※この作品はR-18です。

伝搬する悪夢   作:もっち~!

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演者失格

 

 

---高遠遙一---

 

主様より指令が出た。主人格への負担が限界に近いらしいので、主様の代わりにこの私が、

主人格の憂う問題を解決し、主人格を苦しめている輩の排除を命じられた。ふふふ、久しぶりに愉しめそうだ。

 

まず、女好きの探偵からだな。ピンクトラップで、簡単に釣る事に成功した。彼は、こういうのに弱いねぇ。女性が絡むと視野が狭くなるし。ふふふ。さてと、こいつをどうするかな。消えて貰うにしても、完全に消えて貰わないと困る。主様達に迷惑が及ぶとイケナイからね。

 

敷地にある山奥のクマ牧場で、放し飼いでもするかな?迷い込んでの事故…完全犯罪になるかな?

 

 

 

---金田一一---

 

美雪の居場所が判明した。アイツの土地にある、里山の裏山にある山小屋に、隠れ住んでいるそうだ。二三を追求して、ようやく聞き出せた。

 

そこへ向かう。結構険しい山道。だけど、美雪が俺を待っているかと思うと、引き寄せられるように、俺はスイスイと山に分け入る。うん?標識…こっちか。標識に誘導されて進む。湯煙が立ち上っている。温泉宿があるのか?帰りに美雪と二人で…それも良い。俺は、山奥にある山小屋を目指して進んでいく。

 

急がないと日が暮れてしまう。どこだ?少し焦る俺。山の頂から下を見下ろすと、小屋が見えた。アレだ♪その小屋に向かって、道無き道を進む。日暮れ前に、小屋に到着した。小屋の中に入ると、誰もいない。2階へと続く階段が見えた。上の階から微かに、音楽が聞こえて来ている。上の階にいるようだ。ゆっくりと、階段へ向かい、階段を昇り始めた。

 

カチ!

 

何かのスイッチ音。ソレと共に俺は滑走していく。まるで滑り台にいるようだ。滑り切ると、平原に出た。ここはどこ?見上げると、上の方に、小屋の底が見えている。どういうことだ?

 

黒い何かが俺にぶつかってきた。次の瞬間、俺を激痛が襲ってきた。えっ…右腕が無い…黒い何かが俺の右腕を咥えて、喰っている。あれって…クマかぁぁぁぁぁ~!逃げる俺。だけど、今度は茶色い何かが、下半身にぶつかってきた。更なる激痛。今度は左足が膝の下から無い…なんだ、ここは?

 

 

 

---高遠遙一---

 

まず、一人目…全てはクマと猪の胃袋の中だ。あぁ、持ち物は回収して、人里に捨ててくるかな。二人目をおびき出すエサとして…

 

 

 

---工藤新一---

 

俺と共に保釈中の金田一が、失踪したそうだ。逃亡したのか?う~ん…

 

しかし、失踪から1ヶ月後、金田一の消息が分かった。小淵沢署へ向かう俺と、金田一の両親。アイツの持ち物が山で見付かったそうだ。

 

「猟師が仕留めたクマの胃袋から、腕時計とスマホが見付かりましてねぇ…」

 

それは、クマに喰われたってことである。泣き崩れる金田一の母親。衣服とかは、既に排泄されたようだった。遺留品は、クマの腸へ進めずに、胃袋に居座って居たそうだ。

 

アイツ…懲りていなかったのか…そういう俺も、あの呪われた地に、再び足を踏み入れてしまった。このまま、帰京するのも手では有るが…地元の猟友会の方達、金田一の両親と共に、クマを仕留めた場所へ向かった。

 

そこは、朝霧沙樹の所有地であり、不法侵入しての密猟だったようだ。そこで花を手向けるアイツの両親。山菜採りをする猟友会の面々。そして、近くの山小屋へ移動して、山の恵みを鍋にして頂くことになり。

 

猟師達につれて行かれた小屋も、朝霧沙樹の所有地内にあり、あいつらの作業小屋のようだった。

 

「冬場は俺達が自由に使っているんだよ。地主達は、ここまで奥まで入らないからな」

 

って、勝手に小屋を使っているようだ。大丈夫なのか?俺の心配を余所に、酒を飲み交わす猟師とアイツの両親。鍋はクマ鍋のようだ。まさか、アイツを喰ったクマなのか?

