2-1.策略に誤算はつきもの〔上〕ゾロアーク♂×コジョンド♀
ポケモンしかいない世界で、2つの大国、バシャーモが今代の王であるレーン国と、バクフーンが今代の王であるアタル国が激しく争っていた。
双方戦士の半分近くを失うほどの戦いの最終局面の少し前、アタル国に住んでいたコジョンドとコジョフーの母子がレーン国に誘拐され、他の雌のアタルのポケモンと一緒にレーン国城雌捕虜牢に収監された。
雄の捕虜は強制労働、となれば雌の役割は言わずとも分かるだろう。固い地面の牢の中には何もなく、食事も数種類の潰された木の実が混ざった液体だけという過酷な環境なかで、妊娠が発覚すると別の場所に連れていかれることから身籠れば優待されるという出どころ不明な噂が流れて自ら進んで体を差し出す者もいれば諦めて無抵抗の者もいる。
実際、長期の戦争によって失われた戦力の補充も兼ねているので噂はあながち間違っていない。しかしレーン国の戦士は愛国と戦いのみを教えられて育つため、アタル国のポケモンからすれば理解し難い思考を持つ、いわば兵器だった。
国民も洗脳に近い状態にあるのでその事に不満を漏らすものはほとんどいないが、自由に暮らせる一部の高位の者、または親戚や知り合いにそのような位の者がいるポケモンの中には、今代の国王のやり方は間違っていると密かに思う者もいた……
「私が代わりになります。娘だけはどうか…」
このやり取りも、今や日常になってしまった。連れていかれる母を、ただ見送ることしかできないこの状況も、幾分か慣れてしまっている。自分はまだ進化前のコジョフーで、相手からすればいくら犯しても孕むことのない玩具になりうるのだが、やはり"戦力補填"の名目があるからか敵は母の願いを聞き届け、私は辛うじて純潔を守っていた。
同じ牢にいる他のポケモン達も次々と連れていかれ、いつも通り独りになる。
「ルイ…父さん…」
想うことはいつも同じ。アタル国の将軍で、同じコジョンドの父親と、一緒に誘拐されて引き離された弟の無事。まだ言葉も話せないほど幼かった弟は、母がどれだけ乞いても耳を貸してもらえず雄捕虜牢に連れていかれてしまった。
父と弟の姿を思い浮かべ、戦争になる前の思い出を浮かべ、やがてそれは妄想に変わる。感覚とは残酷なもので、楽しいことを考えていると時間はあっという間に過ぎてしまう。いつの間に夜が更けていたのか同じ牢のポケモン達がポツポツと戻ってきた。そして母は一番最後に、私以外のポケモンが寝静まった頃に帰ってくる。それでも今日は早い方で、遅いと翌朝になることもあった。
「ユイ…また起きていたの。」
私は母が帰ってくるまで寝ないと決めている。
「あなたは大丈夫だった?」
頷くとさぞ安心したようにため息をつく。気丈に振る舞っているが母は以前よりも痩せ、昼間はずっと眠り続けるほど満身創痍だ。こうして戻ってくるといつも私を抱いてくれるのだが抱き寄せる力はとても弱く、自分の汚れにまみれた体を気にしているのか本当に力が入らないのかは分からない。
「さぁもう寝ましょう。明日は体を洗える日よ。」
4日に一度、私たちは牢の近くにある水場で体を洗うことができる。時間はかなり限られているし、私はともかく母の汚れはそのくらいでは落ちないけれどそれが唯一の楽しみになるほどここでの暮らしは厳しかった。
ある日、2匹のポケモンが牢に帰ってこなくなった。身籠ったのか、棄てられたのか、後者はあまり考えたくない。牢が少し広くなったと思えば、また戦いで捕らえられたのかいなくなった2匹分、"補充"された。補充されようがなんだろうがされることは変わらない。母は弟を産んで1年経っていないので当分は身籠らないだろう。どうかその間に戦いが終わって家に帰りたい、そんな想いの中で、今日も母は連れていかれる。牢に独りになって、しばらくしたときだった。
「あつい……」
