※この作品はR-18です。

聖娼館ハルトゥム   作:Anacletus

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そう言えば、調教らしい調教をしていなかった・・・ような気もしていたので、馬っ子が調教されてしまう話になりました。次は人外っ子の出番、そして帝国の三人とエロ回は続いていくでしょう。では、次回。


第二章五十一節★

第二章五十一節「調教」

 

 優しい人。

 

 少年を今もセイリはそう思う。

 

 唇を寄せた幹は反応こそしても跳ね回らない。

 

「ティア。ちゅ」

 

 乙女の口付けを捧げて。

 

 それでも“初めて”を惜しくは感じない。

 

「セイリ……」

 

 頭を撫でられて。

 

 思わず目を優しく細めてしまうくらい。

 

 彼女は手を受け入れた。

 

「主様。んっ…ぴちゅ…ちゅ……」

 

 人馬の少女シュレディナもまた同じ。

 

 自ら唇を寄せながら、少年への奉仕にうっとりとしていた。

 

 二つの舌が既に何度も射精で疲労している幹を労わるように舐める。

 

 シュレディナは地下研究棟での生活で習得した技を存分に発揮して。

 

 根元の睾丸を口に含みしゃぶる事までも抵抗なく。

 

 セイリは貴族の嗜みだと家の女中達から聞いた智識を基に張った傘の部分を何度も何度もなぞる。

 

 絡み合う唾液に忌避感無く。

 

 二人は一心に少年を愛した。

 

 奉仕とは捧げ仕える事。

 

 今のセイリとシュレディナには確かにその意味が分かっていた。

 

 シャナリシャナリとシュレディナの衣装に付けられた鈴が鳴る。

 

「主様。お慕いしています」

 

 高貴な青にも劣らない。

 

 白の花嫁。

 

 セイリの刺繍に覆われた手が絹の肌触りのまま。

 

 艶かしく少年のふとももを撫ぜる。

 

 クチャクチャと唾液と少年の鈴口から溢れる蜜を混ぜながら。

 

 技巧と拙さに彩られた口淫は今まで少女達が酷使してきた少年自身を緩やかに癒した。

 

 興奮はある。

 

 鼓動も早い。

 

 それでも穏やかな春の陽気の中に包まれたような。

 

 午睡(まどろ)みそうな心地良さを少年は感じていた。

 

「ん……」

 

 少年が漏らした吐息に再び放精の気配を感じて。

 

 シュレディナは僅か下がり、セイリに先を譲った。

 

「ティア。こ、こちらの準備は出来ている。その…君の逞(たくま)しいもので、私を貫いて欲しい」

 

 口元を唾液と少年の密で汚した少女はおねだりしながら。

 

 そそり立つものに跨った。

 

「セイリ。君が僕を選んでくれた事。嬉しく思うよ」

 

「~~~」

 

 ポンッと湯気が出そうなくらいに顔を紅くして。

 

 何とか理性を保っていた少女はモヂモヂと股を擦り合わせた。

 

「んぁ♡」

 

 少年の熱いソレを太腿で擦る事になったセイリが思わず愛らしい悲鳴を上げて、トロリと下へ己の密を滴らせる。

 

 最初から潤み切っていた“すじ”が僅か隙間を開かせた。

 

「少し達しちゃった?」

 

「ば、馬鹿な!! き、君はデリカシーが無さ過ぎです!!」

 

 声に力が無いのはそれが図星だったから。

 

 少年の手がそっと太腿に伸びて触れる。

 

「ひゃぁ!?」

 

 刺繍越しにも伝わる仄かな体温。

 

 別に尻を鷲掴みにされたわけでもないのに身体の奥。

 

 胎を疼かせて。

 

 セイリは隠し切れない己の興奮とはしたなさを全て暴かれた気がした。

 

「き、君の手は卑怯過ぎます……こんな、こんなに……」

 

 少年の先端に落ちる蜜の粘度が上がる。

 

「ぁあ、私と君のが混ざってるだけなのに……私……」

 

 自分達の出したものが交じり合う光景を熱に浮かされたように報告しながら、少女がゆっくりと己の秘裂を白い指先で押し広げた。

 