 

アルコール臭がスゴい。寒さを凌ぐ為、密閉性が良いのかもしれない。飲酒をしない俺は2階へ上がり、ベッドに身を預けた。

 

◇

 

翌朝…2階の寝室で目が醒めた。寝室には俺しかいない。まだ、飲んでいるのか?1階へ降りて見たのだが、誰もいない。転がっている酒瓶も鍋をして形跡も無い。おぃおぃ…俺を置いて、下山したのか?

 

小屋を出て、斜面を降りていく。一人で昇るには、道が分からないと迷うからだ。幸い斜面を下る方向には獣道ポイの跡が有り、そこを歩いて行く。

 

しばらく進むと、手入れをしている森に入った。まさか、朝霧邸の里山か?蘭に逢えるのか?

 

「おい!止まれ!ゆっくりと手を挙げろ!」

 

女性の声だ。誰だ?声のした方へ歩き出すと、首筋に衝撃を受け、目の前がブラックアウトした。

 

気づくと、また留置場にいた。

 

「お前、工藤新一だ?朝霧邸に無断侵入して、警告を無視したそうじゃないか」

 

首筋に激痛が…ハイキック?蘭に仕留められたのか?くそっ!洗脳が解けていないのかよ~!

 

 

 

---佐藤美和子---

 

里山のパトロール。クマが降りて来ていると危険であるので、深雪さん、達也さん、蘭ちゃんとパトロールをしている。

 

ガサ!

 

草を踏みしめる音…音源に対して皆で銃口を向けると、工藤新一がいた。

 

「おい!止まれ!ゆっくりと手を挙げろ!」

 

警告を発した私。達也さんと深雪さんは、銃を構えた。だけど、立ち止まる気配が無い工藤君。そんな工藤君の首筋、ハイキックを叩き込み、意識を狩り取った蘭ちゃん。

 

「山を越えて、私を連れ戻しに来たの?有り得ない」

 

涙を流して、工藤君を睨む蘭ちゃん。まだ、洗脳されていると、思っているのか?

 

「不審者でもいましたか?」

 

高遠さんが戻って来た。山小屋の無断使用が絶えない季節だからだ。密猟して、山小屋で鍋をして帰る不届きな猟師達。備蓄品を勝手消費して、備品を勝手に使う、不届き者が絶えないのだ。なので、たまに、パトロールを兼ねて、山小屋の整備をしているのだった。

 

「また、小屋が使われていましたよ。酒瓶は転がっているわ、鍋は勝手に使われて、そのまま放置です」

 

「鍵を改良しますか。勝手に開けられないように」

 

「それも手ですね。で、彼はどうしました?」

 

工藤君を顎で差した高遠さん。

 

 

 

---工藤優作---

 

新一がまた捕まったそうだ。今回も不法侵入だそうだ。まったく、アイツは…保釈中だった為、保釈は取り消され、収監されるそうだ。何をしているんだ?

 

目暮警部と一緒に、面会へと向かった。

 

「不可抗力だって、今回のは…」

 

って、新一。金田一一の発見場所へ、発見者と彼の両親と共に、花を手向けに行ったそうだが、そこは朝霧沙樹の敷地内だったそうだ。発見者である猟師達は、不法侵入して猟をしていたらしい。その上、彼の所有する山小屋を勝手に使い、目覚めたら新一だけ置き去りにして下山していたそうだ。

 

「で、下山していたら、運悪く…見付かって…」

 

「う~ん…」

 

警部は席を立ち、金田一一の両親の所在を、確認するように指示を出した。しばらくすると、確認した結果が報告されてきた。

 

「何だって?消息不明だと?小淵沢から戻って来ていないのか?」

 

「まさか、アイツの両親達も…」

 

