※この作品はR-18です。

幻想踏破譚   作:てんぞー

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京都ミッドナイト Ⅵ

「んん……んっ、はぁ……入ったぁ」

 

 神綺が此方に背中を預けるように腰を下ろした―――膣に勃起した逸物を咥え込む様に。水面を揺らしながら完全に腰を下ろす事が出来た神綺は艶やかな吐息を漏らしながら膣に逸物の全てを納めながら背中を此方に預けて来る。その姿を後ろから支えながら湯船の縁に背中を預けつつ、前方へと手を伸ばして腹のあたりを軽く抑える。

 

「完全に収まるようになったな? 最初の頃はこんなに入らなった気がするけど」

 

「どう、かしら。今じゃ完全に貴方の形を覚えちゃったかもしれないわ」

 

 そう言いながらもっと密着させるように、子宮の中にまで引き込もうとするように神綺が腰を強く押し付けて来る。押し付けられる尻の感触、その柔らかさを強く感じながら、彼女の膣が咥え込んでいる俺の逸物があるであろう場所を腹の上から軽く撫でて叩く。そこにちゃんと収まっているのを確かめるように。

 

 しかし、神綺も神なのだ。肉体改造を軽く行って、本当に専用に形を変えたぐらいはしているかもしれない。神にとっては権能と信仰が本体の様なものだ。肉体はアクセサリーという感覚に近い。或いは自分が理想とする姿。場合によっては民衆や周囲から向けられるイメージ。神綺の場合は何を元としているかは解らないが、魔術の神だというのは解る。

 

 体が求めるのだからそういう風に軽く変えるぐらいはすると思う。

 

 だとすれば、

 

「この淫乱め」

 

「そ、そんな事を言わないで」

 

 頬を赤く染めながら神綺がそう言い返す。その声は羞恥ではなく、興奮で震えている。膣に収めている逸物を離さないようにがっちりとホールドする神綺は、その昂ぶりを表現するようにきゅぅきゅぅと締め付けて来る。慣れていても達してしまいそうな神綺の膣の心地よさに、他の女とは比べ物にならないほどの幸福感と征服感を感じられる。そう、征服感だ。こんな良い女を俺一人が征服しているという感覚だ。

 

 逸物を咥え込み、頬を赤く染め、物欲しそうな視線を流し目で送ってきている。この極上の女をこの世で独占出来ているのは俺だけだ。他の誰でもない、俺だ。男としての充足感がそれで満たされる。

 

 俺だけの、女だ。

 

「ミコトは……淫らな女は嫌い?」

 

「お前に限っては死ぬほど好きだよ」

 

 愛しさが抑えきれない。今までは景色を楽しみつつゆっくりとセックスしようかと考えていたが、無理だった。

 

「んぁっ」

 

 我慢できずに神綺を抱えたまま風呂場の縁に挿入した状態のまま、押さえつける。それを神綺が笑みを浮かべながら荒く息を吐き出しつつ、期待の籠った視線を此方へと向けて、言葉もなく欲しがってくる。

 

 その姿に堪えきれず、腰を引いてから一気に腰を叩きつけに行った。

 

「っ―――!」

 

 声を神綺が失いながら絶頂する様に背筋を伸ばし、頭を振り上げた。本当に簡単に絶頂してくれる。それほどまでに此方の存在を感じ取っているのか? 刻み込めているのか? だがその姿がもっと見たい。我慢も出来ない。欠片も我慢するつもりはない。

 

 絶頂している神綺の膣に腰を突き入れ、引き抜き、突き入れる。繰り返して神綺の膣の弱い所を攻め上げながら自分の快感も加速させるように引き出してゆく。完全に快楽に溺れる神綺は言葉にならない声を喉から零しながら全身で感じ入るように、腕を伸ばして虚空を掴んでいる。

 

 快楽に一切抗おうともせずに受け入れている姿は女神だとは思えないほどに淫靡で、神聖さなんて欠片もなく、この存在がただの女である事を証明するようであった。そしてその女としての姿を独占する様に更に深く腰を押し付けて、

 

 我慢せずに射精する。精液で神綺の膣を蹂躙する。子宮の奥にまで届く様に射精してから、一切萎える気配のない逸物で再び膣の中を抉る。その度によがり狂う神綺の姿を堪能しながら派手に暴れる湯の中、身体を温めながら体を交える。

 

 普段とは違う、開放感のある環境で交わるのは―――実に興奮する。

 

 

♦

 

 

 深夜。

 

 目が覚める。

 

 ベッドの中で目を開けて、横へと視線を向ける。

 

