戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
鶴が言うには信玄は北条を見事に攻略し、信長は斎藤道三を味方に引き込み、その後、足利を牽制していた秀吉の元に駆け付けてこれを撃破、義元も徳川家康を味方に引き入れたのだと。
「全員、上手くいったんだな」
「ええ、皆、成功よ」
「ありがとな、皆」
俺が東北に行っている間、他の皆も頑張ってくれた。信長達に礼をした。
「礼を言うのは早いぞ。天下を取ってから言うべきだな」
信長が薄笑いを浮かべて言う。
「そうは言っても礼はしておいた方がいいだろう」
「別に君の為って訳じゃないんだからね」
蘭丸が両手を頭にのせてからかうように言った。
「謙虚な奴だ、天下の主になるのだから、少しは傲慢になってもよいのだぞ?」
「そうよ、仮にもあたし達を従えているんだから、ねえ?」
信玄の奴、もうおちょくっているな。まあ、そこがいいんだけど。
「で、鶴。味方に参加する奴等は来てるか?」
「ええ、今ここにいるわ。来て」
鶴が言うと信長、義元達が味方にしたであろう姫達が歩いて来た。
「貴方が天下を取ろうと言うお方ね。斎藤道三よ、貴方の力になってあげるわ」
「わしは徳川家康、ほう、これは見るからに筋骨隆々な若者よ。精もかなりある、よかろう、お主の天下を見届けてやろうではないか」
道三と家康が俺に恭順の意思を示してくれた。
「それから、秀吉さん、貴女も」
鶴が言うと角を何本も生やした兜に団子状に結った金髪に胸元と下の部分を隠した刀を持った少女が現れた。こいつが秀吉か。
「猿、こいつが世良田信道、我等の主で天下の覇者になる男だ」
「ほほう、貴方が世良田信道様ですか。見た目山賊の頭って感じがしますね」
秀吉が俺をつぶさに見て言う。
「おいおい、山賊の頭はねえだろ・・・」
「だって見た感じそうじゃないですか。鬼の頭の兜に素足に肌を露出した姿で・・・」
「お前に言われたくはねえけどな」
「な、貴方とは違うんです、まさか私をそんな目で見てるんですか!」
「ああ、見てるかよ」
「わあ、野蛮人ですね」
こいつ、可愛い顔して結構な毒舌だな。
「こら秀吉!」
「げ、ねね?!」
「新しい主様に失礼でしょう!」
そう言って現れた奴、あれ、こいつは・・・。
「あら、貴方は?!」
そいつも俺に気付いて目を輝かせる。茶色のショートヘアーにキラキラした瞳、黄緑と白を基調とした露出の高い恰好、間違いない、こいつは。
「お前、ねねか?」
「そうです、私ねねです!覚えていてくれて嬉しいです!」
そう言ってねねは眩しい笑顔を俺に見せた。こいつとはイノリと結婚したばかりの時に偶然出会ったから、かなり久しぶりになるな。
「ねね、この男を知っているのか?」
信長がねねに聞いて来る。そう言えば秀吉は信長の家来だったな、ねねの事も知っているんだろう。
「はい、このお方はねねに親切にして下さいました。お金に困ってぬいぐるみを売っているねねのために買って下さったのです」
ねね、あの時の事を覚えていてくれてたんだな。俺も忘れちゃいないけど。
「ねねに優しくしてくれてたか。私もこいつの事は気に入っている。猿に代わって礼を言うぞ」
「いや、そこまでの事でもねえさ」
「へえ、ねねのためにねえ、まあ礼ぐらいなら言っていだだ!」
ねねが秀吉の頬を抓っていた。
「秀吉、これから主になると言う方にその口の利き方は何ですか?」
「だ、だってこいつねねに何かしたんじゃないかと思って・・・」
「信道様がそんな事する訳ないじゃないですか。ごめんなさい、信道様、うちの馬鹿秀吉が余りにも無礼過ぎて・・・」
「いや、はは・・・そう気にしちゃいないからさ。許してやれよ」
