※この作品はR-18です。

大阪艶食記   作:鳥頭堂正太郎

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このお話にはエロシーンはありません。
ご理解の上、お読みください。


一話、梅田ミックスジュース(エロ無)

電車を降りて、改札階へ向かうエスカレーターに乗って、ついいつもの癖で、右側に立とうとして、そこでふっと気がついた。

私の前には、誰も立っていない。

皆、左側に並んでいる。

 

そうだった、ここは大阪。

エスカレーターの並びは左側なのだ。

 

慌てて、左側へ移動すると、私が立っていた場所を、雪崩のように人が歩き降りていく。

 

失敗、失敗。

 

私は心のうちで苦笑いをして、改札を出た。

 

久しぶりの大阪駅は、私が知るかつての大阪駅とはまったく姿を変えて、まるで迷宮のような駅になっていた。

 

初めて、この大阪という街に来たのは何時だったか、もう覚えていないけれど、その頃は駅の地下街に仕事帰りのサラリーマンが飲みに行くような立ち飲みの串揚げ屋なんかがあったりした記憶があるが、今となってはそれが、どのあたり……だったかさえ、わからないほどに変わってしまっている。

 

さて、大阪についたからには、まずは…っと、私が舌なめずりをしながら、阪神の梅田駅へと向かった。

 

ややこしい話だが、JR大阪駅の近隣にあるのは、阪神や阪急の梅田駅で、大阪駅ではなかったりする。

それは他の地域から来た人間にはややこしく感じる。

 

ともあれ、梅田には阪神と阪急にそれぞれに百貨店があり、私はその阪神百貨店の地下入口の隣にある、さらに地下二階へ降りる階段を下りた。

 

目的の場所は、改札前にある梅田ミックスジュースという、1・5坪ほどの小さなジューススタンドである。

 

大阪といえば、やすくてうまいのが当たり前の、食いだおれの町と言われている。

それが事実かは知らないが、大阪で一番安くてうまいミックスジュースはこの梅田ミックスジュースであろう。

 

このジューススタンドがオープンしたのは昭和44年11月の事だそうで、それ以降、みかん・桃・バナナ・牛乳・砂糖・氷をミキサーにかけてつくったミックスジュースを二百円未満(現在は百五十円)のほぼ変わらぬ値段で販売している。

 

その安さとうまさゆえに、この店は人気で行列が絶えない。

私は舌なめずりをしながら、さっそく、ミックスジュースを購入するための列に並んだ。

 

と言っても、店員の若い兄さんたちのてきぱきとした作業は見事なもので、一人辺りにどれほどの時間がかかっているかわからぬほど早くにジュースが提供されており、故に行列の回転は早く、あっという間に自分の順番となる。

 

訪れる客のほとんどが百五十円のミックスジュースを頼むなか、私はりんご・たまご・はちみつなどが入ったスペシャルミックスジュースを頼んだ。

これでも二百十円でしかない。

 

値を払って、コップのふちまでジュースがなみなみと注がれたペラいプラスチックのカップを凹ませぬように手にすると、すぐさまその場を離れ、次の客に場所を譲り、壁際へ移り、カップに口をつける。

 

どろどろしすぎずさっぱりした飲み口に、細かいクラッシュアイスが混ざっているから、しゃりっとしていて、とてもうまい。

 

私はこの店に来て、このスペシャルミックスジュースを飲むと、あぁ、大阪に来たのだなぁ。と思うのだ。

 

さて、それじゃあ向かうとしますかね。

私は大阪に来た本来の目的地である日本橋へと向かうべく、地下街の駅へと向かった。




ほんと、梅田ミックスジュースはうまいんですわ。
大阪来たら真っ先に足が向かいます。

次回予告
次は日本橋、日本橋に停まります。
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