「にゃふぅ……」
ユーフィーとのセックスは、これまでにないほど感度を高められた状態で行われたので、これまでにないほど早くユーフィーが気絶してしまった。
「で、ユーフィーたちから逃げて、ユーフィーの話だとしばらくしてからユーフィーたちは宗弥のところに来たんでしょ? その間とか何をしてたの?」
ユーフィーとイチャコラする間もミューはしっかりとついて来て、ユーフィーが元から弱い部分を無慈悲に責め立てていた。先のアナルセックスで慣れたのか、そのことを特に頓着せずに話の続きをせがんで来る姿は少し怖いが、それでも聞かれたので何が起きたのか思い返す。
………………
…………
……
そも、暁に対する望たちの態度を見ていると、俺が「関わるな」と言っても、本当に関わらないでくれるのかは疑わしい。もしもの時のために何かを用意しておこうと思い至ったはいいものの、結局何を用意できるのかは永遠神剣の設定は知っていても現実では神剣使いになりたての俺にはわからなかった。
そこで、俺のことを手助けしてくれたのはやはり、これまでもなんども頼りにして来た相手、『境界』ことアリアだった。
ミニオン……どうやら『境界』は上位神剣に位置する神剣らしく、俺の召喚した場合はエターナルアバターとなっているが、そんな存在を召喚するための方法を教えてくれた。
さらにそれに加えて、いくつかの備えも作り上げて、神剣使いがやって来た時にどうにかするための仕掛けはわずかなれども完成させることはできた。
「こんなの使わないですめばいいんだけど……」
「多分、来るでしょうね。貴方の知識を見る限り、彼らはこの後『理想幹』でログ領域にまでアクセスできるんだもの。だから、その時のために備えをもう少し用意しておくんでしょ?」
「ああ」
”渡り”を行うことも考えないでもなかったが、それをすれば望たちから逃げることはできてもエターナルに把握される可能性が高くなる。自分を殺せる連中から離れたくて逃げて、結果として自分を殺せる連中のところに特攻するとかただの阿呆だろう。そういう意味ではアリアと契約してエターナルになっている時点で阿呆なのだが。
「それで、今の所は誰も来てないんだよな?」
「ええ、当然よ。さすがにこの世界程度の範囲なら私の方でも入って来たことを知覚できるわ」
横にいるアリアに視線を向けると、この世界での特性からか契約と同時に出現した白い、尾が4本の天狐の姿をした神獣『天輪』に乗っている。天輪は俺よりもアリアに懐いているのでその光景もそこまでおかしなものではないが、普段は俺よりも年上の雰囲気を醸し出している彼女が子供のように動物の上に乗っているのは少し不思議だった。
「それなら、次はどうするの? 彼らがやって来るまでの間、そこまで時間がないだろうけど」
「うーん、どうしよっか?」
ここから下手に準備をして、できる前にやってこられるとゲーム本編をしていた時の「”根源変換の櫃”完成の前にミッションクリア」に通じる悲しみがあるので。……というか中途半端に発動したせいで他のトラップに干渉されると困る。
「ふふっ」
「なんだよ、アリア」
真面目に考えているというのにアリアは笑う。その衣装は普段夢の中で見ていた黒の花嫁姿ではなく、なぜか黒いワンピース。そんな彼女の誘うような視線を受けて少したじろいでしまうが、これまでの経験からして特別変なことを言われるわけではないだろうということだけは信頼していて、その言葉の続きを促す。
「まだしないといけないことが一つだけあるでしょ?」
「え……?」
『しないといけないこと』と言われても思いつかず惚けた俺に対して、どこか妖艶な瞳のアリアはそっと意識の隙間に入り込むようにして押し倒してきた。
「ア、アリア……?」
「宗弥は以前ルプトナに押し倒された時から、神剣に関わる某かに接触されたりすると恐怖からかほんのわずかな時間だけど固まってるじゃない。そこをどうにかしないとやってくる彼らをどうにかできるとは思えないわよ」
スススッと細い指で胸元をなぞるアリアに、自分が何をされているのかわからずに固まってしまうが、これのことを言っているのだろうか? これは別にそういうことではないのだが……
「それに、貴方の勝率を上げるってことであれば、あの子の心にしこりを残せるであろうこの行為も意味があるし……」
「それって……」
何を言いたいのだろうか……?
