催眠アプリを手に入れたので、レイプする!! 奴等をエロスキルでテクノブレイク!! 作:Ω2
とあるホテルのエントランスにその男はいた。
髪を金髪に染め、アクセサリーをこれほどかというほどにつけ、派手な服を着たいかにも軽薄そうな男。
そんな彼は、エレベーターの隣の壁に寄りかかりながら、ホテルに入ってきた人間達を値踏みするような目で見ていた。
(おお。いたいた)
やがて男は目的の者を見つけたのか、周りに向けていた視線を一か所に固定する。
男の目が見る先には三人組の男女がいた。
一人は少女。青いドレスに身を包んだ若い少女。
後数年もすれば成熟し、美しい女性に成長するその姿は成熟寸前の果実を連想させる。
「……ごく」
緊張した面持ちで、何度も生唾を飲み、周りと自分の同伴者たちに視線を送っている。
「……」
そしてもう一人はもっと素晴らしかった。
見た目はまだ幼い――いや、幼すぎる少女。先程の少女が成熟前の果実ならこちらは青い果実。
フード付きの黒いベンチコートという色気の欠片もない服だが、フードから時折見える顔は、身震いする程に美しく、可憐であった。
年下……特に子供になど興味はなかったが、彼女は別だ。
見れば見る程、自分の物にしたくて堪らなくなる。
素晴らしい。素朴でありながら、食らってみたくなる少女と、人形のように美しい幼き少女。
(……どっちも俺の女にしてやるぜ)
男はそう結論付、少女達に近付こうとし――
「ぐふふふ!!」
気持ちの悪い笑い声に、出鼻をくじかれた。
なんてことはない。少女達の今の『持ち主』だ。
(しっかし、随分と不細工なデブだな……)
脂ぎった顔に肥満丸出しな腹。
少女達とつり合いなど取れているはずがない。
だが男は少女達があの肥満男の所有物であると確信していた。
(……間違いなくあいつが俺と同じで『催眠アプリ』の所有者で、その力を使って女達をモノにしたんだろう)
何故ならば男もまた同じ穴のムジナであるからだ。
少女達を連れ添い、肥満の男がエレベーターに乗る。そこに男もまた入り込む。
他にエレベーターに乗客はいない。『催眠アプリ』の作成者から送られてきた招待状の情報が確かなら、このエレベーターはパーティーの会場となる宴会場まで誰も他の乗客が乗る事がないようにされている。
エレベーターという狭い密室の中で自分と肥満の男。そして少女達四人の密室が出来上がった。
と言っても、数分間という限定された密室であるが。
(……それだけあれば十分だ)
男はポケットからスマートフォンを取り出し――
ちょうど背後に位置する三人にその液晶画面を見せる。
「ぐふ!?」
「きゃ!?」
「……」
三者三様の反応を見せるが、三人とも液晶画面に映る幾何学模様ーー『催眠アプリ』を見たのは間違いない。
「全員動くな!!」
命令を下す。
これで自分の『催眠アプリ』の支配下に入っている肥満男と少女達は指一本動かす事は叶わなくなった。
即ち、自分の思うがままに操れるということだ。
「やっぱりうまくいったな!」
今回のパーティーは女との参加が必要条件の一つであった。
だが今男には女の連れがいなかった。
いや昨日の夜までは確かにいたのだ。だが『催眠アプリ』を使用してのセックスの最中に、つい熱が入り過ぎてしまい、女の精神を完全に壊してしまったのだ。
まともな言葉を発せられず、幼児のようにあうあうとあえぐことしか出来ない女を前に、男は少し困った。幸い『催眠アプリ』を使って簡単な命令を女に下す事が出来た為『処分』の方法に頭を捻らせる必要はなかったが、新しい女を仕入れるのは少々手間であった。
無論『催眠アプリ』を用いれば、そこら辺に歩いている女を支配し、ここに連れ込む事など造作もない事だ。
だが、それはあくまで選り好みをしない場合の話。
男が欲しいのは容姿が優れた最高級の女なのだ。
そしてそれを探し見つけるのはとても難しい。
(……だが俺は思い付いた)
手軽に最高級の女を手に入れる方法を。
なんてことはない。持っていないのなら他人から奪ってしまえばいいだけの話だ。
そうーー今日の乱交パーティーに参加する『催眠アプリ』の所有者達ーー最高級の女を集めているであろう同業者達から。
招待状には他の『催眠アプリ』所有者の同伴者である女を奪ってはいけないなどというルールはなかった。
むしろ推奨されている程だ。
このパーティーに参加する奴等の殆どが自分の女を見せびらかしたいのと、同業者の女を略奪する事を目的としているのは火を見るよりも明らかであった。
「残念だったなクソデブ君」
パーティー会場についてから女の争奪戦が始まると思っていたのだろうが、そこが敗因となった。
「お前の可愛い女達は俺の物だ」
折角手に入れた女達だ。乱交パーティーに参加させる前に、自分が味見をするのも悪くなーー
「こちらをモニターしているカラスからの情報です」
「は!?」
勝ち誇り、これかの女達でどう遊んでやろうかと、妄想に耽っていた男が目を見開く。
ぎょっとしながら見ると、黒いベンチコートを着た少女は自分の隣に立つ肥満男に視線を向けていた。
「ここには監視カメラのみで、盗聴器の類いは設置されてないそうです」
あり得ない。自分は確かに『動くな』と命令したのだ。
「そして今、その映像もダミー映像に変更したようです」
なのに、何故喋れる? 何故そんなゴミを見るような目でこちらを見てくる?
