※この作品はR-18です。

催眠アプリを手に入れたので、レイプする!! 奴等をエロスキルでテクノブレイク!!   作:Ω2

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夕食

「……で、僕が気絶している間に、三人でエロ行為をして楽しんでいたと?」

 気絶から復帰したカラスは相も変わらずの歯に衣着せぬ物言いと共に、俺に恨みがましい視線を送ってきていた。

「……仕事だぞ?」

 リルと佐藤 茜との3Pが終わって少しの時間が過ぎた。

 夕方だった空は完全に闇が覆い、遅めの夕食の時間帯となっていた。

「なんて羨ましい! っていうか、リルちゃんと茜ちゃんだけずるくない!? 僕もいつも通りフェン君とアーッな行為を楽しみたかったよ!」

「仮にお前の意識があったとしても、絶対に断る」

 それとお前とそういう関係になった事は一度としてない。

 これまでもこれからもな。

「まあいいさ。真のヒロインというものは裏ルートで輝くものだからね! 今はサブヒロインのリルちゃん達にフェン君を任せておくさ!」

「……もう逆にお前凄いよ」

 真剣な顔で胸を張って言う所が特に。

 凄まじく鬱陶しいが、まあ、よしとする。カラスの馬鹿は今に始まった事ではない。

「それよりも……だ」

 俺は部屋の隅に目を向ける。

 リルは食事の準備をしている為、いないが、今俺達がいるこの執務室にはこの屋敷にいるリルを除く全員がいる。

 そして当然今回の一件の中心人物でもある佐藤 茜もいるのだがーー

「……いい加減こっちに来て話してくれないか佐藤茜」

「ひゃ、っひゃい!」

 ただし屋敷のどこかの部屋から持ってきたシーツを頭から被り、床に体育座りしているというちょっと謎な状態でたが。

「にゃ、にゃんでしょうかフェンしゃん!?」

「……頼むから落ち着け」

 言っている事が噛み噛みで聞き取り辛い。

(まあ、当然の反応か……)

 必要な事だったとはいえ、初体験の直後に3Pを半ば強要したのだ。警戒するなと言う方が無理な話だ。

「信じるのは難しいと思うが、これ以上お前に何かしようとする事はない。安心しろ」

 とても酷な事を言っているとは重々承知しているが、話さなければならない事は山ほどあるのだ。まだ本人の意思を完全に尊重してやる事は出来ない。

「お前が俺に対して嫌悪感や不快感を持っているのは分かる。だが今だけはそれを抑えて話をしてくれないか?」

「え、あ、いえ……その――そういう悪い気持ちは、ない……ですよ?」

「ん? そうなのか?」

 だったらなんで、そんな面白おかしい恰好になっているんだ?

「かー! 駄目だねえフェン君! いい歳して女心がまったく分かってない!」

「……お前なら分かるのかカラス?」

 人の心が分からないお前がか。

「当り前さ! 心は乙女だからね!」

 ……それは胸を張って言う事なのか?

「いいかいフェン君。茜ちゃんは君に対してこんな行動をとってるのはね――」

「とってるのは?」

 

 

「フェン君に惚れちゃったからだよ!!」

 

 

 

 ……はぁ。

「違うだろ佐藤 茜?」

「あ、はい。すいません。流石にそこまでは……」

「え、嘘――フェン君に惚れないとか君おかしくない?」

「おかしいのはお前の頭だバカラス」

 結局分かったのはカラスの乙女心とやらはまったく役に立たないという事だけじゃねえか。

「大体、俺に惚れる奴なんて余程の物好き――」

「失礼いたしますマスター」

「……」

「……あ、物好きが来たよフェン君」

 狙いすましたかのようなタイミングで、リルが入室してきた。

「ひゃ!? リ、リルさん!」

 そして何故かリルの顔を見ると、佐藤 茜は更に顔を真っ赤にし、頭からシーツを被り直してしまう。

「……嫌われてしまいましたかマスター?」

「いや、そういうのではないらしい」

「……成程。大体分かりました」

「……マジか」

 それだけの情報で出来の良すぎる俺のパートナーは全てを察したらしい。

「放置して問題ないかと……こればかりは少しの時間が必要です」

「そうか」

 リルがそう言うのであれば、そうなのだろうな。

「ですがこれでは、この後の行動に問題が生じますね」

 そう言うとシーツを頭から被る佐藤茜に近付くと、

「失礼します」

 問答無用で佐藤茜の被るシーツを剥ぎ取った。

「ひ、ひぃやぁ!?」

 当然佐藤 茜は驚き、逃げようとするが――

「止まってください」 

「は、はい!」

 有無を言わせぬリルの制止の言葉が、佐藤 茜の動きを止めた。

「佐藤 茜さん」

 膝を下り、床に座っている佐藤茜と視線を合わすリル。

「は、はい!?」

 先程の行為を思い出したのか、佐藤 茜は耳まで真っ赤になっている。

 そんな初心な少女の反応を微笑ましく思ったのだろう。リルは珍しくほんの少しだけ頬を緩め、言った。

 

