戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「あんたは・・・?」
「お久しゅうございます・・・」
鶴に呼ばれて対面した客人、白い長髪に法衣を纏っている。
「ご主人様、ご存じなのですか?」
イノリがイスケを撫でながら聞いて来た。まあ、始めて会うのに知ってそうな感じだから聞いて来るのも当然だよな。
「ああ、買い物に出かけた時に偶然出会ってな。確か、方菊丸の用心棒さんか?」
「厳密に言うと補佐を務めています、太源雪斎にございます」
「で、雪斎さんは俺に何の用があって来たんだ?」
「はい、貴方様、世良田信道様にお頼みしたい儀があって参りました」
「俺に?」
「花の都で民をお救いになったそうですね、その武名は津々浦々、全国に鳴り響いています。それを見込んで申し上げたく・・・」
ほお、あの時の戦いがそんなに有名になってたのか。全然気が付いていなかったし気にもしてなかったんだがなあ。
「我が主、方菊丸、現、今川義元様のためにその腕を振るって頂きたいのです」
「あいつ、名前を変えたのか?」
「御意・・・」
そして雪斎は話を続けた。話だと義元のいる駿河の地で当主が無くなり、誰を今川家の当主にするかで内部対立が起こっているのだとか、家臣達は義元を推す勢力と腹違いの兄、今川良真を推す側に割れて争っていると。
「我々としては、何としても義元様に当主になって頂きたいのです。そのためにも貴方様のお力が必要なのです、どうかお力添えをお頼みします」
雪斎は深々と頭を下げて頼んで来る。参ったな、よりにもよって兄妹喧嘩の騒動にかよ、俺もそろそろ体を動かしたいと思ってるんだけどな。
「ご主人、どうするの?」
「私達も行くべきでしょうか?」
鶴と高虎が行くのかどうかを聞いて来る。方菊丸、今は義元って名乗ってるんだよな。初めて出会った時の眩しい笑顔が思い浮かぶぜ。皆を笑顔にするために旅してるあいつが俺をまだ覚えていてこうして頼みに来た。そうまでされたら断れねえよな。
「おし、解った、そこまで言うんだったら力を貸してやる。連れてってくれよ。義元のいる所へ」
「ご主人、行くの?」
「たりめえだろ、わざわざ遠くまで来て頭下げられちゃ断る訳にはいかねえしさ、それに旅して体を動かしてえと思ってたしさ」
久しぶりの旅だ。腕を思い切り震える機会に腕を回してみる。
「では、信道様と度に行けるのですね!」
「そうだな、高虎が行きたいんなら連れてってもいいぜ」
「ああ、信道様と旅・・・ふふふ」
おいおい、もう目をキラキラさせて浮かれちまってるな、高虎・・・。
「では、早速、ご同道致しましょう・・・」
結果、俺とイノリ、直政、高虎、豪、五右衛門が付いていく事になり、鶴、昌信、景勝、元親が留守を守る事になった。
「鶴、しばらく留守を頼んだぜ」
「任せて、ご主人の留守はちゃんと守るから」
鶴が俺の手を握って言う、寂しい気持ちがあるのに毅然と俺を送ろうとしていた。
「一緒に行けないのは寂しいけど、頑張って」
「ありがとな、昌信」
昌信の頭を撫でてやる。
「信道様、道中お気を付けて・・・」
「元親、ありがとよ、じゃあ、行って来る」
鶴達に手を振って俺達は義元の待つ駿河へと向かった。
「たくしぶとい奴等だぜ!」
やっぱり油断出来たもんじゃねえな。道中、盗賊共が俺達に襲いかかって来た。まあ、俺が悉く返り討ちにしてやったがな。そうして旅を続けていた時・・・。
「ご主人様」
「お、結構釣れたな」
山にある川で一休みをする事になりイノリが魚を釣って来てくれた。早速火を着けて焼き魚にする。
「おし、食おうぜ、腹が減ったらどうとやら、てもんだろ・・・」
イノリ達を呼んで串に刺している焼いた魚を渡したが、
「うん?」
直政だけは来ないな。立ったまま周りを見ている。どうしたって言うんだ?