「よく見てください。これから此処が……き、君の娶る場所です。君が貫いて全部奪う……お、ぉまんこ……です」

 

 小声になりながら、少年に少しでも気に入られたくて。

 

 セイリが甘い声で請う。

 

「入れて、いい……ですか? ティア」

 

「うん。一緒に気持ちよくなろう。セイリ……」

 

「ぁ……」

 

 無垢なるものは少年に染まれる悦びに花開き。

 

「はい。あなた……」

 

 その呼び名に反応した残りの少女達が嫉妬をその内に感じたのも束の間。

 

「ん……んぅう♡ ふぁぁぁ♡ ぁぁああああああ?!!」

 

 自分の穴と少年の先端を付けた瞬間には快楽を。

 

 潜り込んだ先端が押し広げていく時には悦楽を。

 

 最奥を守る小さな膜を押し裂く時には歓喜と痛みを。

 

「はぁあああああ♡ ぁあああああ?! ティァァァァ♡ ティァァァァァ!!」

 

 最奥。

 

 子宮口に先端がようやく埋まった時、もう其処にいる少女は女だった。

 

 ズチュン。

 

「んぅぅぅ♡ ぁぁ、ぁぁぁ♡」

 

 嵌った少年の幹の長さを考えれば、セイリの膣(なか)は想像以上に解れていた事になる。

 

「てぃぁぁ♡ き、きみにわたし……め、めとられてしまいましたぁぁ♡♡♡」

 

 羞恥と痛みと悦びに染まる表情。

 

 だらしない顔で膣(なか)を媚させて。

 

 自分の大切なものを捧げた感慨に涙と唾液を滴らせて。

 

 セイリ・ティウアズライト・エルメトロ・ニェハエルは常に凛々しかった顔で娼婦さながらに囁く。

 

「きみにめとられたここ……およめさんの……ぉ、おまんこ……きみのためにつかいますから♡」

 

 もう周囲の事は頭に無い。

 

 羞恥はただ目の前の愛しい男に向けられるだけ。

 

 乗騎位。

 

 貴族の嗜みである乗馬の如く。

 

 少女はまず自分の奥に来るまでに一番大きく反応した場所で先端を扱いた。

 

「はぁぁぁあ♡」

 

 完全に蕩けた呼気が甘く吐かれた。

 

 予想外の具合の良さで先にセイリが軽く達してしまう。

 

「こ、こんなぁ♡ き、きみのおちんちん、かたちがぴったりなんてぇぇ♡♡」

 

 ジュチュル、ジュチュル、ジュチュル。

 

 ドロドロに蕩けた膣(なか)の僅かな余裕(ポケット)を少年の膨れた傘が埋めて掻き出す。

 

「んぉぉお♡ だめぇぇ♡ きみのでぇぇ♡ はしたないこになってぇぇ♡♡」

 

 伸び上がる背中はピンと張り詰め。

 

 膝立ちで少年の心地良い場所に何度も何度も導いた身体はすぐに限界を迎える。

 

「んッ、んぉおぉぉぉぉ♡」

 

 ブルブルと震えた太腿の先。

 

 股間がブジュゥと粘着いた潮を上げる。

 

 腰がガクガクと揺れ、セイリは先に達してしまった罪悪感と共にはち切れそうになっている幹をチュウチュウと膣(なか)で食み締めた。

 

「セイ…リ……っ」

「い、まぁ……らくにぃ♡」

 

 自分の言う事を聞かなくなりそうな体に鞭打った少女が腰を一気に落とす。

 

 ズボヂュン。

 

「~~~~~ッッッ?!!!」

 

 完全に雌の顔で己の臍。

 

 その奥にある子作りの為の場所を抉る槍を感じたセイリは急激に背筋を昇ってくる地鳴りのような震えと悦楽に恐怖と貪欲なまでの期待を予感した。

 

「もう、僕も……ッ」

 

 グッと深く深く子宮口へと少年が先端を押し付けた刹那。

 

 ドプッ。

 

 くっくりと浮き上がった幹の付け根から精が昇り上がって、射精が始まった。

 

「ぁ…ぅ……?」

 

 期待したような激烈なる蹂躙ではなかった事に残念な気持ちになろうとし―――。

 

 ビュ、ブボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ。

 

――――――?!!!?

