※この作品はR-18です。

聖娼館ハルトゥム   作:Anacletus

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遅れました。エロ回が続いたせいで執筆が滞っていました。さすがに辛くなってきたので次回からエロよりも日常回多目でやるかもしれません。では、次回。


第三章百二十五節★

第三章百二十五節「取り戻した日常Ⅴ」

 

―――アルヴァス亜人国首都ハガス南部赤線街。

 

 一連の外神との間に起こった事件終結から数ヶ月。

 

 壊滅した首都は今や山岳と化しているとの話は大陸に響き渡る事実であるが、実はその地殻の大変動に付随した新名所や名物が出来ている事はあまり国外で知られていない。

 

 首都の南部に位置する歓楽街は貴族から平民まで誰でも楽しめる娯楽処であったが、現在その南東の端に新規開店したばかりの店々が立ち並ぶ新区画がある。

 

『いらっしゃーい。あ~これがハガス新名物赤鬼饅頭だよ~~美味いよ~~彼の英雄たる赤鬼宗家の方々も食した由緒正しき饅頭だよ~~』

 

『いらはい~~いらはい~~これが何の名物かと言いますと~~聞いて知った見て知ったと見物人の方々は申しますかもしれませんが~~実はこれただの外套ではなく~~あの赤鬼宗家の長女様が結成なされた秘密組織~~【境界踏征(オーバー・フラタニティー)】の白外套だ~~勿論、これはレプリカですが~~いや~~何の因果か流出してしまった設計図を元にして魔術結社が再現した曰く付きの代物で~~』

 

『あの惨禍、惨劇より既に数ヶ月!! ですが、皆さん忘れちゃいけない!! あのような事が二度と起きないよう、覚えておかなきゃいけない!! この仮面!! 見た方も聞いた方もいるだろう!! あの事件で確認された全ての仮面が此処にある!! 魔除けに一枚どうだい!! 呪符を素材にしてるから、家屋の防菌、防黴、防呪、防魔術と優れものだ~~』

 

 大抵の店で売っているのは胡散臭いものばかりなのだが、商魂逞しいというか。

 

 あの事件の関連商品が今ではズラリと店頭に並んでいる。

 

 だが、別にそれが名物というわけではない。

 

 そういう売店や商業店舗はオマケだ。

 

 本命はその背後や付近に湯気と共に存在する。

 

 ザブザブと傾斜地を流れ落ちていくお湯からは蒸気が上がっており、周囲には僅かに硫黄の臭いも立ち込めている。

 

 そう温泉である。

 

 首都が一番被害が大きかった為、水の管理が大変な復興初期、衛生管理や一括管理の観点から行水や水浴が出来る大浴場の類を貴族院が大量に南部へ集中して建てたのだ。

 

 地殻の空間が捻れており、何処かの火山と地下水脈が接触した地点が存在していて、それでお湯が噴出しているらしいのだが、安定した湯量が見込めて成分も申し分なかった事が幸いした形である。

 

 現在、地方都市と転移での物流ラインが結ばれているので、その湯治客は首都だけに留まらず全国民規模となっていた。

 

 複数の通りで○○温泉街というノボリが掲げられており、一番多いのは赤鬼に由来した名前だ。

 

 夕闇に閉ざされつつあるハガスの新名所はなだらかな勾配を流れる温泉の音を聞きながら、風流に歩くだけでも祭りを彷彿とさせる賑わいで人込みは今も途切れる事が無かった。

 

 汗を流したいだけの地元民にも使い易いシンプルな湯殿と施設だけのものもあれば、観光客や長期逗留者目当ての宿泊施設付きの所も存在する。

 

 ただ、亜人達が行き交う通りから少し込み入った道を進むと通りの喧騒が遠くに聞こえる静かな会員制の温泉施設もあった。

 

 傾斜を生かして露天で山岳部から月を眺めながらの入浴。

 

 そういうのを売りにした高級旅館。

 

 東部様式を導入した瓦屋根の二階建てで内部の床は全館大理石。

 