いつもより、いや異常に体が火照り出す。自分の内側に熱が籠っているようで、心拍数が増えて呼吸も荒くなる。恐くて、でも牢には助けを求めるあいてもいない。しばらくすると体を小さな箱に無理矢理押しこまれているような感覚になり、堪らず身をよじろうとすると一気に解放された。先程までの縮めらる感覚とは真逆の感覚。
「っはぁ……はぁ………」
知らない間に息を止めていたらしい。眼を開けるとすぐに異変に気づいた。
「進化………」
自分はコジョンドになっていた。解放感と倦怠感の中、それを遥かに上回る不安が襲った。
コジョンドになった、つまり雌として成熟したのだ。どうなるかは想像に容易い。
夢であってほしい、と思う反面、ようやく母やみんなと同じ扱いになって──自分だけ特別なようで実は苦しかった──安心してしまう自分もいた。それでも、運悪く牢に雄が現れたときは、言葉で言い表せないような恐怖に駈られた。
「ん…?お前あのコジョンドじゃないな?進化したのか?」
黒毛で、立派なたてがみを携えている2足歩行のポケモン、ゾロアークだ。足の震えを止められないまま頷くと、彼は看守に合図して牢を開ける。
「来い。」
「はい……」
元々つけられていた首輪を鎖で繋がれ、それに引かれて私は牢から出る。足の震えでつまずきながら、牢の近くの、いわゆる売春小屋に向かう…と思いきやゾロアークはそこを素通りし、捕虜は使わないであろう清潔な水場に私を連れてきた。
「俺はしたっぱじゃない。俺はこれでも少々地位があってな、個室も持ってる。そこでするから体洗え。…少なくともあいつらほど下品に犯したりはしねぇよ。」
戸惑いながらも言われた通り体を洗う。まだ火照りと嫌な汗が残る体に冷たく綺麗な水は心地よかった。時々、汚い雌を抱くのが嫌いな雄は雌を洗ってから犯す、というのを聞いたことはあるが、その雄の相手をした雌もここで体を洗ったのだろうか。
「お、終わりました。こんな所で清めさせて下さり、感謝いたします。」
「おう。」
ゾロアークは笑い、また鎖を引っ張って私を城の中へ連れていく。城の中は静かで、時々すれ違うポケモンがゾロアークに立ち止まって会釈しているところをみると確かに地位があることがうかがえる。進むほど城の内装が豪華になっていく中、部屋に入ったときはその広さに驚いた。
「入れよ。ここが俺の部屋だ。」
「は、はい。失礼します。」
私たちがいる牢より広いんじゃないかと思うほどの部屋には小物入れらしき棚や大きなタンス、丸テーブル、滅多にない布製の大きな寝床があった。私も将軍の娘なので周りと比べれば裕福だが、寝床はやはり干し草を纏めたもので、何かの虫ポケモンの糸で出来た厚い袋の中に少し固めの干し草を入れたベッドは初めて見る。
このゾロアークも私より少し年上位の若者で違いないのだが、一体どれ程の功績を挙げればこんな部屋になるだろうか。
「うーん、進化したてとはいえ、やっぱ毛並み悪いな。」
ゾロアークはそう呟くと棚を漁り、おもむろに粗めの櫛を取り出した。
「え…」
気がつくと私は彼に体毛を解かされていた。ぶっちゃけ異様な光景である。
「痩せてるな…進化したてでこれか。毎日何食ってんだ?」
「木の実のスープをいただいてます。」
「スープ?どんなの?」
「えっと…何種類か入ってるんだと思います…私にはよく分かりませんが…」
「ふうん、どんくらい?……これと比べて皿の大きさは?」
そう言って彼は手のひらを広げる。
「あ…ちょうどそれくらいの大きさと深さです。」
ゾロアークは大きくため息をついた。
「戦力補強とか言っといて、それじゃあ孕む前に飢えちまうな。んじゃああれ、気になってるんじゃないのか?」
そう言ってアゴで差した先はテーブルの上に置いてある皿に盛り付けられた木の実。正直、一番初めに眼に入ったのはそれだった。
「あれ、お前の分だから、食っていいぞ。」
