」

 

 少年は一体となった少女に頷いた。

 

「もう少しで刻印(しるし)も全部刻み終わるから、見て」

 

「ぁ♡ これぇぇ♡」

 

 少年が自分の中にいるだけでも少女は満たされていた。

 

 しかし、それだけでは終わらない。

 

 何故なら、少女がこれから仕えるのは世界の全てを敵に回すだろう男だからだ。

 

 少女の胸から身体全体へと広がっていった刻印は今や胎の上にまで到達している。

 

 心臓の形容であるハートの意匠がゆっくりと肌の上で蠢いて、少女の子宮の真上で変化していった。

 

 漆黒の刻印によって描き出されたのは膣と子宮と卵巣を表す意匠。

 

「もしナーリャやエフィリムに素肌を見られたら、僕にどれだけ何をされたのか。分かっちゃうから」

 

「くぅん♡ そん、なぁ♡」

 

 否定しようとしてもし切れない程に自分の秘事を赤裸々に語る刻印。

 

 思わず悦びの声を上げる少女の声は期待に震える。

 

「精を受ければ刻印は僕の魔力を蓄えていく。黒はゆっくりと白に代わっていく」

 

 その説明を少女は正しく理解し、膣(なか)を甘く蠢かせた。

 

 白い刻印があれば、その部分に精を受けた証となるのだと。

 

「イフィミスラの胎(ここ)を今日は全部白くするから、ね?」

 

「ふぁぁぁぁッッッッ♡♡♡♡」

 

 ズチュンと容赦なく少年の鈴口が少女の子宮口を優しく抉った。

 

 グリュッグリュッとあまり動かず一番奥を責める少年の行為に、はしたない声で少女は自分が牝として少年に求められている実感を抱いた。

 

(そ、んなぁ♡ ゃらぁ♡♡ わりぇのぉ♡ あかちゃんのへやぁぁ♡ はじめてなのにぃぃ♡ ひらいちゃうぅよぉ♡♡♡)

 

 未だ精すら満足に通れないかもしれない幼い穴の奥。

 

 子宮へと続く細い穴は幾ら捏ねられても開かないはずで。

 

 だが、その常識は簡単に覆され始める。

 

 少年と一体となった事を機に足の爪先まで及んだ刻印は少女の肉体を変えつつあった。

 

 今正に膨れ上がった魔力で爆ぜようとしていた細胞の一つ一つにまで浸透する刻印からの浸食は例外の一つもなく、少女の身体を刻印を司る主に似つかわしいものへと変えていく。

 

「あ♡ あ♡ てぃ、ぁぁ♡ あかちゃんのへやぁ♡ ひらいてぇ♡♡」

 

「僕の子種で子作りするんだよね?」

 

「ぁ、ひぅ♡ するぅ♡ てぃぁのぉ♡ こだねぇ♡ びゅーびゅーしてぇぇ♡」

 

 少女は無意識に中で奥ばかりを虐める少年の幹を食み絞る。

 

「っ…いいよ。沢山しよう……」

 

「♡」

 

 太い幹を小さな穴で呑み込んで、更に奥で少年を迎えようとする牝穴は歓喜を持って、その時を待つ。

 

 ズ、ズ、チュク、グリュ、グチ。

 

 重なった部分から零れ落ちる蜜は泡立ち、もう言葉も無く少女は少年の腰に足を絡ませた。

 

「てぃあぁ♡ てぃあぁ♡ おまんこしてぇ♡ ずっとこづくりするぅ♡♡」

 

「イフィミスラ……」

 

「んぁぁあ♡ てぃあのふるえてぇぇ♡ こづくりあにゃひろがりゅぅぅぅ♡♡♡」

 

「ん、僕の子種、全部欲しい?」

 

「ほしぃ♡♡ ほしぃのらぁ♡♡ わりぇのめしゅあなぁ♡ そなたのおひんひんでぇ♡♡♡ こいびとおまんこみたいにしつけてぇぇぇ♡♡♡ こづくりおまんこにしてぇぇぇ♡♡♡ はらましぇてぇぇぇぇッッッッ♡♡♡」

