戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「あん?」
何だ、姫を救ってここを出ようって時にガサガサ音が聞こえて来るな。
「ああ・・・」
「おおっと」
やれやれ、まあ、そうなるよな。見ていりゃあ敵兵の奴等がぞろぞろとまあ来たな。それも凄い殺意だぜ。景勝も両手を口に当てて驚いているし。
「貴様、何者だ!」
「奴等の仲間か?」
「一人で来るとは無謀な奴め!」
やれやれ、槍なんかを向けて物騒だな。可愛い女の子がいるってのに。
「やっと助かると思っていたのに・・・」
「泣くなよ、すぐに出られるからな」
おおっと泣きそうだな、早く慰めて・・・。
「おい貴様、こちらの話を聞け!」
「無視するな!」
「うっせえな、女の子の前で騒いでんな」
「何?!」
「こいつ!!!」
ああ、こりゃあ完全にやる気だな。
「ああ・・・貴方は逃げて、私はまた捕られになりますから・・・」
「バーカ、折角助けに来て逃げられるかよっと!」
「きゃっ!」
手を掴んで俺に抱き寄せる。
「あ、あの・・?」
「いいか、しっかり掴まってろよ?」
今言った台詞を合図に敵さんが一斉に突撃して来た。ギリギリの所まで来て・・・!
「とおっ!」
「きゃあっ!」
高くジャンプだ。
「食らえ!」
剣から衝撃波を飛ばしてまずは目の前の連中を一掃だ。着地したら、一振りして薙ぎ倒す。
「ぐはあ・・・」
「つ、強い・・・」
「ふう、危ねえ・・・」
やれやれ、敵兵ぐらいじゃあ相手にならねえか。確か大将さんもいるんだっけ。
「何をしているんだい?」
おや、聞かない声だな。頭巾をかぶった若そうな奴だ。ははーん、こいつだな。
「ああ、あの男・・・」
景勝が怯えているな。
「知ってるか?」
「はい、あの男が山名宗全、赤入道と呼ばれている男です・・・」
イメージと大分違うな。もう少しごつそうな奴だと思っていたが・・・。
「こいつらを退けたのは君かい?」
「ああ、そうだ」
「全く、どいつもこいつも情けない奴等だ。よりにもよってこんなどこの馬の骨とも知れないような奴に倒されるなんてね」
「ま、軽く捻れたぜ。どんな悪そうな顔してると思いきや、割と若そうじゃん」
「ふん、そう言う君も童顔だが・・・!」
「おい、チャーミングな顔だと言えよ。まあいい、それよりも早いとこ悪さを止めてくれよ。ここにいる皆が困ってんだろ」
「ふふふ、人に言われたんじゃ赤入道はやっていけないよ。この世界にいる連中は各々勝手に戦っている。僕もここを支配してやがては天下の覇王となるのさ」
あーはいはい、ご立派なお志は聞いておきましたよ。まあ、見るからに聞く耳を持ってはいないよな。
「おい、笑うなよ・・・!」
「さあ、お前の思い過ごしじゃねえの?」
「僕をこけにしたらどうなるか解っているのかい、この赤入道である宗全様を怒らせたら、確実に死ぬ事を!」
不意打ちだと!槍が一直線に来たな!
「きゃあああああああ、逃げてーーーーーーっ!・・・・・・・・・・え?」
「な、何?」
「なーんてな、こんなんでやられると思ってたのか?」
ふう、危なかったぜ。ギリギリで槍を掴んでおいたぜ。景勝の奴もホッとしてるな。
「良かった・・・」
「言ったろう、絶対に助けるってな」
さて、敵さんの方は、おうおう、必死に槍を引き抜こうとしてるな。だったら。
ブン!
「わああああああああああ!!!」
槍ごと投げて叩き付けだ。うん、ミーミー鳴いてるのは。おっと可愛い息子を兜に乗せたままだったな。
「おい!」
「はい?」
「こいつを頼む、さすがに一緒にしてたら・・・」
「く、僕を無視するなーーーーっ!」
「危ない!」
「うん、そらよっと!」
「きゃ!」
景勝をお姫様抱っこしてっと。よしよしちゃんとイスケを抱えてるな。槍の柄に乗ったら。
「そら!」
回し蹴りをして顔面を蹴り飛ばす!
