午後二時――俺はエミリアの居ないうちに部屋に忍び込んでいた。
ある目的の為に……。
「よし、ここだ」
部屋の奥に置いてある箪笥の前に立ち、下から二段目の引き出しの引手金具に手を掛ける。
ゆっくりとこちら側に引き、中身を確認する。
「いつ見ても壮観だなー」
そこには色とりどり鮮やかな下着の数々――可愛らしい物から大人っぽい物まで揃っており、俺のある目的達成には充分すぎる数であった。
「さて、今日はどれにするか……」
ここまではいつもの事なので手際良く行くのだが、問題は下着選び。
これだけの数、種類から一つを選び取るのは並大抵の事ではない。
「これだ!」
悩みに悩んだ俺はひと際大人な雰囲気を放つ黒いパンツを手に取り、そーっと引っ張り出す。両手で持ち上げ全体像を確認する。
「一見すると黒く地味だが、よく見ればレースがあしらわれていてかわいさと大人っぽさの両方を演出している……!? まさかこれが、しょ、勝負下着というやつかぁぁぁっ!!?」
未知との遭遇に興奮しすぎて訳の分からないことを抜かしながら、再び引手金具に手を掛け引き出しを閉めようとする。
「あっ! 大事なことを忘れるとこだった……危ない危ない」
懐から昨日使ったエミリアのパンツを取り出し、丁寧に畳み元通りにしておく。もちろんエミリアが普段使っている洗剤で洗い隠蔽工作もばっちりだ。
「これを忘れたら大変なことになる……考えるだけで恐ろしい」
元通りになったのを確認した俺は再び引手金具に手を掛け、引き出しを閉める。
「もうこれで安心だ、始めるか」
立ち上がり、ベルトを緩め、そのままズボンと共にパンツも下ろす。
すると、準備万端と言わんばかりに怒張したペニスが顔を出した。先程のこともあってか今日は一段と反りあがっていた。
そのままベッドに腰掛け、先程手に入れたエミリアの黒いパンツをペニス全体が覆われるように被せる。
「ふっ……」
と一呼吸置いてから右手を上下に動かし始める。
そう――俺のある目的とはエミリアのパンツを使った――オナニーだ!!!
教え子の居ない間に部屋に忍び込み下着で精を出す。これ程気持ち良いことは無い……! 毎日やっているが飽きることはないだろう。
「あぁ! エミリア……!!」
「アタシの下着でオナニーなんてホント、アンタってサイッテー!!」
このオナニーの最大のポイントはエミリアに罵られることを妄想しながらすることだ。
「エミリアもっと! もっとだ!!」
「そんな必死になって気持ち悪い!」
エスカレートしていく罵倒に興奮し、右手の勢いが徐々に増していく。
「エミリアぁっ!! あぁぁ!」
「私の名前を叫ばないで、このケダモノ!!」
今日の妄想はなんだか、エミリアが実際に目の前で罵ってくれているんじゃないかと思ってしまうくらいの臨場感があるな――って、まさか本当に居たりしないよな……?
思わず手を止め、我に返り辺りを見回す。
そこにはたいそうご立腹なエミリアかと思いきや、あるふぁが立っていた。
「なんだ、あるふぁか……」
エミリアに見られるという最悪の事態だけは回避出来た――と言っていいのか? さっきはっきりと聞こえてきたエミリアの声は何だったんだ……?