 ついでに部屋は畳張りで浴槽は檜造り。

 

 ごっちゃな豪華さを醸し出した其処は正しく一泊金貨十枚では足りないだろう。

 

 ぶっちゃけると貴族院御用達の施設として建てられた秘密の会議場という性質が強い。

 

 政府関係者があまりにも多忙な為、ぶっ倒れる者が続出していたハガスでは強制的に休ませる名目作りに会議場所が癒し空間にされるという非常事態となっていたのだ。

 

 しかし、ようやく落ち着き始めた国内情勢から堕落の園とも囁かれる強制的な休息パラダイスを使用する者はあまりいなくなった。

 

 ハッキリ言えば、温泉に入って癒されまくったら会議にならないと全うな慰安施設として運用する旨が貴族院で議題となり、その為の法案可決が終わった。

 

 以降、政府関係者の純粋な慰安を目的として旅館は使用される事となったわけだが、それが始まるまでの数日……リニューアルの名目で客が一人もいない時間が出来たのである。

 

 そんな折、事件解決の功労者の一人。

 

 赤鬼宗家程ではないにしても、貴族院の一員にして大貴族たる奏家のご令嬢が懐妊したという事を知った関係者が貸切で招待したのは何も不思議な話では無かった。

 

「イクス。こちらです」

 

「うん」

 

 鬣のような黄金の髪。

 

 獣人らしい手足に尻尾。

 

 現在、官憲の仕事も産休中である美紗はイソイソと浴衣姿で同じものを着た少年の手を引きながら、旅館裏手の高台に置かれた湯殿へと歩いていた。

 

 館内に設置された方陣で転移しても行けるのだが、それでは風情が無いと二人切りの道行き。

 

 手を引く美紗は僅かにはにかんだ様子で常の自分を律しようとする姿とは何処か違っていた。

 

 ゆったりとした浴衣を着ているとはいえ。

 

 それでもその孕んでいる胎は隠しようもない。

 

 浴場手前の施設の引き戸を横に開いて二人が内部へと入り込めば。

 

 壁一面の木製の棚に褐色の蔓で編まれた衣服を入れる為の籠が入っていた。

 

 湯殿を見渡す一面ガラス張りの壁。

 

 壁際に置かれた大きな冷蔵庫と体重計。

 

 しかし、測るものはそれ以上要らないと時計だけが無い場所。

 

 殆どの政府関係者が男だったせいで女湯というのは無いのだが、二人が出て行く時には改装業者が二つに別ける事となっているという事で一緒にその湯殿に入れるのはこれが最後となるだろう。

 

「……脱がせて下さい」

 

 そっと片手に持った着替えを籠の横に畳んで、微かに頬を染めた少女が少年に身体を寄せて囁く。

 

「美紗……」

 

 その黄金の御髪が手で梳くようにして撫でられ、片手で帯が解かれた。

 

 はらりと落ちた浴衣の下には臨月を迎え、少女から母の身体となりつつある身体が露となる。

 

 目に入って最初に思われるのは亜人として身体の所々を覆う体毛が少し長くなっている事だろう。

 

 また、乳房は孕むまで美乳といった様子だったのが、今では立派に巨乳と言える大きさにまで成長し、乳輪は大きく、乳首もまた膨らみを蕾から小豆程にも大きさを変じ、何をしなくとも期待に疼いていた。

 

 もしかしたら官憲として働いていた時よりも気を付けて生活し、少年との時間を過ごす為の努力のおかげで肌は出会った時よりも艶を増しているかもしれない。

 

 施設全体を包む湿度にシットリと張りを保った身体は何処も妖しげなくらいに汗ばんで、これからの時間を思ってか微かに上気していた。

 

 胸元から下は優美な曲線を描き。

 

 薄っすらと汗を股間まで滴らせていた。

 

 胎から下を覗き込めば、整えられた毛が揺らめく炎にも似た形に整えられており、その下でもう膨らんで小指の先くらいにまで張り詰めている淫核が指を待ち侘び。

 