「おい、直政」
「うん、お館様?」
「お前も来いよ」
「いや、どこに敵が現れるかもしれない。その時に隙を見せては皆を守れないから、私はここで待機している」
「腹は減ってねえのか?」
「空腹の問題ではない、私は皆を、そして貴方を安全に駿河の国へと連れて行く責務がある。ご厚意はありがたいがここで甘える訳にはいかない」
「・・・・・なあ、お前、無理してねえか」
「無理?何なのだ?」
「あの時だってそうだろ、お前、何も食わなかったじゃねえか」
こいつと一緒にいて気付いた事がある。旅の最中、こいつが食を取った事は一度も見た事は無い。どこでそんなパワーが出て来るのか不思議に思ったけど、やはり疲れている様に感じる。現に盗賊と戦ってた時、どこか疲れているように見えた。目にくまが出来ている。
「それは、お館様の気のせいであろう、私の事は心配ない」
「気負い過ぎじゃねえのか、あまり無理したらいざと言う時に動けなくなるぞ。悪い事は言わねえから食・・・」
「いらないと言っているだろう!放っといてくれ!」
直政が拒否して叫ぶ。こいつがここまで感情をむき出しにするのはこれが始めてだな。
「あ、済まない!私としたことが、貴方に心無い事を言ってしまったな・・・」
「い、いや、俺もねちっこ過ぎたよ・・・」
「本当に私の事は心配しなくていい、食を取らずとも何の支障も無いのだから・・・ああ、少し遠くに行って来る。もしかしたら敵がいるかもしれない」
無理に微笑を浮かべて直政は森の中へと入って行く。あいつ、一体どうしたんだろう。まるで食べる事に凄い抵抗を感じてたな。どうしたんだ・・・?
「はあ、私は何て暴言を・・・」
森の中で、直政は溜息を吐いていた。主である青年に対して気に触る様な発言をしてしまったと後悔していた。
「・・・・・・」
脳裏に思い浮かんでいた。幼き日の日々が・・・。
『母様!』
幼い頃、母親が亡くなり当主となるも、多くの家臣に見限られ、土地も家の誇りも失ってしまったあの屈辱の日々・・・。頼れるのは義理の母だけ。家を建て直したいと言う思いで義勇軍に入り彼の仲間になった。しかしその人物に暴言を浴びせてしまった事に後悔していた。
「いかんな、彼に謝らなければ」
振り向いて戻ろうとしたその時、
「ああ!」
足を滑らせてしまう。
「きゃーーーーっ!」
滑らせた場所は崖だった。転がる様に下の方へと落ちていった。
「あれ、直政の奴どうしたんだ?」
あいつ、帰って来るのが遅いな。そう遠くに行くはずはないのに、中々帰ってこない、まさか、何かあったのか、どうも俺の第六感がそう伝えている。
「ご主人様、直政様はどうしたのでしょうか?」
「どうにも気になるな、うん?」
何かミーミー鳴いてるな。確かイスケも連れてたんだよな。
「おう、どうした?」
猫なで声で撫でてやると俺の息子は突然森の方へと走り出した。
「あ、イスケ、ダメよ!」
あいつ、遠くへ行ったらダメだろ。
「俺が行って来るよ、そこで待っててくれ」
「おいイスケ、何勝手に、あれ?」
イスケが崖の近くで鳴いてるな。まるでそこで何かあったかの様に見える・・・。
「どうした、うん・・・」
何か地面が擦れてるな。それにこの花飾り、直政が付けてた奴じゃねえか。まさかこの崖に・・・?
