「紅茶でも淹れようか」
晩飯を二人で食べて一服していたとき、私はそう言って愛美の方をチラリと見た。
愛美はぱちくりと瞬きを二回ほどした後に、ちょっと間を置いて、
「それじゃあ……頂こうかしら」 と応じた。
私は心臓をバクバクさせながら、やかんの中に水を入れ、火にかけた。
ついに、決行の時がきた。今夜、私は狼になる。決して愛美にバレないよう、上手くやらなければ。
水は直ぐに沸騰した。ポットにお湯を注ぎ込み、その中に茶葉を入れ、少し待つ。
少し待って色がついてきたら、茶こしで茶ガラをこしながら、コップに注ぎ込む。
ちらりと愛美の方を見ると、スマートフォンを触っているようだった。
今がチャンスだ。
私はポケットから睡眠薬が入った袋を取り出して、封を切ってさっと愛美のコップに入れてかき混ぜた。見た目は私の紅茶と何も変わらない。
私は内心ほくそ笑みながら、愛美にコップを渡した。愛美はコップを手にとって、それを口元に――
「なあに、じっと人の顔を見たりして。私の口に何かついてる?」
愛美が怪訝そうに私を見ている。私は慌てて、
「いや、きちんと美味しくできたかなと思って」
「大丈夫よ、兄さんの淹れてくれた紅茶はどれも美味しいわ」
危ない危ない。つい、愛美がきちんと紅茶を飲むか見つめてしまっていた。これ以上見ていたら不審がられる。私は視線を自分のコップに落とした。
しばらくすると、
「ポットは私が洗っておくわ」 と言って、愛美は流し場の方に向かった。コップを見ると、もう空になっているから全部飲んだらしい。
洗い物が終わると、
「なんだか今日は疲れたみたい。眠たくなってきたから、私はもう寝るわ」 と言って、愛美は自分の部屋に行った。
そこから三十分ほど経った後、私は愛美の部屋に忍び込んだ。
薬の効果が効いたのだろうか。愛美はスヤスヤと可愛らしい寝息を立てている。
試しに軽く揺すってみる。なんの反応もない。薬がよく効いているのだろう。
私は荒くなる息を抑えながら、愛美の服を脱がしにかかった。
妹は、白のカットソーを着ていた。ネックの部分が大きく開いていて、そこから微かな胸の膨らみが覗いている。
「愛美……綺麗だよ」
思わず呟いたあと、私はカットソーの裾に手をかけた。
伸ばした指先は、緊張と興奮で震えていた。心臓の鼓動がより激しくなる。
少しずつめくっていくと、可愛らしい縦長の臍(へそ)が露わになる。
愛美のウエストには美しいくびれがあって、モデルのようだ。それなのに、女性らしい丸みを帯びた体でもある。
更にめくると、サーモンピンクのブラジャーが目の前で露わになった。
あまりの興奮に、呼吸が上手くできない。私のモノは、すでに下着の中で痛いほどに勃起していた。
私は顔を思いっきり胸に近づけた。愛美の乳房は決して大きくはなかったが、微かな膨らみは形がよく、弾力があって肉感がある。
肌が白いからか、血管が少し透けて見える。他の男には見せたこともない場所を、私だけがじっくりと舐めるように見つめている。その背徳感に背筋が震えるのが自分でも分かった。
私はついに、ブラジャーのホックを外した。
ピンク色の小ぶりな二つの乳首が、仲違いをした姉妹のように、そっぽをツンと向いている。
それらは愛撫を求めるように、立ち上がってきていた。
「おっぱい……これが愛美のおっぱい――」
淫らなパーティーで妹と交わり、その上睡眠薬で眠らせて、無理やり犯そうとしている。私は最低な人間だ。
それなのに、私は今、人生で一番興奮している。私のモノは、触っていないのにもう暴発しそうだった。
控えめに主張している突起に手をやった。何度も撫でまわしていくうちに、次第にぷっくらと充血して、硬くなっていくのが分かる。