 すじからはもうとろとろと蜜が糸を引いて床に落ちている。

 

 獣人として今や発情し切った身体を持て余した美紗は一族の性か。

 

 小さく少年の首筋に唇を寄せて、傷付けないように甘噛みし始めた。

 

「ぁんむ♡ んちゅ、ちゅっ、んっ♡ んぅ♡」

 

「綺麗だよ。美紗……」

 

「どうせ、抱いている子みんなに言っているのでしょう。知っていますよ……この間、璃紗にも聞いたんですから」

 

 嘗ての少女ならムスッとした顔をしていたかもしれないが、少年の子を孕んだ女としての余裕か。

 

 はたまた母としての自負や貫禄が出てきたのか。

 

 彼女の顔は少し嫉妬が混ざっていたものの。

 

 少年とのこれからの時間を思って、甘く切なく正しく獣のように牝として自分を支配する雄に媚びていた。

 

「イクス……交尾する前に……わたしのここを……貴方が気持ち良く種付け出来る牝なのか……確認して?」

 

 勿論、建前だ。

 

 そんな事をしなくても少年は少女の身体の隅々まで見て、味わって、知っている。

 

 しかし、自分を見て欲しいとの思いと。

 

 少年に褒められたいという欲求は美紗の中で日に日に高まり。

 

 今や好色と言って差し支えない行動を取らせていた。

 

「ん♡」

 

 大きな乳房を拉げさせながら腕に寄せ。

 

 孕んだ胎と太ももを絡めるように摺り寄せ。

 

 上目遣いにおねだりする獅子に少年がコクリと頷いて、優しく口付けする。

 

 そのいいよ、という合図に笑みを蕩けさせて、竹で編まれた長椅子の端上にコロンと横になった彼女が自分で股を開き、腹部の下のすじを両手の人差し指で広げて見せ付けた。

 

 少年との交わりの中で包皮が消え去り、膨らんだ小豆のように艶を増した淫核(クリトリス)が少年の近付けた顔の付近で僅かに零れる吐息にゾクゾクと背筋に快楽を流し。

 

 その下の尿道はこれからの行為をまだかまだかと期待してヒク付く。

 

 開かれた陰唇はまったく処女のようにも見えたが、大きい方は見えず。

 

 小さな方だけが僅かに輪郭を膨れさせて露にしていた。

 

 桜色よりも少し濃くなった少女の交尾用の暗がりは透明な蜜を未だに零しており、見られているのを感じてか……少しその量を増やしている。

 

 少年が覗き込んで舌先を淫核に絡め、唇で吸い付く。

 

「っ♡ っっ♡ イクスっ♡ どう、ですか?」

 

 震えるだけでは済まず。

 

 軽く達した美紗が今にも蕩け切ってしまいそうな顔で訊ね。

 

 そっと呟きが返される。

 

「ちゅ、ん……もっと、美紗を僕のものにしたくなった……かな」

 

「イクス……♡ あ、ぁ♡ んぅぅ♡♡」

 

 少年の舌がコリュコリュとしこり勃った淫核(クリトリス)を押し潰した後。

 下に移動して、膣内(なか)へと潜り込む。

「っ♡ っ♡ っっ♡♡」

 

 声を押し殺して、何度も少年の口淫に背筋を仰け反らせながら、美紗は自分の胎内で我が子が身動ぎするのを感じた。

 

(ぁぁ、この子も悦んでっ♡ こんな淫らな胎教をしては駄目なのぃ……♡)

 

 両手の指先を少年の口元から離して、手で自分の腹部にそっと手をやった少女は少年が一頻り自分の内部を舐め終わるまで、恍惚と連続して背筋を焼く甘い衝撃に浸りながら、僅かに唾液を口元から零していた。

 

 相手の高まりを感じて。

 

 少年が股間から顔を上げて自分の浴衣を脱ぎ捨て、美紗の手を引いて身を起こさせる。

 

「ぁ……もうこんなに……」

 

「美紗が綺麗だからだよ?」

 

