「俺たちに子供ができたとして、お前が敵国のポケモンだろうがなんだろうが関係なく、子供は俺たちだけのもんだ。引き離されるなんてことはあり得ない。なんたって俺の子だ。」
彼は私の額に自分の額を付ける。
「王族の子供に手出しなんてできねぇよ。」
「えっ……」
「召し使いになったし、明日言おうと思ってたんだけどな。」
彼の目はいつも通りの目だった。
「俺はレーン国第二皇子。第二王妃から生まれたから第二皇子だ。弟の第一皇子の保険であり、弟を守る盾であり、捕虜に一目惚れしちまう駄目な皇子さ。」
私は自分の胎内にある彼の雄の存在をも忘れるほど驚いた。
「皇……子……?ぁっ……」
ぐっと彼が腰を押し付けて、その甘い刺激に間抜けな声を漏らした。
「娼婦も建前だ。俺がお前を孕ます。お前が牢に戻らなくて良いっていうのも、お前が俺の苗床になるっていう前提条件を出したから許されたんだ。」
「はら………む……私が……」
彼は私を真剣な眼差しで見つめた。
「国民は皇族を崇めてる。俺は腐っても皇族。お前がその御子様を孕んじまえば誰も文句は言えないだろう。」
ぐぽ、と肉棒が引き抜かれ、入りきらなかった精液が零れる。お腹に顔を埋められて体がぞくりとした。壊れるまで使ってやる、とでも言われたような気がしたのだ。
「俺だってお前の立場は理解してるつもりだ。だがこうするしかないんだ。思うこともあるだろうし辛いだろうが…」
その考えはすぐに消えた。私をただの苗床と思っているなら、こんなに私を気遣う必要もないはず。
硬度が衰えない雄槍の根本を焦らすように私の秘部に当てられると自分の膣もうねって彼を求めているのが分かる。
「俺の国にいる間だけで良い。どのみち、もし俺達が負けたら俺もただでは済まないだろうし……その代わり、今は全部、俺のものだ。」
彼の顔が私の鼻先すれすれまで近づいてくる。このままでは身も心も彼に奪われてしまう………………なんて幸せなんだろう。
「ユイ……俺の子を産んでくれ…」
息がかかっただけで私の呼吸も荒くなる。こんなに体が求めているのに、抵抗するだけ損だ。ここで否定したところで受け入れられるわけがないし、交尾を続けていればいずれできてしまう。
「俺を信じてくれ……」
私の顔に手が添えられて、軽く掴まれると強めに口づけされる。多分、逃げないように無理矢理したつもりなのだろう。それとほぼ同時に肉棒が根本まで勢いよく入ってきた。その衝撃に意識が飛びそうになるのを耐えながら私は自ら彼の口内に舌を入れる。強姦にしては優しすぎる。単純に、事実を知られて拒絶されたくないだけなのだ。私に負担をかけないよう体重を四肢に分散しているのが良い証拠。積極的な私に驚いているラルム様の顔を、更に自分で引き寄せた。
「ん…ふぅ……んむっ……」
ラルム様がゆっくりと腰を動かし始める。少し力を入れて肉棒を締めるとお腹の中身を持ってかれそうなような感覚になって、それが堪らなく気持ち良い。
「はぁっ……あぁんっ……」
体を横にするとラルム様は片腕で私を引き寄せ、もう片方の手で私の腰やお尻をいやらしく擦る。私にはそれさえ心地良い。私はラルム様の首の後ろに手を回して彼と密着した。
ラルム様に助けられて、心にも余裕ができて。今くらい、状況を忘れて素直になって良いじゃないか。
訪れた絶頂を、何の抵抗もなく受け入れる。私だってもう子供じゃない。欲しい。ラルム様との子供が欲しい。
「気持ち良いか…?」
「はぁっ…いっ……」
「良い雌と出逢っちまったもんだな……」
どこか悲しげな彼を見て、思わず言ってしまった。
「好きっ…ですっ…うっ……ラルム…さまぁっ…!」
彼はすぐには答えなかったが腕の力と責めが微かに強くなる。
「ラルム…さまぁっ…」
「あぁ…ありがとう…」
その時の彼の笑顔は今までのどれとも違くて、やっと本当の彼と会えた気がした。
目を瞑って、他の全ての感覚で彼を感じる。いつもは絶頂が近づいても余裕そうな彼が今は喘いでいる。私も早く、彼の本気が欲しい。お腹に一杯───
「ユイ…出るっ……」
突然強く突かれてまた脳天まで痺れた。5回、6回と打ち付けられ、7回目でこれでもかと押し付けられる。そして体を強張らせながら彼も限界を迎えた。
「フゥゥッ…!」
「あぁんっ…あぁっ…!」
元々満たされていた私の子宮へ、彼の雄は何度も脈動して更に大量の精液を送り込んでくる。膨らむ胎になるべく多くの彼を受け入れようと全ての力を抜いた。
「はむ……むはぁ…はぁ…」
「ありがとうユイ…」
「側に……いてください…」
「あぁ約束するよ…絶対守るからな…」
柔らかくなった肉棒がゆっくり私から抜けて彼の元に治まっていく。
「楽しみだな。きっと、お前に似て優しい子が生まれる。」
私はそれに笑みで答える。というのも余韻で喋る余裕があまりなかったからだ。それでも伝わったようで彼も満足げに私の顔を舐めた。
「おやすみ、俺の大事なヒト。また明日な。」
◯◯◯
牢の環境をいくらか改善し、何度も部屋に連れ込んでいるとはいえやはり疲れが溜まっているのかすぐに寝息を立てる彼女を見て、やり過ぎたと少し反省する。
ほんの少し前の自分を振り返り、俺もまだまだガキだな、と独り笑いした。あんな風に必死になって抱くのは初めての時以来だろう。進化してすぐに今は弟の世話係になっているあのマフォクシーと交尾の練習をしろと言われた時を少し思い出した。いや、もう少し思い出してみるとあの頃は教えられた通り気遣う、つまり愛撫したりするのが恥ずかしくてぎこちなかった。本気で熱くなったのはさっきが初めてだろう。