言われた瞬間食欲が爆発する。察したのか彼は手を止めて私をテーブルの椅子に座らせた。
「ほ、本当に……」
「いいぞ。取りゃしないから、がっついて喉に詰まらせるなよ。」
お礼を言うのも忘れて、私は一番上にあったモモンの実を取ってかじりつく。あの不味いスープとは訳が違う、純粋なモモンの実の甘い味と柔らかな食感が更なる食欲をそそる。あっという間に平らげると次の実に手を伸ばした。
そのあまりの食いっぷりにゾロアークも苦笑する。
「進化したてで腹減ってたんだろ?みんなには内緒な。」
お腹が満たされた時には毛繕いもとうに終わっていて、眠気が一気に襲ってくる。
「満足したか?」
「は、はい…本当にありがとうございます…とても美味しかったです。」
「そりゃ良かった。」
彼の手が伸びてきて、私の頬を撫でる。
「そういや名前、いってなかったな。俺はラルム。お前は?」
「ユイ、と申します。」
立たされながら答えると彼は笑みを深めて、撫でていた手を頬から肩へ、腰へと下げてくる。そう、忘れかけていたが私はそのために連れてこられたのだ。
「交尾の経験は?」
「ない…です。」
「まぁそうか。」
カチャリと鎖が外され、抱き締められた。
「怖いだろうが、まぁ最初だけだ。優しくしてやるからな。」
「は、はい…」
腰をさすっていた手が更に下に来て、私の体に緊張が走る。思い浮かんだのは毎日精液で汚れて帰ってくる母の姿。必死に私を庇ってくれていた母は一体どんな犯され方をされているのだろうか。そしてその努力も今、限界を迎えるのだ。
「ふ…ん…」
「痩せてるけど良い体だ。深呼吸しろよ。」
秘部を撫で回わされると自分の中が熱くなって湿り気を帯びるのを感じる。唐突に指が侵入してきて体を震わせた。
「怖くない怖くない。」
体を強ばらせ、泣き出した私をあやしつつ彼は私への愛撫を続ける。もう片方の手を私の後頭部に添えると自分に軽く押し付けた。
「息吸え。ゆっくりな。」
雑味のない、彼の匂いが鼻腔を満たすとほんの少し気持ちが落ち着く。しかし辺りの私の匂いが濃くなると私のお腹に熱く固いものが当たり、不安を煽る。彼は恥ずかしがることなくそれを押し付けながら私の唇を奪った。
「む…ん……」
舌と唾液が入ってきて、無抵抗に受け入れる。そのまま私は後ずさるようにベッドまで移動させられ、その手前で口付けは終わる。
「うつ伏せと仰向け、どっちが良い?」
妖しげな笑みを浮かべながらそう聞かれ、いよいよ心臓が激しく脈打つ。どうせなら、見えない背後から犯されるよりはましだと思い、仰向けと答えるとそのまま押し倒された。
「あぁ……」
彼の股間にそそりたつ肉棒を目の当たりにして思わず声が出てしまった。これからお前を犯すぞ、と言わんばかりにヒクヒクと震えている肉棒に、再び涙が零れはじめる。そんな本心とは裏腹に、お腹の奥が疼きはじめるのも事実だった。
「力抜けよ?」
私よりも二周り大きい彼に覆い被さられるだけでかなりの圧迫感がある。雄槍の先端が触れ、それが侵入してくると私はパニックに近い状態になった。
ついに犯されてしまうのだ。母のように、気を失うまで、歩けなくなるまでこの固い肉棒に突かれるのだ。
「はぁっ…はぁっ……」
「落ち着け。深呼吸。」
膣を掻き分けて、大きな異物が未知の快感と共に入ってくる。それを感じるのが恐くて、それから逃れようと身をよじるがかえって肉棒を締め付けてその存在を強く感じることになった。
「ユイ、俺を抱き締めてみろ。それで深呼吸だ。」
「はい……」
とにかく怖くて、名前を呼ばれて少し我に返るとしがみつくように彼に抱きついた。
「ふぁ……あぁ……」
「怖くない怖くない…」
抵抗虚しく奥へ奥へ入ってくる。痛みもまして声を上げるとその度に止まってくれて、肉棒はゆっくり沈められていく。
「もう少しだ…」
「ふあっ……!」