 

「お腹、空きませんか?」

 

 

 

「へ?」

 戸惑う佐藤茜とは裏腹に、彼女の身体はリルの問いの返答を、腹の虫を鳴らすという形で明確に示すのであった。

 

 

 

 

「「「……」」」

 ダイニングルームに移動した俺達はリルを除き、絶句していた。ダイニングルームの中央に置かれたテーブルは大袈裟な程に大きく、人間10人が使っても余りができる程だ。

 だが今そのテーブルのスペースはその殆どが占領されていた。

「カレーだな」

「カレーだね」

 多種多様なカレーライスを盛り付けた皿達によって……

「……なあリル?」

「はい」

 この光景を作り出したであろう少女に、俺は顔を向ける。

「確かに俺は晩飯を佐藤 茜の好物にしてくれとお前に言った」

 そして佐藤 茜の好物がカレーだということも伝えた。

 しかしである――

「いくらなんでも作りすぎだろう」

『スポンサー』の気遣いによって、この屋敷に相当量の食材が準備されているのは知っていたが、それらの殆どを使い倒す程だぞこれ。

 というか、よくこの短時間で作れたな。

「申し訳ありません。マスターから食事のリクエストがあることなど滅多にないことですので、つい張り切ってしまいました」

「……」

 どんだけ頑張ったんだよという言葉を何とか飲み込む。

(しまった……忘れていた)

 俺は心中で自分の失敗にため息を吐く。

 そう……リルが食事を異常な程に作りすぎてしまうのは今に始まった事ではない。

 むしろいつもの事なのだ。

 今回のように食事へのリクエストをした時には、翌日の食事のリストにまったく同じものが倍増して出てくる。

 翌日にはその倍。更に翌日にはその倍の倍――と、こっちがストップをかけるまで延々と倍々ゲームが続いていく。

 だからこそ俺は普段リルに食事の献立を全て任せ、特別な要望は可能な限り控えるようにしている。

 だが今回、俺はその事を完全に失念していた。

(まあ、いいか)

 幸い今日は以前のように俺だけの孤軍奮闘ではない。

 カラスとそして男に比べれば、微力であろうが佐藤茜が――

 

 

「ふわあああぁぁぁぁ!!!」

 

 

「!?」

 突如として、俺の背後で静かにしていた佐藤茜が奇声を発した。

「すごいすごいすごい!!」

 子供のように瞳を輝かせ、目の前のカレー軍団を見渡す。

「シーフードに、カツ、ドライ……その他多数とよりどりみどりじゃないですか!!」

 これまでの大人しかった佐藤 茜とは別人なのではないかと思う程に異様なテンションだ。

「これ、食べてもいいんですかリルさん!」

「はい。マスターがいいと仰るのであれば、私が止める理由はありません」

「フェンさん!」

「お、おう……」

 凄まじい速度で俺を振り返ると、佐藤茜はこちらに詰め寄って来た。

「食べてもいいですか!?」

「ああ……」

 腹の虫の大合唱と共に、殺気すら籠っているのではないかと錯覚する程の佐藤 茜の目力に俺はただ頷く事しかできない。

「じゃあ、飯にするか」

「はい!!」

 

 

 

 結論を言うと、佐藤 茜は微力どころか主戦力であった。

 いや、主戦力というよりかは――

「はぐ、がぶ、がつがつ!!」

 バランスブレイカーであった。

 一体どこに入るのか、あんなにあったカレー軍団がたった一人の少女の胃袋に収まっていく。

「おかわり!」

「はいどうぞ」

 今はシーフードカレーで五回目のおかわりをした所だ。

 カレー好きとは情報にあったが、まさかここまでとは。

「マスターはいかがされますか?」

「いや、いい」

 俺も三皿程完食したが、それで満足してしまった。

 佐藤 茜の奮闘っぷりを見る限り、これ以上無理に食う必要もなさそうだしな。

「そうですか……」

「そう寂しそうな顔をするな。旨かったぞ。特にグリーンカレーって奴が」

 あまりお目にかかれない緑のカレーは見た目とは裏腹に、スパイスがしっかりときいており、辛みと旨味が同時に味わえた。

「正確にはカレーではないんですマスター」

「む、そうなのか?」

「はい。このグリーンカレーはタイ料理で日本ではタイカレーと呼ばれていますが、ゲーンと呼ばれるタイ料理の多様な汁物の中で香辛料を利かせた料理を外国人向けに便宜上カレーと呼んでるんです」

