※この作品はR-18です。

エト・カ・リファ冒険譚   作:ぴんころ

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一話で終わった精霊の世界


第五話:精霊の世界

「でも『精霊の世界』かー。あの世界ちょっと嫌な思い出があるんだよなぁ……」

 

 話そうと思って過去のことを思い返していると、嫌な思い出までやってきたので少し辟易したような表情になっていると思う。実際、今口から出たのも過去のことを思い返している時と違って重苦しく感じたし。

 

「嫌な思い出、ですか?」

 

「そうそう。人生初の逆レ」

 

『!?』

 

「ああ、そういえばそんなこと言ってたわね」

 

 唯一何が起きたのか知っているアリアはクスクスと笑っているが、残りの二人は驚いて……なんでユーフィーまで驚いているんだろうか? 人生二人目の逆レイプはお前がしようとしたんだぞ。結局お前は何をすればいいのかわからなくてあやふやになったけど。

 

「なんでそんなことになったの?」

 

「うーん、俺もよくわからん」

 

 とりあえず、何がどうしてそうなったのかについてを思い出そう。あれは確か……

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「ふっふっふ。君の身柄は僕が預かったよ!」

 

 うん、このタイミングは初の逆レイプの直前だ。もうちょっと前に……

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

 ああ、そうだ。確かあれは、俺たちが精霊の世界にたどり着いてから、原作の街を発見する前のことだ。その日は、皆が運動不足になりかけているからとソルラスカによるサバイバル実習が始まったのだ。

 

「っつーわけでお前ら。今言ったことをしっかりと守ってこのあたりを散策。ただし、俺たちがすぐに飛んでいける程度の距離で実習しろ!」

 

『りょうかーい!』

 

 久方ぶりの外で全員がテンションを上げていたし、ソルラスカ(監督)がいるとはいえ俺も外に出られることは嬉しかったので多分どこか緩んでいたんだろう。普段なら気づけそうなタイミングで物陰から何者か……ルプトナが現れたのだ。

 

「こいつはもらってくよ!」

 

「へ?」

 

 何が起きているのか全くわからずに、いやたとえわかっていたとしても何もできなかっただろうが、まあそんな間抜けな声をあげてさらわれた。ソルラスカもソルラスカで他の生徒のこともあるから追いかけるのは難しく、結果として俺は数日間ルプトナと二人きりになることになった。

 

 とりあえずなんで俺を攫ったのか聞いたら、『災いをもたらす者』であるジルオル、その転生体である望から力を奪い精霊の皆を守る。そのためには力を奪う前に逃げられたりしたら困るから人質を取ることにしたらしい。……ここで俺を人質にして「こいつを殺されたくなかったらお前が殺されろ」にならないあたりそう言う手段は嫌う気質が見えているが。で、俺を連れてきたのは完全なただの趣味。それ以上のことはその時は教えてくれなかったが、獣の勘……いいや、この場合だと『精霊の子』だから精霊の勘だろうか? とりあえず本能的に「こいつ喰おう」と思ったらしい。

 

 後に会長が攫われてくるまでの間、それを聞こうとは思えなかったので、毎日のように夜に逆レイプされることになるなど、この時点では一切想像していなかったのだが。

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「それで、会長はどうして攫われてきたんですか?」

 

 俺の横には気絶した状態でルプトナによって連れてこられた会長がいた。もうすでに目覚めていて、一応原作の流れを知っていた身としては、細かいところまで覚えていないからなんともいえないが、確か泳げないせいで溺れてここまで連れてこられていた覚えがあるので、一応この世界でも同じなのか確かめておくことにした。

 

「え゛……そ、それは、うん、ほら、香山くんを助けるためにわざと捕まったのよ……!」

 

「なんだか焦ってません?」

 

「沙月、普通に泳げなくて溺れただけでしょ? まあ、あの沙月たちが言う所のミニオン? だっけ。あれを倒すの手伝ってくれたから助けたんだ」

 

「会長……」

 

 どうにか誤魔化そうとした会長だが、一瞬でその目論見はルプトナによって砕かれた。……まあ、正直にいえば他人に見られる趣味はないらしいルプトナには、会長がいる間は襲われることがないので今回に関しては『神剣使い二人に監視されることになる恐怖』を差し引いても助かっている。そうでないと俺がレイプ目になってただろうし。

 

