戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
城に帰還して数ヶ月、久々に皆と訓練をする事にした。西国への遠征に向けて今一度鍛えておかないとな。俺もそれなりに強いけど、油断は禁物だ。並みいる姫達を相手にしては勝利していった訳だが、
「りゃあー!」
槍を俺に目掛けて振り下ろして来る奴がいる。
「よっと!」
槍を掴んでそいつをぶん回した。
「くー、もう一回!」
尻餅を付いて歯ぎしりしている奴、福島正則だ。あの船の事件以来、俺に対してやたらと対抗心を抱いている。今日の訓練でも俺が相手なのかかなりの力の入れようだ。
その力の根本は、俺に対する敵意怒りだな。再会してからも俺に対して敵意むき出しだった。
『今に見てなさいよ、あんたなんかすぐに追い越して泣きっ面を見せてやるんだから!』
俺を睨んでそう言ったのを未だに覚えていいる。まあ、俺は一応大人だからあいつに何を言われたとしても気にはしないけどな。
「やあー!」
突きに出たな。槍の柄に乗って回し蹴りを振るう。
「うげ!」
バランスを崩して後ずさりをする。俺はバック転して着地した。
「信道様~、流石です~!」
高虎がボンボンを持って応援してるな。今の訓練で俺を熱心に応援しているのはあいつだけだ。まあ、あいつは俺の事を凄く好きでいるから。もちろん、俺のあいつの好意を嬉しく思い、可愛いと思ってる。高虎の方を振り向いてはにかんで見せると高虎がうっとりする。
「隙あり!」
正則が突きに出たな。
「おっと!」
すらりとかわして槍を掴んで正則を引っ張って眼前まで来させたところで剣を首に当てる。
「く!」
「はい、俺の勝ちだな」
そう言って正則にデコピンをしてやる。
「ちょ、何よそれ、あたしを馬鹿にしてるの?!」
「何だよ、訓練なんだから傷が出るような事になったらまずいだろ?」
「何ぬるい事言ってんの馬鹿、そんなのが訓練な訳あるか!だいたい、あんた手加減してやってるでしょ?」
「そうかあ、俺は割と本気だけどな。お前から見たらそうなるんじゃねえの?」
「ぎいい、前々から気に入らないと思っていたけれど、やっぱし気に入らない!」
そう言って槍を振り回して来る。俺は笑いながらかわした。
「こいつ!避けてないでかかって来なさいよ!」
「ハハハ、瞬発力を鍛えるのも大事な訓練さ!」
「おやめ下さい!」
高虎が止めに入った。
「貴女は信道様にきつく当たりすぎですよ。何故にこうも乱暴するのですか!」
「はあ、こいつの方が乱暴でしょ。見るからに山賊みたいな恰好をしてるし」
「信道様は山賊の頭ではありません、とても優しくてカッコいい方なのです!」
「あんた、こいつのどこがいいと思ってんの?」
「信道様の事は全部大好きなのです!信道様の童顔とか肌の色、露出の高い衣装、白くてきれいな締まった太腿も、体の匂いも、私の事を可愛いと言ってくれるお声も全てです~!」
「・・・・・・・」
めっちゃ必死な顔をして俺の魅力を力説しているけど、正直、恥ずかしいぜ。高虎、それは人前では言わないでくれよ。廻りの皆もドン引きしてるじゃないか。
「ちょっと、惜しげもなくそんな破廉恥な事、マジで引くわ・・・」
正則が軽蔑したような顔で俺達を見てるじゃねえか。
「何か聞いてるこっちが恥ずかしくなりますよね、信長様・・・」
「ああ、正直、聞いていい気にはならんな・・・」
「あらあら、大胆な子ね・・・」
蘭丸と信長は呆れている。対して直虎はニヤニヤと笑っていた。
「高虎、そういうのは人前で言うもんじゃ・・・」
「いいんです、私の全ては信道様、今は貴方しか見えていません!」