つっかかってもう入らないと思ったが彼は残りを一気に入れて、私はのけぞって声を上げた。
「お…全部入ったぞ…」
ぺろりと顔を舐められ、思わず下腹部を見ると、自分には大きすぎると思っていた彼の肉棒は完全に私の中に収まり、下腹部同士が密着していた。
「痛い?」
コクコクと頷くと彼は私に体重を預けて抱き締めた。重かったが、不思議と不安が安らいでいく。濃厚なキスを交わして彼に笑いかけられると体から力が抜けていくのを感じた。久しぶりに感じた母以外からの優しさに、私の体は早くも服従の意を示しているのだ。
「感じてきたか?」
惚けた顔をしていたのだろう。痛みは既に無く、胎内を押し広げられる圧迫感は快感に変わっていた。
「はじめるぞ。」
「はい…」
引き抜かれると自分が彼に絡み付いているのが分かる。不馴れな雌を擦られて息をあらげる間もなく再び私を貫いた。
「あぁっ……」
「その調子だ。俺に委ねろ。」
徐々にに早くなる責めから与えられる快楽に私は幸福感さえ感じていた。拒絶するのではなく求めるように雄槍を締め付け、彼の真似をして彼の体を愛撫する。
「あっ…あぁっ……」
「こりゃ良いや…お前ん中スゲー気持ちいいぜ。」
答える余裕も無く、ひたすら喘ぐ。突きは激しくなって、思考は真っ白になった。
「イったか?俺もそろそろ…」
私を抱く力が強くなる。"種付け"される。その事実に再び不安がよぎる。それを捨て去りたくて、自分がただの癒み物だと認めたくなくて、私が彼の胸に強く頬擦りすると渇れも私の額にキスをしてくれる。その際彼の息がかかって余計に興奮が高まった。
「出る…くっ……」
グッと押し付けられると私の中で彼がビクリビクリと震え、熱いものがぶつけられた。
「んああっ…!はぁっ…あうぅ……」
お腹が自分の物ではない温もりで満たされて、あぁ、と体が緩む。
「ふぅ…こんなに良いのはの初めてだ。やっぱ普通に気に入った雌を抱くのが良いよな。…抜くぞ。」
ねっとり糸を引きながら結合は解かれ、私からも逆流した精液が溢れてくる。そして同じく粘液まみれの肉棒をみて、改めて交尾を終えたと実感すると共に、よくもまぁあんなものが自分に収まったなと呑気に考えた。
「少しは楽しめたか?」
「はい……気持ちよかったです。」
「俺もだ。よし、今日は初めてだし、これで終わりにしてやろう。拭くやつ持ってくるから待っててな。」
私が持ってくる、と慌てて申し出ようとしたが、今私が歩けばかえって部屋を汚してしまうことに気づいて素直に待つことにした。
「ほんとに…しちゃった…」
まだ精液の感覚が残るお腹に手を当てながら呟く。余韻が残っていて、確かにこれでは歩けないかもしれないと思った。
「ありがとうございます…」
「良い良い。」
きれいに拭き取ると、ラルム様は私の隣に座り、手に持っていた首飾りを私にかけた。
「これは…?」
「プレゼント。役に立つぜ。外すなよ?」
「や、役に立つ…?」
彼は私の肩に腕を回し、抱き寄せる。
「俺のお気に入りの印だ。それがありゃ他の奴等は手を出さない。またしような。」
私を寝かせて薄い掛け布団をかけた。
「わ、私もここで…?」
「おう。ゆっくり休みな。」
自分がどれだけ優遇されているかを考える間もなく、私は深い眠りに落ちていった。
翌朝目覚めると隣にラルム様はおらず、代わりにルカリオが床で瞑想していた。
「目が覚めたようですね。私はラルム様の付き沿いです。あなたが起きたら牢に戻すよう仰せつかりました。」
まるで全てが夢だったようで、しかし私と寝床にはしっかりと匂いが染み付いていた。牢に戻らなければならないという現実に落胆するが、きっと母が心配しているだろうと思うと自然と早足になる。
「あぁユイ……」
一睡もできなかったらしい母が涙目で迎えてくれる。
「大丈夫…?辛かったでしょう…ごめんね…私にはもう何も………」