…自分の友であり、今はレーン国の将軍であるレントラーを国境の占領地の統治者として任命した。それはその占領地に疎開していたアタル国の王女をモノにするため。戦争前にその王女らしきポケモンと遊んだことがあるらしい友がその役をかって出て、自分がそれを許した。便りによれば、良い関係になっているらしい。
そして自分は将軍の娘を我が物にし、将軍の妻に恩を売った。後は双方の"お相手"が子供を身籠れば父上であるレーン国王の策は安泰。停戦協定で相手国の皇族と軍を手玉にとれる。
レーン国の上層部の一部しか知らないこの計画が上手くいけば命を重んじる──特別重んじているというよりレーン国が軽んじ過ぎなのだが──アタル国を実質負かすような協定を結べるだろう。
「ユイ…ごめんな……」
言わなければ良いだけ。そうたかをくくっていたが愛する相手を騙すのがこんなに苦しいとは思わなかった。この甘い時間がいつまでも続けば良いのに。
「でも…良いところまできてるんだ……それまで夢を見させてくれな……」
愛する者の幸せのためなら自分はどうなっても良い、なんて綺麗文句、言葉にすることもできない。所詮俺も欲と本能の塊だ。
…でも、「子供が楽しみだ」と言った自分に対して笑顔で応えてくれた彼女のためなら、喘ぎながら自分を好きだと言ってくれた彼女のためなら、今なら自信をもって「できる」、と言えそうだった。
──────────────────
心地よい微睡みから覚めて、自分彼の腕の中で眠るコジョンドの寝顔を見て思わず笑みを浮かべる。しばらくすると女も目を覚ました。
「おはよう。」
「あ…おはようございます…」
眠そうに欠伸をした彼女の頭を撫でる。
「とりあえず、体洗いに行こうか。」
「……………はい。」
お互い、昨晩の激しい行為で下半身がすごいことになっていた。流石にこの状態で誰かとすれ違うのは気まずいので俺はタンスから衣を2つ取りだして1つを彼女に渡し、自分も羽織った。正直、普段は服なんて着ないため何のカモフラージュにもなっていないが、マナーと言うか、気品と言うか、そんな感じだ。
彼女を連れて俺専用の水場へ向かい、そこで洗おうとすると彼女が恥ずかしげに、意外なことを聞いてきた。
「あの…自分で洗った方が良いですか?それとも…その……」
「うん?」
「あ、洗ってもらっても……良いですか…?わ、私もラルム様のお体を洗うので……」
「あぁ!お前そんなこと知ってたのか。」
交尾した後の水浴びは、粘液を毛から落とす程度で匂いはむしろ残す。望んだ交尾ならその匂いは他者へのアピールになるからだ。そしてそれを自分ではなく相手にやらせるのは服従の意でも信頼の意でもある。だが最近では廃れ始めている文化で、由緒ある一族だったりいわゆる古い者や田舎者がやる行為になっている。自分は辛うじて知識として知っているが恐らくこの国の王族もそんなことはしていないだろう。
「一体いつそんなことを知ったんだか…ま、いいや。いいぜ。」
彼女の肩に腕を回して引き寄せると水に浸かり、もう片方の手で彼女のガビガビになった下腹部の毛を丁寧に解してやる。彼女の方も遠慮がちに俺の下腹部を毛繕いし始めた。
「体は平気か?」
「は、はい。よく寝れました。」
下腹部を一通り終わらせると尻や尻尾を洗う。くすぐったいのか時折ピクピクと体を震わせているのが可愛らしかった。だが実を言えば俺の方も、ユイの小さな手が下腹部やうちももを遠慮がちに触れているそのこそばゆさで下腹部に熱が集まり始めるのを世間話でまぎらわせていた。本来は交尾直後に行うこと。もう何時間もたった今では焦らされているようにしか感じなくて。
「ラ、ラルム様……」
「………ごめん。次はすぐに洗おうな。」
情けないことに肉棒を隆起させてしまった俺は初めてその事に対し恥を感じつつ、馬鹿みたいに固くなるそれを恨む。ユイは慰めようとしてくれたのか両手で擦ってくれていたが、俺は黙って彼女を向かい合わせに抱き締めその場で彼女の中に己を滑り込ませた。
「すぐ終わらせるから……」
彼女は嫌がる素振りも見せずに俺に体を委ねる。下半身が冷たい水に浸かっているせいで彼女の中が余計に温かく感じる。
「いくらでも大丈夫です……」
その言葉に調子に乗った俺は溜めに溜めてから彼女の中で思いきり果て、結局水場から出たときには日が高く昇っていた。そして恐らく、心配して見に来たルカリオにその様子を目撃された。
その日は城内を案内して回るだけで大きいことは特になにもしない。
「あらラルム、その子がユイ?」
庭で彼女と休んでいると、母親である雌のゾロアークが召し使いを引き連れてやって来た。
「母上、その通りです。…俺の母親だよ。」
ユイは慌てて立ち上がり、お辞儀をして挨拶をする。自分以外の王族とはあまり会わせたくなかったので話を早く切り上げて部屋に戻った。
「とりあえずお前は俺に付いてれば良い。独りで行動するなよ?」
母親はまだマシなほうだが、他の者は今のユイをもはやポケモンとも思ってない。加えて彼女にとっては憎き敵達であるので彼女を独りにするのは懸命ではないと思っている。
「なんだか疲れたな。昼寝でもするか。」
そうなった原因は色々とあるだろうが、ユイが眠たそうにしていたので新しくした寝床に横たわる。
「なんだか…夢を見ているみたいです……」
「そりゃ良い夢だな。」
軽口に笑ってくれる辺り、彼女も大分リラックスできているようで安心する。やがて彼女は眠り、自分も微睡みながらこれまでのことを思い返していた。
