戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
群がる敵を倒していき、俺達は高台が見える場所に来た。
「大将はどこだ!」
敵の将は伊達政宗だ。さあ、どこから出て来る。
「ふふふふふふ・・・」
高台から笑い声が聞こえる。見上げてみると、敵の大将と思しき奴、三日月の兜に、赤と黄色の瞳をした眼、腹を露出したミニスカートにニーソックスの脛あて、手には剣を持っている。
「ご主人様、もしや?」
「疼く、疼くぞ・・・!この右腕が、強い猛者を求めて疼いている!」
「は・・・?」
こいつ、何を言っているんだ。右腕が疼くって・・・。
「今日も俺様の剣が血に飢えている。貴様の血をすすりたいと騒いでいる!」
まさか、中二病って奴なのか。しかも高台から岩を踏みつけての登場って、いかにも目立ちたがりか中二の奴がやりたがるようなやり方だな。
「現れたな、世良田信道よ!俺様が伊達軍の最強最後の将、独眼竜政宗様だ!」
「そして私が鬼の軍師、片倉小十郎!」
お、取り巻きみたいな奴もいるな。いかにもあの政宗にべったりって感じだな。
「貴様の事は聞いている。天下を我が物にしようとしているそうだな!」
政宗が剣を突き付けて言う。台詞から見ても高圧的って感じだな。その匂いがプンプンするぜ。
「だが、天下を取るのは貴様ではない、この政宗だ!」
「へえ、何でそう言い切れるんだ?」
「それは、こういう事だ!」
こいつ、飛びかかって来たな!すんでの所でこいつの剣をかわした。
「危ねえ・・・」
「まだだ!」
政宗の突きが横を掠った。こいつ、やる気満々か。政宗の剣をかわしていきながら剣を一振りする。
「甘いわ!」
政宗はジャンプして蹴りに出る、俺は肘でこれを防ぎ、つばぜり合いになった。
「お前、中々やるじゃん」
「天下を取るのはこの政宗様よ!貴様は俺様の大望の生贄となるのだ!貴様を倒し、その血を浴びて無上の喜びを手にする!」
「さすが政宗様、カッコいい!」
取り巻きの小十郎がジャンプしてるな。かなり政宗って奴に、何て言ってる場合じゃないな。政宗の切り裂きをかわしていき、あいつの懐に入り込んで投げ飛ばす。
「どうした貴様、本気を出せ!」
「女の子相手にムキになるのは大人気ねえだろ?」
「それは挑発か?いいぞ、気に入らん、一切の情もなく貴様を切れる!」
政宗と切り合いを繰り広げていく。
「信道~!」
「何だ!」
謙信の声が聞こえて来た。振り向くと遠くから手を振っている。
「もうすぐよ、もうすぐで産まれるわ!」
「何、産まれる?!景勝が?!」
「そうよ、もうすぐで産まれるの、赤ちゃんのためにも絶対に勝つのよ!」
「解ってるよ、おわあ!」
政宗の剣をかわして一振りしてやる。
「どうした、ほんの少しの油断が命取りになるぞ?」
「うっせ、子供が生まれると聞いたら黙ってるわけにはいかねえだろ?」
「ほう、貴様の子か?だが残念だが貴様は己の子を見る事なく俺様の剣に血を吸われるのだ!」
「敗けるかよ!」
「信道~、もうすぐ、もうすぐよ!」
謙信、頼むから今はこいつとの戦いに集中させてくれ。
「貴様は俺様の天下に敗者として刻まれるのだ!」
「そうはいくかよ、俺だってあいつらと約束したんだ!」
つばぜり合いにとなり、凌ぎを削っていく。他の奴等が頑張ってるんだ。ここで膝を付くわけにはいかねえぜ!
「信道~!」
「今度は何だ!」
「産まれたわよ~っ!」
「何?!」
産まれた、景勝が産んでくれたのか。
「ご主人様!」
ああ、イノリ、やる気が上がったぜ、この勝負、勝ちだ!
「うおりゃあ!」
「何い?!」
剣を弾いて、政宗の腹に拳を叩き込んだ。
「ぐはあ、貴様!」
政宗の両手を握って動きを止めさせると地面に転ばせた。
「きゃあ、く!」
政宗の眼前で拳を突き出す、けど殴るのではない、おでこにデコピンを食らわせてやった。
「な?!」
「ま、政宗様?!」
「はい、俺の勝ちな。さあて引き上げるぞ!」
「信道様、はい」
これで勝負はついた。さあて、産まれた我が子を見に行くか。
「待て!」
「あん、何だ?」
政宗が俺を止める。やけに気に入らなさそうな顔をしてるけど。
「どういうつもりだ!」
「言っただろう、俺の勝ちだって」
「ふざけるな、あれで貴様の勝ちだと、俺様を馬鹿にしているのか!」
「してねえよ、あまり追い詰めるのも可哀そうだろ?」
「それは俺様への侮辱か?何故止めを刺さない、女だからと侮っているのか!」
「俺は、女を無闇に傷付けないんだよ!それだけだ!」
うん、こいつ、何か一瞬・・・。いや、今はまず、産まれた我が子の顔を見に行かないとな!
「景勝!」
陣屋に戻り、布団で我が子を抱えている景勝と会う。
「ご主人様・・・」
「産まれたのか?」
俺の言葉に景勝は微笑を浮かべて頷いた。
「はい、玉のように可愛い女の子が・・・」
抱いている我が子を俺に寄せる。壊れないよう優しく抱えて俺を見る可愛い赤ん坊を見る。
「可愛いな、こいつ・・・」
赤ちゃんを見るのはこれで二回目だ。信乃も可愛かったがこいつも別格の可愛さだな。
「白い髪に白い肌、お前の血を継いでるな」
「ええ、私そっくりで嬉しい限りです」
「はあ、やっぱ可愛いよな・・・イノリ、信乃にも合わせてやってくれないか」
「はい、さあ、信乃、この子が貴方の妹よ」
イノリに抱かれた信乃が妹と対面する。
「う、うう!」
はしゃぐ息子が妹に手を伸ばしている。妹は、ああ、消極的だな。俺に抱き着いて離れようとしてる。
「たあ、たあ!」
「ふふ、信乃ったら嬉しいみたい・・・。信乃、貴方はお兄ちゃんになったのよ」
「定勝、お兄様とも仲良くするのですよ」
「定勝?」
「はい、この子の名前です」
「そうか、定勝か、いい名前だな」
「信道様、どうかこの子を慈しみ、大事に育てて下さい」
「綾さん、もちろんだ。定勝、ととはやるぞ!」
定勝がかすかに笑っていた。こいつと信乃のためにも頑張らないとな。