 ただ、それでも「泳げないから捕まった」には情けなさを感じざるを得ない。

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「沙月もいなくなったことだし、今日もしようか!」

 

 ほんのりと薄暗い目をしながら、ルプトナは今日も俺を犯そうとする。断れば殺されかねない状況で断れるほど俺の心は戦士ではない。押し倒され、唇を貪られ、今日も俺の尊厳は奪われていく。

 

 正直、会長にはなんで俺を置いてったと言いたくなるが、ミニオンに襲われたタイミングだから「ミニオンに狙われない」という希少な体質を持っているだけの俺は流れ弾の危険性もあって隠れていることしかできず、そのまま会長が向こうと合流してしまったようだ。

 

「いっただっきまーす!」

 

 こうして余計なことを考えていないと、今の自分の惨めさをよく理解してしまう。

 

 

 だれか、たすけて……

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「それで、こっちに避難?」

 

「うん、あそこにいたら心が折れそう」

 

 少し呆れ気味なアリアに対して、この夢の中にいさせて欲しいと懇願する。端から見れば10歳程度の人形のように精巧な顔立ちの少女に詰め寄る18歳の男性というどこからどう見てもやばい光景だが、そんなことを気にしていられるほど余裕はない。

 

「はあ……まあ、それぐらいなら問題ないわよ。せっかくできた友人がこんなことで心折れるのは忍びないし。……それとも、男としては最高の死に方になるのかしら?」

 

 溜息を吐きながらも同類を壊させるわけにはいかないからと夢に留まることを許してくれたアリアだが、最後の最後でちょっとした意地悪、と言えばいいのだろうか。そんな発言を繰り出す。絶対にゴメンだとばかりに首を全力で横に振り、クスクスと笑うアリアに対して否定の意を示した。

 

「いくらなんでも……」

 

「ごめんなさい。さすがにこの状態だとこれも冗談にはならないわね」

 

 今、俺は外の状態を気にしないようにしているが、アリアはそっくりそのまま外の俺の状態を俺視点で見ているわけだし、ついでと言わんばかりにそれっぽい言動をさせて俺が心を完全に内側……というより現実から乖離させていることをバレないようにしてくれている。……もはや頭が上がらない。

 

「さ、それじゃしばらくの間は私とお話ししましょう?」

 

 それっぽい調度品を出現させて、この揺り籠を時間が過ぎるのを待つだけの空間から他者と会話をするための空間へと作り変え、アリアは用意したソファーに座る。俺もその向かいに座って、話す内容を取捨選択し始めるのだった。

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「あら、貴方が救出されたみたいね」

 

「本当? それならそろそろ戻る時間かな」

 

「ええ、残念だけど。これ以上の話は今はできないわね。私だと貴方の振りはできても、貴方の友人に対するスタンスや昔に何があったのかの話はできないから、いつかボロが出るでしょうし。戻れるうちに戻っておきなさい」

 

 いつものように意識が現実に戻る感覚が襲ってくる。今回の違いはと言えば、この夢の世界にいた時間が圧倒的に今回が長いことと、あとは普段は俺が話す側であるが、今回は彼女の話も少し聞くことができた程度か。

 

 一瞬、視界が光に包まれたかと思うと目の前には望や希美、会長などの姿がある。

 

「香山くん、大丈夫!?」

 

「宗弥、無事か! ちゃんと生きてるな」

 

「あー、うん。大丈夫、生きてる。五体満足だよ」

 

 会長だけ妙に泣きそうである。やはり絶対に守ると決めていた生徒の中から誘拐された相手が出たことはアウトだったのだろうか。そこらへん、当人ではないのでわからないけど。

 

「だから言ったじゃん。特に傷つけるようなことはしてないって」

 

「そうは言っても、話に聞くのと自分の目で確かめるのは別なのよ」

 

「そうそう。お前も長老たちの住んでる場所が狙われたって聞いたら無事かどうかは人づてじゃなくて自分で確かめたいだろ」

 

 ……やっぱり、原作通りあいつはこっちに仲間入りすることになるのか。割と真面目にそれは避けて欲しかった。これから毎日逆レイプに怯えることになる日々が続くとか嫌すぎるんだけど。

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「オメーラ、香山が戻ってきたぞぉ!」

 

『foooooo!!』

 

 ……なんだこの空間。

 

