戦姫コレクション チートな勇将に転生してイチャラブな旅 作:たくと七星
「はあ、たく・・・!」
福島正則がふくれっ面をして歩いていた。それもそのはず、因縁の相手である男との訓練ではこっぴどく負かされたからだ。悔しさと怒りで歯ぎしりをしてしまう。今度会った時はどうやって返り討ちにしてやろうかと考えていた。
「あら、正則?」
縁側で歩いていると実の母のように慕うねねと会った。
「おねね様!」
先程の不機嫌な顔はどこえやら、実母のように慕う彼女の前では笑顔になる。
「どうしました、やけにご機嫌斜めでしたけど?」
「いえ、訓練がきつかっただけですよ」
表では笑顔にふるまってはいるが内心ではあの男のせいだと呟いていた。
「正則、はい、お団子ですよ」
ねねが団子を正則に差し出した。
「あ、ありがとうございます」
団子を受け取って一口頬張る。
「正則、何か不満でもあるのですか?」
正則が何を考えているのか見透かしているようにねねが言った。
「ふ、不満?まさか、そんな事ありませんよ!おねね様は心配のし過ぎですって!」
「いいえ、絶対不満を抱えています!」
テクテクと歩いて正則の顔を覗き込んだ。
「正則は小さい頃から気持ちが顔や態度に出やすいです。そのお顔から察するに、信道様の事ですね」
「う・・・」
見破られてしまった正則は自分が思っている事を母のように慕う少女に言った。
「思う所があるのです、おねね様はあいつを買い被りすぎませんか?」
「買い被る?何故です?」
「だって見るからに野蛮で乱暴そうだし、山賊みたいな奴をどうしてこうも信用するのですか?」
「山賊だなんて、失礼ですよ。仮にもあのお方は天下を取られようとしているのですから、身なりもいずれ変わります」
「でも、あいつは私の事を乱暴して・・・」
「その事も信道様から聞いています。あれは正則がいけませんね」
「ぐ!」
あいつ、おねね様に余計な事を喋って、と歯ぎしりをしてしまう。
「正則、また顔に出てますね」
「あ・・・」
怒り顔をねねに見られて思わず頭を掻いてしまう。
「正則、あのお方も、ああ見えて心の優しいお方です。秀吉のためにお金を稼いでいたねねのためにぬいぐるみを買って下されました。ねねはすぐにいい人だと理解しました」
「でもそれはただ欲しかったからでは?」
「いいえ、困っているねねのために買って下さったのです。正則、貴方もいつかあの人の良さを解る時がきます」
信道の寛大さをいつか知る時が来る。ねねは娘のように可愛がる彼女に言った。
「はあ、あいつの良さね・・・」
ねねと別れた後、腕を組みながら歩いている。
「うん?」
障子からはしゃいでいる声が聞こえて来る。気になって少しだけ開けてみると・・・。
「だ~!」
「さあ、大将信乃が通りますよ~!」
正則にとって気に食わない相手の男、信道が息子の信乃と娘の定勝を背中に乗せて馬の役を演じていた。父親の背中の上で二人の子供が笑っていて、母親達が笑っている。
「・・・・・・」
静かに障子を閉めて溜め息を吐いた。
「呆れるぐらいの子煩悩じゃないの、馬鹿馬鹿しいわ・・・」
天下統一も総仕上げだ。東北から近畿までは全てが俺達の勢力圏となった。これで残るは北九州の立花道雪と中国の毛利元就の二人、この二大名を倒すか仲間に加えるかで全てが終わる。
無論、俺としては二人とも仲間にして共存出来る道にしたい。だが二人ともかなりの強敵だ。肩や雷神の異名を持つ猛将、そしてもう一人は智謀に長けた知恵者、一筋縄ではいかないだろう。でも、俺の腕を持ってさえすればきっと勝てる。
遠征には俺とイノリ、昌信、豪、直政、直虎、高虎、鶴、秀吉軍、島津軍が北九州に向かい、そして武田、徳川、斎藤、長宗我部が四国を拠点に俺達の攻略を待ちながら毛利に睨みを利かせる事になり、織田と上杉が城の留守を務める事になった。
「村正、入るぞ」
「信道様」
遠征前、居間にいる村正に声を掛ける。そう、あいつの腹には・・・。
「大きくなっているな」
「はい、中でよく暴れているのを感じます・・・」
微笑んでお腹を摩る。そう、村正は子供を身籠っているんだ。
「どうだ、楽しみか?」
「はい、本当に授かるとは思ってもみませんでした。産まれて来る我が子をこの手で抱き締めて、信道様にもお見せしたいです」
村正はそう言って俺に微笑んだ。
「貴方、私のお腹も見て」
「おい、俺様のも見ておけ」
義元と政宗もお腹を見せる。二人も俺の子を孕んでいたのだ。お腹の調子を考えて三人は城に残す事になった。
「義元、可愛い赤ちゃんが産まれるといいな」
「そうね、きっと貴方と私のいい所を継いだ可愛い子が産まれて来ると思うわ」
「俺様とて敗けてはおらんぞ。今にどの子等よりも強い子になるだろうな。そして行く末は・・・ふふふ」
二人とも、産まれて来る子供を楽しみにしている。俺も楽しみだ。早めに戦を終わらせて産まれて来た我が子を拝んで見せるぞ。