 

 まるで詰まった管が弾けたような大量の子種がしっかりと合わせられていた少年の鈴口と子宮口の間を埋め尽くし、通り始めた。

 

「んッッッ?!!! ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛♡♡♡」

 

 プクゥゥゥゥ。

 

 風船でも膨らませるような。

 

 孕んだ女さながらに腹部がまろみを帯びていく。

 

 ミチミチと肉体が悲鳴を上げるかと思いきや。

 

 少年との行為だからなのか。

 

 魔王の能力なのか。

 

 セイリの子宮は破裂する事なく全ての精を注がれた。

 

「……ぁ…かひゅ…ひぅ…あ…てぃぁぁ♡」

 

 臨月真直とも思える自らの姿に舌をだらんと垂らした笑みでセイリが微笑んだ。

 

 淫蕩極まる表情に少年が堪え切れないように僅か腰を動かす。

 

「ひぁぁ♡ だ、だめぇぇ♡ はちき、れぇ♡ きみのあかひゃんちゅれなくなっちゃぁいまひゅぅぅ♡♡」

 

 最後の一滴まで搾り出す膣(なか)の動きは精を受ける前より激しく少年を責めてる。

 

 ブヂュンブヂュンブヂュン。

 

 ブルブルと震える精の詰まった腹が揺れて。

 

 愛おしそうに両手で押さえながらセイリが喜悦のまま悲鳴を上げる。

 

 涙も唾液も垂れ流しで。

 

「セイリ。僕の赤ちゃん作ってくれるの?」

 

「ん♡ ぅん!! き、きみのあかひゃんつくりまひゅ♡♡ ずっろ、ずっろ、つくりゅへぇてくりゃはぃ♡」

 

 ゾクゾクゾクッとセイリは背筋を震わせて。

 

 えもいわれぬ恍惚に自分が何を今まで求めていたのか知った。

 

 貴族達が願って止まない血統の純化とニェハエルの再臨。

 

 そんなものでは断じてない。

 

(あぁ、私は君と……家族に……)

 

 母と父と自分。

 

 嘗て在った幸せ。

 

 それを取り戻せたらと。

 

 もう一度手に入れたいと。

 

 最後の家族を失って、思っていた。

 

 知らず少年に求めたのは父の面影か。

 

 いや、巣立つ自分と番になるべき夫だ。

 

 セイリにとって、何よりも心から願ったのはそれだった。

 

 温かな家族のいる家。

 

 もうこの世にいない父と母に見せたかった光景。

 

 自分は幸せだと愛する夫の横で子供達を抱きながら報告したい。

 

 そんな、ささやかで誰にも機会があっていいはずの時間。

 

「セイリ……?」

 

 ポロポロと流れるのは涙か。

 

 それとも少年に願いを押し付けてしまった自分の浅ましさか。

 

 解らずとも。

 

 少年は歓喜と悲哀の狭間で涙する“己の少女”に手を伸ばす。

 

「てぃぁぁッッ、わたしぃッ、わたしはぁ!!?」

 

 恥じも外聞もなく。

 

 生まれた姿のまま。

 

 まっさらな娘に紡がれるのは誓約。

 

 今、この時、この場所で、永劫の果てまで果たされ続ける言葉。

 

「泣いていいんだよ。君はもう僕の花嫁なんだから……遠慮する事なんてない……ね?」

 

 静かな、静かな時間が一秒、二秒と過ぎ去り。

 

 痛みも哀しみも悦びも融け合せて。

 

 独りだった女は二人の慶びに己の宣誓を行う。

 

「きみが、きみがわたしのひよくなら、わたしはきみのすべてを……愛します」

 

 応えは身を起こした少年の口付けで返された。

 

 舌を絡ませながら、大きくなった胎を大事そうに抱えながら、二人が睦まじく啄ばみ会う様子にイフィミスラは嫉妬よりも歓びを感じていた。

 

 少年の傍にまた一人。

 

 家族が、仲間が、増える。

 

 自分だけでは変えられないかもしれない運命にも等しき世界。

 

 その中で抗うのはきっと血肉を分けるよりも重い願いを重ねる同志だけだ。

 