 少年の指先がそっと愛撫で塗れたすじを摩るように触れる。

 

「っ、っ、湯殿に……行きたいです……イクス」

 

「うん」

 

 震えながら立ち上がった美紗が少年に縋り付くようにして身を寄せ。

 

 二人がそのまま露天風呂へと向かう。

 

 その床には蜜が何かが張った後のように糸を引いて途切れ途切れの線となっていた。

 

 湯煙の中。

 

 二人が湯船の付近に来る。

 

 横に詰まれた手桶を取った少年がお湯の温かさを確かめて掬い。

 

 さっと背中から少しずつ美紗の身体に掛けて温めた。

 

「どう? 熱くない?」

 

「丁度良い加減です。大丈夫……ふふ、心配性な父上ですね」

 

 胎内の我が子に語り掛けながら、少年に先程の続きを潤んだ瞳で懇願する少女がお返しにと自分も手桶で少年へお湯を掛ける。

 

「ありがとう」

 

「はぃ……その、では……一緒に」

 

 先に湯船へ立ち上がって入ったまま。

 

 少年が先導し、美紗がその腕の中に飛び込むようにして身を預け、二人がお湯に身を沈める。

 

 しゃがみ込み。

 

 ようやく座って一息付けば。

 

 少女は少年に身を寄せて、腕を抱き。

 

 幸せそうに瞳を閉じて、肩に顔を寄せた。

 

「こんな時間が来るなんて……数ヶ月前には思いませんでした」

 

「そう?」

 

「そうです……イクス……貴方のような女の敵は……私がずっと傍で逮捕し続けますから」

 

「……いつかお話に魔王を捕まえた人って言われちゃうかもね。美紗は……」

 

「ふふ、そうですね。そうしたら、この子に聞かせてあげますよ。貴方がどんなに酷い人だったか 」

 

 からかうように告げて。

 

 少年の顔が自分を向いているのを見た少女が自然に唇付けした。

 

「ん♡ んぅ♡ れぅ♡ ちゅる、ちゅぷ♡ ふふ……♪」

 

 舌を絡めて、糸を引かせながら唇を味わった後。

 

 少年を見上げた美紗は「行きましょう」と立つのを促し、広々とした温泉の奥にある岩の壁まで行くと……そっと、両手を付いて四つん這いに腰を少年に突き出した。

 

「して……下さい……あなたの逞しい……おちんちんで……交尾して……この子と一緒に可愛がって下さい……私はあなたの……あなただけの牝ですから♡」

 

 湯船で洗い流されたはずの蜜が今度は粘性の糸を幾つもすじから零していた。

 

 雄々しく熱り勃った少年の幹が震え。

 

「優しくするから、ね?」

 

「はぃ♡ はぃ♡ あなた♡」

 

 伴侶を呼ぶように熱に浮かされたような心地で美紗が頷いた。

 

「美紗」

 

「あっ♡ ん、ぁ、入ってぇぇ……っっ♡♡」

 

 ブルリと一際大きく太ももから背筋に掛けてが震るえた。

 

 少年の幹の先端。

 

 亀頭がゆっくりと蜜をはしたなく零し続けるすじに押し込まれ、その自分を締め付けながらも緩く襞でしゃぶりつつ蠢く膣内(なか)へと押し込まれていく。

 

 途中、何度も肉の輪を潜り抜けるような感触が幹を襲い。

 

 支給口へ鈴口がしっかりと密着する頃にはもう少年の幹は一回り大きく張り詰めていた。

 

 ドヂュッ。

 

「んぁ♡」

 

 自分の膣内を押し潰すようにミッチリと熱い幹が埋まった感触にブルブルと腰を震わせて。

 

 美紗の瞳が舌を出して狗のようにハァハァと息を零す。

 

 ずっと交わり続けてきた少年には少しずつ変わってきた少女の内部で襞が肉厚となり、自分を受け入れる準備が出来たのを感じていた。

 

「して……下さい♡ 私のおまんこで……もう孕んだここで♡ また赤子が出来るくらい激しくしても大丈夫ですから……♡」

 

