戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「この空を覆う煙、そこから様々な魑魅魍魎が生まれておる、奴の呪術によってそれが作られ、この空に降り積もった煙が化け物を生み出したのじゃ」
「それそれ、城からそれが出て来て今の怪物たちが出て来たの!」
五右衛門、それを皆に知らせ様としたか。となればあの煙を消せばいいんだな!
「待て、どこへ行く?」
「決まってんだろ、元を断てば何とかなる、そいつを消せばいい」
「それについては心配無用」
指を振ってるな、一体何が、あれ、空を覆う煙が消えてるな・・・。
「あの城から出ている煙の元は消したぞ、のう?」
誰に向かって行ってるんだ、てあれ、イスケ、お前、何札みたいなのを持っているんだ?
「イスケ、その札はどうした?」
「偶然、山に来たらその猫に会ってのう、何かに使えると思い、魔方陣から出ていた煙を札で貼って消す作業をしてもらってな、それは大助かりじゃったわ」
「そうか、偉いぞお前」
俺が撫でてやると、イスケが指を舐めて来る。
「て言う事はこれで一安心ってとこ?」
五右衛門が言うと玉藻の前が頷く。
「左様、じゃが相手の事じゃ、また何かしらの手を打ってくる可能性もある、油断は禁物じゃ・・・」
「で、あんたはどうする?」
「ふむ、お主らだけでは心もとないからのう、しばらく力添えをしてやろう」
「まあ、何て上からな・・・」
「怒るなって、今は一人でも仲間はいた方がいい」
「解りました、ご主人様が言われるなら。その様にします」
玉藻の前が力を貸してくれる事になった。これはこれでありがたいぜ、その後、俺達は館に戻って次の戦いに備える事になった。雪斎が館の警備を厳重にして俺達は戦う準備をする。
「信道君・・・」
「義元?」
そんな時に義元が声を掛けて来た。いつもの明るい感じではない、神妙な面持ちで。
「どうした、余り外には出ない方がいいぜ、お前はあいつに狙われているんだから」
「解ってるよ、ただ、貴方にどうしても言いたい事があって・・・」
そう言って指をツンツンとさせる。何を話すのだろう。
「ごめんなさい!」
「何だよ、いきなり謝って・・・」
「貴方にきつい事を言っちゃった。本当は解ってるの、覚悟を決めなきゃいけないのが、解ってるけど、けど・・・」
頬が赤くなり瞳に涙が溢れて来る。
「それでも、勇気を出せないの・・・。一歩を踏み出せないの・・・。親は違っても兄は兄、彼を差し置いて跡を継ぐなんて、もしそうなったとしてもその器が私にあるのかどうか不安で、兄を討ちたくない、その気持ちが混ざり合って、歩みを進めない・・・」
「・・・・・・」
何気に明るく振る舞っていたのは俺にそれを悟られない様にするためだったのか。こいつも悩んで苦悩してて・・・。
「義元・・・ちょっと座ろうか?」
縁側に座って隣同士で話し合う。
「始めて会った時の事、覚えてるか?」
「うん、あれが始めてだったね、その時、蹴鞠を手で返したよね」
「しゃあねえだろ、蹴りか返すなんて知らなかったんだからよ。まあ、それでお前と仲良くなれたんだけどな」
「そうだね、ふふ・・・」
「お前に食わしてもらったお菓子の味は今も忘れちゃいねえぜ」
「私は忘れてると思ってた」
「見くびられちゃ困るぜ、こう見えても義理堅いんだからよ」
「見た目山賊なのに?」
「こいつめ♪」
「きゃ、うふふ・・・」
髪をくしゃくしゃさせて義元を抱き締める。
「義元、お前一人に重荷は背負わせない。俺も一緒に背負う、お前の業と一緒に、どうしても勇気が出ないなら俺が後押しする。だから無理をしても、前を向け!」
「それ、本心なの?」
「たりめえだろ、それに夫になってくれって言われたんだし・・・おっと」
「え、何?」
何か気配がすると思っていたら、ぞろぞろいやがるな。怪物達の群れだ。
「ああ・・・」
「心配するな、俺が倒す!」
「お願いです、私を助けて・・・」
「任せろ、必ず守り切ってやる、そらきやがれ!」
背中に差した剣を握り、怪物どもを切り倒す、眼前にはあいつの姿が。
「やっぱしお前か・・・!」
「ふん、どこまでも俺の邪魔をしやがって・・・」
「義元を守るって決めたからな、お前は絶対にぶっ倒す!」
「舐めるなよ、呪術で磨かれた俺の才を見せてやる・・・はあ!」
札から弾を飛ばしてきやがったか、けどこんなもんは叩っ切ればいい。
「おらあ!」
一直線に切りかかる、良真の野郎は札を盾にして俺の蹴りを防いだ、けど、連続キックの威力で後ろに引き摺られてるな。回し蹴りをして札を払う。そして太刀を一閃。
「させるか!」
煙玉で回避したか、拳に札を巻いて殴りかかって来る。避けた際に壁が砕けた、札に相当力が宿っているみたいだ。刀を鞘に締まって俺も殴り合いに出る。腕には自信はあるつもりだ。取っ組み合いになり背中を向け合うと良真が投げに出るが見事に着地して投げ飛ばす。
「こいつ、舐めやがって!」
「おらあ!」
拳がぶつかり衝撃が走る。後ろへ回避して良真が地面を叩く、無数の棘が出て来て俺に迫る。
「危ない!」
「心配すんな!」
後ろへジャンプして回って背後に出ると、強烈な拳を浴びせる。
「ぐ、この野郎がーっ、この俺を虚仮にするなよ、とっておきの力があるんだからな、ひひひ・・・」
こいつ、札を飲み込みやがった、げ、これはありかよ・・・。
「グウオオオオ!」
「あああ・・・!」
義元が震えている、そりゃそうだ、目の前には一回りも大きな巨体、こいつの兄だった良真は巨体のオオムカデに姿を変えていた。頭部に上半身が突き出ている、怪物の姿に変わっていた。
「こいつ、化け物の姿に・・・」
「けはは、俺の呪術をもってすればいともたやすい事、この力で俺は駿河の当主となり、全世界の覇王となるのだ!」
野郎、化け物になってまで、凄まじい執念だな。
「ちと待て!」
「あんた?」
玉藻の前が出て来た。
「わらわも手を貸そう。さすがにこの相手に一人では心配だからな」
「言うね、よし、絶対に倒すぜ!」
「グオオオオ!」
毒の尻尾が振り下ろされる、俺達は咄嗟にそれをかわした。