---佐藤美和子---
朝霧沙樹の正体の調査で、知り合い達が無茶をして、警察の厄介になっていた。捜査権が無いんだから、他人の土地に勝手に入って、証拠探しはまずいだろうに。
世良さんを突き出した家に急ぐ私。毛利探偵の娘の蘭ちゃんが、未だに行方不明であった。家に帰って来ないそうだ。で、世良さんの言葉『捕まっているのか』が、私の琴線に触れた。世良さんは蘭ちゃんと入ったのだろう。レンタル業者によると、ヘルメットを二つ貸したそうで、放置してあったバイクにも、ヘルメットが二つあったから。
表札に『相沢』と表記されている家に着いた。そこで、事情を訊いてみることにした。リビングルームに通されて、お茶とお茶菓子を出された。事情を知っている者は、今ここに来られないので、しばらく待つように言われた。
広いリビング。何人家族なのだろうか?家族構成がイマイチわからない。住民票によると、けっこうな人数が住んでいることになっていたのだが…
「それは、たぶん、奥の寮に住んでいる者も含まれているのでしょう」
と、家政婦さんらしい者に教えて貰った。敷地に寮があるのか?ここって、そもそも何なのだろうか?単なる個人宅では無い気がする。シェアハウス的な感じがするのだ。
◇
うん…頭が朦朧としている。ここはどこだ…頭に何かが被さっていて、何も見えない、何も聞こえない。足は動くことは動くけど、動かすとダメな気がする。腕は背中の後で拘束されている。身体は、腰の部分で曲げられていて、たぶんL字状態だと思う。胸には何かが取り付けられている。何をされるんだ?
「あぅ…」
お尻に何かを塗られている。感じる…ダメだよ…そこは…濡れていくのがわかる。一定のリズムで胸を揉まれ、乳首が吸われている。搾乳器か…とんだ変態プレイだな。
股に何かが這い、
パッシィーン!
鞭でお尻が叩かれた。スパンキングか…拷問を受けているのに、濡れていく。感じている私の身体…そして、何かが入って来た。初めての相手がわからない。どんなヤツなんだ?変態ヤローだと思うけど。
「あぁぁぁぁぁ~」
お尻の肉を鷲掴みされ、力強くピストン運動をしているようだ。お尻の肉は手すりでは無いぞ~!
「あっぅん…」
胸の刺激に酔いしれる。クセになる刺激である。乳なんか出ないのに…気持ちいい…更に濡れていくようだ。
「ダメっ!やめてぇぇぇ~!」
両足を横に引っ張られていく。開脚地獄か…
そして、何かが身体の中に打ち込まれた。粘っこい物が太股を伝い落ちていく。その刺激が合図で、私は達したようだ。
◇
意識がはっきりとしてくると、牢屋にいた。ここはどこだ?意識が戻ると、見知らぬ女性が来て、状況を説明してくれた。ここは公安の拠点の1つらしい。私は公安のガード対象に、接触しようとしたようだった。
拷問をしたのかを訊いたのだが、完全に否定している。じゃ、誰がやったんだ?乳首と乳房には、拷問の証拠が残っている。お尻にもだ!
中で出されたし…相手のことを知りたいんだよ!初体験の相手のことを!
---毛利蘭---
目覚めると、二人の女性に玩具にされていた。一人は深雪さん。もう一人は知らない人だ。また、あの男の人が、スケッチブックに何かを描いていた。彼の隣には、少女がいて、タブレットに何かを描いていた。
「う~ん、兄さんのように、描けないなぁ」
「タブレットと鉛筆画では、同じ様にはならないよ」
目の前の男女は兄妹のようだ。
二人の女性の乳房が、私の身体を這う。二人の女性の舌が、私の二つの口を舐めている。甘美の世界…そんな気分だ。蕩けていく気分であり、感覚である。
「深雪、男と女では、どっちがいいんだ?」
「男は祐介君しか知らないです。勿論、祐介君が一番ですよ」
目の前の男性がユースケなのか?隣の少女が朝霧沙樹なのかな?いや、違う。朝霧沙樹は鉛筆画である。そうなると、ユースケと朝霧沙樹は同一人物ってことなのか。
彼の元へ這っていこうとすると、二人の女性に足を引っ張られて、彼女達の元へ引き寄せられてしまう。
◇
「はっ!」
ここは?ベッドの上のようだ。彼の背中が見える。あれ?なんで、佐藤刑事がいるんだ?彼女は彼に抱きつき、濃厚な口付けをしていた。私は彼の背中に胸を押し当てている。彼の気を引くように。
「うっ!」
佐藤刑事は達したのか、彼から離れて行く。力無く仰向けになると、彼は私の方を向いた。そして、私を抱き締めてきた。
「あぅん」
私の中に彼が入って来た。抱き合っただけなのに、ごく自然に、そこが定位置だと言う感じで、手で誘導しないでも入って来た。
彼の腕が私の背中に回り、私を抱き締めてくれた。私から彼の唇に自分の唇を重ね、私の方から舌を彼の口の中に入れた。どうして、こんな大胆なことが、出来るんだろうか?自分で自分を疑う私。
彼の上に跨がり、私は跳ねている。彼を愉しませる為に、自分が愉しむ為に。乳房が上下に踊っている。こんなに気持ちが良かったんだ。
達した私は、彼の上に載っているだけである。私の耳を舐めたり、甘噛みしたり、感触を愉しんでいるようだ。どうして、こんな関係になったんだろう?まるで思い出せない。遠い昔の出来事であるから…
---相沢祐介---
朝起きると、二人の女性が添い寝をしていてくれた。誰だっけ?