「大丈夫。私は大丈夫。」
母とは対照的に、私はむしろ疲労が幾分か軽くなっていた。
「大丈夫。とても…優しいポケモンだった。」
「そう…それは?」
「お気に入りの印だって、他の雄が私を選ばないようにって言ってた。」
「そう……レーン国にも良いポケモンがいるのね………。………進化、おめでとう。怖くなかった?」
「少し…」
「この目で見届けたかった…」
やはり母に抱かれるのが一番落ち着く。雌の捕虜はしばしば昼間も呼ばれることがあるけれど、この日は運良く誰も来なかったので体を休めることが出来た。
首飾りのことは正直期待していなかったので、その日の番にどの雄も私の首飾りを見て残念そうに舌打ちしながら私を選ばなかったのには驚いた。その日にあのゾロアークは訪れなかったので私はいつも通り独りの時間を過ごし、次の朝を迎える。そしてその朝、牢は珍しく賑やかだった。いつも朝と昼の間くらいの時間に人数分の皿と何の木の実を混ぜているのか分からないスープが入ったツボが運ばれてくるのだが、なんとツボにはスープではなく木の実が入っていたのである。それもいつもは上手く分けないと人数分ギリギリの量の食事だったが今回は少なくとも1匹に2つの木の実が渡る量。みんな歓声をあげつつ、木の実を割って他の木の実を持つポケモンと交換したりと久しぶりのまともな食事を楽しんだ。
「でもユイ…」
「いいの。母さんの方が必要でしょ?」
たまたま自分に回ってきた木の実がオボンの実で、私はそれを母のヒメリの実と交換したいと言った。
「気持ちだけで十分よ。あなたは進化したばかりで、私よりたくさん栄養摂らないといけないんだから。」
さすがは母親、そう簡単に折れなかったが、私も引き下がりたくない。とはいえ余計な気を使わせてしまうかもしれないので妥協案としてヒメリとオボンを半分ずつ分け合った。
そしてその日の夕方、あのゾロアークがやって来た。
「悪いようにはしない。それと、後で良いものをやる。」
ラルム様はそう母に言って私の体を洗った後部屋に行き、ラムの実を手渡される。
「今日のプレゼント。」
「これ…良いんですか…?」
ラムの実は育てるのが大変なのでそこそこ値が張る木の実だ。その代わりラムの実1つで万病が治るとも言われるほど栄養満点の木の実らしい。
「ありがたく食えよ。アタル国の雄の捕虜が必死乞いて作った木の実だ。お前たちが食った方があいつらも嬉しいだろう。」
食物生産も強制労働に含まれる。今朝食べた木の実も恐らくそれで出来た物なのだろう。食べ終えたら奉仕の時間だ。前と同じように優しく、入念な愛撫で秘部を解されると1つになる。
「苦しくないか?」
「大丈夫…です…」
以前のような不安もなく、私は彼に身を任せる。何度か絶頂し、そして彼の射精を受けると1度離れたが、私はうつ伏せにひっくり返された。
「続けるぞ。」
散々解されたのですんなり彼を受け入れると、仰向けの時とは違う感触に思わず寝床を掴む。私を安心させようとしているのかラルム様は私を包むように抱いて頬擦りしてきた。大丈夫だと伝えるために私もお返しをするとそっと私の手の上に自分の手を重ねて押さえつけ、激しく私を突いた。
痛みなんてどこにもなく、奥に突き刺さる度に脳天まで快感が突き抜ける。自分でもびっくりするような鳴き声を上げながら確かに思いやりのある責めを受け続け、彼の子種を喜んで受け止めた。
「大丈夫か?落ち着いたか?」
「はい、だいぶ…」
仰向けのラルム様の上で抱かれながら、私はようやく息を整えた。余韻はまだ残っていて下半身の痙攣がまだ治まっていない。
「あの…寝床……申し訳ありません…」
絶頂しているときに失禁してしまったらしく、私が快楽に震えている間にラルム様は寝床を取り替えた。私の謝罪をラルム様は笑って流す。
「良いの良いの。良くあることだし、どのみち俺の精液で汚れてたし。」