「いいえ、秀吉は調子に乗りやすい性格ですから厳しくしてあげないといけないのです」
思っていた通り、秀吉には厳しいみたいだな。完全に尻に敷かれていると言った感じだな。
「ですが恩人である方にこうしてお会い出来て嬉しいです。これからよろしくお願いしますね」
「おう、よろしくな」
「ね、ねね~」
秀吉がうるうるしているな。嫉妬心を抱かれなきゃいいけどな。
「そうだ信道様。実はねね、娘のように可愛がっている子がいるのです」
「へえ、親子じゃないけど、実の子みたいにか?」
「はい、少し短期ですが根はいい子で、正則~」
正則、何か聞いた事のある名前だな。確か・・・。
「おねね様、主様とはどんな・・・」
「あ・・・」
「あーーーー!!!」
目が合ってすぐそいつは怒りの形相で叫んだ。イノリと直政も覚えているのか驚いている。忘れもしない、こいつは・・・。
「あんた、あの時のあいつ!」
「ああ、確か、船頭を殺そうとしてた危ない奴」
「何だとこの野郎、馬鹿野郎、あの時はよくも私に屈辱を味わわせてくれたわね!」
「おいおい、逆恨みかよ・・・」
「ここで会ったが千年目、ぶちのめしてやるわ!」
正則が槍を構えたが、
「正則、止めなさい!」
ねねが止めに入った。
「おねね様?」
「正則、親切なお方に乱暴してはいけません!」
「でも、こいつはいたいけな乙女の私を・・・」
「おいおい、どこがだよ・・・」
「んだと?!」
「正則、気を鎮めなさい。信道様への乱暴は許しません、いいですね」
「ぐ、は、はい・・・」
ねねにめっと言われて正則はようやく矛を収めた。
「正則、どうか信道様と仲良くしてあげて下さいね」
「う、い、幾等ねね様でもこればかりは聞けません・・・おい、この馬鹿、おねね様があんたみたいな野蛮人に何で心を開いているかは解らないけど、何か媚び諂ったりとかしたの?」
「は?する訳ねえだろ、ゴマ何んか擦ってねえし!」
「ふん、どうだか。まあいいわ、今回は収めてあげるけど絶対にぶっ飛ばしてやるんだから。あんたのいいなりには決してならないわよ!それは覚えてなさい!」
そう言って正則はズカズカと去っていった。やれやれ、相変わらずだな。
「もう、正則は・・・。ごめんなさい、信道様、あの子は短気で喧嘩っ早いのですが、根はいい子なのです。どうか気を悪くは・・・」
「解ってるさ。気にしてねえからよ」
「さすが、お優しい方です。よろしくお願いしますね」
ねねがニッコリと笑った。取り合えず、今後の事はじっくり考え今は休むとしよう。
「ふう」
風呂場に入って背中に湯を掛ける。湯の温もりが気持ちいいぜ。思えば遠征で風呂に浸かるなんて無かったからな。久々の風呂にリラックスした気分になる。
「ご主人、入ってる?」
戸から鶴の声が聞こえて来る。
「ああ、いるぜ」
「背中を流したいけどいいかしら?」
「うん、別にいいけど?」
「ありがとう、それじゃあ、失礼します・・・」
そう言って布を巻いた鶴が入って来た。布に泡を塗って俺の背中を洗いながら語り掛ける。
「ご主人、奥州攻略、お疲れ様よ。よく頑張ったわ」
「ああ、ありがとな」
「ご主人はいつも頑張っているから、何かしてあげないとね」
「それで俺の背中を流そうって思ったんだな」
「そうね」
「状況を見ると、東北と関東、中部に近畿は、俺達の元に収まったって感じだな」
「ええ、これで残るは、北九州の立花道雪と中国地方の毛利元就よ、この二人を攻略すればご主人の天下になるわ・・・」
そう話をする鶴、けど、微かに元気が無いのを感じる。
「どうした、何か元気が無さそうだけど・・・」
「ご主人、私が初めてご主人に会った時の事、覚えてる?」
「ああ。忘れる訳ねえだろ」
鶴と初めて出会ったのは花の都だったな。その時の事を鶴は話した。