戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
こいつ、佐助の目線までしゃがんで目を見て言う。
「侍の俺が言えた事じゃねえんだけどよ、まだまだ親に甘えたい年頃だろ。それなのに親と引き離されるんて、それって辛いよな。だからお前の気持ちが解る気がするんだ。俺には」
「嘘だ・・・」
そっぽを向いて視線を反らす。まあ、最初から信じてもらえるとは思えない。けど、最後まで聞いてもらわねえと・・・。
「嘘じゃない、俺は侍だが嘘は付かねえ。俺は大した理由も無しに罪も無い人を殺したり苦しめたりした事は無い。これからも絶対にしない。それは信じてくれ・・・」
「・・・・・」
ここで話を変えてみるか。
「なあ、お前、外の世界に行ってみねえか?」
「外?」
「ああ、森の中を出た先は広い世界があるんだ。人が沢山いて見た事も無い建物や食べ物も沢山だ。結構いいもんだぜ。本題に入る、佐助、俺の子供になってくれ」
佐助に頭を下げて言う。俺が思い浮かぶ誠意はこれぐらいしかない。どうか伝わってくれればいいけど・・・。
「外の世界って楽しいの?」
「ああ、俺が言うんだから間違いねえ」
「初めてよ・・・子供のあたしに頭下げる侍なんて。でも、簡単には信用出来ない・・・」
「ああ、俺が嘘を付いていたと解ったら俺に拳万食らわして針を千本飲ませてもいい、俺はお前を守り幸せにすると約束する。絶対にその約束を守ってみせる」
「・・・・・・」
佐助が無言で手を差し伸ばした。これは誠意が伝わったって事でいいのか。俺は佐助の手を取り、皆の下へ連れて行った。
「と言う訳だ、猩々さん、佐助を養子にもらっていくぜ、いいかな?」
「はい、私にとっても大事な我が子です、どうか、幸せにしてあげて下さい・・・」
「もちろんだ、約束する。と言う訳だ皆、佐助を俺の養女にする。イノリ」
「はい」
「信乃を攫った事は許してやってくれ。これからお前もこいつの親になるんだから、どうか可愛がってやってくれ」
「解りました、ご主人様の仰せのままに従います、ほら、信乃、貴方のお姉ちゃんよ」
イノリがしゃがんで息子を佐助の目線に近付ける。
「たい~」
信乃が佐助に手を伸ばして来る。佐助も笑ってるな。息子を撫でてあげている。信乃には心を開いてくれたみたいだな。
「佐助、元気でな~っ!」
子供達が手を振っている。猿達、猩々さんが佐助の別れを惜しんでいた。
「ほら、佐助、別れの挨拶を」
「うん、ばいばい皆、あたし、大きくなるよ!」
森を出ると猩々さん達は俺達の姿が見えなくなるまで手を振っていた。猿の妖怪だったけど穏やかな人達だったな。でも、親を亡くした可哀想な子供達がいるのも知った。天下を取ると言う俺の目的も責任は重大だ。佐助、お前が笑顔で暮らせるような世界にしてやるからな。
「ご主人様・・・」
「信道様、遂に戻りましたね」
「ああ・・・」
賑やかな街並み、それは変わらないままだ。そう、俺は遂に自分の住む場所へと戻って来たのだ。まあ言わば館に帰還したってとこだな。
「皆さん、元気にしているでしょうか?」
「そうだな・・・」
鶴、昌信、元親、景勝、皆元気にしているかな。変わらずにいてくれるといいんだが・・・。
「さて、佐助、もうすぐで家に着くからな」
「おうち?」
「ああ、お前が住む家にだ、ここにいる奴だけじゃなくて他にもいてな、けっこういい奴等だぜ」
「・・・・」
まだ緊張してるんだな。まあ、最初はそんな感じだよな、徐々に慣れていけばいいか・・・。
「おいこらあ!」
ん、何だ、金切り声が出やがったな。佐助が怖がるだろう。
「ダーリン、あれ!」