背中をポンポンとされていると眠気が膨らんでいく。
「眠いか?このまま寝ちまいな。」
その目はとても優しくて、絶望にくれていた私を落とすには十分すぎる威力を持っていた。
「あの…優しくして下さって…本当にありがとうございます……」
「ま、俺がやりたいようにやってるだけだから。ところでユイ、お前って弟いるのか?」
その言葉に眠気が吹き飛ぶ。
「ご存じなんですか…!?」
「やっぱりあいつか?まだ1歳くらいのコジョフー。こないだ捕虜の話を偶然聞いて、さすがにやり過ぎだと思って保護した。今は別の召し使いが面倒みてる。元気だぞ。なつかなくて大変だが…」
「ルイ……良かった……」
「さ、もう寝ろ。」
体を弛緩させて、彼の鼓動を聞いている内に安らぎの闇へ落ちていった。
◯◯◯
あっという間に寝息を立て始めた雌のコジョンドに、思わず笑みが零れる。
「可哀想に……こんなやつを巻き込むなんて、気が引けるぜ……家に帰してやりたいな………」
自分に全体重を預け、顔を埋めるようにして深く眠るということは彼女の信頼を勝ち取ったということ。この城に捕らわれているポケモンのほとんどは戦場で捕らえられた者だが彼女は違う。疎開していたところを突然誘拐されたのだ。そしてあの過酷な環境で過ごしてきた彼女に自分は"飴"を与えた。彼女が自分に心を開くのは当然だった。自分は、彼女が相手の将軍の娘であることも、わざわざ誘拐した理由も、そしてわざわざ城まで連れてきた理由も知っている。
「でも案外上手くやれそうじゃん俺たち。………どのみち、大事にしてやるからな…」
起こさないようにそっと頬を撫でながら、彼女が自分と思い切り笑えるような関係に早くなりたいと思っていた。
◯◯◯
「じゃあまたな。」
今日は私が起きるまでラルム様は私を抱いてくれいて、牢まで送ってくれた。入ってすぐに違いに気づく。何もなかった牢に干し草が敷き詰められていたのだ。昨日のラルム様の言動から、彼がそうするよう言ってくれたのかもしれない。
「あれがあなたの相手の?」
「そうよ。」
彼が去ると母が訊ねてくる。
「こんな時間まで…本当に大丈夫なの?」
「平気よ。良くしてくれているわ。」
同じ寝床で寝ている、と危うく言いそうになって口をつぐんだ。
それからというものの、私はラルム様の相手をすることが楽しみになり、今日は来るのか来ないのか、毎日首を伸ばして彼か、彼の付き添いのルカリオが現れるのを待っていた。
一気に縮まっていた私達の距離は、日を追うごとにさらに密になっていった。日によってはラルム様が夕方より前くらいの時間にやって来て、私を連れて庭園を散歩することもあった。
そして出会って1ヶ月程経ったとき、ようやく許可が出たと言われ、いつも通り部屋に行くとそこにはマフォクシーに抱かれた弟の姿があった。
「ルイ…!」
幼いコジョフーははじめ疑問げな顔で私を見たがすぐに気づいたらしく、きゃっきゃと笑った。
「お、さすが分かるんだな。前は俺がコジョンドに化けないと泣き止まなかったくらいなんだ。母さんに言っといてやれよ?」
翌朝母に伝えると静かに泣いて、私を抱き締めた。
それからまた月日が流れ、何度も抱かれ、ある時ラルム様が戦いに行くということで十数日くらいは牢で過ごすことになる。その時、私は改めてここの過酷さを実感することになった。
「元気ないな。俺がいない間になんかあったか?」
「いえ……」
戦が終わって帰ってきたラルム様に抱かれたが気分は浮かない。
「仲間を殺したかもしれない俺に抱かれるのは嫌か。」
「…………そんな……ことは…ラルム様には…とても感謝しています…」
「無理すんなよ。別に責めやしないさ。」
「……。」
口づけをされて、舌を絡める。確かに彼は私を抱いているこの手で私の仲間を、アタル国のポケモンを殺しているのだろうし、今触れあっている彼の柔らかい口は、仲間の血で汚れているかもしれない。それを嫌悪しているのは事実だが、彼に感謝しているのも事実だ。