「すぅ……すぅ……」

 

 小さく寝息を立てながら深い眠りに神綺が入っている。そう簡単に起きそうな気配はない。露天風呂で散々セックスして体を動かしたのだから、そりゃあ良く眠りもするだろうとは思う。自分も割とセックスを通して体を動かしたはずだが―――疲れ以上に力が漲っている。やはり神綺と交わる度に体は賦活されているのだろう。少しずつ、少しずつ、

 

 魂(・)を(・)剥(・)が(・)し(・)た(・)時(・)の(・)傷(・)跡(・)が(・)治(・)っ(・)て(・)行(・)く(・)気がする。

 

「ま、考えるのはいいや」

 

 ベッドから出た所で、服を着る。

 

 旅装ではなく、仕事用のものだ。動きやすく頑丈なボトムスとトップス、コンバットブーツ、長そでのコート。内側には符と封魔針をセットし、ヴァジュラをベルトに吊るす。両手にグローブをはめて、トランクケースから飛び出してきた刀の鞘を掴む。今夜はこいつもそれ相応に暴れたい気分らしい。連れていこう。ベルトに通す。今回はあまり異郷の装備は持ち込まない。環境に合わせた方が威力が出るだろうし。

 

「良し」

 

 呟きながら窓の外から月を見上げる。

 

 月が赤い。

 

 誘われている。

 

 恐らくは例の魔神だろう。それが魔神か、或いは悪魔であるかは解らないが……少なくとも此方を認識し、舞台へと招待してきている事実だけは確かだった。この土地と相性の良い装備をピックアップしながら装着し、今一度、ベッドの中で静かに眠る神綺の姿を見てから背を向ける。

 

 そして外に出る。

 

 ロッジから出た瞬間、空気の乾き方が違うのを感じさせられる。

 

 生ぬるい風の中に、どことなく嘲笑する様な視線と声が闇の中から響くような気がする。それこそ、普通の人間であれば精神を犯される様な類の狂気が京都には満ち溢れ始めていた。普段はそれを祓うべき人達が今は京都に居ないのだ。狂気と悪意は野放しになっていた。

 

 とはいえ、ここは京都。

 

 神の居る地。たとえ、多少は汚れが溢れようとも土地と神の力で勝手に浄化される。今、自分が感じている物はストレートに此方へと向けられている物だけだ。つまりまた、隠れているタイプの敵との戦闘だ。とはいえ、前回の夢魔戦を踏まえて、今回は色々と事前に意識的に魔術を自分に仕込んでいる。

 

 簡単に囚われる事はないだろう。

 

 とはいえ、

 

「この感じ、裏京の方か……」

 

 位相がズレている個所から視線が向けられているのを感じる。となると此方から乗り込む必要があるだろう。

 

「武器は良し―――最近、物騒な事に慣れつつあるのがちょっと怖いな」

 

 呟きながらホテルの出口を目指して歩き始める。左手で腰に差してある刀の柄に手を乗せつつ、右手で軽く印を切る。そしてそのまま、

 

 小さい幕を抜ける様な抵抗感を感じながらホテルから外へと出る。

 

 瞬間、世界が変質した。

 

 近代的な道路は土で固められた古びた道へと変わり、

 

 背後に存在していたはずのホテルの姿は跡形もなく消え去る。

 

 道の行く先には見下ろせる京都の姿が確認出来て、

 

 その先には千年京と呼ばれた古い京都の街並みの姿が、昔から変わる事無く存在し続けていた。そこには人の気配はなく、そして同時に妖怪の気配も存在していなかった。かつてはにぎわっていた京都の裏の姿も今では無人の世界となっていた。寂しくもあるが、迷惑な連中が居なくなる事を安堵するべきか。微妙な所だった。とはいえ、ここで突っ立っている訳にもいかない。

 

 何時でも戦闘出来るように武器に手をかけた状態のまま、赤い月の浮かぶ夜を歩く。

 

 どことなく聞こえて来る呼び声を無視しながら道なりに歩いて行き、裏京の都へと降りて行く。古びた壁に崩れそうな建築物。長年手入れされていない町の様子がそこには見える。この地を踏む事は何度かあったが、それでも記憶にある状態よりも更に荒廃している様に見えた。

 

 道路の抉れ具合と、壁の破損具合を確かめる。

 

「まだ新しいな……」

 

 触れてみて、風化具合を確かめる。触れた感じ、これが破壊されてから出来たのは大体……一週間ぐらいだろうか? 今日昨日という感じではないが、それでもここ最近というのは間違いがない。だがおかしい。ここで戦闘があって一週間もそのままなら……日本の別地域から退魔師の類が送り込まる筈だ。となるとこの空間か、或いは情報が封鎖されている?