 ものベーに戻ってこられた俺は、どうやら既にこの世界での『光をもたらすもの』との戦いが終わっていたこともあり、しばらくの間自由な時間を過ごしていいと言われた。次の世界……『魔法の世界』に向かうための物資の搬入にはもう少しかかるようなので、まずは教室に戻ってきたのだが、なぜかこんな会話で迎え入れられた。

 

「よっしゃ、まずはこの数日間何してたか。とりあえず全部語ってもらおーや!」

 

『そうだそうだ! どうせまた美少女とイチャイチャしてたんだろオラァ!』

 

 ……こいつら、幾ら何でも仲が良すぎないだろうか? この旅のおかげで一体感が生まれてしまったかぁ。こうもおかしな方向性で一つになっていると、彼らと同じノリになれていないことにちょっと寂寥感を感じたりもするがそれはそれ。絶対に今回の情けない内容は語れない。とりあえずこんなギャグ的なノリなことには感謝しておこう。普通に心配される方が多分今回は辛い。

 

 ……だから絶対に喋らない!!

 

「語らなかったら、戻ってきてからお前が微妙に恐れてるっぽいルプトナさんと二人きりでどこかの部屋に閉じ込めるわ」

 

「その張本人(ルプトナ)に毎日逆レイプされてました」

 

 一瞬で脅迫に屈した。多分今の俺の目は死んでいると思う。

 

『うわぁ……』

 

「な、なんだよその目は! 俺は神剣の効果で身体能力の上がった相手に抵抗できるほど強くねーし! 断ったら殺されるかもしれないから断れねーし! 目が薄暗い相手に無理矢理に押し倒されて恐怖しか感じねーよ!」

 

 ちょっとテンションがおかしなことになっているが、結局のところこれなのだ。割と真面目にあいつと二人きりになったら今度こそ死ぬまでヤられる予感しかない。絶対に二人にしないでほしい。微妙に頬が濡れているのはそれだけの恐怖だったと言うことで。

 

「あー、うん。今度から基本お前を単体で行動させねーわ。これ以上トラウマ植え付けられたら可哀想だし。特にルプトナさんと二人には絶対にさせねー」

 

「さすがにこれだけビビってるの見て、まだ羨ましいとは言えんな」

 

「わかってもらえて嬉しいよ……」

 

 しばらくの間、俺が何処か出歩く時には必ずクラスメイトがついてくることになった。

 

 

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 

 

「ほぇ? でも、私が合流した時には、クラスメイトさんと一緒に動いたりしてませんでしたよね?」

 

「あー、うん。ユーフィーが旅団に入ることになったら、どこに行くにせよユーフィーがついてきてたから。こんな子供の前でそんなことをするような輩ではないだろうって」

 

 『精霊の世界』での主要なイベント。大体の内容は人づてに聞いたことばかりで俺はルプトナに拉致監禁されていたわけだが、それでも俺の知る限りの内容は語り終えた。結構な長丁場になったので、途中で一旦切って風呂を上がったりして、今は部屋でユーフィーを膝の上に乗せて座っている。ちなみにあの後は俺の周りに人が必ずいたおかげでルプトナに襲われることなく旅を終えて時間樹から出ることになった。

 

「ん?」

 

「どうかしたんですか、お兄ちゃん?」

 

 ユーフィーは俺が発した声に目敏く反応したが、俺はそのことにも気がつかず、少し考え事に没頭していた。

 

 ーー俺って、あの後ロリ以外抱いたっけ?

 

 ちょっと大事なことである。俺も「しばらくの間*1抱いてない」程度は認識してたけど。

 

 次の世界について話すことも考えていたが、そんな疑問の方がどんどん大きくなってきたーーところで、ユーフィーの声が耳に届く。

 

「お兄ちゃん?」

 

「ん、あ、ああ。どうかしたユーフィー?」

 

「さっきから声かけてたのに返事がなかったから……」

 

「いや、ちょっとね。ユーフィーと出会った時のことを思い出して」

 

 そんな誤魔化し……次の世界で出会ったから、次に話す世界のことを考えていたという意味では間違いではないけど、そっちは少し後回しだった。

 

 まずい、本当にここしばらく抱いた覚えがないぞ……!

*1:
エターナル基準のしばらくなので人間の一生よりも遥かに長い。下手すれば千年単位になるかもしれない




しれっと暴露されたユーフィーの犯罪未遂(逆レイプ)
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