「どうして…私なんかを…選んで下さったのですか…?」
ポロリと出てしまい、恐る恐るラルム様の目を見ると、彼は表情を変えずに静かに言った。
「辛いか。お前だけ良い思いをするのが。」
ぎゅ、と思わず彼の体毛を掴んだ。この部屋に来るまでの道のりの途中にある売春小屋から聞こえる、明らかな苦痛の声や助け許しを求める声が脳裏をよぎる。そして毎日粘液をたらしながら無気力な目でフラフラと帰ってくる同じ牢のポケモンたちの、土下座をして私を庇う母の姿が焼き付いて離れない。
「………」
目が熱くなって歯を食い縛る。彼に連れてこられた当初は良かったが、今はむしろ、自分だけ特別扱いされているようで辛かった。
「ラルム様のお陰で…牢は前とは比べられないほど良くなりました……でも…………」
堪えきれずに涙を流す私を黙って撫でて耳を傾ける。
「ラルム様………どうか……母を抱いてくれませんか……?」
それは予想していなかったのか、彼は目を見開く。
「母は……私をずっと庇って……」
その先は言えず、感情だけが噴き出してラルム様に抱かれながら大泣きしてしまった。私が泣き疲れてようやく落ち着くといつも以上に優しい口調でこう言った。
「分かった。お前の母を抱くのはさすがに厳しいが…気持ちは分かった。可愛いお前の頼みだ。なんとかしてみよう。」
「ありがとう…ございます……」
翌朝、久しぶりにラルム様は先に起きていて、私はルカリオに連れられて牢に戻る。いつもと違い疲れきっている私をみて母が心配したが、昨晩のことを母に言えるはずもなく、濁して母に抱きついた。
夕方に母とうたた寝していたとき、唐突にあのルカリオが現れた。
「そこのコジョンド2匹、来なさい。」
私は胸の中の期待を無視できなかった。期待通り体を洗わされ、母が困惑するなか私の期待は確信に変わっていく。そしてやはり、彼の部屋に案内された。
「あ……!」
部屋の中にいたウインディの背の上ではしゃぐコジョフーの姿をみて母が声を上げる。するとコジョフーも母を見て、満面の笑みで叫んだ。
「ママ!」
ウインディが愉快そうに笑ってコジョフーを下ろすと、おぼつかない足取りで母親の元へ向かう。ウインディは身震いしてゾロアークに戻った。
「どうした、抱いてやれよ。」
その言葉に弾かれたように母は幼子に飛び付いた。元気一杯の息子を思いきり抱き締める。
「ルイ…ルイ…良かった……」
「ラルム様…」
「再会を喜んでるところ悪いが、やることがある。付いてこい。」
宝物を抱く子供のような母と私を連れて、ラルム様は別の部屋へ向かう。特徴的なリズムをつけたノックをしてしばらくすると向こうから扉が開く。
「連れてきました。この2匹です。」
ラルム様がそう言ってから私たちを部屋に通す。そこにはバシャーモが立派な椅子に足を組んで座っていた。
「分かった。お前たち、今日からラルムの付き添いとして働くことを許可する。不審な行為をすれば容赦はしない。以上。下がれ。」
訳が分からないままラルム様に促されてお辞儀をし、部屋を後にする。ラルム様の部屋に戻ると私と母は首に巻かれていた鎖を外され、母にはルカリオが着けている首飾りと同じものが渡される。
「ユイの母さん、名前は?」
「フウ、と申しますが…」
「ではフウ、お前は今日から俺の付き添い、言わば召し使いだ。ルカリオに色々教わってくれ。空いてる小部屋があるからそこを使えば良いだろう。元々物置だが窓はある。後で干し草を持っていかせるからそれまでに自分で掃除しといてくれ。あとそいつの世話も今日からお前な。」
そして彼は私に向き直った。
「で、お前は今まで通りだ。ただしもう牢に戻らなくて良いぞ。」
ポカン、と状況が飲み込めない私達にラルム様はさらに付け加えた。
