戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「それじゃあ言って来る」
馬に乗って謙信、綾さん達に言う。
「ご主人様、どうかご無事で・・・」
イノリが信乃を抱いて心配そうにしていた。
「心配すんな、俺はやられねえよ」
「でも、この子の事を思うと・・・」
「ああ、けどあいつには勝ったんだ。また俺を襲ったとしても返り討ちにしてやる。大丈夫だぞ信乃、ととは強いからな」
信乃の頬をつつくと信乃が可愛く笑った。心配せずこの笑顔、きっと大丈夫さ。
「景勝、すぐに戻って来るからな」
「はい、無事を祈っています。さあ、定勝、とと様に挨拶を」
俺が小指を出すと定勝が強く握ってくれた。行ってらっしゃいと言ってくれているように感じた。
「まあ、貴方の事だから大丈夫と思うわ」
「ですが相手は独眼竜です。お気を付けて・・・」
「ああ、それと・・・」
村正はまだ寝ているんだった。きっと俺を心配して血相を変えてでも行くと言うだろう。けど、誠意を示すには一人で来る必要がある。村正はそっと寝かせておいておこう。
「じゃあ、行くぜ」
馬首を翻して俺は小十郎と一緒に政宗のいる仙台に向かった。
「いや~、お誘いに乗って下さるなんてさすがは信道様です」
「で、俺を連れて何をするつもりなんだ」
「そう強張らずに、私達は貴方様を歓迎したいのですよ。貴方のようなお強い方を味方に引き込みたいのです」
「つまり、俺達の仲間になるって事か?」
「もちろん、そのために親睦を深めようと思い、お招きするのです」
味方にか。一応、伊達も俺達の仲間になって・・・いや、あの中二っぽい政宗の事、何か企んでいると考えた方がいいな。そう考えている内に俺達は仙台に到着した。城下に入って馬を進めた。
「どうです、政宗様の仙台は?」
「ああ、街の皆が笑顔だな」
「そうでしょう、政宗様は民想いのお方。米と味噌が美味い最高の城下ですから!」
小十郎が元気よくハキハキとして主人の事を語っている。相当、政宗に惚れ込んでいるみたいだな。
「うん?」
「おや、何でしょう?」
目の前を見ると店で派手な衣装を着た男達が老人を取り囲んでいるな。
「おいじじい、打ち水をかけたせいで袴が濡れただろ!」
「堪忍してくだせえ、わざとやったのではねえのです」
「おいこら、俺達を政宗様の側近だと解ってやってんのか?」
おいおい、袴に水をかけられたからって。それにあいつら政宗の側近と言ってたな。
「あいつら、何て事を!」
小十郎が怒って馬を進めようとすると。
「おい貴様等!」
この声、男勝りな口調、政宗だ。腕を組んで仁王立ちして側近達を睨んでいた。
「げ、政宗様?!」
「寄ってたかって、ご老人に何をしている?」
「い、いや、このじじいが袴を濡らして・・・」
「袴?」
政宗は衣装をつぶさに見ている。そして口を開いた。
「貴様達、俺様が言った事をもう忘れたのか。華美な衣装は控えろとあれほど言っておいたはずだぞ!」
「で、ですが政宗様も結構・・・」
「たわけ!あれはパフォーマンスだ!武士たるものは整理整頓、規則正しい生活を心がけねばならん、見れば貴様等、袖や袴のが着崩れしている。不規則は心の乱れだ。だから年寄りに乱暴を働くほど心が荒れるのだ。いますぐに謝れ!」
「ひいい、すいません!」
側近達は老人に謝って城に戻っていった。何だ、ただの中二野郎かと思ってたけど、出来てる奴じゃん。
「どうも、ありがとうございます」
「すまんな、俺の家来が無礼な振る舞いをして、お前達老人はいい教訓を話してくれる。労わってやらねばな」
「政宗様!」
小十郎が馬から降りた、俺も降りる。
「小十郎、連れて来たようだな」
「はい、この通り、バッチリ連れて来ました!」
「でかした、さて、現れたな世良田信道」
「ああ、来てやったぜ。で、また俺に勝負を挑むのか?」
俺が言うと政宗は薄笑いを浮かべて言う。
「そうではない。お前の強さは先の戦で存分に知った。だからお前を歓迎しようと思ってな」
「歓迎・・・」
「まあ、ここではあれだ。俺様の城に来い。お前のために膳を用意してある。お前をたっぷりともてなしてやろう」
政宗に言われた通りに俺は政宗の城に入った。
「さあ、歓迎の宴だ。一献付き合え」
歓待の催しが行われて政宗が器を俺に向ける。
「悪いけど、俺は酒は飲まねえぜ」
「安心しろ、この仙台で取れる水だ」
水、それなら安心だな。
「俺様が飲んでいる水はただの水ではないぞ。延命長寿に繋がる水だ」
「長生き出来る水なのか?」
「ああ、温厚篤実にして経験豊富な好々爺達から聞いたのだ。あの者達から話を聞くのも実にいいぞ、学び得る物も多かった。さあ、前置きはここまでにしてまずは一杯」
「おう」
水で一杯飲むと小十郎が膳を運んで来た。
「お待ちしました政宗様、さあまずはこちらをお召しになってください」
白い麺、そうめんか?麺類を持って来たか。
「ほう、最初の膳がこれか。世良田信道、お前は運がいいな。手始めに温麺を食せるのだからな」
「温麺っていうのか。これってそんなに特別なのか?」
「ああ、小十郎がお前のために自ら打って捌いた温麺だ。味もさぞや美味であろうな。さあ、食せ。遠慮はするな」
「おう、頂くぜ」
(おい小十郎、これで上手くいくのか?)
(もちろんですよ、男は胃袋で掴めと言うではありませんか。幸い、政宗様は自ら台所に足を運んで膳を作られるほど料理に精通しておられるお方。贅の付く料理でもてなして我等の関心を買うのです)
何か話しているみたいだな。けど、あまり触れない方が良さそうだな。政宗が出す膳に舌鼓を打った後、俺は政宗の部屋に呼ばれる事になった。