「おはようございます♪」
深雪がベッドの傍に布団を敷き、横になっていた。
「おはよう、深雪」
起きてすぐにPCの前に座り、サスペンド状態から復帰させて、朝の日課を始めた。毎朝1作を書き上げて、担当編集にメールで送ることを日課にしている。僕が僕であることの証明である。
深雪も起き出して、僕の為に珈琲を淹れ始めた。珈琲の良い香りが、鼻腔をくすぐる。心地良い朝だと感じられる。
「どんなお話を書いているのですか?」
裸エプロン姿の深雪に訊かれた。
「迷い込んだ2匹の猫のお話だよ♪」
夢で見たことを文字に起こしていく。家に迷い込んだ猫2匹、おいたをしたら躾をして、家で飼い慣らしていく、そんな話である。
「のどかな話ですか?」
「のどかな話では売れ無い…躾の描写に力を入れるよ♪」
「そうですか…はい、珈琲ですよ♪」
深雪の淹れてくれた珈琲を一口飲む。美味しい。口一杯に珈琲の香りが広がり、鼻腔まで香りが広がっていく。
今は朝6時である。9時までには書き上げて、朝ご飯を食べないとなぁ。
---司波深雪---
迷い込んだ猫2匹には悪いけど、彼のモデルになってもらった。1匹は解放したのだが、また迷い込んできた。ここが気に入ったようだ。もう1匹は解放しようとしたが、ここに居座っている。彼の何かが、彼女達を引きつけるようだ。
モデルの仕事以外は、彼の為に出来る。いや出来る自信があるのだけど、モデルの仕事は自信が無い。恐怖を感じることがあるから。まだ、人格が統合されていないようだ。たまに、残虐な彼が目覚める時が、まだあるのだ。
彼は所謂、多重人格者である。普段は心優しい男性であるが、何かの拍子、主に精神ストレスにより、人格がチェンジすると、頭のキレる悪魔に豹変する。
彼の妹である小霧ちゃん達は安全を期して、寮の方に泊まっている。彼が小霧ちゃんを襲うとは思わないけど、安全第一である。ここには、猫2匹の他、祐介君の信頼が厚いメイドや執事達と私が住んでいる。
私のお兄様は、隣の敷地で、精神医学の研究をされている。祐介君と接して、彼の主治医になろうと思われたようだ。お兄様の婚約者の真由美さんは、祐介君との縁で関係を持ったことも、影響しているのかもしれない。
祐介君は、一心不乱に作品を書き上げていた。ものスゴく早いペースで、キーボードを打ち込んでいる。脳裏で展開する映像を、文字に置き換えているだけって言うけど、才能の1つだと思う。
8時を過ぎる頃、朝ご飯の用意が出来たと、スマホにメールが来た。書き上がったら、直ぐに食事に出来る。
この家の役割分担だけど、私は秘書扱いかな?で、迷い込んだ猫2匹は、モデル兼ボディガードになるらしい。二人共戦闘力があるらしいから。
---佐藤美和子---
身体中が痛い。彼に無茶をされたのかな?自分でしたのかな?記憶が曖昧だ。公安から、ここに派遣をされた。警視庁へは公安への異動って話になっているそうだ。公安の一員となって、彼の玩具兼ボディガードを命じられた。
自分的には玩具と思っていない。気持ち良い行為をされている訳だし。ウィンウィンの関係だと思う。意外だったのは、私ってエムだって気づいたことかな。彼の躾が恋しいのだ。
そろそろ朝飯のようなので。隣に寝ている蘭ちゃんを起こして、朝風呂に入りに向かう。
蘭ちゃんも、エム体質らしい。躾されるのが好きなんだとか。でも、ここに居座る大きな要因は、彼が朝霧沙樹で有り、新作原稿を真っ先に読めるかららしい。まぁ、その役得は私にもあるけどね。
---毛利蘭---
彼が朝霧沙樹だった。深雪さんから彼の病状を知らされた。解離性障害…いわゆる多重人格らしい。だからなのか、正体を口外しないように言われた。取材を受けないのでは無く、受けることが出来無いそうだ。取材中に人格が変わる危険があり、それは朝霧沙樹というブランドを壊す恐れがあるという。朝霧ファンの私としても、それは護って上げたい。
だから、探偵稼業と言って、高校に通わない新一ではなく、彼の傍にいて護って上げたいと思ったのだ。彼は障害の為に、高校へ通いたくても通えないのに…新一ときたら…