◯◯◯
「番ですか。」
「そうだ。」
バシャーモである父親に呼ばれたと思ったら、予想外のことを持ちかけられて戸惑った。実はこの話は自分がゾロアークに進化してからしつこく何度も何度もされていて、しかし情欲よりも力の鍛練の方を優先し性に疎かった自分にとってはどうでも良い話で。そのうち父親も諦めたのかここしばらくその話題はなかった。
どうせ軍でもトップの実力を持つ自分の血を持つ戦士を量産したいだけだろうと、今回も前と同じような文句で断ろうとするがそれを予想してか父親は話を続けた。
「この戦いを終わらせるためだ。」
「……戦略結婚、ってことですか。」
「大雑把に言えばそうだ。」
「というと?」
父親は足を組んで乗り出す。
「先鋒の王女の件、上手くいっているようじゃないか。」
突然話題を変えられて戸惑う。占領地で偶然発見した、疎開していたと思われる王女。その相手役を送り込んだのは自分であるし、今も定期的に連絡をとっている。
「そうですが、それが……?」
「俺の直属の部下が向こうの将軍の妻子の住居の場所を突き止めた。子供は雌だ。」
直属の部下はいくらかいるが、その中でもスパイを担当する者のことだろう。
「つまりその娘を誘拐して俺の番にすると。」
「その通り。正直ここまで戦いが長引くとは思わなかった。これ以上は損失が大きすぎて勝ったとしてもかなり弱る。優勢のまま停戦協定を結ぶのが懸命だろう。そのための駒は多い方が良い。」
「なるほど……」
バシャーモは冷たく笑う。
「まぁ丁度良いじゃないかラルム。この機会に雌慣れしておけ。」
雌の召し使いと無理矢理交尾の練習をさせられたときのあの様子──気まずくてものすごくぎこちなかった──は父親にも伝わっているのだろう。
「……で、種族は?」
「コジョンドだ。娘の方はまだ進化前のコジョフーだが。悪くないだろ?ただし、しっかりしつけろよ。技の相性はお前の方が不利だ。」
「まぁ…」
「別に仲良くする必要はない。調教して種付けすれば良いだけだ。」
それから1ヶ月くらいして、例の親子は計画通り捕らえられた。彼女らの様子をチラリと見に行ったその帰り、強制労働させられていた雄奴隷の会話を偶然聞いた。内容は、言葉も話せないほど幼いコジョフーが同じ牢屋に入れられたとのこと。
「それ、本当か?」
「は、はい!」
上ずった声で返事をする奴隷を尻目に俺は考え込む。前からこの国の、つまり父親のやり方には疑問を持っていた。最近では酷くなる一方だ。実の子である自分や弟も駒としかみておらず、更にはそんな幼子をわざわざ誘拐して牢にぶち込むのは流石に納得いかない。そう思った俺はすぐにそのコジョフーを保護し召し使いに面倒をみさせた。その許可をとる過程で、そのコジョフーも将軍の子だと知り、なら恩を売れば良いと押し通した。
それからまたしばらく経ち、そろそろあの雌コジョフーを部屋に連れ出せ、と父親に言われた俺は牢に向かう。だがそこにいたのはコジョンドだった。母親とも違う。
「お前、進化したのか。」
怯えきって震えているコジョンドに少々心を痛めたが、何も言わずに連れ出し、体を洗わせてから部屋に通す。
「あれ、食べて良いからな。」
そう俺に言われたコジョンドは、いつ喉に詰まらせてもおかしくない勢いで木の実を食べ、それで余計彼女が哀れに思えた。彼女はただ暮らしていただけだというのに。
そして俺は緊張を隠しながら、有無を言わさない情況で犯され泣き出した彼女を慰める。元々乱暴にするつもりはなかったけれど、しばらく腰を動かしている内に自分もかなり興奮していることに気がつく。その頃には彼女の方も大分感じてきたらしく、まるで自分に酷いことしないでくれと訴えるように俺に抱きついて喘いでいた。
翌朝、まだ寝ている彼女をルカリオに託して自分は鍛練に励む。途中、父親に呼ばれて昨晩のことを聞かれた。
「悪くはなかったです。彼女が俺になつくのにも時間はかからないかと。」
「成る程あえて飴を与えたか。それも1つの手だ。ならその件はお前に任せよう。……あぁそうそう、クリフトから知らせがあった。今日中に幹部を集めて伝えろ。」
クリフトは雄のジュカイン、城内では俺の次に軍地位の高いポケモンだ。俺は言われた通り軍の幹部を集めて伝えられたことを彼らにも伝えるとざわめきが広がった。
「つまり…裏切り者がいるということですか?」
「決まった訳ではないし、占領地での話だ。スパイなのか裏切り者なのかは分からないが、こちらの情報がいくらか漏れたらしい。クリフトは冷静なやつだ。確信があるんだろう。」
「そんな…我らが母国に背を向けるなど……」
「周りを疑えと言ってるんじゃない。そうしたら軍が乱れて敵の思うつぼだ。行動に移す前にちゃんと報告してくれよ?」
年上の部下達にそう釘を刺すと会合を解散させて鍛練に戻った。
◯◯◯
「おやすみユイ。」
「お休みなさい。」
事後の心地良い匂いのなかで、今日もおわりを告げる。彼女と暮らし始めて早くも3ヶ月が経った今日は色々なことがあった。
「泣き付かれるとは思わなかったな……」
母にも同じようにしてくれないかと訴え、今まで堪えていた分も含めて彼女は大泣きした。その姿を見るのは辛かった反面、胸の内を明かしてくれた嬉しさもあった。だからこそなんとかしてやりたいと思った。
そして恩を売る、という名目で半ば強引に今の情況を作り出した。
「おーい、そろそろ起きろ。」
「うにゅ……あ、はい!」