「美紗」

 

 腰を両手で掴み引き寄せ。

 

 少年が少しずつ前後に揺らし始める。

 

「ぁ♡ あ♡ っ♡ イクス♡ イクス♡ 私の膣内(なか)、はっ♡ どう、です、か?」

 

「凄く気持ちいいよ」

 

 緩やかに速められていく抽挿で傘が内部を抉る度、脳裏が甘い衝撃で明滅し、美紗は腰を無意識に少年へ押し付けるように振っていた。

 

 グヂュ、グヂュ、グヂュ、ヂュプ、ボヂュ、ゴヂュ―――。

 

「ひぁ♡ あぁ♡ あぐ♡ んぐぅ♡ イ、イクスっ♡ もっと……私をっ♡ 征服っ♡ して下さいっ♡ あ~~♡♡」

 

 少年の指先が臀部を鷲掴みにしながら、揉みしだく。

 

 お腹の子を労わりながらも力強く自分を犯す優しくも雄々しい雄との交尾にグズグズに蕩け切った膣内(なか)は屈服し、亀頭が子宮口を抉る度に襞の弾力が増した。

 

「んぉ゛♡ お゛♡ ぁぉおぉ゛ぉ……♡ イクスぅ♡ イクスぅ♡」

 

 何度も名前を呼びながら、淫靡に拉げて少年の幹を飲み込む自分の牝穴をきゅんきゅんと震わせ、ドロドロの蜜をお湯に溶かしながら、少女はこの世のものとは思えない幸福と犯される悦びにただの牝として声を上げる。

 

「もっと、気持ちよくなっていいんだよ。美紗」

 

 少年が今度は腰から手を話して背中に覆い被さり、後ろを振り向かせて唇を奪うと開いた両手で僅かにもう白い雫を滴らせていた乳房を揉み上げ、指で乳首を摘むようにして押し潰す。

 

「ちゅ、あぉ゛っ♡ おぉ゛ぉぉ゛おぉ~~~♡♡」

 

 それだけで何度か達した少女は舌をダラリと垂れさせたが、少年が空かさず唇を奪って、グチュグチュと舌で絡め取り、甘い唾液を啜り上げていく。

 

 ぢゅ、ぢゅるる、ぢゅずるるる。

 

(こ、んなぁぁ……♡ 私、駄目になって♡ 交尾の事しか考えられなくなって♡ ただの牝から戻れなくなっひゃ―――)

 

 少年の指は忙しくなく乳を弄った後。

 

 次はまた大きな腹部を撫でながら通り過ぎ、黄金の草原の先にある淫核(クリトリス)を指先で捏ね始めた。

 

「ッ、ぁ、ぁあ゛ぁ~~~♡♡ あっ♡ ぁっ♡ んぁあ゛ぁ゛あぁ~~~♡♡」

 

 背筋を焼く悦楽。

 

 子宮口が少年の亀頭を受け止める度に零していた蜜が更に粘着かせ。

 

 抽挿が重くなり、幹全体を膣内(なか)が絞り上げる。

 

「美紗っ、もうっ……」

 

「っっ♡♡」

 

 少年の切なそうな声に得の言われぬ歓びを感じながら、少女は意識して少年を自分の一番奥まで受け入れ、いや……自ら子宮口へ亀頭を押し込んだ。

 

 グヂュドッッ。

 

「あぉぉおぉ゛おおお゛おおぉ゛ぉぉおおお゛おお゛おぉぉ゛ぉお゛っっっ♡♡♡」

 

 子宮口が鈴口から溢れ出る泥のような子種の噴流で焼かれ、美紗が吼える。

 

 ドビュボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ―――。

 

 襞の間を埋め尽くすように白濁が満ちていき。

 

 最後には二人の繋がった中心から噴出して、膨らんだ胎から下を濡らしていく。

 

(くっぷくこうびぃぃ♡ こんなぁぁ♡ たくましくてぇぇ♡ きもちいぃのぉ♡ このこもいるのにぃぃ♡♡)