「まあ、色々と理由をつけることはできるけど結局のところ私が貴方のことを好きだから抱いて欲しいだけよ。ずっと一人だった私に偶然とはいえ会いにきてくれて。強いわけではなく、むしろ弱いけれど。だからこそ私のことを必要としてくれた貴方のことを」
まあ、どうしても嫌だっていうなら今は諦めるけど、なんていうアリアだが、普段から源泉となる感情が別とはいえ同じような目をしていた自分だから彼女の瞳の中に恐怖があることはわかる。
「うん。俺もアリアのことが好きだよ」
この言葉に嘘はない。俺の本心をこれまでに本当の意味で見せた相手はアリアだけだし、それだけ彼女のことを信頼している。彼女もこんな情けない自分を受け入れてくれているのだから、何も問題なんてない。
俺の言葉にアリアは花が綻ぶような笑顔を見せて……
………………
…………
……
「それで、今あたしたちはどこに向かってるっていうのよ?」
その頃、ものベー内部では理想幹神に関わるあれこれが終わったことでようやく宗弥の元に迎えると皆が意気込む中、宗弥のことを唯一知らないナルカナがそれを尋ねていた。
ちなみに、今はものベー内部には神剣使い以外は誰もいない。
「今、私たちが向かっているのはすでに滅んだ世界。そこにいるとある人物を連れ戻すことが、今回その世界に向かう目的だ」
「でも、聞いた話だとそいつ、自分から『神剣使いと一緒になんていられるか! 俺は逃げる!!』って逃げ出したんでしょ? わざわざ連れ戻しにいく必要なんてあるの?」
「うぅ……」
『……』
「うっ……な、何よその目は」
ナルカナの言葉を聞いて涙目になり落ち込むユーフォリアと、それを見た全員からジト目で睨まれてナルカナはたじろぐ。それを見たサレスは一つため息を吐いてから説明を始める。
「沙月は『全員で戻る』と宣言したのだから、一人だけ足りていないという状況ではダメだということ。彼のことを放置していれば、これから先もそのことが心の片隅に引っかかってどう影響するかわからない。……それはユーフォリアも同じみたいだがな」
「はい……!」
「あ〜なるほどね。つまり惚れた男のことが気がかりなわけね。ユーフォリアは」
「ナ、ナルカナさん!」
「これから先何があるのかわからない以上は、最大のパフォーマンスを発揮できるように団員の状況を整えておくのも、旅団のリーダーの仕事だ」
「俺たちは宗弥のことを無自覚に傷つけてたわけだし、そのことを謝りたい。ユーフォリアは傷つけてたことを謝ってそのまま告白もするつもり。……宗弥に恋人ができていたりしないと良いんだけどな」
「うぅ……」
「ちょ、ユーフィーちゃん!? もう、望ちゃん!!」
笑いながらポンポンとユーフォリアの頭を撫でる望だが、恋人ができているのを想像してしまったのか泣きそうになったユーフォリアを見て、オロオロとし始める希美。今回に関しては宗弥と縁が深いこの三人が主軸となるので、全員できる限りはベストに近いコンディションを維持しようとしていた。
「だ、大丈夫だってユーフォリア。あいつが行った世界は『滅んだ世界』なんだから。流石にそんなところに人はいないって」
「大丈夫、ですよね……? 告白する前から撃沈するような気はしてますけど、さすがに『恋人がいるから告白すらさせてもらえない』なんてことにはならないですよね?」
………………
…………
……