思わず吹き出すとブスッとした顔になるユイ。望んでいた関係になれたことを内心で喜びつつ彼女を外に連れ出した。
「鍛練ですか?」
「おう。たまにはお前も体を動かした方が良いだろ?」
「………私?」
「俺にとっちゃ弱点属性だからな。コジョンドは相手にしたことないし、良い経験になんだろ。お前だってコジョンドになってから力を試したことないだろ?」
こうして何人かの部下が見守る中、彼女と組手を始めた。さすがに彼女に劣る自分ではないが流石は将軍の娘か筋は良く、ちゃんと鍛えてやれば良い戦士になりそうだ。
「私…相手になってます……?」
一段落ついて休憩すると息を切らしたユイがほんの少し悔しそうに聞いてくる。
「なってるなってる。良い動きだ。」
「……私の修行になってる気もするんですが。」
「かもな。でも修行させるのも修行だ。……さて、」
このままユイに無理をさせるわけにもいかないので、ルカリオと一緒に見守っていたユイの母親に目を向ける。向けられた彼女はえっと声を漏らした。
「……やるか?」
ずっと閉じ込められていたとはいえ流石にユイとは身のこなしが違う。数分組手をやった後は威力低めの技を使って模擬戦、あまり疲れさせ過ぎて本来の役目に支障が出ては悪いので息が切れたところで終わりにした。
「あー良い運動した。」
部下とも何度か手合わせして夕方になり、火照った体を川で冷やす。このあとに予定はないのでユイをルカリオ監視の元、母と弟と一緒に過ごさせてやっているから今は独りだ。
「ところで最近俺を監視してるスパイさん、もう逃げても無駄だから出てきたら?」
と言ったところでどうせ出てこないことぐらい分かっている。いや、出てきてはいる。
「隠れてるつもりなんだろうが丸見えだぜ?サーナイト。」
「………」
「わっかんないかなー?俺の種族の能力ぐらい知ってるんじゃないのか?」
「まさかっ…!」
相手は木の後ろに隠れているつもりだったがその木や周りの茂みは幻影で、実際は堂々と俺の目の前に立っている。
「……っく!」
サーナイトが無数の光弾を浮かべたが放つことはなく辺りをキョロキョロと見回した。自分のいない景色を幻影として現実に上書きしたからだ。幻影の本質を知らないらしいサーナイトは逃げることも俺を捕捉することもできない。仮に解き方を知っていても負ける相手では無さそうだった。
「まぁまぁ落ち着いて話でもしようぜ?あんまり大きな音立てるのは嫌だろ?」
背後に忍び寄って囁くとサーナイトは生唾を飲んだ。
◯◯◯
「ラルム様おかえりなさい。」
自分の部屋に戻るとユイが迎えてくる。テーブルの上に木の実が2匹分置いてあるので待っていてくれたらしい。
「おーう。待たせたな。食べようか。」
家族と先に食べていて良かったのに、と言おうとして皇子の番と召し使いでは食べるものが違うということを思い出す。量はそれほど変わらないが木の実の種類や質が違うのである。
「弟、ルイだっけ?元気だった?」
「あ、はい。お陰さまで。…そういえばラルム様にも──?」
「あぁ、アチャモだ。ルイより少し年上って感じだ。腹違いの弟だしあっちは父上の本命だからあんまり会わねぇな。まだ遊びと甘えが本職だし。仲悪い訳じゃないんだ。遊びに散々付き合わされたこともある。」
ユイが来るまでこうして他愛もない会話をしながら食事をすることもなかった。
「さーてと、」
食後少し休んだあとは、いつもこの決まり文句でお楽しみの時間を始める。昨晩はかなり激しく、更には今朝もしてしまったし盛りすぎなような気もするが抑える方が難しい。彼女は今朝同様穏やかに微笑みながら抱擁を受けて、俺は了承と受け取って愛撫を始めた。
「体調、悪かったら遠慮なく言って良いんだからな。」
「はい。大丈夫です。」
答えながらユイは俺の首に手を回す。この前戯の手順もいつも同じで、彼女もとっくに覚えてしまった。
「んっ…」
口を優しく重ね、舌を滑り込ませながら深くする。その柔らかい感触と匂いであっという間に下腹部が熱くなった。
負けたのは俺の方だ、と常々思う。所詮雄は雌のご機嫌をとって交わらせてもらうしかないんだということがよく分かる気がした。
ゆっくり口を離した直後の彼女の顔は、いつ見ても思わず微笑んでしまう。恍惚とした顔で舌が少し口から出ているそれのなんと愛らしいことか。
抱く力を強めて、俺はコジョンド特有のふくよかなお尻に片手を伸ばして擦る。ユイが俺を抱いて胸に顔を押し付ける力も強くなるのを感じながら秘裂に指を挿し込んで既に湿っているそこを軽くほぐす。
「爪、痛くないか?」
「大丈夫です…」
2本の指で解すこと1、2分で秘裂からは蜜が溢れだした。指を抜いて抱擁を解くとユイは自ら寝床に仰向けになった。彼女をうつ伏せにさせることもあったが、基本的には向かい合う。
「入れるな。」
「はい。」
肉棒を見せびらかすように覆い被さると彼女も股を開いてくれる。その際秘裂も少し開くので毎回このときはかなり興奮する。
硬くそそりたった肉棒を彼女に突き立ててゆっくりと押し進めて根本まで入れたら一旦抱き合った。
彼女の呼吸と共に波うつ膣の感触を堪能しながらまたキスをし、視線を交わしてから腰を動かした。
「ん…んんっ……」
先端でグリグリと膣壁をえぐりながら奥を小突けばユイは嬌声を漏らす。ゾロアークの俺からすれば小柄な彼女を激しく責めるのも良いが、ゆっくり抜き挿しして膣が肉棒に絡み付く感触を楽しむのも好きだ。腰を引いたときに彼女ごと下がらないよう、腰を突き出したときに彼女ごと上がってしまわないようしっかり抱き締める。