 

 ……だとしたら魔神が居ると情報を掴んだうちの編集長は何者なのだろうか?

 

「自分の目で見て確かめない限りは何も解らない、か」

 

 どちらにしろ、インタビューするにはまず相手を見つけなければならないのだから。ここでぐだぐだしていてもしょうがない。壁から離れるように立ち上がり、振り返った所で、

 

「こんばんわ!」

 

「っ!」

 

 そこに、人の姿がみえた。素早き飛びのきながらヴァジュラを起動させる。自分を囲むように雷の剣が5本出現し、待機状態へと移行する。一切の気配もなく、出現し、そこに佇む姿は、

 

 金髪、大きな赤いリボンを装着した、ベストにワンピースという恰好の少女だった。だが眼を引くのはその背にある大きな翼だった。純白の翼はそれこそ、神聖な生き物を連想させる姿をしている。

 

 その姿には安心感を覚える。まるで長年の友の様に相手を感じられる。

 

「ヴァジュラ」

 

 故に最(・)速(・)で(・)殺(・)す(・)事(・)を(・)選(・)ん(・)だ(・)。

 

 雷速によって放たれた雷の剣が一瞬で天使に突き刺さった。頭、心臓、胎、両足。その五か所を同時に貫通しながら神経に電撃を浮遊稼働するヴァジュラの雷の剣は流し込んだ。全身を感電させながら動きを停止させる天使は顔面に穴を開けながら、

 

 笑った。

 

「私、結構良い感じに心にすり込めたと思うんだけど」

 

「あぁ、一瞬安心感と神聖さをお前の存在に覚えたよベリアル」

 

 素早く横へと飛んで、背中に障害物がない様に道路へと体を動かし、左手を大地に当てながら右手をヴァジュラへと伸ばし、引き抜く。雷を纏った光の剣をそこから生やしながら、金髪の天使の様な少女の姿―――悪魔・ベリアルへと向き合った。

 

 顔面に穴を開けた状態のまま、口が動く。

 

「なんで解ったのかな?」

 

「Ab uno disce omnes」

 

「賢人は一より全を知る。あぁ、成程ね。経験したことがあるんだ」

 

「何度か、な。勉強とばかりにサキュバスを相手に投げ捨てられた時があったよ。おかげでこういうのは直ぐに見抜けるようになったさ」

 

 それと同時に常に看破魔術を発動しているのも理由の一つだが。あの夢魔との戦い以来、そっち方面の手札を少しは鍛えておいた方が良いと思ったからこうやって常に発動させているのだが―――そのおかげで初手を取れた。とはいえ、まさか魔神も魔神、魔界に名を轟かせる72の魔神の一体が現れるとは思いもしなかった。

 

 天使の姿をした悪魔という魔神・悪魔ベリアルの特徴でもある。一説には元天使という話もある。その名は無価値を意味し、炎を操り、相手を無価値として処理する力を持っている。

 

「あ、今は幻月って名乗ってるからそっちの名前で呼ばないでくれる? ほら、無価値って意味の名前ってちょっとダサいでしょ? 今時の女の子としてはそこら辺が非常に気になるというか、ちょっとないでしょ、これ。だから改めて名乗りなおしてるんだけどどうかな?」

 

「良いんじゃないか? 死ねば」

 

 ヴァジュラ本体による6本目の雷剣でそのままベリアル―――幻月を真っ二つにする。真っ二つに体を両断しながら刃を完全に下まで振り下ろした所で、幻月に突き刺した雷剣を全て貫通させながら横へと飛ぶ。真っ二つに割けた身体を幻月が両側から手で押さえながら止める。

 

「あぁ、もう、酷いなぁ。私みたいな可愛い女の子を殺しに来るなんて。本当に酷い話ね」

 

 着地しながら剣を戻し、ヴァジュラを逆手に握り直して構える。左手で符を素早く袖にセットしておいたものをはじき出す様に手に取る。息を短く吐き出し浅くする。即座に夢想天生に入る、無念無想一歩手前の状態をギリギリでキープする。即座に自分の意思で全てから回避できるように。同時に意識の一部を脱出へと向けて意識し、何時でも離脱出来るように準備はしておく。

 

 殺しても死なない存在。

 

 この間の夢魔の様なインチキではない。

 

 純(・)粋(・)な(・)強(・)さ(・)か(・)ら(・)殺(・)し(・)て(・)も(・)死(・)な(・)な(・)い(・)存(・)在(・)だ。

 