 

「うん」

 

 グッと少年は先端を子宮口に押し付けた。

 

 クポッと僅かに鈴口の先端が広がった穴の先に突き抜け、精を爆発させた。

 

「ん゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ♡♡♡♡」

 

 一瞬にして胎の中央が膨れ上がって少女は絶叫した。

 

 何度も一番奥で吐き出される精の感触に達し続けながら、少女は蕩けたまま、淫悦に己の身を委ねる。

 

 何度も何度も幹を絞り、牝穴で悦び、少年を悦ばせながら。

 

(もどれにゃいぃ♡♡ もぉ♡ わりぇぇ♡♡ てぃぁのおまんこなのぉ♡♡ これしゅきぃ♡ びゅーびゅーしゅきぃぃ♡♡ おなかはりゃんでぇ♡♡ てぃあのあかちゃんはりゃんでぇぇ♡♡ おっきくなってりゅのぉ♡♡ わりぇぇ♡♡ てぃぁのおまんこあなぁ♡ めしゅあなぁ♡ こじゅくりあにゃなのぉ♡♡ てぃあいにゃかったらいきてゆけぬのぉぉ♡♡♡ てぃぁぁ♡ てぃぁぁ♡ わりぇのだんなしゃまぁぁ♡)

 

 しばらく続く射精に少女のお胎(なか)は少しずつ大きく膨れていく。

 

 しかし、一定以上膨れなくなった時点で少年はようやく少女は自分のものになったのだと感じた。

 

 少年の本気の大量射精は少女を蛙腹にしてしまう程の量だったが、少女の子宮は全ての精を一滴残らず吞み干して、幼く小さな場所に全て押し込めたのだ。

 

 少女の胎の上の刻印が艶やかな白に染まっていく。

 

 少しも精が噴出してこない少年と少女の接触した部分では透明な蜜だけが二人の肌を濡らしていた。

 

 身体を汚していた精がゆっくりと肌の奥へと消えていく。

 

 完成した刻印はどんな大量の精も余さず吸収し、少女の上で色を白く染めた。

 

 顔から胸元に掛けて。

 

 胎から太ももに掛けて。

 

「イフィミスラ。イフィミスラはこれでもう大人だよ……」

 

 白い線に彩られ大きくなった腹部を優しく撫でながら。

 

 少年が少女の唇を奪った。

 

「んむぅッッ♡♡♡」

 

 舌が絡められ、唾液を送り込まれ、それを自然と嚥下しながら、少女は、イフィミスラ・ハージェット・テトス・エルデナンドは、女の悦びを甘受した。

 

「ん、ティア。われ…そなたのものに…なれたか?」

 

「こんなに僕の子種でお腹を大きくして、僕のを今もちゃんと受け止めてくれて。口付けも受け入れてくれた。十分だよ。イフィミスラ……」

 

 きゅぅぅんと少女の想いを反映して膣(なか)がまた少年の幹を絞る。

 

「これからどれだけ僕にされたかみんなに見て貰おうか?」

 

 悪戯っぽく笑って、少年が自分の下にある白い刻印に満ちた胎を撫ぜる。

 

「ば、ばか…もの…わ、われは…そ、そなたにしか……」

 

「ふふ。ごめん」

 

「い、意地悪だぞ。わ、われ…そなただけのものになった…のだから……」

 

 燃えるように熱い牝蜜のぬかるみから、ゆっくりと幹を抜き出して、思わず甘い声で啼く少女の胎の上に未だそそり立った状態で少年が乗せた。

 

 蜜以外は滴り落ちてこない穴はまるで今まで少年を咥え込んでいたのが嘘のようにまた儚いすじへと戻っていた。

 

「我の子宮…熱いのだ。そなたの子種で中がプチュプチュ弾けて。これでは初めての初潮がそなたの精で来てしまう。妊娠してしまうのだぞ♡」

 

「もし、そうなったら一緒に喜ぶよ」

 

「そ、そうか……」

 

 言われて。

 