「どうされましたか? ハッとした表情をして」
自分の下着を使ってオナニーされているんだぞ。エミリアのことだ、もしかしたら、怒りと恥ずかしさで俺の前に出てこられない可能性があっても不思議ではない。そう思い恐る恐る聞いてみる。
「さ、さっきエミリアの声がしたんだが、もも、もしかして一緒に居たりします?」
「あぁ、そのことですか。それは私の声帯模写です」
声帯模写……? あるふぁは高性能魔律人形だが、まさか声帯模写まで出来るとは思わなかった。
「そんな器用な事も出来るんだな、先生感心したぞ。でも、エミリアかと思って焦ったじゃないか〜、先生を驚かせないでくれよ」
なんとか平静を装うが、本人に見られるという一番最悪な状況ではないにしろ見られてしまった事実は変わらない。しかも、あるふぁはエミリアに仕えるメイドでエミリアの次に見られたら厄介な人物だ。
「どうして焦る必要があるんですか? お嬢様の部屋で下着を使い自慰行為に耽っているからですか?」
痛いとこを突いてくるな……。まぁ、下半身丸出しで教え子の名前を叫びながらオナニーしているんだ、一目見れば状況の理解は容易い。
「先生様? 急に俯いて黙ってどうされました?」
分析している場合じゃない、とりあえずズボンを履いて冷静にこの状況からの打開を図らねば……。
「やめてしまうのですか?」
ズボンに手をかけ、上げようとした時だった。あるふぁにそう問われ思わず手を止めてしまう。
「ど、どういう意味かな? それは……」
「私は男性の性欲処理に興味があります。そこで先生様の性欲処理の様子を見てみたいと思います」
「へぇっ!!?」
予想外の返答に間抜けな声が出てしまう。
「いいか? こ、こいうのはだな、ひ、人に見せるもんじゃないんだぞ」
「では、今見たことはお嬢様に口外させていただきます」
「わかったわかった、すればエミリアに言わないんだな?」
「はい、一切口外致しません」
にしても、脅しを使ってまで俺のオナニーを見てみたいだなんて、あるふぁは案外スケベみたいだな。
俺は履きかけていたズボンとパンツを脱ぎ、先程と同じ体勢になった。
「これが先生様の男性器ですか、案外小さいのですね」
「な、萎えてるだけだ! 誰のせいだと思ってる……!」
あるふぁが俺のペニスに顔を近づけまじまじと見つめている。
「なんだか恥ずかしいな……」
「すんすん……臭いも思ったより臭くないのですね」
喋るたびに息が当たってピクピクとペニスが震えながら勃起していくのを感じていた。
「少しづつ大きくなっているような気がしますがこれは一体……?」
「勃起だ。オナニーするときに一番最初にすることだ」
「これが勃起ですか、なるほど……」
恐る恐る人差し指でペニスをつついてくる。不意の出来事にビクンと跳ねるように大きく反応してしまう。そして、これが最大まで勃起した合図でもあった。
「先程よりも更に大きく……」
流石にあるふぁもこれには驚いたのか、多少後ずさりをしていた。
「よし、じゃあ始めるぞ……ちゃんと見ておけよ」
とは言ったものの人にオナニーを見られるのはやっぱり恥ずかしいのであるふぁが居ないものと思ってすることを試みる。
「エミリアァ……はぁ……」
「先生様、お楽しみのところ失礼いたしますが、お嬢様の名前を叫びながらするのは大変気色悪いかと思います」
「…………」
おかしい……罵られて気分は悪いのにちんこはむしろ元気だ。何故だ? もしかして、新たな性癖の獲得!? ならば試すしかあるまい!!
「あるふぁ、もっとだ!!」
「なにがでしょう?」
「罵倒だ罵倒! 今の俺にはそれが必要だ」
「罵倒……? よく分かりませんが先生様がそれで性欲処理を全うできるのであれば尽力致しましょう」
そう言うとあるふぁは立ち上がり、俺を見下すように視線を向け口を開く。
「教え子の下着を使って自慰行為とは先生様はどうしようもない変態ですね」
少しパンチが弱い気がするが、このゾクゾクっと来る感じいいぞ!
