戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「行くぞ、覚悟は出来ておるか?」
隣にいる玉藻の前が戦う決意を聞いて来る。そんな物、とっくに出来ているさ。
「ああ、言われなくてもな」
「ふふ、いらぬ質問じゃったな、お、来るぞ!」
あいつ、尻尾を向けてきやがったか。俺を掴んで投げ飛ばそうってか。そうはさせるかよ。
『何い?!』
尻尾の先のハサミを掴んで、怪力で投げ飛ばしてやる。飛び乗ってこいつと殴り合いに出る。
『貴様、舐めるな!』
く、口からガスを飛ばしやがった!尻尾が飛んで来る。
「危ない!」
玉藻の前が前に出て結界を張って守ってくれた。微笑して守ってやったぞと言う。
『くくく、こいつはどうだ?』
尻尾が割れた?無数の小さな尻尾になったか、一斉に来たか、けど、こんなもんは切り裂いちまえばいい。全て一刀の元に切り捨てる!
「よし、わらわも」
玉藻の前も札を刃物に変えて投げ飛ばして攻撃する。よし、いいぞ、ここまでは順調だな。
「ご主人様!」
イノリ、高虎達も・・・?
「うわ、何かヤバい奴がいない!」
「気持ち悪い~」
五右衛門も豪もひいてるな、まあ、こんな怪物みてえな奴を前にしたら、何て言ってる場合じゃねえ、早くこいつを倒さねえと。
『ギイイ・・・』
何だこいつ、何不敵に笑っていやがる?何するつもりだ、視線がイノリに?
「きゃあああああああ!!!」
尻尾が伸びて、しまった、イノリが捕まった。
「いやあ、放して!」
「おやおや、これはいかん・・・」
まずい、腕には息子がいるじゃねえか。
「てめ!」
『おおっと!』
「ああ、信乃!」
尻尾が信乃をイノリから引き離して俺の前に付き付けて来る。
「何しやがる手前!」
『ヒヒヒ~、切れるなら切ってみろ、お前の息子なのだろう。命よりも大事な?俺の尻尾は器用だからな、いつでもこいつを盾に出来るんだぞ?』
「汚ねえぞこの野郎、信乃を放せおらあ!」
『おうおう、怒っているなあ、余程子供が可愛いみたいだな』
「やめて!返して、私の可愛い信乃を返して、お願い、お願いです!」
『恨むならそこで立ち尽くしている義元を恨むんだな、こいつの味方をした事で、余計な犠牲が生まれる・・・』
義元に視線を向ける、まだ決意が出来ていないか。皆が武器を構える、けど息子を盾にされて動こうにも動けない。
「ぬ、いかん!」
切られた尻尾が意志を持って動いて百足になって迫って来る。信乃、どうする、どう助ける。
『信道様・・・』
誰だ、この声。ここにいる奴等の声じゃない。ましてやこいつでもない。誰かが俺を呼んでいる?
『信道様・・・』
まただ、何だよ、これから信乃を助けるって時に・・・。新手の妖怪か、それとも。
「誰だ、誰なんだよ!」
『貴方にお聞きしたい事があります』
「後にしてくれ!今、大事な所なんだ!」
『いえ、今ここで聞かせて下さい、私はずっと貴方のお側にいました。貴方の強さ、優しさ、戦いをずっと間近で、見て来ました。何故ここまで弱き者のために、見ず知らずの他人のためにここまで戦えるのですか?』
「うるせえぞお前、理由なんてあるかよ、俺は約束したんだ、あいつの、義元の重荷を一緒に担ぐって!あいつは自分がどうすればいいか迷っている、その辛さを俺も背負う!あいつに、俺と同じ思いはさせたくねえ、だからだ!」
『解りました、それが貴方の強さなのですね、そのお覚悟、確かに受け取りました!』
「あ、あれ?!」
「信道様の背負う剣が光っている・・・?」
豪、高虎、どうしたって、え?何か後ろで光ってるな。それは突然飛んで信乃とイノリを掴む尻尾を切り裂いた。
「きゃあ!」
急いで二人を抱えて救う。
「ご主人様・・・」
「もう大丈夫だ」
信乃、たく、こんな時でも変わらず笑っていやがる。
『信道様』
「え、え?」
『何だこれは?』
頭上には俺の背中に背負っていた一本の剣が神々しく光って浮いていた。
「これ、俺が使ってた?」
『はい、見ての通り、私は貴方の剣です、貴方に握られて多くの敵と貴方と共に戦いました』
「お前、喋れたのか?」
『はい、意志を持っていますので、これよりは人型となり、貴方の力になります』
「どういう事だ?」
『百聞は一見にしかず、ご覧下さい!』
剣が人の姿に変わる。
「はあ!」
『グギャアアア!』
一筋の剣を振るって良真を一閃して転ばせた。
地面に降り立ったのは女だった。紺色の長髪に布が所々破けたマントを羽織っている。下部分の胸、そして腹、が大胆の露出した恰好、スカートは途中を紐で結んでいて太ももと腹部が繋がっている様に見える。こいつは・・・。
「ほう、ここでか?」
「ここでって?」
「信道様」
その女は俺の前で跪いた。
「お前、俺の剣なんだよな」
「御意、貴方の手に握られていた剣、名は千子村正にございます」
「それがお前の名前か?」
「はい、信道様はどんなお方なのかを常に見続けていました。貴方様の高潔な志と秘めた思いに共感し、今ここに実体化を果たしたのです」
「あんた、これを知ってて?」
「さあて、どうであろうの?」
ちょ、すっとぼけるのかよ、けど、どう見ても狙ってた感はあるよな。
「一緒に戦ってくれるのか?」
「無論、貴方様と私は二人に一人、貴方は私で私は貴方です」
それを聞いて安心したぜ、こいつは始めてこの世界に来た時から最初からずっと俺の側にいたのか。そして、ずっと俺を見守り、見定めていたんだな、自分の主の器なのかを。
「おっと、呑気に話している場合じゃないな」
「ええ、仰る通りですね・・・」
前を見ると無数の百足と親玉が立っている。
「信道様、共に戦いましょう」
「ああ、うん?」
何見てるんだ、こいつ。
「可愛らしい赤ちゃんですね」
「何だ、こんな時に子供好きって奴か?」
「否定はしません、信道様の性格が私にもうつっているのでしょうか」
「さあな、おし、行くぜ!」
信乃をイノリに預けて親玉の大将に向かって行く、見てろよ信乃、親の背中って奴を!