 同じ男を愛するなら、取り合う事もあるだろう。

 

 けれど、きっと嫉妬だけではなくて。

 

 笑い合いながら寄り添って往けると彼女は確信する。

 

「ぅぅう。余よりも先に花嫁宣言された……」

 

 自国では万能なりし皇帝陛下も魔王の娼館では形無しか。

 

 敗北感に拉がれている。

 

 その横ではセイリと少年の様子に貰い泣きするエーレインとエリザがいた。

 

「てぃぁ♡ てぃぁ♡ てぃぁ♡ ちゅ、くちゅ、んちゅ。はぁはぁはぁ……」

 

 もう何も隔てるものはない。

 

 そう言いたげに舌で舌を遊ばせながら、セイリはもう夫に奉仕する妻の顔で淫靡に微笑む。

 

 再び膨れ上がる幹の根元が射精を教えて。

 

「だひて♡ だひてください!! きみの、たいせつなこだねを!!」

 

「うん……」

 

 既に二人の中心には精溜りが出来ている。

 

 下半身を塗れさせながら、すぐにでもやってくる受精の機会(チャンス)にセイリはもう自分の肉体が子を孕む準備を終えたのだと理解していた。

 

 全ては少年との誓いのまま。

 

「もう、出すよッ」

 

 キュウッと睾丸が縮まり。

 

「♡」

 

 セイリは駆け上がってくる子種の群れを己の子宮で受け止めた。

 

 ビュ、ビュジュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル。

 

 さすがに入り切らなかった精が周囲に溢れ出し他の少女達のいる場所まで流れていく。

 

 足の指先からすら伝わる熱気と匂いが誰もを酩酊させた。

 

「      」

 

 もう言葉もなく。

 

 心地好い疲労感に襲われて白く染め上げられたセイリが意識を落とした。

 

 まるで初夜の如き交合(まぐわい)。

 

 羨ましいという本音が残る誰もの頭を過ぎった。

 

 *

 

 マヲンにひょいっと持ち上げられて。

 

 ダウンした少女達の列に加わったセイリが幸せそのものだったからか。

 

 それともさすがに今の状況で少年に後ろから交尾を願えなかったからか。

 

 シュレディナがおずおずと少年に手渡したのは見た目には乗馬用の鞭だった。

 

「あ、主様。ちょ、調教用の鞭でどうぞ……シュレディナの臀部を叩いて下さい」

 

 他の少女達にとってはもう恥じも外聞も無く調教してくれという願いはどよめきを齎すに十分な威力。

 

 今まではあくまで交わりが主だった事を鑑みれば、鞭という小道具を使った閨事(ねやごと)は一種の性癖と感情を満たす為の行為に他ならない。

 

 魔術でシーツがさっそく交換され、さすがに身体を清められたのが数分前。

 

 ようやく体調が回復してきた少年は手渡された黒い鞭をひゅんひゅんと危うげなく振っていた。

 

「その……シュレディナは、いいの?」

 

「はい。人馬との交合(まぐわい)はとても疲労しますから。シュレディナは主様を目で愉しませたいと……」

 

 控えめに少年を労わった栗色の牝馬は恥しげに立ち上がって後ろを向き座ると何事か言霊を唱えた。

 

 すると、尻尾が小さな黒いリボンでシュルシュル巻かれたか、上に引っ張り上げられる。

 

「シュレディナ……」

 

 少年が思わず名を呼んで見入ったのは飾られた臀部の中心。

 

 少女のすじに小ぶりの張り方が埋まっていたからだ。

 

 男の男根を模したソレが太腿と臀部に黒い固定用の皮紐でしっかりと結わえ付けられいる。

 

「あ、主様。ええと、その……鞭でシュレディナの臀部を叩いて下さい」

 

 コクリと少年が頷いてヒュンッと長めの鞭が奔り、ピシャッと尻を打った。

 

 ブブブブブブブブブブブブゥゥゥウウウウウウ。

 

「ひぁああああああああ?!!」

 

 響いた音と連動するように張り方が高速で振動した。

 

 急激に膣(なか)を責められて、シュレディナがガクガクと痙攣する。

 