 参った。

 

 ……これは死ぬかもなぁ。

 

 相手の力を感じ取りながら、判断した。間違いなく化け物クラスの相手だ。しかも、地球側に居るのが原因で本来のスペックを発揮しきれていない。悪魔と呼べるレベルのクラスまで実力が落ちている。それでもまだ、致命傷を叩き込んでも即死しない怪物なのだ。

 

「あぁ、待って待って。別に私戦いたい訳じゃないのよ―――ほら、反撃してないでしょ?」

 

「……」

 

 破魔符とヴァジュラを構えたまま、幻月の動きを見張る。炎で接合部をくっ付けた幻月がぺろり、と舌を出してウィンクして来る。

 

「ほら、我が神の名に誓って私は一切の戦闘の意思を持たない……これでいいかな?」

 

「……」

 

 ベリアルは一説では元は天使だったらしい。故に神の名で誓った事は破ることが出来ない。そうでなくても、誓い等の言葉は悪魔、魔神などの存在にとっては強い意味を持つ。それを口にした場合、容易くこいつはそれを破る事はできないだろう。少なくとも、今の言葉でこいつはこちらに対して、自分から攻撃を仕掛けて来る事は出来なくなった。

 

「……じゃ―――」

 

 最低限の警戒を残したまま、言葉をつづけようとした所で、

 

 闇夜に声が響いた。

 

「気を付けなさい、そいつは双(・)子(・)姉(・)妹(・)の(・)悪(・)魔(・)よ」

 

「あ、惜しい」

 

 惜しむ様な、声が幻月の悪魔的な表情と共に漏れた。

 

 瞬間、自分の影から出現する姿を目撃する。一瞬判断が遅れれば出現する影に体を飲み込まれていただろう。だが声がそれよりも早く届いた結果、動きが間に合う。一瞬で夢想天生に入り、あらゆる攻撃を透過する。影から出没する脅威をそれで擦り抜け、安全に距離を稼ぎながら影から出没する姿へと向かってヴァジュラの雷剣を薙ぎ払う。空気を焼きながら放たれる雷光の斬撃が闇夜を切り裂きながら影から出現する存在の闇の衣を引きはがした。

 

「惜しかったわね姉さん」

 

「うーん、そうね。やっぱり普段やらない事やるのが悪いのかしら」

 

「そうよ、やっぱり他の連中を皆殺しにしたように、こいつらも正面から挽肉にするべきだったのよ」

 

「夢月ちゃんは賢いなぁ」

 

「もう、姉さんは私が居ないと駄目なんだから」

 

 そう言って出現したもう一体の悪魔は、メイド服を着ていた。その奇抜な恰好に一瞬だけ驚かされるものの、内包される力は幻月に匹敵するものを感じられる怪物だった。幻月と、愛し合うように抱き合いながら誰かの血に身を濡らして恍惚とする悪魔は息を荒げながら唇を重ねていた。

 

「なんだこのサイコ共」

 

 思わず夢想天生が解除されてしまった。

 

「そいつ等は悪魔の中でも名の通ったキチガイ共よ」

 

 その言葉と共に悪魔の姉妹を挟み込むように女が空から落ちてきた。銀髪の髪に両手に大量のナイフを握りしめた女はワイシャツにスカート、そして黒いコートという恰好をしていた。どことなく狩人、という印象を感じさせる女は悪魔を睨みながらナイフを投擲する姿勢を見せる。

 

 その姿にあ、と幻月が声を零す。

 

「紅魔の猟犬じゃない」

 

「そんなにお嬢様を磔にされたのが気に入らないの?」

 

「で、どうだった? 体をバラバラにして幻想郷中にばら撒いてみたんだけど。再生するのにどれぐらいかかった?」

 

「それとも完全に死んじゃった?」

 

 そう言うと悪魔―――というより悪夢の姉妹は身を寄せ合いながらくすくすと笑い合う。本当に、まるで何もかも理解できないが楽しそうに笑っているのが解る。その姿を視界に収めつつ、

 

「共闘でいいか?」

 

「えぇ、こっちからお願いするわ。主の受けた恥辱を魔界に殺し返して晴らさせて貰うわ」

 

 紅魔の猟犬がそう言って短剣を取り出す。それに合わせるようにヴァジュラを構え、

 

 ―――月の悪魔姉妹を挟み込むように戦闘を開始した。




 幻月ちゃんと夢月ちゃんは可愛いなぁ……? 可愛いのかこれ……まぁ、前後でのギャップっていいよね!(錯乱

 という訳で幻想郷から飛び出してきた猟犬メイド長。
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