戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
元親が仲間に加わったことはとても大きかった。今、俺達は襲いかかって来た盗賊相手に戦っていた。群がって来る奴等を元親は弦を飛ばして絡め取り、動きを封じていったので簡単に掃討することが出来た。
豪も札術を使って火を飛ばしたり、昌信も素早い動きで剣を振るってよく頑張ってくれた。三人が仲間に加わったことで戦いが有利に進んでくれて大助かりだ。そして、
「さあ、着いたぞ」
直政が指を差した先にある街、そこが花の都だ。ようやく目的地に着いた訳だ。
「はあ、こいつは・・・」
「ひどい」
見るからに荒廃している街にイノリが悲しんでいた。雅な名前には程遠い壁は壊れ、木々は枯れ果てていて、家屋も屋根がはがれていたり、柱が折れている。
「何か、凄く廃れてるね・・・」
豪も落ち着いていないな。昌信も酷い有様に胸を痛めている。
「まあ、あれほど美しかった都がこんなにも荒れ果てているなんて・・・」
元親が言うと直政が口を開く。
「元は誰もが憧れる、様々な物産が集められた、人々の笑顔が賑わう都だったが、ここを収める将軍が戦乱で追い出され、ある武将が牛耳ってからは恐怖による統治が行われたのだ・・・」
「で、その親玉は誰だ?」
「それは・・・」
「止めなさい!」
直政が名前を言おうとした時、声が聞こえて来た。
「うん、この声は?!」
「直政?」
「ご主人様、追い掛けましょう!」
直政の奴、走って行ったぞ、イノリに言われ、俺達も急いで着いていく。
「その子を盾にするなんて卑怯よ!」
見ると、白い袖に赤のミニスカのニーソで弓を持った子がいるな。で、敵は・・・。
「へへへ、宗全様に逆らおうとは身の程知らずめ!」
「だから余計な犠牲が出るんだよ、こいつみたいにな!」
身なりからして正規兵みたいだな。の割には外道みたいなことを言ってるな。
「お姉ちゃん、助けて~っ!」
「く・・・」
ほう、子供を盾にしていやがるのか。だったら遠慮はいらねえな。
「イノリ、待ってろ・・・」
「え、ご主人様?」
俺は走り出して、
ドガ!
「ぐへえ?!」
一人を殴り飛ばして女の子を抱えて救出した。よし、子供は無事だな。
「あ、貴方?」
「こいつ、頼んだぜ」
早速、手前にいる奴に渡してやる。さあて、後は。
「な、何だこいつは?!」
「奴等の仲間なのか?」
「弱い者いじめする奴等は、お仕置きしてやらねえとな!」
剣を突き刺して衝撃波を飛ばして吹っ飛ばしてやる。これでよし、と。
「ご主人様!」
イノリ達が駆け寄って来る。
「おう、軽く捻ってやったぜ」
「ああ、ありがとう!」
おっと、子供を抱えてる子がやって来たな。
「貴方凄いわ、あんな奴等を簡単にやっつけちゃうなんて!」
「まあ、あの程度にはやられはしねえさ」
「盟主殿」
「あ、直政さん、もしかして貴方がこの人を?」
うん、直政が盟主って言ったな。
「おい、まさか直政が言ってたリーダーさんって・・・」
「そう、少女同盟軍頭領、鶴姫とは私の事よ」
「彼でよろしいだろうか?」
直政が言うとその鶴姫はうんうんと頷いた。
「もちろん、腕もいいし、顔もいいから合格点よ、貴方がいれば百人力だわ!」
おいおい、簡単に俺の手を握って歓迎して来たな。まあ、中々人当たりのいい感じはするな。
「それで、そこにいる人達は?」
「俺の妻のイノリと豪、昌信、元親だ」
「ふ~ん、まあそこそこ腕はたちそうね」
「そこそこって?!」
「何か腹立つ・・・」
「信道様、今すぐ縛っていいでしょうか?」
おいおい、イノリに豪、元親が目をギラギラさせてるじゃねえか。こいつ、案外お調子者なのかもな。
「落ち着け、ここで仲間割れしたら敵の思う壺だぞ」
直政が仲裁に入って場を収めてくれた。
「はあ、あんまし俺の妻をコケにするんなら帰っちまおうか」