母には連絡をした。私の母は弁護士である。なので、私の吐心を理解してくれた。
「そうね。あなたの不法侵入事件で、彼の障害がぶり返したのであれば、彼に償うことは必要だと思う」
っと。実際、あの無断侵入事件が引き金で、残虐性がぶり返したようだった。彼の支援者の一人で、公安のお偉いさんも事態を危惧して、佐藤刑事をボディガードに送り込んできたそうだ。探偵から、彼を護る為である。
で、私と佐藤刑事が一緒に住むようになって、彼に穏やかさが戻って来たと、深雪さんが喜んでいた。
お風呂上がりで朝ご飯。この時に出るぬか漬けが、曰く付きである。曰くを知らなければ美味しいぬか漬けで終わるのだが、深雪さんと私のエキス入りのぬか床らしい。
私が拘束されたのは、ぬか床であり、手足をぬかに埋められていたようだ。猟奇性が浮き上がると、女性をぬか床に埋めるそうだ。深雪さんが言うには、性欲のおかずと食欲のおかずの区別が出来ていないのではって。完全な猟奇性ではなく、間の抜けた猟奇性なのが、彼だと言う。果たして、そうなんだろうか?
---世良真純---
朝霧沙樹捜索依頼は断ち消えた。私同様に、不法侵入で捕まった探偵が、全国にたっぷりといたらしい。その件で警察庁から週刊誌の発行各社へ警告が為された。プライバシーの侵害であり、不法侵入などの罪を増産する行為に繋がるので、今後は朝霧沙樹探しはアンタッチャブルにしてくれと。
問題はあの日以来、蘭ちゃんと連絡が取れていないことだ。彼女は真実に辿り着き消されたのか?佐藤刑事も警視庁から去ったらしい。突然の異動令が警察庁から出たらしいし。佐藤刑事も何かを知って消されたのかもしれない。
この案件は、まだ終わりでは無いな。工藤君に連絡をして、二人で捜査続行をしたい処である。
◇
小学生のガキんちょである江戸川コナン君に接触をした。工藤君と連絡を取り合う仲らしい。
「どうしたの?」
あどけない顔をしているが、頭の中では何を考えているか分からない、不気味なガキである。
「蘭ちゃんの居所を知らないかな?」
一瞬表情が崩れたように見える。ふふふ♪
「蘭お姉ちゃんは、何かをして、その償いをしたいんだって」
はぁ?蘭ちゃんは、何をしたんだ?償いってなんだ?
「世良のお姉ちゃん、心当たりは無いかな?」
逆に探りを入れてきた。コイツ…抜け目が無いなぁ。
「私は心当たりは無いよ。どういうことだ?う~ん…」
って、誤魔化しておいた。
---江戸川コナン---
黒ずくめの組織に、薬を飲まされて、子供の姿になってしまった。俺の本当の名前は工藤新一、探偵だ。咄嗟に思いついた名前、江戸川コナンとして生きることになったが、見た目は子供ではあるが、頭脳は大人である。
蘭の家出…いや、蘭の母親が了承しているので、家出では無いのだが、蘭は何をして、何を償う羽目になったんだ?
世良が探りを入れに来た。コイツが関わって居るのだろう。で、蘭が心配で探りに来た気がする。
俺は俺の正体を知る数少ない人物である、阿笠博士の家へ向かった。そこには俺と同様に子供の姿になった大人の灰原哀が住んでいるのだ。
「どうしたんだ、新一」
博士は俺を新一と呼ぶ。勿論、俺の正体を知らない者が、いない時だけであるけど。
「蘭に何が起きたのか知りたいんだ。世良が何をしていたのか、分かるかな?」
「たぶん、これよ」
灰原が、警察庁からのお達しを見せてくれた。謎の多い作家、朝霧沙樹の正体を暴く件かぁ…成功報酬に目が眩んだ多くの探偵が、無茶をしたらしい。蘭の父親もしかりである。不法侵入で捕まったらしい。
「そうなると、どこかの家で不法侵入をして、蘭は何かをやらかしてしまったのか。博士、警察のデータベースで、蘭が何をしたか分かるか?」
「ちょい待ち…」
博士が警察のサーバーに、ハッキングをしてくれた。
「蘭君は補導されていないようじゃぞ」
「蘭以外だと誰だ?」
「世良という子じゃな」
やはり世良か…
「どこで補導されたんだ?」
「う~ん…小淵沢署と書かれているぞ」
「内容はわかるか?」
「哀君、わかるか?」
「ちょっと待ってね♪あぁ、これね」
灰原がプリントアウトしてくれた。