私は夢中でそこに口づけをした。舌でそこを突いたかと思えば、転がすようにしていじめてやる。
彼女の慎ましやかな乳首は、これ以上ないほどに固くなっていた。
彼女の躰は燃え上がるように熱い。
私は、母親に母乳をねだる子供のような感覚に陥った。それほどまでに、彼女の胸をずっと愛撫していたいと感じていたのだ。
私は勃起して膨れ上がった乳首を吸った。もう飲み込んでしまうほど、深く吸い込んだ。
音を立てて、ちゅうと吸ってやると、
「あっ……」 と愛美が喘ぎ声を出した。
全身から血の気が引くのが自分でも分かった。
まさか、起きたのか。睡眠薬の量が足りなかったのだろうか。
他にも恐ろしい考えがいくつも浮かんだ。
恐る恐る顔を見てみると、未だに目を閉じたままである。
なるほど、寝てはいても体は感じるのか。女性の体の神秘に触れた気がする。
一瞬萎えてしまったモノに、再び血液が集められる。
もう限界が近づいている。
私は愛美の下半身の方に手をやった。長い脚が露わになっている、ミニスカートを脱がせる。ブラジャーとお揃いのショーツだ。
長い脚はモデルみたいで、美しい。
私はついに、ショーツに手をかけた。じょり、と手をかけた指の先に陰毛の感覚がする。そこからは生々しい女の匂いがする。
引き抜かれたショーツは、大量に分泌された愛液で、糸を引いていた。
私は、絹糸のような陰毛のあたりに顔を埋め、愛美の匂いを思いっきり吸い込んだ。
チーズのような香りと、女の濃厚な体臭が混じった匂い。可憐な顔に似合わず、意外と鼻がツンとする強めのにおい。でも、嫌じゃない。いや、むしろ何も考えられなくなるほど、興奮で頭がクラクラする。体中を獰猛な血が走り回る。これは、男を骨抜きにする、麻薬のようだ。一度嗅いだら忘れられない。いつまでも嗅ぎ続けたい。
その下には、色も形も綺麗な肉ビラが合わさっている。
ヒダは朱色に染まって、ふっくらと厚くなっている。
その上にぽつんとあるクリトリスは、膨れ上がって割れ目から突き出て主張していた。
私は自己主張の激しいお姫様に、恭しく口づけをした。
「んんっ――」 愛美は舌っ足らずな感じで喘いだ。私はもう気にならなかった。
繰り返し何度もクリトリスにキスし続ける。そして、私は突然思いっきりそこを吸った。
「んんんんんんつっっっ!」 大量の愛液が奥から湧き出たあと、太腿のあたりがビクンビクンと痙攣した。
イッたんだ、私の舌で……。私は感動のあまり、愛美の顔の方に向きを変えて、キスをした。
無理やり自分の舌を入れて、愛美の舌を絡め取る。
その時、僅かだけど彼女の舌が応じたような気がした。
しかし、彼女の瞳は開いていない。
寝ていても、舌を入れられると反射的に応えてしまうのだろうか。
そうだとしたら、ああ、なんて淫乱な妹なんだ! しかし、そんなことはもう気にならない。私は妹を愛している。その事実こそが世界の中心であり、他のことはどうだっていい。
とはいえ、あまり調子に乗って妹が起きると困る。私は妹を愛しているが、しかし妹が私のことを愛してくれる保証はどこにもない。これは秘めた想い。墓場まで持っていくべき想い。
しかし……ちょっとだけ――そう、少しだけ私が秘かにいい思いをしたって、バチは当たらないだろう。
最低なことをしているという自覚はある。しかし、今だけは……、素直に喜ぼう。私はついに、愛美と一つになる。
私は用意していたコンドームの袋を開けた。
もう我慢できないとばかりに我慢汁を垂らしている息子に、優しく被せる。
愛美の乙女の場所も、もう充分濡れていた。
「愛美……入れるぞっ」