「あぁ、可能性は有るなぁ。警部、山狩りは出来ませんか?」

 

「所有地なんだろう?それは難しいなぁ。まして、朝霧沙樹の土地ともなると…」

 

「じゃ、猟友会の人達の所在は?」

 

警部が再度確認してくれた。その結果…

 

「今日も元気に猟へ出たそうだ」

 

無事なのか…

 

「千葉君と白鳥君に、小淵沢での足取りを追って貰うように指示を出した。その結果を待とう」

 

◇

 

警部に呼び出され、警視庁へ出向いた。電話での通話は危険だからだ。

 

「捜査結果なんだが、失踪は朝霧沙樹と無関係だったよ」

 

犯人は猟師達だったそうだ。父親を崖から落とし、母親を回したそうだ。そして、四葉家の所有地にある山小屋に監禁して、山に入る度に回していたそうだ。発見された母親は、衰弱死していたそうだ。一方崖から落とされた父親はクマに喰われたらしく、死体は発見されなかったそうだ。

 

「行きは新一君がいたから、手を出さなかったらしい」

 

 

 

---服部平次---

 

地元の総合病院へ行った和葉が、行方不明になった。オヤジへ連絡して、探して貰うように頼んだ。どこへ行ったんや?スマホへ連絡をしても、電源が入っていないって。ありへん。何か逢ったら、直ぐに連絡を出来る様に、電源を入れている和葉なのに…誰かの悪意か?

 

ダメ元で、工藤よりも頭のキレるアイツを頼ってみた。情報をメールして、しばらく待つと、

 

『なるほど…紅葉を探ってみな』

 

大先生からアドバイスが返信されてきた。藁にも縋る想いで、紅葉に探りを入れていく。って、今夜、アイツの別荘でパーティーらしく、家におらんかった。何のパーティーやろか?誕生日でも無いし、出産でも無いし…はて?再度、指示を仰ぐと、

 

『服部の戸籍は大丈夫か?』

 

って、大先生からメッセージが届いた。俺の戸籍?どういうことや?取り敢えず、役所へ駆け込み、確認すると、妻の欄には和葉の名前は無く、紅葉になっていた。どういうことや?

 

役所で訊いてみると、更新日時から、和葉との離婚届けを受理した直後に、紅葉との入籍届けが提出されたようだった。当該時間の監視カメラの映像を確認すると、、紅葉の家の執事が書類提出していることが、判明した。オヤジへ、そのことを連絡し、大先生にも報告した。俺と和葉の結婚を喜んでくれた大先生やし。

 

「大先生の仰る通り、紅葉がなんかやらかしたようや」

 

『そうなると、急いだ方がいいぞ。和葉が危ない』

 

危ない?紅葉に殺せる訳は無いと思うが…

 

「どこやと思う?」

 

『パーティー会場に、警察と行け』

 

って、アドバイス。オヤジの部下と共に、パーティー会場へ向かった。

 

◇

 

パーティー…スワップパーティーだった。府警の突入で混乱する現場。俺は和葉を探した。そして、和葉を見つけた。一番奥にある大広間で…変わり果てた和葉を…

 

仮面を付けた男の上で上下しながら、違う仮面の男のアレを口に咥えている。和葉の後には仮面を付けた男が和葉とシンクロして上下しながら前後をしていた。和葉の股間は血塗れであった。これでは、お腹の子供は…

 

くそっ!

 

一緒に来た刑事のホルダーから銃を取りだし、ケダモノ達と和葉を仕留めた…

 

 

 

---工藤新一---

 

「なんだって…」

 

言葉が続かない。服部が刑事の銃を奪い、刑事の目の前で、殺人を犯したそうだ。それも愛している女が、今後苦しまないように、殺したそうだ。

 

「大岡紅葉って、彼に惚れていた女が仕組んだらしい」

 

「紅葉は金田一の婚約者だよ」

 

「なんだって?本当か、新一…」

 

紅葉は妊娠していなかったのかもな。いや、堕ろした可能性もある。朝霧さえも騙したのか?