「……はー。なるほどな」

 普通のカレーより水気が多いのは、元々汁物だったからか。

「相変わらずよく勉強してるなリル」

 豆知識が披露出来る程に料理が詳しくなっているリルに、思わず笑みを浮かべてしまう。

 出会った頃からは考えられない程の成長だ。

「マスターに喜んでいただきたかったので……」

「そうか……」

 相手がまだ幼い少女とはいえ、その心遣いは男として純粋に嬉しい。

「ありがとうなリル。いつも助かっている」

「勿体ないお言葉です」

 嬉しそうに微笑むリルに、俺も笑みを浮かべ――

 

 

「くっっそ甘めぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 たかったのだが、カラスの叫びが水を差してきた。

「なんだカラス?」

「なんだよじゃないよ! 甘いんだよ! どうして君らは隙を見つけてはイチャイチャするのかねぇ!?」

「……してたか?」

「……してましたか?」

「く! この似た物夫婦め!!」

「まあ、それはいいよ!」と言いながら、カラスは自分が食べているカレーを指さす。

「僕が問題だと思うのはこのカレーだ!」

「カレーがか?」

 一体何の問題があると言うのだ?

「甘いんだよ! 後なんか無駄に食べた事のあるインスタントの味がする!」 

「……リル?」

「……そういえば、間違ってレトルトカレーを一つ混ぜてしまったかもしれません……甘口のやつを」

「確信犯だよねこれ!?」

 ……うん。まあ、そうだろうな。

 だがまあ、こういう場合、大抵はカラスの奴の自業自得だ。

 大方俺が知らない所でまたリルの機嫌を損ねるような意地の悪い言動をしたのだろう。

「僕にも愛情とまではいかないだろうけど、なんかこう、手間暇と情熱が籠ったリルちゃんの手料理が欲しいかな! かな!」

「はぁ」

 ため息をつくと、リルはコートのポケットから旗を取り出した。お子さまランチとかでついてくるあれだ。

 それをカラスのカレーの中央に差す。

「どうぞ」

「何がです!? ってか、なんでそんなもの持ってるのさ!?」

「マスターのいかなる要望に答える為に準備を怠らないのは、道具として当然のことです」

「どんな状況さ!?」

 ……さて、普段ならこのまま二人のやり取りに参加して談笑を楽しむ所だが……

(生憎、時間がもうないな)

 この後の事を考えると、あまり時間を浪費する事は出来ない。

「リル。カラス。そろそろあの話を佐藤 茜にしようと思う」

 そう言うと、言い争っていた二人はぴたりと止まり、俺を見る。

「……イエス・マイ・マスター」

「あはぁ。それは面白そうだね」

 リルはただ無感情に頷き、カラスは人を食ったような笑みを浮かべた。

「ふぁ?」

 当の本人である佐藤 茜は、自分の名を呼ばれた事に食事を中断し、顔を上げた。

 無邪気な子供のように、頬に米粒をつけたままで。

 俺はそんな佐藤 茜に罪悪感を抱きながらも――

「すまんな」

 サングラスを外し、左目のオーバードラッグで直視した。

「ひ!?」

 俺の左目の事を覚えているのだろう。佐藤茜は咄嗟に目を逸らそうとするがもう遅い。

 

 

「レッドレージング」

 

 

「!」

 既に佐藤茜は俺の左目を――そこに写る幾何学模様を認識してしまった。

 当然、オーバードラッグは発動し、その効果を発揮する。

 

 

 そう……本来ならば(・・・・・)。

 

 

「な、なにをするんですか!?」

 だが佐藤 茜は目を逸らした。

 俺のオーバードラッグの効果の範囲内にあるのにだ。

「どういうつもりですかフェンさん!」

「すまない」

 謝罪をしながら、俺はサングラスをかける。

(やはり効果はほとんどないか……)

 加減(・・)をしているとはいえ、俺のオーバードラッグにも耐性を持ち、効果を受つけない。

 どう見ても決まり(・・・)であった。

「最終確認(・・・・)だ。こればかりは他の方法では確かめられないんでな」

「……何をですか?」

「……」

 覚悟は決めていたはずなのに、言うべきか言わざるべきか逡巡してしまう。

「フェンくーん。僕が言おうか?」

「いや、いい」

 意地の悪い笑みを浮かべ、そう言ってくるカラスに俺は首を横に振る。

 これは俺の仕事だ。

 俺の役目なのだ。

「……佐藤 茜」

「は、はい!」

 俺は意を決して重い口を開き、言う。

 

 

 

「お前は人を越えた存在の『未完成体』である『ネクサス』になってしまった」

 

 

 

 ただの人ではなくなってしまったという事実を。

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