「いかがされますか
「決まっているだろう」
少女に問われた肥満男は、先程とは別の声で答えると、
「当然ゴミ処理だ」
スマートフォンを向ける男に、一瞬で肉薄するとその首を片手で掴み、エレベーターの壁に押し付けた。
「が、げぇ!?」
喉の気管を圧迫され、男は何も出来ずに喘ぐことしか出来ない。
「やれやれ。ただでさえ、クソデブの変装で気が滅入っているというのに、こんなクズの相手をさせられるとはな」
「失礼ですがマスター。上にゴミをつけるのを忘れています」
言われたい放題の男はパニックになる。
あり得ない事なのだ。手にいれてから、この『催眠アプリ』は何人もの人間に試し、効果があるのを確認した。
「あ、あのフェンさんーー手荒な事はーー」
「安心しろ。こいつはどう見ても今回の事件の犯人じゃないからな。大方、手にいれた『オーバードラッグ』で女を自分のモノしようとしたクズだろう」
だがどう見ても目の前にいる者達には『催眠アプリ』は効果は発揮されていない。
「も、もう十分に手荒ですよ!」
「そうか。俺達の業界ではこの程度挨拶がわりなんだかな……」
ドレスを着た少女でさえ、動きが制止している様子はなく、心配そうな目でこちらを見ているのだ。
「まあ、いい……おいクズ」
変質した声に呼ばれ、男は視線を肥満男に向ける。
「お前、少し記憶を失ってろ」
そして見た。肥満男の左目の『変化』を。
そこにうつる幾何学模様を。
認識してしまった。
「あ、が、ぎぃ!」
瞬間、今まで感じた事のない愉悦が身体を駆け抜けたかと思うとーー
「…………」
男は白目を剥きながら、立ったまま気絶した。
「やれやれだ」
白目を剥いた男の首から手を離したその人は溜め息をついた。
「……あの、本当にフェンさんなんですよね?」
もうすでに何度も聞いた質問をまたしてしまう。
「……これで五回目だぞ。そんなにも信じられないか?」
「いえ……」
信じていないわけではない。だが、今のフェンの姿はどう見ても……
「私を襲おうとしたあの男の人にしか見えなくて……」
顔だけではない。
声もまったく同じなのだ。
「ちょっとした特技だ。そんなに驚くことじゃないだろう」
「いや、驚く事です」
自分からすればどうやってるのかさえも理解できない。
『あはぁ。フェン君の変装テクニックは凄いからねぇ』
カラスの声が耳朶を震わせる。
『どんな人間でも一定時間練習すれば、声も真似れるからねぇ。今回みたいに誰かに完全に成り済ます事が出来るから、任務でも重宝してるよ』
「み、みたいですね……」
事前にフェンから渡され、装着してある超小型のヘッドセットから聞こえる声だ。
本当のカラスはここから離れた場所でパーティーに潜入した自分達のサポートに専念しているらしい
「俺の事よりも自分の事を心配しろ佐藤茜」
「わ、分かってます」
ここはもう敵地。一瞬の油断が命取りになるということは、事前に散々フェンから忠告された。
「もう一度言っておく。ここからは極力『オーバードラッグ』で操られているフリをし、自然な態度をしろ」
「……私、自然じゃありませんでしたか?」
「誰がどう見ても不自然だ。緊張するのは分かるが、視線をおろおろと動かすんじゃない」
「……ごめんなさい」
「今度からは気を付ければそれでいい。後それからは勝手な行動は慎め。指示がある時は、カラスかリルがヘッドセット越しに指示を出す」
『よろしくお願いしますね。佐藤茜さん』
ヘッドセットからリルの声が聞こえる。短髪で耳元を自然に髪で隠せないフェンはつけていないが、長髪である自分とリルは共にヘッドセットを装着してある。これでいつでも通信が出来るのだ。
『今君がつけているやつは超高性能なやつだから、誰にも聞こえない小声でも音を拾えるから、もしもの時は、僕達に指示を仰いでね』
「はい」
「よし。なら集中しろ……そろそろ目的地につくぞ」
「……はい」
エレベーターが目的の階につくため、深呼吸をし、再び集中する。
(指示通りに動くだけ、難しいことなんて一つもない)
だが緊張はやはりぬぐえない。そのせいか、何度も何度も深呼吸してしまう。
「最後に一つだけ言っておくぞ」
「なんでしょうか?」
正直、もう十分すぎるほど小言は貰ったような気がするのだが、まだ足りなかったのーー
「約束しよう。お前は俺が守ってやる」
「……」
深呼吸が止まった。
まるで魔法のようにその一言で茜にまとわりついていた緊張や不安が消えてしまった為だ。
「だから俺を信じろ」
まだ出会ってほんの僅かしかたってないのにーーその言葉は何よりも茜にとって心強かった。
「はい」
深く頷き、顔を上げる。
エレベーターは目的地にたどり着き、扉が開かれる。
そして三人は淫靡と陰謀の渦巻く宴に足を踏み入れるのであった。