催眠アプリを手に入れたので、レイプする!! 奴等をエロスキルでテクノブレイク!! 作:Ω2
「それでは私も仕事にうつります」
「あれ? リルちゃんは見ていかないの?」
わりといい打撃を鳩尾に叩きこんだはずだったが、カラスはもういつも通りへらへらと笑っている。
「ここでなら君の大好きなマスターと君以外の女の子とのエロエロシーンが、見放題だよ?」
「私に『催眠アプリ』の解析を依頼したのはあなたではありませんでしたか?」
不思議そうに首を傾げてくるカラスに、少々苛立ちを覚えるが、顔には決して出さない。出せば相手の思うつぼだからだ。
「うん。依頼したけどさ、それ別にあのスマホとノートパソコンを持ってくれば、ここでも出来るよね?」
「……」
「『仕事』は見ない言い訳にはならないなーリルちゃん」
先程の打撃の仕返しのつもりか、実に意地か悪いカラス。
「そう言うあなたはどうしてここに残るのですか?」
「それはお仕事でーー」
「『仕事』は見る言い訳にはなりません」
「あはぁ」
カラスはにたりとした笑みを浮かべる。
「それは勿論『愛しの』フェン君の活躍を見るためさ」
「……」
臆面もなくそう言うカラスに、私は心中で溜め息を吐いた。
「あなたのマスターに対する歪んだ感情は知っていますが、いくらなんでも覗き見は悪趣味です」
「あは。愛情と言って欲しいね」
同じだ。どちらにしてもたちの悪いものなのだから。
「あなたがマスターをどう想おうが、私には関係ありません」
想うのは自由だ。それを止める権利は私にはない。
だが、
「ですが、あなたがマスターにとって害でしかない存在になるのであれば、私はあなたを殺します」
私には出来る。
一片の躊躇も微塵の後悔もなく、ただ一つの『道具』としてマスターの障害となる者を排除する事が。
「怖い怖い。僕なんかよりも、君の方がよっぽど危険人物だよ」
「承知しています」
自分が異端な人間である事は重々に。
「フェン君がもし君の事を害な存在だと思ったらどうするつもりだい?」
「愚問ですね。死にます」
極めて迅速に。
いや、ただ死ぬだけでは生温い。
マスターに不愉快と不利益を与えたのだ。
考えられる限りの苦痛と屈辱を自分に与えてから、もっとも残酷な死に様を迎える。
……これでもまだ足りないか。
「うわぁ、目がマジだよ。これだからヤンデレは怖いねぇ」
「違います。私は『道具』です」
『道具』に感情など必要ない。ただ主の命令に従い、主に利益をもたらす存在であればいい。
ヤンデレなどという存在ではない。
「いや、だからそういう所がヤンデレ……って、まあいいか」
めんどくさそうに頭をかくと、溜め息を吐いた。
「分かったよ。君に殺されるのは嫌だから、覗き見はやめて僕の方でも別のアプローチで今回の事件を調べてみるよ」
「頼みます」
というか、最初からそうしておいて欲しいものだ。
「それでは、私は今度こそ自分の仕事にうつります」
そう言うと私は部屋から退室しようとする。極めて足早に。
部屋のモニターにはちょうどマスターが佐藤 茜の部屋に入った所が映し出されていたからだ。
「ああ、そうだリルちゃん。これだけは言っておきたいんだけど……」
「……なんですか?」
私ははやく部屋を出なければならないのだが。
「君は自分の事を道具と言ったけど、道具は嫉妬なんてしないからね」
「……」
否定しようと思った。
だが、画面に映るマスターが、佐藤 茜……私以外の誰かに触れている所が見えてしまったので、やめた。
踵を返し、決して画面を見ないようにしながら、逃げるように部屋を出る。
そして改めてはっきりと呟く。
「やっぱりあなたは嫌いです」
カラスは私の呟きに何も答えず、ただへらへらとした笑い声をあげるのであった。