「要するに、働く代わりにあの牢から解放してやるってことだ。あくまで敵国の捕虜だからそこまで大きなことはできないが、そいつを連れてるならかえって良いだろ?」
母はやっとのことで口を開く。
「ほん……とうに……?」
「あぁ。ユイは俺の専属娼婦も兼ねてるけど、俺はユイが嫌がるようなことは避けるから心配するな。なんなら見に来ても良いぜ?交尾してるときのユイは特別かわいいぞ。」
ラルム様は顔が熱くなった私を抱き寄せて額にキスをした。
「母さん…見に来ないでね…恥ずかしい…」
母は未だに信じられない、という顔をしていたが、深々とお辞儀をして感謝の言葉を述べる。
「そんじゃ、今日のところはこれで。俺はもうユイと始めるから。昨日はお互いあまり乗らなかったし、今日はその分までするからな?」
「は、はい……」
母がルカリオに連れられて部屋を後にすると、早速ラルム様が私を抱き締め愛撫をはじめた。
「ラルム様……」
「ルカリオ独りじゃ大変だからな。ちょうど雇おうと思ってたとこなんだ。」
見上げると優しい目で見つめ返される。その後はいつもよりも長くお互いを愛撫しながら熱い口づけを交わし、寝床に仰向けに押し倒され、秘裂を舌で解される。
「じゃあいくぞ。」
「はい。」
彼の剛直を見ると体中がそれを求めるのが分かる。対格差もあってかはじめはやはり少々辛いがラルム様が気遣ってくれるのですぐに馴れる。動く前に交わす視線が回数を重ねるごとに熱くなっているのは私の思い過ごしなのだろうか。
「はぁん……あう……」
「ユイ…」
名前を耳元で呼ばれてゾワワと興奮する。激しくはないが体重をかけて私の中をえぐりながら最奥をゴツゴツ突かれると私はあっという間に達してしまう。それでも動きは止まることなく、私は以前のように彼だけにしか聞かれたくないような声で喘いだ。
「く…あぁっ……」
射精を受けて、私は彼を更に強く抱く。彼もそれに応えるように腕の力を強めた。
私は贅沢だと思う。こんなに恵まれているのに、私の中では新しい悩みが生まれていた。
「まだなんかあるのか?」
射精が治まると見事に言い当てられる。
「そんなことないです……あっ…」
「クク、体は正直だな。」
私が無意識に自分のお腹に手を添えていたことに気がついた彼はその上に自身の手を重ねる。
「孕んでたのか?」
「い、いえ、そういうわけでは…」
「なんだ、無理させたのかと思ったぞ。」
下腹部が繋がったままゆっくりと私の顔を舐め、耳元で囁いた。
「じゃあ、子供ができるのが怖いか。できて捨てられると思ってるのか?いや、優しいお前のことだ。子供がどうなるかが怖いってのもあるか。」
「………」
「まぁ、進化して1年は妊娠しないことが多いって言われてるとはいえ、これだけしてれば宿っちまいそうだもんな。しかたないだろ、今だって、入れてるだけでこんなに良いんだから。」
彼は微笑を浮かべながらまっすぐ私を見つめた。
「俺たちに子供ができたとして、お前が敵国のポケモンだろうがなんだろうが関係なく、子供は俺たちだけのもんだ。引き離されるなんてことはあり得ない。なんたって俺の子だ。」
彼は私の額に自分の額を付ける。
「王族の子供に手出しなんてできねぇよ。」
「えっ……」
「召し使いになったし、明日言おうと思ってたんだけどな。」
彼の目はいつも通りの目だった。
「俺はレーン国第二皇子。第二王妃から生まれたから第二皇子だ。弟の第一皇子の保険であり、弟を守る盾であり、捕虜に一目惚れしちまう駄目な皇子さ。」
私は自分の胎内にある彼の雄の存在をも忘れるほど驚いた。
続く。
〔次回予告〕
突然の告白に戸惑うユイだが、今更嫌悪感を抱くこともなく、やがては彼との子を身に宿すことを受け入れる。幸せさえ感じる彼女の裏で、ラルムの皇子としての、雄としての国とユイを守るための策略が密かに動いていた…