「ありがとよ、イスケ。知らせてくれて、後は俺に任せておけ」
崖を飛び下りて直政を探す。
「やめろ、やめて!貴様等、この私を汚してただで済むと思っているのか!」
その頃、直政は仰向けの状態で抑え付けられていた。
「ひひひ、いい顔した女が落ちて来るなんてついてるぜ」
「早く犯してひいひい泣かせてやるぜ」
下衆い顔した盗賊達が直政の足を無理矢理広げようとしている。
「放せ、放して!私は絶対に貴様等の慰め者になどなるものか!」
必死で抵抗するが紺のレオタードの下部分を千切られてしまう。
「いやあ!」
晒された秘所に固い肉棒がぐいぐい入って来る。
「やだ、やだあ!入れないで、やめて!」
顔にもその性器を突き付けられる。
「ああ、臭い!顔に近付けちゃいやあ!ああ、これは罰なんだ・・・彼の善意を断ったばかりに天罰を受けて・・・」
恐怖に怯える直政の脳裏に彼の顔が浮かんだ。
「助けてーーーーーっ!!!」
「ぎゃあああ!!!」
その時、入れ様としていた男がバタリと倒れた。
「え・・・?」
目の前には獄卒の鬼の様に盗賊達を睨む主の姿があった。
「手前等・・・・覚悟しろよ!」
彼はあっと言う間に盗賊達を地獄行きにしたのだった。
「おい、直政!」
「お館様・・・ああ、ああ、うわあああああああああ!」
主の胸に抱き着いて直政は泣きじゃくり続けた。
「家の再興?」
あの後、直政は俺に話しておきたい事があると言って俺に自分の家の事を話した。
「我が井伊家は由緒ある家柄だった。しかし母を早くに亡くし、私は幼くして当主となったのだ。だが・・・」
そこで待っていたのは孤独と地獄の辛さだった。
「代々井伊家に尽くして来た家臣達は私を当主の器ではないと決めつけて井伊家を去ってしまった。土地も誇りも失った。頼れるのは義母と己の腕だけ。だから私は誰にも侮られない様振る舞い、井伊家の栄光を取り戻そうと誓ったのだ」
こいつにも、そんな過去があったのか。落ち着いているからそうでもないと思ってたが、こいつも苦しんでいたんだな。
「井伊家の再興のため、井伊家の名を決して汚す事は出来ない。昔、瓜割四郎と言う武士は敵に打たれた時に食べた物が首から溢れ惨めな死に様を晒した。そうなったら井伊家の名を永劫に渡って汚す事になる・・・それが怖くて・・・」
それで食べる事に抵抗があったのか。こいつも、それなりにプライドがあるんだな。自分の家に誇りがあって家を大事に思っているのか。
「済まない、暴言を吐いてしまって・・・解って入るのだ、親切でしてくれた事を、だが、もしそうなってしまったらと思うと・・・」
「お前の言う事は解らない訳じゃねえぜ・・・。けどよ、やっぱり食うべきだ」
「え、だが・・・」
「お前の気持ちは解る、けど、余り無理をしたらその分の反動がきっと帰って来るぜ。今は大丈夫だとしても、いつかはボロが出て動けなくなる、そうしたら俺を守る事だって、それにお前に守られるだけが俺じゃねえよ、俺だって戦えるし、それに強い。いざとなったらお前の事も守ってやるさ。無理して気負わなくてもいいんだと思うぜ」
「お館様は、お強いのだな」
「まあな、それにたまには俺に甘えてくれてもな、て・・・」
「・・・・・・・」
あれ、どうしたんだ、直政の奴・・・?
「お館様、それは私を可愛がりたいと言う事か?」
「あ、いや、冗談で言っただけでさ、お前だったそんなガラじゃ・・・」
直政は無言で俺に抱き着いて来た。
「貴方になら、いい・・・」
「え?」
「主に仕える者として主に甘えるなど良くないと思っていた。けれどもお館様は構わないと仰ってくれた。つまり、私を愛人に迎えたいと言う事なのだろう」
「・・・・・」
「だから、してくれないだろうか?私に、彼女達にしてくれている事を・・・・」
「いい、のか・・・」
「他の男は嫌だが、貴方になら・・・」
頬を赤くして俺を見つめている。こいつ、こんなにも可愛かったのか・・・。
「覚悟しろよ?もう引き返せねえからな」
「ああ、私は逃げも隠れもしない・・・」
直政の唇に口付けをしてそっと押し倒した。
「来て、お館様、どうか私に愛を・・・」