 

 発情し、種付けされ、孕んだ牝としてこれ程に幸せな時間は無いだろう。

 

 少年が腰を一際強く内部へと押し込んだまま。

 

 まだ続く射精に震えながら、きゅっと少女をただ抱き締めて首筋に顔を埋める。

 

「美紗……」

 

「っ♡ あ、なた……♡」

 

 そう返して。

 

 繋がったまま。

 

 二人は落ち着くまではと未だ交尾を続けながら、また再び口付けを交した。

 

 妖しく笑む奏美紗は確かにもう立派に女で母で牝で少年を包む包容力を秘めた獅子として伴侶を身体の全てを使って抱き止めたのである。

 

 *

 

 少年が日々の疲れを別の疲れで塗り替えていた頃。

 

 ハルトゥムの館に黒猫が一匹やってきていた。

 

「マゥヲ~~」

 

 こんばんわ~と珍しく正規の転移方陣から出てきたクラウゼン公爵家元当主代行。

 

 クヲンが片腕を挙げ、ラウンジでお茶を飲んでいた二人。

 

 聖女達に声を掛ける。

 

「何だ?」

 

「……?」

 

 然して自分達と接点が無いはずの相手が何やら傍に寄ってきた。

 

 それを疑問に思うのは自然な事だろう。

 

 しかし、クヲンがテーブルの上にシタッと乗り上げると。

 

 何やらチラリと転移方陣の方を見た。

 

 すると、内部から何やら透明なテープでグルグル巻きにされた水晶玉が四つ。

 

 フヨフヨと空中に浮かんでやってくる。

 

「……高位魔族?」

 

 胡乱な視線でソファーの一つにだらけていた怠惰なる聖女。

 

 メルフ・グラネッタが小首を傾げる。

 

「何の用だ。そんなものを連れて……」

 

 そのユアンの言葉にクヲンがパッと転移で出した紙芝居っぽい紙束を虚空に浮かせた。

 

 其処には何やらデフォルメされた少年と少女達が万歳しながら泣いている絵が書かれている。

 

「「?」」

 

 何が始まるのかと見つめた二人の前で紙が捲られた。

 

 次に出てきた絵は何やら七角錐状の大きな白いものに乗る黒猫の群れと一際耀くオーラを纏った黒猫とそれに付き従う四つの水晶球。

 

 その周囲には有象無象の魔族っぽい姿の者達が溢れ返っている。

 

 また捲られると最後に出てきたのは黒猫の乗った大きな白い物体の中央にポッカリと空っぽの部分が存在する絵だった。

 

 空っぽの部分へと歩いていく自分達二人の姿を認めて。

 

 聖女達が同時に目を細める。

 

「付いて来いと言いたいのか?」

 

「マーヲ」

 

 頷く黒猫から興味を失ったようにメルフが目を閉じる。

 

「おやすみ……」

 

「マヲ?! マママヲ?!」

 

「メルフはマヲッて言う生物の言葉、分からないから……」

 

 黒猫が怠惰な聖女の腹の上にシタッと乗る。

 

 すると、さすがに迷惑そうな顔になった寝巻き姿の少女はジトッとした瞳で相手を見た。

 

「同化していい?」

 

「マゥヲゥヲ~~」

 

 出来るものならやってみろ。

 

 少なくとも下手な口笛を吹き始める黒猫の顔はそう言っているのがユアンにも分かった。

 

 イラッとしたらしく。

 

 少し痛い目に合わせようかと半眼になったメルフの動き出しそうな手をユアンが止める。

 

「少し話を聞いてもいいだろう」

 

「でも……」

 

「まぁ、待て」

 

 ユアンが黒猫を持ち上げて、再びテーブルの上に戻す。

 

「で、アレは何なんだ?」

 

『五千年前に大陸へ埋められた神器よ』

 

『然り。我々が新たなる根城として再生させたのだ』

 

『本来ならば、七教会のあの重力井戸を新たなる動力源に使う予定であったが、壊れたのでな』

 