「あぅ……くぅ…ラルム様……」
俺の名前を呼んですぐに体を震わせた。絶頂したと分かっているが動きは緩めない。始めの頃は絶頂を堪えていたユイだが今はもう何の遠慮もない。
「はぁうっ……んんっ……」
「ふう……」
一旦動きを止めてゴロンと寝返りをうって体勢を変える。彼女の自重で先端が奥に刺さった。
「んあ……」
「たまには、」
俺は体を起こして後ろの壁に持たれた。俺が覆い被さるよりも恍惚とした彼女の顔がよく見える。その後は下から彼女を突いた。動きにくい分穏やかだったが突き上げる度に先端が奥を殴るためユイは先程よりも大きな声を上げていた。
「あんっ……あぅっ……」
「俺もそろそろ……」
彼女の膣からの快感がいよいよ沸点に近づいてきたので抱く力を強めたが、なにぶん動きにくいのでペースはさほど変えずに動き続ける。そして堪えきれなくなると彼女とぎゅっと密着して射精した。
「はぁっ……ラルム様っ……」
「ふぅぅ………」
彼女の中に精を吐き出す不思議な感触がなんとも心地良い。全て出し尽くしてもしばらくはそのままの体勢でいた。
「……流石に疲れたな。大丈夫か?」
「はい……」
目を合わせてお互いにっこり笑うと口づけしてから離れる。溢れた粘液を処理し、余韻に浸りながらお互いの体を洗ってその日を終えた。
それから更に数週間、特に争いが起きることもなく時間は過ぎて、ユイや彼女の母親も暮らしに大分慣れてくる。俺はこの日もいつも通り部下達と武術稽古をしていた。
「よーし、今日はここまでにしようか。」
日が傾き始めたところで切り上げて、俺は近くで見守っていたユイ達の元へ戻ろうとしたとき、ユイだけが座っていることに気がついた。
「ん?どうした?」
別に文句はないのだが、一応ユイも召し使いなので母親やルカリオ同様俺が許可を与えない限りはいつも立っている。なので少し心配になった。聞けばルカリオが許可してくれたらしい。
「体調が優れない様子だったので私が許可しました。それと、おめでとうございます、ラルム様。」
「……ん?」
ルカリオは微笑む。
「ユイは身籠っています。体調もそのせいでしょう。」
「えっ!?」
「エッ!?」
まだ聞かされていなかったのか俺だけでなくユイも、その母親も同時に声を上げて、ユイの弟ルイが面白がって真似をした。
「え…それ、マジで?」
「はい。もしやと思って感知してみました。確かです。」
「へ、へぇ……へへへっ…」
思わず彼女のお腹を見ると調度彼女もお腹に手を当てたところだった。俺は黙ってユイを抱き締める。
「ラルム様、お父上にご報告なさった方が良いのでは?こればかりはラルム様が直接行かれた方が良いかと。」
ルカリオのその言葉に我に返ると一旦ユイをその母親に預けて父親の元へ向かう。
「父上、ラルムです。ご報告があって参りました。」
「入れ。」
父親の部屋に入ると調度自分の母親もそこにいた。父親は黙って促す。
「ルカリオが言うにユイが……例の将軍の娘が俺の子を宿しました。波動で感知したそうです。」
「そうか。案外早かったな。そういえばラルム、お前その娘を溺愛してるそうじゃないか。」
「………」
うるせぇ、悪いかよ。
「番の話を散々跳ね除けてきたあのお前がな。」
父親は愉快そうに笑う。俺は反応に困った。
「まぁ別にあれをどうしようがお前の勝手だ。幸せな娘だな。国中の雌がお前の子を産みたがっていたというのに。敵の娘に盗られてしまった。」
厳密に言えば国中の雌の戦士である。
「まぁだが良いタイミングだ。ちょうど停戦協定に向けて動こうとしていたところだ。先ずは今の暗黙の休戦状態を正式なものにして、それから交渉だ。お陰で有利に進めそうだ。」
父の元を後にして部屋に戻るとユイは寝床で休んでいた。
「体は平気か?」
「はい。」
後ろから抱き締めて彼女のお腹を擦ってみる。もちろん何も分からない。
「ここに……いるのか……」
「そうなりますね。嬉しいです。」
彼女の方がよっぽど冷静だった。俺は彼女に頬擦りしてからやっとのことで
「あぁ…俺もだ。頼んだぞ。」
と言ってから
「なんかして欲しいことあったら遠慮なく言ってな。」
と付け加えた。ユイは短く答えて俺の方を向くと甘えてきたので睡魔が襲ってくるまでのしばらくの間、静かに撫でたり抱き締めたりしていた。
それ以来、休戦状態だったと言うこともあり俺は鍛練の時間を大幅に減らしてユイとの時間に当てた。鈍らないよう最低限の運動の間はユイは部屋に置いていき、彼女の母親に付き添わせる。終わったあと、彼女の体調が良ければ散歩をして悪ければ一緒に寝た。
体とは正直なものでぐうたらな生活に慣れるのにはあっという間で、寝ていると一日はものすごいスピードで過ぎていく。
ユイは何となくふっくらとした体型に変わり、やがて少しずつお腹が大きくなってきた。
「飯、足りてるか?」
「大丈夫です。」
「ほれお土産。」
久々に城の外へ出たついでにマゴの実とハバンの実でできた焼き菓子を買ってきたので包みを広げるとユイは嬉しそうに頬張った。以前にも買ってきたことがあり、彼女はとても気に入っていた。俺も1つ取って彼女の隣に座って口に放り込む。
「変わりないか?」
「えぇ──あっ…!」
「ん?どした?」
「う、動いてます。」
その言葉に慌てて彼女のお腹に手を当てると確かにピクピクと動いていた。
「はじめて、だよな?」
「はい。なんか変な感じです。」
「クック…そうか…急いで帰った甲斐あったな。」