「危ねえだろう、人が頼んでるって言うのに・・・息子が怖がるだろ?」
「はあ、はあ、バカな。この僕が押されているだと、あり得ない、あり得ない!」
「鶴の奴がとても強いと言ってたが・・・そうでもなかったみてえだな。さあて・・・」
素早く走って、こいつを殴り飛ばしてやる。
「ぐはああああああ!!!」
アッパーで吹っ飛ばしたら跳んでかかと落としだ。勢いよく地面に当たったな。
「ぼ、僕の、覇王になる、夢、が・・・・」
「ド阿呆、そいつは夢の中にしておけ」
おし、これでもう大丈夫だな。
「ああ、宗全様が敗けた・・・・」
「そんな・・・」
後からやって来た敵さんも完全に戦意喪失だな。よし。
「ほら、これで一件落着だぜ」
「ああ、何て、カッコいい・・・」
あ、あれ、何か凄いうっとりしてるな。まるで初めて俺に出会ったイノリの時と同じだな・・・。
「ご主人様ーっ!」
うん、イノリ達がやって来たな。
「お怪我はありませんか?」
「おう、この通り、ピンピンしてらあ、掠り傷も付いてねえぜ」
「まあ、良かった・・・」
「それはそうとして山名宗全は?」
鶴が敵の大将の事を言ってるな。
「うん?」
「直政、もうとっくに倒したぜ?」
「まさか、ここにいる者達全員を?」
「おう、強いって聞いてたが大した奴でもなかったぜ」
「わあ、貴方って凄いのね。私達じゃ全然歯が立たなかったのに倒しちゃうなんて」
「まあな。さあて、まだ俺とやり合おうって奴は名乗りをあげろ」
俺が言うと敵兵さん達は皆武器を捨てて歓声を上げて来た。
「あらら・・・」
「皆、宗全の事が怖かっただけなんだわ」
はは、そう言う事だったか。部下に好かれねえようじゃあ天下なんて取れねえよな・・・。何はともあれ目標は達成だな。
あの後、街の皆と都の復旧作業に入ることになった。鶴の指示で街の整備や補強の作業に入る。
「ふう・・・」
必要な木を切ってひと汗をかく。それにしても鶴って奴も中々に人使いがあらいもんだぜ。直政が無計画って言うのも頷けるな。
「あの・・・」
「あん?景勝・・・」
振り向いて見ると目の前に景勝がいた。何だかもじもじしてやがるな。
「あの、あの・・・・」
「何だ、俺に用でもあるのか?」
「あ、あの時は助けてくださってありがとうございます・・・」
「礼なんていいさ。お前が無事で皆安心してたぜ」
「それも、そうですが・・・」
「が?」
「その、その・・・私・・・」
何だ、切り出せないって言うのか。こいつ、気持ちを中々言い出せないタイプなのかもな。
「解った、ちょっと来い」
「え、ああ!」
手を引っ張り、人の来ない木陰にまで連れた。
「あ、ああ、あの、私・・・」
「解ってるさ。俺に何かを望んでるんだろ?」
「ど、どうして・・・?」
「何となく顔を見れば解るさ。何を望んでる?」
「貴方に助けられた時、胸が熱くなるような感覚がしたんです。それでもっと貴方を知りたい、一緒に居たいと思うようになって・・・迷惑でしょうか?」
「なわけねえだろ、大歓迎さ」
木に背を向けさせて景勝を見下ろす。それだけで頬を赤くして両手を握っている。
「あの、お名前を」
「世良田信道、俺の名前だ」
「はい、信道様」
「俺の気持ち、受け取ってくれるか?」
「はい、貴方になら・・・」
顎を持ち上げると瞳を閉じて来る。桃色の小さな唇にキスをした。そして抱き寄せて胸元をはだけていく。