そう言って俺の腕に抱き着いて頬ずりして来る。
「おいおい、皆が見てる中で・・・」
「いいではありませんか、見せつけて差し上げましょう。私には、もう貴方だけ、信道様しか見えません、二人だけの世界です・・・」
ああ、こいつはもう何言っても通じないな。訓練の間、皆から刺すような視線を受けたのは言うまでもない事だった。
訓練が終わり、休憩に入る。縁側を歩いていると、
「あ、信道様!」
テクテクと歩く小動物のように可愛らしい子がいた。秀吉の元にいるねね、俺がまだイノリと小さな庵で暮らしていた時に出会った、ぬいぐるみを買ってやった以来の出会いだ。
「よう、ねねじゃねえか」
手を振るとねねが可愛らしく微笑んだ。
「訓練お疲れ様です、はいこれ!」
ねねがたれのたっぷり付いた団子を差し出した。
「甘味で疲れが癒されますよ、どうぞ」
「ああ、ありがとな」
団子を頬張って味を楽しむ。
「信道様、驚きました。天下を掴もうと言う志をお持ちの方が、ねねに優しくしてくださったお侍様だったなんて・・・」
「俺も驚いてるよ、こうしてお前と再会出来てさ。秀吉とは仲良くやってるか?」
「はい、時々、怒りたくなったり突き放したくなる時もありますが・・・」
「相当、悩んでるみたいだな」
「ええ、相変わらずずぼらでお菓子の盗み食いはするし未だに豪ちゃんに対して親ばかぶりを見せるしで、怒りたくなる時もあるのです」
「そうか、けど、やっぱり放っておけないくらい大事なんだろ」
「はい、そうですね。それで、信道様・・・」
「何だ?」
「正則が信道様にご迷惑をお掛けしていないでしょうか?」
ねねが正則の事を俺に聞いて来る。やっぱり心配していたみたいだな。
「別に、気にしちゃいないさ」
「申し訳ございません、正則ったら信道様に対してずっと刺々しい態度を取って、私があの子に代わってお詫び申し上げます」
「いいんだよ、謝らなくても。めっちゃ悪い事なんかしてねえんだし」
「いえ、信道様に対して失礼な事をしていないかねねは心配で、あの子は本当は情に厚くて気の優しい、いい子なのです」
確かに、見る感じ短気で気が強いけど、そんなに悪い奴じゃないしな。単に怒りっぽいだけだろう。
「解ってるさ。あいつがどういう奴かくらい、だから気にすんなよ」
ねねの頭を優しく撫でてやる。
「とと~」
「うん、お、はいはい出来るのか?」
ねねの後ろを見ると息子の信乃が床を這って俺の元に進んでいる。
「よ~しよし、ととが来てやったぞ」
息子を抱っこして頬を擦れ合う。息子も嬉しそうだ。
「信乃、あら、ご主人様」
「イノリ、信乃の奴、もうはいはいが出来るようになったのか?」
「はい、それをお見せしようと思ったのですがこの子ったら急に這いずりだして」
「そうか、成長が早いな」
「信道様、この子も・・・」
「景勝、そうだな」
景勝もやって来た。もう一人の子供、娘の定勝を抱きかかえている。
「ああ、おいで」
定勝を信乃と一緒に抱きかかえてやる。信乃がほほをつつくと定勝が手を叩いて喜んでる。初めての時は消極的だったけど、最近は仲良くしているみたいだ。
「まあ、お子様がいらっしゃったんですか?」
「ああ、二人とも、俺の子だ」
「ねねも抱っこしていいですか?」
「ああ、いいぞ」
定勝を差し出そうとしたけど、人見知りが凄いのか泣きじゃくって俺から離れない。信乃をねねに差し出した。
「わあ、可愛いですね。瞳と髪の色が信道様そっくりですね」
「ああ、それに化け物相手に怖がらないくらい肝が太いぜ」
「そうですか、この子はきっと強い子になりますね」
ねねが高い高いすると信乃が嬉しそうにはしゃいだ。この子達が幸せに暮らせるように頑張らないとな。