ちょっと俺もカチンと思って軽く拗ねてみた。
「そんな、待って、今言ったことは謝るから、貴方が凄く必要なの!」
「おし、じゃあ、まずは話をしてくれないか、何故俺を呼んだのか」
「うん、まずは私の陣へ来て・・・」
そいつ、鶴姫の案内で俺達はその子の拠点に入った。
「なるほどな・・・」
話を聞いて今都を支配している奴の事が解った。
「敵は山名宗全、こいつが都を武力で乗っ取って人々を苦しめているの」
鶴姫が絵を見せる。ほお、見る感じ若い奴だな。
「将軍を追い出し、民に貢物を強要させ、収められなければ容赦のない制裁が行われた。そのために治安は悪化し、このような状況だ」
直政がこいつの経緯を説明してくれた。
「私達は義勇軍を結成して何とか奴を倒そうと思ってるんだけど・・・」
暗い表情になる。なるほど、察しはつくな。
「奴は相当の手練れだ。我等が立ち向かおうにも歯が立たなくてな。そこで人を集おうと私が探して来るよう選ばれて、うん?」
どうした、何かに気付いた顔してるな。
「盟主殿、景勝殿はいかがされた?」
「景勝、実は、奴に捕まってしまったの・・・」
「捕まった?」
「直政、貴女が行っている間に奴等が攻めて来てその時に・・・私一人でも助けに行こうとしたんだけど、子供を取られて・・・」
それで、あの状況になってたって訳か・・・。そして仲間の一人が囚われていると。
「おし」
「ご主人様、どこへ行かれます?」
「そいつをぶっ倒しに行って来る」
「ええ、そんな、いきなり?!」
鶴姫がびっくりしてやがるな。まあ、いきなりそう言えば当然だよな。元親達もざわざわしてやがるし。
「待たれよ。奴の陣は堅固だ、しゃにむに行って救えるような状況ではない」
「そうだよ、それにもしダーリンの身に何かあったら・・・」
「直政、豪、心配すんな、景勝を助けてそいつを軽く捻れば済む話さ、それに・・・こいつらをこのままにしておいて、いいはずがないだろう」
近くにいたさっきの子供を撫でてみる。ここは町の人達の避難場所にもなってるから小さい子供もいるにはいた。
「でも・・・」
「俺を信じろ、俺は敗けねえさ、じゃあ、行って来るぜ!」
「あ、待って!」
「ご主人様、素敵・・・」
「素敵です、信道様・・・」
「さあて、奴の陣地はどこだ・・・?」
カッコつけて行ってみたが、肝心の敵陣がどこかだよな。そこが解らなきゃ、大将さんと景勝って言う子を助けられねえしな。どうしたものか。
「うん?」
この声、足元を見ると、息子のイスケが座っていた。
「おいおい、何で着いて来るんだ。イノリの所へ帰りな」
俺が言うとイスケの奴は辻へと入って行った。あいつ、帰れって言ったのに、追い掛けて行くとある場所へ抜け出た。
「うん、ここは・・」
竹の格子の中を見ると大きな館があるな、そして近くの柱に一人縛られている。
「ほう、ここが敵さんの陣地か、でかしたぞ、イスケ!」
可愛い息子を頭に乗せて格子をよじ登り、景勝を救出だ。
「うう、ひく・・・誰か助けて、このまま囚われて敵の慰め者にされるなんて・・・助けて・・・」
「姫、助けに来てやったぜ」
「え?」
両手を上げた状態で縛られて泣いている麗しい女の子の前にちょっとカッコよく現れてみた。
「貴方は?」
「安心しな、あんたを助けに来た。お仲間さん達が心配してるぜ」
「まあ、本当ですか?」
笑顔になったな、よし、今助けてやるぜ。
「ちょっとじっとしてろ・・・」
両刀を振るって縄を切って解放させる。
「ああ、ありがとうございます!」
景勝が俺の手を握って感謝する。
「なに、礼ならこいつにしてくれよ、こいつがいなかったらここには来れなかったさ」
頭にいるイスケに指を差して言った。
「まあ、この可愛い子猫が、ありがとう」
笑顔が眩しい女の子だな。それでいて穏やかでフワフワしている。癒し系って感じだな、さて、取り敢えず、この子を陣に連れて帰るか。