 その衝撃は相当なものなのか。

 

 ピタリと内部の震えが止まっても下半身はプルプルと揺れていた。

 

「ケ、人馬(ケンタウロ)用の調教具だそうです。シュ、シュレディナは知らなかったのですが、人馬が嫁入りする時に持たされるものだと……」

 

 セイリのお嫁さんアピールがよっぽどに羨ましかったのか。

 

 声には羞恥よりも期待の方が大きい。

 

「男の方が体力的に持たない時はコレで奉仕するのだそうです」

 

「加減とか大丈夫だった?」

 

「は、はい。こう見えて人馬は亜人の中でも頑強な方ですから、それより主様は……た、楽しめそうですか?」

 

「うん。シュレディナが良ければ、続けていいかな?」

 

「ど、どうぞ。それと次の方に御奉仕を受けていて下さい。見るだけでは辛いと思うので」

 

 切り出されて次の予定者。

 

「クヲ?」

 

 マヲンが首を傾げた。

 

「主様をどうか気持ちよくして差し上げてください」

 

「クーヲ!」

 

 任されたとでも言いたげに胸を張ると白い人外少女が揺れる海月のような頭を少年の股間に近付ける。

 

 すると。

 

 周囲の幾つかある紐のような交接器が少年の肉体をシュルシュルと這った。

 

「く、擽(くすぐ)ったいよ!?」

 

「ククヲ? クークヲヲ」

 

 力加減を抑えてスルスルと今度は優しく交接器が体表を撫でる。

 

「じゃあ、行くよ……シュレディナ……」

 

「は、はい。主様。シュ、シュレディナの痴態をどうぞご覧下さいませ」

 

 少し弱めに鞭が飛んだ。

 

 ピシッ。

 

 ブゥゥゥゥウウゥゥゥゥゥゥゥウゥウウウウ。

 

「はぁぁああああああぁ?!! シュ、シュレディナのた、大切な場所がぁ!!? あ、主様のおちんちんを納める場所がぁああ!!? ふ、ぐぅぅぅぅううう?!!」

 

 必要以上に乱れまいとした言葉も数千(ちぢ)となって消えていく。

 

 まさに痴態。

 

 好きな男の為だけに使う場所を道具に占領されている背徳感。

 

 それを見られて悦んでしまう自分。

 

 その全てを背筋の通る快楽としながら。

 

 シュレディナは人が感じる以上に長い肉体の残響に鞭一発で心底追い詰められていた。

 

「チュ、ェアム」

 

 珍しいものを見る視線で人馬の少女を横目にしながら、マヲンの唇が少年自身を咥える。

 

 思わず少年の手が滑った。

 

 精神領域で一度食い殺されてからというもの。

 

 人外少女に股間へ近付かれるとソワソワしてしまうのだ。

 

 半身を融かし削られる事すらあった少年にとって一物を噛み切られるくらいどうという事もない、という意見もあろうが、男の業というものは根深い。

 

 どんな悪党の股間だろうと捻り切られる場面を見て気持ちの良い同性はいない。

 

 自分もそうなるかもしれないという想像力は容易に幹を縮こまらせる。

 

 ブゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ。

 

 先程よりも強くシュレディナの股間で張り方が暴れた。

 

「主様ぁぁあああ?!! ひぐぅぅぅ!? 強過ぎてぇぇ♡ シュレディナのここ壊れてしまいまひゅぅう♡」

 

 悲鳴の間にもマヲンは熱心に少年の股間に顔を埋めていた。

 

 精神での逢瀬では少年に軽く達させられて女の矜持が傷付いていた少女の猛攻である。

 

 しかも、今度は相手を一方的に責める機会とあってか。

 

 その指捌きと幹を喉の奥まで呑み込んで扱く手管は並外れていた。

 

 並みの娼婦も真っ青。

 

 舌で幹の裏筋を擦りながら、喉が性器さながらに括(くび)れた傘の形に窄まり、少年を射精へと追い立てていく。

 

 常人ならば堪らず射精しているであろう行為。

 

 それに耐えたのは少年が幾度か達して余裕があったからだ。

 

 それでも無理やりにでも感じさせようという無邪気な暴力にも近い攻めに鞭は上手く打てず。

 

 思わぬくらい強くシュレディナの尻を打った。

 

 バシン。

 

 ブブブブブブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!