私は腰をあてがった。柔らかくて温かい感触が私を襲った。それだけで、達しそうになる。慌てて腰に力を入れて我慢する。
直ぐに出してしまわないように、ゆっくりと押し込んでいく。
「あっ――んんっ!」 愛美がうわ言のように喘いだ。
きつい締め付けが、私の頭を真っ白にする。
更に押し込んでいくと、中は急に狭くなっている。愛美は処女なのだろうか。痛いほどに私を締め付けてくる。
ついに、愛美の一番奥に私の先が当たった。彼女の太ももが大きく痙攣して、結合部からは二人の体液が混ざったものがこぼれ落ちていく。
どうやら奥が好きらしい。私は攻め立てるように、ぐりぐりと奥に押し付ける。
甘い痺れが下半身から全身に伝わっていく。
私は獣のように雄叫びをあげた。彼女を起こさないようにする余裕は消え失せていた。
無抵抗な体に、思いっきり腰を打ち付ける。
愛美の中が、目覚めたかのように蠢き始めた。それは複雑な動きで、いろんな方向からヒダが私に絡めついた。
それは、射精を促す動きだ。彼女の躰が、私が父親だといいのにと告白したのだ。
私は、だらしなく涙を流していた。
「好きだーっ! 好きだっ好きだ好きだっ――愛美、お前ともっと一つになりたい! 少しも離れたくない」
私は狂ったように腰を動かしていた。
どろどろに濡れた淫肉が、私を射精させようと絡めついた。
「くっ――射精るっ!」
一番奥に、私は射精した。その勢いは、コンドームを破ってしまうほどだった。
自分の荒い息が遠くに聞こえる。目の前が真っ白だった。あまりの快感に、ただ息をすることしかできない。
あやうく失神しそうだった。
強烈な満足感が頭を満たしている。
それなのに、私の下半身は全く萎えていない。一度出したのに収まる気配が全くない。恐ろしいほどの興奮で頭がおかしくなりそうだ。
「兄さん……、ついに結ばれましたね」
どこか遠くで妹が言った気がした。
幻聴だろうか。妹は睡眠薬で眠っている。私はあまりの興奮に、ありもしないことを聞いているのだ。
私は一度目を閉じて、もう一度開いた。愛美が顔を真っ赤に染めて、私の方を見ていた。
背筋が凍る気がした。馬鹿な……ありえない。こんなこと、あり得ない。これは夢だ。私は射精したときに眠ってしまったのだ。夢なら、早く覚めろ。
愛美は私のモノからコンドームを抜き取った。射精して敏感になっているからか、それだけの刺激でもピリピリと痺れるような快感が走る。
愛美は私の白濁した精液が入ったコンドームを、口の方にやって……。
――逆さにして、その精液を口の中に入れた。
愛美は恍惚とした表情でこくんと喉を鳴らして飲んだようだった。
「兄さん、全部飲みましたよ」 愛美が嬉しそうに言った。
私はもう何が何だか訳がわからなかった。いったい何がどうなっているのか……。
「兄さん……、私はずっと兄さんのことをお慕い申し上げていました。でも、この想いは隠さなければならないと自分にいいきかせていました。しかし、それは兄さんも同じだったんですね」
同じ……そう、なのだろうか。私はただ、情欲に勝てなかっただけではないだろうか。
しかし、私が何か答えるより早く、
「兄さん、私は本当に嬉しいです。兄さんが私のことを愛してくれていたなんて。一人の女として、見てくれたなんて。私と一つになりたいと言ってくれて」 と言った。それがあまりに嬉しそうだから、私はもう何も言わなかった。
何より、もう考えるのが億劫だった。
それよりも、私はまだいきり立っている下半身をどうにかしてしまいたかった。
そんな気持ちが通じたのだろうか。愛美が私の下半身をチラッと見て、
「まだ、元気一杯ですね」 と笑った。それは男を虜にする、魅惑的な笑みだった。
愛美は私を押し倒した。