萎えかけていたペニスも再び最大まで勃起する。
「いいぞ、あるふぁ……もっとだ」
「もっと扱いてください。見ている私が退屈してしまいます」
「あぁ……」
俺はペニスを右手でしっかりと握ると、そのまま上から下へ扱き始める。
「そうです。そうやって恥ずかしい姿、もっと見せてください」
「っ……! はぁ……」
扱きながら段々と息が上がっていくのを実感していた。同時にペニスを扱く速度も徐々に速まる。
「そんなに必死に擦って、いやらしい汁が出てますよ」
見ると、亀頭の先からかなりの量のカウパーが出ていた。カウパーが潤滑油の役割を果たし、ペースは更に上がる。
「オナニー見られて、そんなチンポぬちょぬちょにして恥ずかしくないんですか?」
「は、恥ずかしいさ……はぁ……でも、それ以上に気持ちいいんだ……!」
「はぁ、変態すぎて呆れました」
あるふぁが蔑むような冷たい目で見てくる。
「うぅ……」
蔑視に耐えられず情けない声を漏らしてしまう。
「そんな情けない声出して……罵られながらチンポ扱いて気持ちいいんですか?」
「はぁ……っ!」
気持ちよさに夢中で返事すらままならない。
「シコシコ擦るのに夢中で返事も出来なくなりましたか? もう変態通り越してけだものですね」
「はぁ……あぁっ……!」
変態、けだもの、なんだって良い……! この気持ち良さには逆らえない。やめられない。やめられるわけがない!
俺は快楽に憑りつかれたかのように擦り続ける。その先にある絶頂を求めて。
「あぁ……はぁはぁ……っ……っぁ」
「息も上がりきって、もう射精寸前ですね。尿道口もヒクヒクして出したがってますよ」
俺自身も射精感がもうそこまで来ているのは実感していた。
こんなに早く射精しそうなのは初めてだ……。気持ちいい! 罵られているだけなのに何故こんなにも気持ちいいんだ!!
「あぁ……はぁ……だ、出したいっ……!」
「このままみっともなくびゅるびゅる射精してしまっていいんですかー? 先生様は先生様ではなく快楽しか頭にない理性の吹っ飛んだけだものになってしまいますよ。本当によろしいのですか?」
「いいさ……出せるならけだものにだってなってやる……はぁぁ……」
理性が吹き飛びかけながらもかろうじて返事をする。俺の理性がもったのはそこまでだった。あるふぁの言う、けだものとなり、もうただ精液を出すことしか頭にはなかった。
「けだものらしくきったない特濃精液たくさん出すとこ、見せて……ください!」
「はぁ……出る……あぁっ……イクぅっ……うっ!!」
一瞬だった。脳が蕩けるような快楽が全身を一気に駆け巡る。精液が綺麗な放物線を描き、真っ赤な絨毯を白く染め上げる。
そうか、俺、射精したんだ……。こんなに大量に出したのは初めてだ。
「まったく。こんなに射精して……恥ずかしくないんですか?」
「自分でもここまで気持ちよくてたくさん出るとは思ってなかった、すまん」
あるふぁが絨毯に広がった精液を指先ですくいあげる。
「これが先生様の精液……すんすん」
「あるふぁさん!?」
精液の臭いを嗅ぐという突拍子もない行動に驚きが隠せない。
「こちらは噂通り臭いのですね」
「臭いなんて嗅ぐもんじゃないぞ……」
「それよりもいつまでその恰好をしているおつもりですか?」
いわれて気が付く。そういえば俺、下半身丸出しだった……。
「わ、悪い。急いで着替えるよ」
ズボンを履いているうちに冷静になり、ふと考える。
俺はこんなに精液をぶちまけたが、よく考えたらここってエミリアの部屋だよな。何やってんだ俺は……!
「やっちまたあぁ!!」
「どうされましたか? 急に大声を出して」
「エミリアの部屋であるふぁに罵られて絨毯に精液こんなに出して、どうすりゃいいんだ」
「今更思い出したんですか? 変態な上に頭も回らないんですか?」
「罵倒はもういいからどうすりゃいいのか一緒に考えてくれ! エミリアがあと少しで帰ってくる時間なんだ!」
「絨毯に出した精液なら私にお任せください。完璧に綺麗にしてみせます」
「ほ、本当か!?」
「はい、私は一応メイドですからね。先生様は安心して部屋にお戻りください」
「わ、わかった」
あるふぁを信じ、後始末を任せてエミリアの部屋を後にする。
本当にこれで良かったんだろうか。少し悪い気がするな。
そんなことを考えながら俺は自分の部屋へと戻った。
もし、これで少しでも興味を持ったら「ラピスリライツ」で検索してもらえれば公式ツイッターやらサイトが出てきますので是非。
ここまで読んでいただきありがとうございました!