 

「で、紅葉は?」

 

「府警が踏み込んだ時には、既に逃げた後らしい」

 

戸籍上の話であるが、服部の妻の座を手に入れた紅葉。服部を手に入れる為に、和葉ちゃんのお腹の何にいる平次の子供はジャマだったのか。パーティー参加者達の供述から、妊婦とやりたい好き者を集めて、和葉ちゃんを提供したらしい紅葉。

 

その結果、突かれまくられ、破水し、子供はダメだったらしい。和葉ちゃんの精神ダメージを考えた服部は、敢えて和葉ちゃんを殺したのだろう。服部が全部背負う為に…

 

そして、今回も朝霧は絡んでいなかった。寧ろ、服部にアドバイスを送ったそうだ。本当にそうか?裏で、アイツが操っていたのでは無いのか?地獄の傀儡師が…

 

 

 

---大岡紅葉---

 

テレビのニュースを見て、唖然とした。服部君が逮捕されたと言う。なんでや~!ジャマ者を消して、これで手に入ると思った矢先の出来事である。

 

銃で4人殺してって…まさか、現場に行ったんか?スワップパーティーの現場へ…

 

「まさか、堕ろしていたとはな」

 

知らない男の声が背後からした。

 

「どうやって、ここへ?」

 

「護衛の者か?たわいも無い。あんな奴らは…それよりも、勝手に動かれると迷惑だよ。せっかくの作品が台無しだ。シナリオ通りに演じてくれないと、困るんだよ」

 

シナリオ?何の?振り向くが誰もいない。どうして?

 

「金田一君を、押さえ付けておいてくれないとダメだよ。まぁ、手遅れだけどな」

 

手遅れ?どういうこと?

 

「主様の意向としては、服部君達だけには、幸せになって欲しかった。それも出来なくしてくれるとはねぇ。君にはがっかりだよ」

 

がっかり?意味がわからへん。え…この甘い香りは…

 

◇

 

意識が戻ると、首に首輪が嵌められており、腕は背中の後で拘束されていた。服は何も纏っていない全裸であった。その上、オリの中に入れられている。どういうこと?

 

「では、本日の出物です。高校生の巨乳女子です。入札は100万からスタートでお願いします」

 

これって、人身売買のオークション?嘘っ!なんで、私が?

 

1000万で落札されたようだ。コンテナに入れられて、どこかへ運ばれていく。どこへ?

 

 

 

---服部平次---

 

和葉のお別れ会に参列出来なかった。そう、俺は収監されていた。そんな俺に面会が来たそうで、俺は面会室につれて行かれた。オヤジかな?面会室へ行くと、女性がいた。

 

「朝霧沙樹先生の顧問弁護士をしています、妃英里です。君の弁護を先生に頼まれました。よろしくお願いします」

 

大先生は俺を見捨てていなかった。妃弁護士って、有名な敏腕弁護士や。こんな俺の為に…

 

「情状酌量は取れると思うけど、君はどうしたい?君のしたいように、弁護をしてくれって、頼まれました」

 

俺のしたいようにかぁ…大先生らしいな。手を出さなければ、こんなにも良い人なのに…工藤…反省せぇよ!

 

「俺のことより、紅葉はどうないしました?」

 

「得た情報によると、日本の警察が手を出せない国に、出国したようよ」

 

逃げ得?いや、俺を狙っていたんやろ?そうなると、大先生の怒りに触れたんか…国外追放処分やな。この国にいたら、出所した俺が手を掛けそうやから…大先生は2,3手先まで読んでくれているんやろ。

 

「大先生の恩に報いたい。短い刑期で出て、大先生の為に働きたいんや。可能か?」

 

「そう…ボディガードは多い程いいわ。わかったわ。情状酌量で攻めましょう」

 

俺の法廷戦略は決まった。

 

 

 

---工藤新一---

 

服部の弁護に蘭の母親である妃弁護士が着いたそうだ。俺の弁護は拒否しておいて…俺と服部の差ってなんだ?

 

 

 

 

 

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