 

「はぎぃぃ?!! きひぃぃぃぃぃん!!? 主様ぁああああ、そんなにされたらぁああああああ!!!?」

 

 ブジュ、ブジュ。

 

 しっかりと埋まっている張り方が無慈悲に固定されたまま、鞭の与える衝撃に応じた震えを紡ぎ出す。

 

 その度に噴出す潮と蜜の雨がマヲンの背中までも汚した。

 

「ごめ…ん…シュレディナ…っ…く」

 

 一筋残った紅い跡。

 

 それに鞭の勢いを緩めようとしたところで再び。

 

「クゥゥ、ングング」

 

 まともに息をしているかさえ怪しいマヲンの攻勢が掛かった。

 

 今度は喉の奥から引き出した先端を甘噛みしながら舌で先端を擦るという男には半ば反則の行為。

 

 生理的な恐怖は押さえ込めても、僅かな痛みに対する反応を少年は弱った現在の力で押さえ込めなかった。

 

 ピシャァアアン。

 

 大きく撓(しな)った鞭が紅い跡を残したのとは反対の尻に入った。

 

 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

「あるじひゃまぁああああああああああああ!!!?」

 

 ブジョォオオオオオ。

 

 震える膣穴から潮と密だけではなく琥珀色の液体が勢いよく輩出される。

 

 少年の足元を濡らし、マヲンの背中にまでも飛び散って。

 

 それでも止まらない排尿にシュレディナの顔が泣き崩れた。

 

「とまっれぇぇぇぇ?!! あるじひゃまにかけちゃらめなのにぃぃぃぃ!! んぎぃぃぃぃぃぃ♡♡♡」

 

 自らの主と決めた男にお漏らしの現場を見られた挙句。

 

 一部とはいえ掛けてしまう。

 

 そのあまりにも背徳的な快楽と少年に失望されるのではないかという絶望感から、今までで最も強い衝撃がシュレディナの背筋を駆け抜けるのではなく―――往復していた。

 

 頭と心と身体。

 

 その全てで共鳴するような激烈なる“うねり”が貞淑な牝馬をじゃじゃ馬にしていた。

 

 ブルブルと瘧(おこり)の如き達し様で。

 

 シュレディナが顔を涙と唾液でグシャグシャにしながら幾度も謝る。

 

「すみまひぇん!! あるじひゃまぁぁ!? しゅれでぃにゃはわるいこれすぅぅぅ!!? でも、すてにゃいれくらひゃいぃぃ?!!」

 

 謝っているのにホカホカと湯気を上げる尿溜りからは臭いが立ち上る。

 

 絶望とも悦楽とも付かないものに支配されながら。

 

 人馬の少女は徹底的な服従で主の関心を取り戻そうと更なる痛みを欲した。

 

「もっろぉぉ!! もっろたたいれくらひゃいぃぃぃぃ!! わるいこのしゅれでぃにゃをちょうばつしへぇぇぇぇ……」

 

 叱られて、叩かれれば、赦してくれるかもしれない。

 

 もっと鞭をくれるかもしれない。

 

 それは被虐の悦び。

 

 紅亜が達したのが夫という自らを所有する異性に対するものなのに対し。

 

 シュレディナのソレはいつだって自分を手放せる主に対する哀願に近かった。

 

 だって、人馬の少女は知っている。

 

 馬のような下半身では満足に向かい合って交尾が出来ない。

 

 口付けしながら少年の真直で愛も囁けない。

 

 自分が人間ではないという事。

 

 亜人であるという事実。

 

 今まで誇りとしてきた人馬の身体がもどかしくて。

 

 狂おしいくらいに切なくて。

 

 自分よりも美しい少女達が、人の身体で言葉を交わす度。

 

 内側に響く声は重く重く。

 

―――だから、人一倍着飾った。

 

 こんなにも綺麗な人馬なら手放したりしないと。

 

 飽きて捨てられてしまう事もないはずだと。

 

 何度も何度も自分に言い聞かせて。

 

 不安を押し殺した。

 