治まるまでふたりでそれを感じ、そのあと珍しく彼女から口づけをしてきたのでそれに応えた。
調べたところコジョンドは出産まで8~9ヶ月らしく随分長いような気がしていたが、あれよあれよと月日が流れて半年を過ぎる。
「なぁユイ、体調はどうだ?」
ある日の日没過ぎにそう問いかけると大丈夫だと返ってくる。この頃はだいぶ落ち着いていた。
「星を見に行かないか。けっこう綺麗だぞ。」
俺とユイ、ルカリオとユイの母弟は誰もいない城の庭園で星を見上げる。当然俺とユイはベンチに座っていた。
「おねーちゃん、おなか、おっきい!」
「こ、こらルイ、ユイのお腹には赤ちゃんがいるのよ。それに勝手に動いたら駄目っていったでしょ……すみません。」
母親の元から逃れてベンチに登ってきたルイを慌てて抱き上げ俺に謝る彼らの母親。
「いいって。おねーちゃん大好きだもんなー?」
「おねーちゃんだいすき!おかあさんのほうがすき。」
ブッと吹き出した。全く、俺にとって最高に緊張する場面を見事にぶち壊してくれる。俺はユイの肩を抱いて引き寄せた。
「ユイ、愛してるぞ。」
「え?は、はい。私もです。」
今更ではあるが突然の言葉に戸惑いつつ返してくれるユイ。その答えに満足しながら俺は夜空を見る。
「5日後、レーン国とアタル国は正式に停戦することになる。」
ユイとユイの母はハッと俺を見る。ルカリオは特になにも言わなかった。
「ただ停戦するなんてことはない。5日後に色々交渉するだろう。ここから離れた国境沿いの占領地で偶然見つけたアタル王女の銀毛キュウコンと俺の親友のレントラー、そして誘拐されたアタル将軍の娘と俺。どちらもレーン国が持ってる。…意味、わかんだろ?」
理解してユイが何かを言おうとする前に、ルカリオが城の外の異変に気がついた。
「ラルム様!こちらの軍ではない飛行ポケモンが偵察しています!早く城の中へ───」
「その必要はない。」
答えている間にも夜空に紛れて飛ぶポケモンの数は増える。
「ラルム様!」
「停戦を前に、俺達は今までで一番油断している。それに、敵はこの城の構造を完璧に暗記してるだろうから、何をしても無駄さ。」
ルカリオは愕然とした。
「あなた……まさか……!」
どこか近くで大きな音が響く。それに続いて色々な方向から一斉に鈍い音が響いた。
「隠し部屋や隠し通路も含めた城のつくり、軍の情報、非常時のこちらの対応策、全部敵の手だ。もちろん、俺が教えた。スパイを見つけて、そいつをパイプ役にした。これで父上の策略は頓挫するだろう。ユイ、そしてお前達も、もうじき自由になれる。」
「そんな………何故───」
言いかけてルカリオは庭にいくつかある岩の内1つを振り替える。隠し通路の出入り口となっているその岩は直後に吹き飛んだ。
「みんな皇族を崇めてる。それを利用した。皇族を疑うなんてあり得ない。一番大変だったのはお前を誤魔化すことだ。なにしろ心を読んじまうおっかない能力もってんだからな。」
吹き飛んだ出入り口から敵のポケモンがあふれでてくる。
「抵抗はやめてくれよ?ルカリオ、お前だけじゃどうしようもない。」
「……私は国王陛下に、あなたに仕えろという命を受けています。国王陛下の命は絶対。最後まであなたに従いますよ。」
「……なら、良かった。」
敵は俺たちを見つけるとすぐさま囲んだ。
「俺はな、ずっと嫌だった。いつか変えてやろうって。でも慣れちまってた。ユイが来て、目が覚めた。俺は第2皇子としてこの国を、みんなを守る。父上を売ってでもな。」
「ラルム様…!」
「ごめんなユイ、お前をずっと利用してた。お前の素性は最初から知ってた。お前は俺達に捕まったその瞬間から俺のものになることが決まってたんだ。父上の計画では交渉を有利に進めるため。俺の計画ではお前達解放の引き換えに俺と弟、母上と第1妃の命を保障してもらうためだ。」
俺はユイの大きなお腹を擦る。
「身籠っちまうのは想定外だったがな。」
武器を向けたり技を溜めたりしてこちらを威嚇するポケモン達だったが、別の一声がかかって素早く道を開けた。
「お父さん…!」
「ユイか…!っ!なんだその腹は…!」
現れたのは武装した雄のコジョンド。敵国の将軍でユイの父親だ。今日、ここで落ち合いユイ達を引き渡す予定だった。伝えていたのは進化し一緒に暮らしていることだけだったので彼女のお腹をみて驚き、俺を睨む。
「俺の子だ。間違いない。そう睨むなって、誤算ってやつだよ。」
「……まぁ良い話は後だ。お前達…無事でよかった…さぁこっちへ。家へ帰ろう。」
「ちょっと待って!」
ユイがやっとのことで声を出した。
「どういうことですか…?ラルム様……」
「…お前は俺の思い通りにさせられてたって訳だよ。お前が俺に心を開くように、全部仕組んであったんだ。お前が俺以外に犯されなかったのも計画の内さ。」
「そんな………」
「ユイ、俺はな、これから戦争に負ける国の第2皇子なんだ。楽しいお遊びはこれで終わりだ。」
「そんな……私は……」
「でもさ、ほんと楽しかった。お腹の子…ごめんな。進化して1年経ってないのにできちまうなんて思ってなかったんだ。」
ユイはお腹に手を当てながらうつ向いた。
「こんなこと言う資格はないが…可愛がってやってくれよ。その子はなんにも悪くないんだから。さぁ…家に帰るんだ。ユイ。」
彼女の母弟も将軍の元に行くよう促す。
「しかしラルム様───」
彼女の母が口を開いたが遮る。
「様付けすんなよ。息子同然の歳差だぜ?それにお前、忘れてるかもしれないが戦士でもないお前が誘拐されたのは誰の計画のせいだと思ってる。」