豪が指を差すと、その先に気弱な男が不良達に絡まれている。しょうがないここは俺が親父の背中って奴を・・・。
「ちょーっと待った!」
うん、誰かの声が聞こえて来たな、近くの酒場から誰かが出て来た。
「ご主人様、誰でしょう?」
「たい?」
イノリと信乃がその人を見ている。
「白い頭巾に白の短いチャイナドレス、白のニーソックスを履いた軽装の美人が男達の前に立つ。
「あんだ手前は!」
「せっかくいい気分でお酒を飲んでいたのに・・・。みっともないわよお、大の男達が弱い者いじめなんて、カッコ悪いから止めなさい」
「引っ込んでろや、邪魔するならぶっ潰すぞアマ!」
やばい、あいつ等剣を握ってきやがった。
「やれやれ、口で言っても解らないなら、正義の名の下に、お・し・お・きしてあげるわ♡」
そう言うとその美人さんは剣を構え、いや、違う。浮かせた?それも一本じゃない。六、七本もある剣が空中に浮いている。
「お痛が過ぎると堪忍しないわよ?」
「野郎、ぶっ潰しちまえ!」
美人さんは余裕の表情をしている、まるで戦いを楽しんでいるかの様だ。群がる不良達、しかしその美人さんは剣を自在に操って悪者達を次々と切り倒していった。切られた男達が吹っ飛ばされて地面に衝突する。
「さあさ、まだ来るのかしら?」
男達は蜘蛛の子を散らす様に逃げて行った。
「あの、ありがとうございます」
「いいのいいの、当然の事をしただけだから」
「お礼ですが・・・」
「礼品はいいわ、無事だっただけでも充分よ。貴方からお礼の品を取ったり恩を着せるつもりは無いから、気持ちだけ受け取っておくわ」
男が礼をして去って行った。
「あら?」
目が合った、その美人さんは俺の下へやって来る。
「ちょっと見苦しい所を見せちゃったわね」
「いや、そうでもないさ。あんたの戦い方に目がいっちまってな」
「どなたかは知らぬが、礼品を受け付けない高潔さをみるに貴殿、只者ではないな?」
直政が彼女をつぶさに見て言う。
「うんうん、確かに、剣を浮かせてたって事は、魔術師?!」
義元、そこじゃないと思うんだけどな・・・。
「へえ、解るの、でしょう、そうよねえ、何たって私は軍神の子にして毘沙門天の生まれ変わり、上杉謙信だもの。私から溢れるオーラを察知するなんて貴方達も中々人を見る目があるじゃない?」
「上杉謙信?!」
「直政、知ってるのか?」
「うむ、越後を収める戦姫にして毘沙門天の化身と称される御仁、戦に立てば連戦連勝で強いカリスマ性と統率力を持つ」
「そんなに凄い人がどうしてここで油を売ってるんだ?」
「油を売ってる訳じゃないわ、丁度お酒を飲みたくなって街を歩いてたら貴方達と出会った。実は私はある人の下でお世話になる事になったんだけど・・・うんうん・・・」
何だ、つぶさに俺を見て来て?」
「その兜、背中の剣、いい筋肉の割に小さな体に童顔・・・なるほどね、そうそう、貴方が私の新しいご主人様ね!」
「へ、どう言う事だ?」
「鶴って言う子にスカウトされてね、ただ貴方が不在の時だったからどんな人かは口伝えで聞いてたわ。そして見てみたら・・・中々器が大きそうね」
鶴の奴、俺がいない間に人材を登用してたのか。あいつには感謝だな、なでなでするだけじゃ済まさない位に可愛がってやるか・・・。
「さあて、私達のご主人様、早速お城に帰りましょう」
「え、城って、館じゃないのか?」
「まあまあ、それは後で説明するから、さあさ、お城へゴーッ!」
謙信と言う人は俺の手を引っ張って城、と言うよりかは俺の館へ強引に引っ張っていった。イノリ達も後を追い掛けて行く。やれやれ、一体どうなってるんだろうな、俺の館は・・・。