『本来は【騎士国(ヴィーリア)】へ渡す予定であったのだが、その前に使うはずが、使えなかったのだ』

 

 いきなり喋り始めた水晶玉に二人が視線を向けると溜息を付いているようにも思えた。

 

『貴様ら聖女の力なら動かすには足りるだろう』

 

『まぁ、貴様ら聖女の力の器としては最上だ』

 

『貴様らが動かさざるを得ん事実もある』

 

「動かさざるを得ない?」

 

 ユアンの言葉に水晶玉達が黒猫の前に整列する。

 

『天が七つを超えし時。大母の願いは果たされん』

 

『だが、天は新たなる階梯へと至り……そして、貴様らも新たなる選択をした』

 

『然り。然り。だからこそ、貴様らは戦わねばならない』

 

『独り立ちした世界に手を差し伸べる輩はもういない』

 

『故にあの大侵攻の折に沈んだ神器は引き上げられた』

 

『七罪の化身よ。貴様らの残る五人をどれだけ引き込めるかで世の行く末が決まる』

 

『もう理解しているのだろう? 己の役目を……貴様らは既に選んだのだ。だからこそ、我らは自らの意思で此処に来た』

 

『古の盟約は完了している。始原の聖女の願いは果たされた』

 

『此処からは新たなる神話。新たなる盟約が必要となる』

 

『真遠(まをん)と久遠(くをん)の彼方より。奴らは来る』

 

『審判の時を越えた貴様ら人類種が味わう初めての生存闘争だ』

 

『七教会とやらは聖杯委員会(ペルスヴァル)とつるんでいるようだが、奴らは自らの権能と庇護種者以外に然して興味が無い』

 

『全てを救いたければ、我らと歩むのが正道』

 

『それとも再びあの天を裏切るか?』

 

「「………」」

 

 沈黙。

 

 その長い静寂の果てに今まで横になっていたメルフが起き上がる。

 

「メルフ達が何を理解してるって?」

 

『運命は贄となるべき貴様らを是とした。しかし、数十年の時を超え、この地で貴様らの生は確定した。だが、それは同時に人類種とそれに関わる全ての種族が罪と業から逃れられなくなった事を意味する』

 

『それは己を滅ぼすか』

 

『他者を滅ぼすまで決して止まらぬ』

 

『時は零れ落ちる砂と同義。貴様らが真にあの女の後継だと言うのなら、三度世界を救え』

 

 ユアンがユラリと横に預けていた刀を握った。

 

 メルフがコキコキと訛った片手を鳴らしながら軽く握り込む。

 

『『『『決断の時だ』』』』

 

「……いいだろう……例え……例え、どんな境遇に在ろうと私は私だ……」

 

「自分の業、メルフ達の罪……それがみんなを殺す毒……そっか……シンアは……」

 

『『『『返答を』』』』

 

 二人が互いに視線を絡め、頷く。

 

「今はただの無頼として、お前達の言葉に乗ろう」

 

「みんなを守るのはメルフの役目だから」

 

『『『『新たなる時代の盟約を此処に記そう―――』』』』

 

「マウヲゥヲ~~~♪」

 

 ご案な~~い。

 

 そんな言葉に二人は思えた。

 

 黒猫が飛び上がった時。

 

 一匹と二人と四つの水晶玉の姿は忽然と消え失せ。

 

 それからの数日、ハルトゥムで聖女達を見る事は無かった。

 

 ただ、妹の監督不行き届きでイグニシア・クルシスの皇帝陛下から大目玉を食らった白い亜人少女が黒猫を追い掛け回す姿が後に目撃される事となる。

 

 聖女達の不在に驚いた者数名。

 

 聖女達を探し回った者が数百人。

 

 真空の海から空の果てまで探された彼女達が帰ってきた時。

 

 真っ先に他の少女達から怒られたのは言うまでも無い。

 

 それでも少年だけは……無駄骨の捜索への文句も言わず。

 

 優しくお帰りと告げるのだが、それはまだ先の話であった。

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