「ですが私には…あなたが嘘をついているようには見えなかった。娘を本当に想ってくれていると───」
「だとしても、俺にもう何の権利もない。俺の処遇は先鋒が決める。そうだろ?さぁ、お前達は何も気にせず帰れば良いんだ。」
息子を抱いた彼女はうつむき、夫の元へ向かう。途中、まだ整理がついていない娘を促そうとすると唐突にユイが口を開いた。
「だったら、」
「え?」
「私を想ってくれているのなら、私の側にいられるよう努力したらどうですか…!」
「ユイ───」
「あれだけ私に優しくして、私に優しい言葉を投げて、あれだけ私を熱く抱いて、身籠らせて、愛まで囁いて……計画通り私を思い通りにしたのなら責任を取って!今更私を、私たちを捨てないで!!」
「………な?ルカリオ。良い雌だろ?」
「あなたには勿体ないですね。」
「ラルム様──!!」
「わかった。わかったよ。地面這いつくばって乞いてやるさ。もうわかった。だから今は大人しくしてくれ。体にさわる。」
頬を撫でようとすると彼女は俺に抱きついてきて、目頭が熱くなる。
「決まったなら行くぞ。」
ユイの父親の声に頷き、歩き出そうとしたときだった。
「裏切り者っ!!」
ルカリオの本気のバレットパンチを間一髪防ぐ。
「ユイ下がれ!」
ユイのお腹を狙った波動弾を拳ではじく。カッと頭が熱くなった。
「てめぇよくも…!」
「成る程、ユイやフウ、つまり私と同じ格闘で波動弾を使えるコジョンドと鍛練していたのはこれを予期してのこと、直接私を選ばなかったのは心中を読み取られるのを恐れたからですか。ですが…!」
ルカリオは守りを捨てて俺の懐に突っ込み猛攻を浴びせかける。彼の一族に幻影は無意味なので俺はそれを一撃一撃正確に防いだ。勝てる。ユイやその母親との鍛練の成果を身を持って感じる。
「ここだっ…!」
波動で動きが読めても自分が反応出来なければ意味はない。メタルクローを受け流して出来た隙に地獄突きを腹にお見舞いする。苦悶の表情を浮かべて反撃しようとしたルカリオは背後からの攻撃に辛うじて反応した。
フウだ。ユイの母親が八卦でルカリオを攻撃し、それを防いでいるところにシャドーボールを当てれば勝負は決まった。
「どうして───」
「あなたは私の娘と娘のお腹の子を守った。私はそれを助けただけです。あなたが私を、鍛練の相手にしてくれたお陰で動けましたし。」
「そうか……ルカリオ、仮に俺を殺せても、どちらにせよやられるぞ?」
「死して…王を…国を守る…それが民のサダメ……ご存じのはず……ですが……?」
「そうだったな。でももう終わりだ。諦めろ。お前に死んでほしくないんだ。」
ルカリオは何も言わずに俺を睨みつづけ、すぐあとに拘束されて連行された。そして俺達はルカリオとは別の、野営となっている場所に移動した。親切にも小さめのテントを使って良いと言われ、俺とユイは2匹その中で休んだ。
「ユイ…」
「さっきのは…私を騙していたというのは嘘だと言ってください……」
「あぁ嘘だ。その前の告白のほうが本当だ。……ごめんな。」
俺達は抱き合ったまま過ごし、そして数時間後、レーン国が完全に陥落したと伝えられた。
「おう。久しぶりだなラルム。」
アタル国の城に連れていかれ、恐らく王がいる部屋だと思われるところの扉には親友のレントラーとアタル王女である銀毛のキュウコン、キュウコンの上には幼いロコンが乗っていた。
「ムート…その様子じゃ認められたのか。」
「あぁ。俺の妻と子だ。文句を言う訳じゃないが少し遅くて…俺とは血が繋がってない。誰の子かは分からないが、こいつのヘソの緒ちぎったのは俺だ。だから俺とこいつの娘だ。」
「そうか……ん!?じゃあお前……!!」
「そ!俺が次のアタル国の王!ま、実権握るのはこいつだろうけど。」
キュウコンの頬を舐めると彼女はにこりと笑う。とても仲が良さそうだ。
「ゆっくり話すのはあとにして、入れよ。呼ばれてるんだろ?」
そう促されて中に入り、アタル国の王であるバクフーンと対面した。
「あぁお前か。まず礼を言おうか。お前のお陰で形勢逆転。無事戦争を終えられた。それでお前のこれからだが、既に決めてある。お前にはレーン国の王になってもらう。」
「え……」
「民は皇族を崇めている。お前達の国の戦士を捕虜として捕らえようものなら自殺してしまうほどに。」
「………」
「我々の配下の元、お前に統治させたほうがよっぽど都合が良いということで一致した。心配しなくてもお前の弟や母親の命は取らんよ。当面軟禁にさせてはもらうがな。お前には捕虜や民に、もう争わないよう説得してもらう。それが終わったらまたあの城で暮らすが良い。お前の嫁も承諾しているし。分かったな?」
こうして俺はレーン国の王として城に戻りアタルの属国となることを宣言。戦いは終わった。
「あー久しぶりだな。俺の部屋。」
ユイと一緒に自室に戻り、寝床へまっしぐら。
「お、ご親切に藁が変えてある。ユイ、大丈夫か?」
「はい。」
「なんか、思うようにいかないもんだな。でもまぁ、今回は良い方向に向いてくれた。お前のお陰だ。」
膨れたお腹で向い合わせでは抱きにくいので横から抱く。
「ずっと、いてください。」
「そのつもりだ。振り回して悪かった。」
そっと額にキスをすると彼女はあれ以来ようやく笑ってくれた。
「ユイ、体調は───」
「大丈夫です。」