背後から覆いかぶさるようにして、その幼い肢体を貪り尽くす。すでにその肌を隠していた漆黒のワンピースは剥ぎ取られ、対照的な白い肌には大粒の汗が滲んでいる。互いの熱を感じ取り、茫洋とした気分になりながらもふと正気に戻るたびに、こんなことをしてる時間があるのかと、神剣に対する恐怖からかこの時間を終わらせるための
「宗弥」
けれどそれも一瞬。相棒たる彼女に欲望をぶつけていることへの罪悪感も、彼女を通して他の神剣使いへの恐怖を思い返すことも、全てが名前を呼ばれただけで消し飛んでしまう。
己の腕の中にすっぽりと収まってしまうその体を抱きしめ、無理矢理に自分の方を向かせて唇を合わせる。重なった唇から俺の舌が彼女の口の中へと潜り込み彼女の舌と絡まった。
腰を抱いて奥へと逸物を突き入れる。そんな一連の動作もすでに慣れてしまっていて、けれど初めての相手の膣内は圧迫感が強く、気を抜いてしまえば今にも射精してしまいそう。
「あっ」
そんなことをしていたからだろうか。汗で手を滑らせてしまい、彼女の腰を抱いていた手が彼女の尻を揉んでしまうことに。可愛らしい声をあげたアリアは、そんな声を漏らしたことに頬を赤く染めてプイと顔を背ける。その愛らしさに、アリアのことを愛おしく感じて、さらに腰を突き入れて先ほどは我慢した射精を行う。白濁とした精液を膣のうちに受け、快楽を含んだ声音で絶叫するアリアだがその美しさは微塵も失われていない。
絶叫が終わって息を整え、彼女はさらなる快楽を求めてすり寄って来る。
未だ、宴は終わらない。
………………
…………
……
それから三日。暇な時間を出来うる限り神剣と神剣使いに対する恐怖を殺すためにミニオンと戦ったり、アリアとセックスして過ごしていたが、ついにこの時が来てしまったらしい。
「来ちゃったかー」
「ええ、ものベーの気配を感じるもの。多分この世界にそろそろ入るところだと思うわ。……それで、大丈夫? 戦えるの?」
「ああ、多分大丈夫。あいつらも結局のところミニオンと同じだよ。意思を持って神剣を振り回すか、意思もなく神剣を振り回すか。どっちにせよ、ミニオンと戦えたならあいつらとも戦える……はず」
惜しむらくは戦闘経験を積めなかったことだが、そもそもこの世界で神剣使い同士の戦闘などそう簡単に起こるはずもない。しかも俺はあいつらと違って戦闘に明け暮れた
「それじゃ」
「ええ」
アリアの姿が解けていく。神剣の化身である彼女が人の姿を保ったままだと、俺の武器となることができない。しかし、武器として共に存在するため俺は一人であるわけではない。
白と黒の銃と化したアリアを手に、今現在の寝床としている場所から出てものべーを確認できるように。
「永遠神剣”偽典”『境界』の担い手、”生死の境界にて揺蕩う者”ソウヤ」
銃口はすでに腹の部分が見えているものベーに向けられている。口にするのは、かつて教えられた彼女の名と、契約をしたことで名乗るべき名の二つ。
できることなら、これが最初で最後の戦いになることを祈って。
「いざ、参る!」
気合いを入れる意味合いで叫ぶのだった。
なお、未だに敵はこの世界の土を踏んですらいない模様。
ちょっと神剣を紹介。
・永遠神剣”偽典”『境界』
『天位』『地位』『鞘』と同じ、一〜十の位階にはない神剣。神剣宇宙のマナの総量は決まっているはずなのに、時間樹内に外部から持ち込む形ではなく、無からマナを生み出せる……時間樹の外も含めてマナの総量を増やすことができる唯一の神剣。永遠神剣では絶対に不可能なことをできるが故に本物の永遠神剣と認められることはなく、結果として『偽典』という名称を与えられている。ちなみに化身が存在することから一位と同等の力は持っているはず。