 胸の奥から溢れる感情に少女はこれが“愛”なのだろうかと恥ずかしくなってイフィミスラは顔を伏せた。

 

「少し立ってみて」

 

「う、うむ」

 

 散々に達したはずの少女の肉体は少し時間を置いただけ。

 

 だが、まるで一日眠った後のように力が漲っていた。

 

「これは…これが…そなたの刻印……」

 

 初めて自分の身体にある刻印をじっくりと見る事になり。

 

 少女が頬を赤くしながらも喜びに笑顔となる。

 

 中央がぽっこりと膨れた胎の上の刻印は卑猥にこそ見えないものの淫らな行為の証に見事白く染まっていて、少女には悦んでいいのか恥ずかしがればいいのか分からなかった。

 

 太ももから足の爪先まで伸びた刻印。

 

 たぶん、背中にもくまなく伸びているだろう。

 

 まるで魔族の力ある刺青(タトゥー)のようにも見えるソレは今も少女の内側を変えていた。

 

 パサリと少年が床に落ちていた己の黒い外套を少女に掛ける。

 

「もう少ししたら、完全に馴染むから。それまでにこれに着替えておいて」

 

 何処からともなく取り出されたのはいつも少年が着ている旅人風の衣装。

 

 誂えられた服は少女のサイズにピッタリだった。

 

「ティア。その…あのな……」

 

「何?」

 

 衣服で身体を隠しながらイフィミスラが少年を見上げる。

 

「こ、これで…わ、我は…そなたの…こ、恋人…なのか?」

 

 期待を込めた瞳に少年はそう言えば説明していなかったなぁと汗を浮かべた。

 

「えっと、イフィミスラ」

 

「う、うむ!」

 

 キラキラしている瞳に少年は顔を引き攣らせながら喋り始める。

 

「怒らないで聞いて欲しいんだけど、この刻印を刻む儀式は…従者というか…奴隷というか…自分の力を与える使い魔とか…そういう儀式に近くて」

 

「う、うむ?」

 

 何か違う。

 

 何か聞きたい言葉とは別の事が話されている。

 

 そんな気がしてならず。

 

 少女の顔がドンドン曇っていく。

 

「一応、昔の魔王達が使ってた婚姻用とか許嫁用とかの儀式は別にあったりなんか、し―――」

 

 最後まで少年は説明出来なかった。

 

 音を立てて室内の壁や床が罅割れ、ゆっくりと浮き上がっていく。

 

 無意識に発散される魔力密度が高まり。

 

 室内のあらゆる物質が飽和魔力の暴発でパチパチと弾けていく。

 

「ばかもの……」

 

「落ち着い―――」

 

「大馬鹿者ぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 あれだけ場の雰囲気を盛り上げておきながら乙女のプライドを粉々にした男へ怒声と共に瀑布の如き魔力の本流が叩き付けられた。

 

 ズドォオオオオオオオオオオオオオオオン。

 

 屋外。

 

 もう夜になっている空に少年が舞う。

 

(もう元気みたい。良かったけど、ちょっと……これは……)

 

 少年は遥か上から館のある真下を見下ろした。

 

 館は大きな山脈に囲まれた小さな街にあった。

 

 それは少年が数十年前に手に入れた一つの成果。

 

 絶海の空に浮かぶ巨大な地域。

 

 半径十数kmに及ぶ繰り抜かれた円形。

 

 主も殆ど帰らなかった、誰も居なかった、魔王の城。

 

「また、使わせてもらうよ」

 

 そう誰に言ったのか。

 

 少年は微笑んだ。

 

 それを極度に上がった視力でイフィミスラが見つける。

 

 反省してないと怒りの鉄拳(まりょく)が少年を更に上へ舞い上げる。

 

 力の加減が効いている辺り、少女の潜在能力は少年が思っていた以上。

 

 やがて来る落下に備えながら。

 

 少年は少女に聞かれないようそっと呟いた。

 

「大好きだよ。イフィミスラ」

 

 言葉は、誰にも届かなかった。

 

 唯一、少年の城を管理する虚空の声の主以外には。

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