それはユイの体調が安定してきた3ヶ月ほど前にさかのぼる。それまでは妊娠したためユイから雌特有の匂いが一切せず欲情することもなかったが、その時からまたほんのりと漂うようになって、それは成熟した雌として普通のことであり普通に過ごしていれば問題ないのだがこうして抱き合ったりするとどうしても興奮してくるので低頻度で交尾をしていた。
ユイは離れると俺の股間に顔を埋めて舐め始める。口淫を始めたのも彼女が妊娠してから。優しくしているとはいえそう何度も続けて彼女に負荷をかけないため、しかし低頻度で溜まっているため遠慮がちにお願いしたら快諾してくれたのだ。
「気持ち良いよ。」
視線で聞いてきたので頬を撫でながら答える。根本から先端にかけて舌でなぞったり軽く歯を立ててしゃぶられるのは彼女の膣とはまた違う快感がある。根本周りや腰、内ももの愛撫もずいぶん上手くなっていた。
雄の匂いをじかに味わう彼女も興奮しているのか目がトロンとして雌の匂いが強くなる。身籠っている妻に何させているんだとはじめの頃は思うこともあったが意外と他の、正常で常識的な番も少なからずやっているらしく、親友のレントラー、ムートも望まぬ子を嘆く相手を安心させるために何度も事に及んだと言う。
「そろそろ出る…無理しなくて良いからな。」
入るところまで口に入れ、吸いながらしゃぶられて射精感が込み上げてくる。最近ではしゃぶりながら舌も動かしているので半分も口に入りきらなくてもかなり気持ちいい。俺は特に耐えることもなく身を任せ、彼女の口内で果てた。
「んんっ……ん……げほ…」
やはり咳き込んでしまうがほとんどを飲み込んでいた。口から溢れた精液を吹いて、彼女は上体を起こしている俺に後ろから抱かれるような格好になる。そして軽くほぐしてからゆっくりと彼女の中へ肉棒を射し込んだ。
「色々忙しかったし、久しぶりだな。」
「はい…」
えぐりつつも壊れ物を扱うように優しく優しく動かすとユイは心地良さそうに目をつむってあえいだ。
そのあとは言葉を交わすことなく、部屋にはユイの静かな喘ぎ声と雌雄が擦れる音だけが響く。
彼女がひくひくと体を震わせたので治まるのを待ってからまた動き出す。いつも以上に俺に頬擦りを求めたりするのはどこかにいかないでねというアピールなのだろう。限界が近づいてきたので俺は応えるように彼女を必要以上に抱き寄せて強めに膣肉をえぐる。そして腰を押し付け力を抜いた。
「んん…あぁ……はぅ…」
すでに妊娠しているにも関わらず、彼女の膣は精を吐き続ける肉棒をそっと締め付けその存在を受け入れていた。やがて精が尽きて肉棒が萎えはじめ、白濁が外へ流れ出てくる。
「ラルム様…私がこの子を産むときも、こんな風に抱き締めていてくれませんか?」
余韻に浸っているとそんなことを言ったので、もちろん、と返し、
「もう様は要らないんだぞ。いや、つけないでくれ。ユイ。」
ユイは困った顔になる。
「うーん…慣れてしまいましたからね…」
ユイは俺に向き直って顔を胸に埋めた。
「これからも…よろしくお願いします。ラ…………あなた。」
慣れるにはまだまだ時間がかかりそうだった。
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「父上……何故です…!」
「……」
青空の下で、コジョフーがゾロアークに片手で押し倒されている。
「何故あくタイプの父上相手に一度も技が決まらないんですか……!!」
「お前俺を舐めすぎなんだよ…!」
息子を起き上がらせて砂ぼこりをはたいてやる。
「だって父上、技も幻影も使ってないんですよ!?」
「お前自分の歳自覚したほうが良いぞ。」
ちなみにこのコジョフー、生まれて3年である。
「ったく、今はそれ以上強くなんなくて良いっつの。その歳なら十分だ。」
「子供扱いしないでください。」
「少なくともあと数年は子供だぞ、お前。俺からしちゃほんの少し前まで母さんの腹ん中にいたんだから。」
「でっ、でも……」
「張り切りすぎは体に良くないぞ。」
父親に抱き上げられると大人しく身を委ねた。ゾロアークはそのまま近くで見ていたコジョンドの元へ。彼女のお腹は膨らみを帯びていた。
「終わったの?」
「終わらされたんです。父上に。」
あらあらとコジョンドは笑う。
「弟か妹、どっちかは判らないけど良いお兄ちゃんに恵まれて幸せね。」
「張り切りすぎて空回りしないようになー」
「し、しません!」
「全く、ガキらしく遊んでりゃ良いんだよ。お前がこんくらいの時は俺を謎の遊びに付き合わせてたもんな?」
一緒にいたワカシャモは照れ臭そうに頭を掻いた。
「成長速度が違うことぐらい兄さんわかってるくせに。偉いなぁレン君。でもお父さんみたいな戦闘狂にはならないようにしないとね。」
「誰が戦闘狂だ。」
「せんとーきょーって何ですか?」
「知らなくて良いぞ。」
「母上───」
「あっでもそこはユイさんの子供だし大丈夫か。」
「そうね。」
「なんかバカにされた気がするぞ…」
笑顔が溢れる理想の暮らし。そんな輝かしい彼らを2匹のポケモンが遠くから見ていた。
「良いんですか?お会いにならなくて。」
"再教育"を受けて釈放されたマフォクシーは、その間に仲を深めた彼に問いかけた。
「……合わせる顔がありませんよ。私は胎児だった彼らの子を殺そうとしたのですから。」
「相変わらず頑固ね…まぁ、あなたが良いなら良いけど。でも時間の問題だと思いますけどね。」
「今はもう行きましょう。ラルム様が何故国王陛下に背いたのか…痛いほど分かりましたから。」
マフォクシーとルカリオは、そっとその場を後にした。
おわり