「すてないでくだひゃぃぃぃ!!? しゅれでぃにゃがわるいこだったらたたいていいれひゅからぁぁぁぁ?!!」

 

「シュレディナ」

 

 いつの間にか。

 

 マヲンに奉仕を止めさせて。

 

 少年が座ったシュレディナの下半身に身を寄せていた。

 

「お漏らしするなんて悪い子だね……シュレディナ」

 

 幾度も謝罪の呟きが口から漏れ。

 

「でも、それじゃあ、ちゃんと躾けないと、ね?」

 

 栗色の臀部に付いた鞭の跡がそっとなぞられる。

 

「あるじさまぁ♡」

 

 優しく傷に触れた指が離れる時、人馬の少女は止めてしまいそうになった。

 

 離れたら二度と触れて貰えないような気がして。

 

「もう、これは必要ない。僕がちゃんとしてあげるから」

 

 カチンと張り方を固定していた皮紐が外れて。

 

 ズルンと偽の男根が少年の手で引き抜かれ、尿溜りに落ちた。

 

「じゃあ、まずはごめんなさいって言ってみて」

 

「ご、ごめんなさい。あるじさまぁぁ…」

 

 パァアン。

 

「ひゃぁあああ♡」

 

 背筋を震わせた暴虐の瘧(おこり)とは違う。

 

 とても、とても甘い声がシュレディナの口から漏れた。

 

 ジンジンと痛いのに優しくて温かい。

 

 それは少年の掌だった。

 

 幼い子供の尻を叩くように。

 

 少年はシュレディナの尻を手型が付く程に叩いていた。

 

「ごめんなさいって謝ったら叩いてあげるから。シュレディナが良い子になったらご褒美もあげるよ」

 

「いいこ……?」

 

「うん。だから、良い子になれるまで自分で謝ってみて」

 

 少女は自分を赦せるようにと罰を与える役を買って出た。

 

 己を罰するなら、主である自分が罰する。

 

 そんな優しさがシュレディナの奥底に染み入った。

 

「ご、ごめんなさい。あるじさま」

 

 パァァアアン。

 

「~~~~~♡」

 

 ゾクゾクと込み上げてくる快楽はもう痛みすら越えていた。

 

 声を抑えて。

 

 今、自分で自分を罰しなくて済むように少年が罰してくれているのだと。

 

 そんな喜びを噛み締めながら。

 

 少女は再び謝罪する。

 

「ごめんなさい」

 

 パァァアアアン。

 

 尻を叩かれる痛みは悦びと喜びに取って代わられ。

 

 浸透するヨロコビは少女の心の奥まで届いた。

 

 トロトロと密が滴り落ちる秘裂が潤みながら尿の後を伝って雌の匂いを部屋中に立ち込めさせる。

 

「ごめんなさい」

 

 紅い少年の手型を付けられる悦び。

 

「ごめんなさい」

 

 優しい少年の温かさを直に感じる喜び。

 

「ごめんなさい」

 

 込み上げてくる少年への想いに浸る慶び。

 

「あるじさまは、しゅれでぃなのことをなんでもごぞんじなんですね」

 

 ドロドロと蜜は粘度を上げて。

 

「君の“主様”だから、ね。一応」

 

「いちおうは……いりません……」

 

 艶やかな唇が熱い吐息と共に少年から受けた罰の甘さに戦慄き。

 

 悶える雌肉は少年の幹を欲していた。

 

「あるじさま。しゅれでぃなに……ごほうび、ください」

 

「うん」

 

 声だけで。

 

 本当に声だけで人馬の少女は軽く達した。

 

 満たされる事は何も甘い愛の囁きだけに在らず。

 

 自分を罰してくれる。

 

 真剣に考えてくれる。

 

 それもまた一つの注がれる愛情であると、少女は知った。

 

「あるじさまぁぁ♡」

 

「ふふ、じゃあ、今日は腕でしてあげるから、ね」

 

 指が蕩け切った牝穴をなぞり、ゆっくりと指を埋没させていく。

 

「ん、ふぅぅぅう♡ くぅぅぅぅぅん♡♡」

 

 自分の熱とは違う。

 

 少年の微熱が膣(なか)へと侵入していく。

 

 その何とも甘美な衝撃にシュレディナの背筋が仰け反る。

 

「人馬の子は此処も広いから、大丈夫」

 

 実体験だろう。

 

 確かに常人に比べても人馬は同じ種の牡の巨大な男根を受け入れる為に内部の創りがそもそも広い。

 

「肘まで入れるよ。シュレディナ」

 

 ズ、ズジュ、プ、ズニュリュウウウウウウウウ。

 

「はぁあああああぁぁああああああああ♡♡♡」

 

 指先が潜り込み、手の関節まで入り、そのまま愛しい男の腕が自らの子作り穴を確かめる。

 

 そんな背徳よりも慶びに塗れた行為が少女の表情を完全に蕩かせた。

 

「はいっれぇぇ♡ はいっれまひゅぅぅぅぅ♡♡ あるじひゃまのうでぇぇぇ♡ しゅれでぃにゃのあかひゃんつくりゅあにゃにたくましぃぃのぉぉぉぉ♡♡♡ おくまれいれひぇぇぇぇぇ♡♡」

 

 涙も唾液も垂れ流しで獣のように舌まで出して。

 

 少女は自分の両手で乳房の先。

 

 乳首を扱き始めた。

 

「ん、膣(なか)……凄く熱くて。周りが一杯触れてくるよ」

 

「はひぃぃぃぃ♡ うれひくてぇぇぇ♡♡ あるじひゃまにかまってほしぃんれひゅぅぅぅぅ♡♡♡」

 

 ザワザワと襞の一枚一枚、繊毛の全てが少年の腕を男根と変わらずに愛撫する。

 

 それに少年は応えて。

 

 指を回しながら、全方位の壁を指先で弄り回した。

 

「んぉおおおおおおおおお♡♡ かわいあがらへぇぇぇぇ♡ おかひくなりゅぅぅぅぅぅ♡♡♡」

 

「じゃあ、シュレディナが一番好きな場所……しよう、ね?」

 

 人差し指と中指以外が握られ。

 

 二つの指が剣のように奥を目指して。

 

 ズジュヂュン。

 

「――――――?!!!」

 

 子宮口を抉った。

 

 ガクガクと腰が跳ね回り、突如としてシュレディナが絶頂を迎えた。

 

 泡を吹きそうなくらいに喉から乳房まで唾液が垂れ流され。

 

 意識を失いそうな瞳の焦点がブレる。

 

「シュレディナが一番好きなのは此処だよね?」

 

「は、はひぃぃ……」

 

「いいよ。ご褒美、沢山してあげるから。可愛い声、聞かせて」

 

 応えより先にズジュズジュズジュッと指先が子宮口を抉り始めた。

 

 それから、少女の口から漏れるのは声ではなくて。

 

 獣が交尾で上げる嬌声だけだった。

 

 だらしない顔のまま。

 

 何度も何度も何度も執拗に指先で抉られ。

 

 内部をゴシュゴシュと腕で擦られ。

 

 キュンキュンと襞は蠢き。

 

 絶頂から潮と尿の区別が付かない程に嵐は吹き荒れた。

 

 下半身から後ろにいた人物で誰一人として飛沫を受けなかった者はいない。

 

 しかし、それを自省する意識は既になく。

 

 あるのはただただ快楽を貪り、罰と褒美に溶かされた雌だけだった。

 

「ひあわひぇ……」

 

 シュレディナの体液に汚し尽くされながらも。

 

 少年はもうクッタリとした膣(なか)から腕を引き抜いて。

 

「また、いつでもお尻叩いてあげるから、ね?」

 

 そっと囁いた。

 

「クゥヒュゥ……zzz」

 

 凄まじい調教を目にして呆然としている少女達の横。

 

 終わるまで暇だったマヲンが一人仮眠に入っていた。

 

 白き彼女の出番はそれから数分後。

 

 シーツと室内と少年少女達を虚空の声が魔術で清掃した後。

 

 いつ如何なる時も天真爛漫。

 

 血統主義の申し子は戦いを告げる声に伸び~~~っと腕を上げて起き、一声宣言する。

 

「クーククククヲ!!」

 

 絶対、勝つ……と。

 

 天の月はようやく傾き始めていた。

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