園子との情事が終わってから二日が経過した。
あの後、俺と園子は普通にシャワーを浴び、身を寄せ合うようにして眠った。
暖かさと充足感に満たされながら、次に目を覚ました時にはすっかり朝だった。
「……ぁ、おはよ~」
「おはよう、園子。起こしても良かったのに」
「それは勿体ないよ〜」
起きた時に再び手錠を掛けられる事はなかった。
隣に寝転がる少女は、大きな瞳を和らげて人差し指で俺の髪をくすぐる。
園子の瞳に昨日のような狂喜はなく、わずかに照れ臭そうな笑顔を向けてきた。
それから4日が経過した。
園子に監禁されるという事もなく、普通に学生として過ごす日々。
部活動という名のボランティア活動で人々に感謝され、友人たちと仲良く過ごす。
前世では得る事が出来なかった、平凡で、温かみのある日常。
最近は雨か曇りが多い今日この頃ながらも、学校生活には支障などない。
その大切さを俺は教室の隅、窓の外の景色をぼんやりと見ながら感じていると、
「亮さん」
「……ん、どうした?」
昼休みの喧騒の中で俺に話しかける声。
やや低い声、振り返ると見知った紳士の一人である俺の友人が歩いてくる。
制服を身に纏い、やや長い黒髪と鮮やかな瞳の奥に確かな知性を感じさせる少年。
彼は俺の隣、教室の窓の縁に腰を預ける。
その佇まいに無駄はなく、行為の一つ一つが洗練された動きとなっている。
「亮さん、――スク水ってどう思う?」
「え?」
「ん?」
しかしながら、彼もまた俺に見初められた変態の一人だ。
以前から、それこそ俺は友奈と同じ小学校に転入した時から友達作りをしていた。
それは四年生までは、悲しいことに園子以外には友達が出来なかった教訓からだ。
同時に俺は前世での苦しみを忘れずに、ある基準を設けて友人を選別する事にした。
極力裏切られるリスクを減らすため、弱みを握れ、それでいて有能な人材を選んだ。
そんな臆病とも言われかねない人脈作りだったが一定の成果は存在している。
それはともかくだ。
紳士の一人から唐突に振られた話題に戸惑いながらも考える。
「スク水か……、それってあの学校のプールで女子が着る奴だよな」
「当たり前だろ」
「それで、どう思うか……か」
この学校、讃州中学校の体育の科目では選択に水泳か陸上の二つがある。
暖かい季節になると生徒の意思で選択する事が出来る選択科目なのだが、やはり陸上よりも様々な理由で人気であると言うべきか、水泳を選択する人が多いというのが現状である。
「まあ、そうだな。学校指定でありながら、日々成長していく女性らしさを主張する曲線を主張させているのは一種の美なんじゃないかと思うが……」
「うんうん、そしてあのお尻の食い込みを直す時の仕草が堪らないんですよ」
「それで……自分の妹にでも着せるのか?」
「いえ、義姉に頼み込もうかと」
「はぁ」
「あれ、亮さん。いつになくテンション低いですね。夜の奇術師の名が泣きますよ」
「……おい、その名前で呼ぶんじゃない」
「最近は三刀流になったらしいっていうのは本当ですか?」
「次その話をしたら、お前のアレを暴露するぞ」
「それは止めてください」
学校内どころか、この市内全域にすら広がりだした嬉しくない二つ名。
噂に尾ひれが付き、都市伝説のような存在になりだした名前とは関わりたくない。
小さく睨み付け真顔で隣の少年が口を閉ざしたのを確認しながら、再度俺は口を開く。
「……まあ、なんだ、スク水は確かに良いかな? とは思うけど、単純に俺はビキニとかの露出多めの方が好きだなって」
「――まあ亮さんってお腹フェチなところありますもんね」
「そう……かな」
確かに少女の健康的なお腹の柔らかさや弾力、手触りは好きだと言える。
それだけではなく、行為の最中に下腹部を撫で回し子宮に外から刺激も与えられる。
ところが隣に佇む美麗な造形の少年は、会話を聞く限りスク水>ビキニという考えだ。
「そんなにスク水が良いのか?」
「例えば、水着っていうと温水プールとか海って印象じゃないですか」
「まあ、そうだな」
確かに言われるとその通りだろう。
夏になると平和ボケした箱庭の住人たちは浜辺を水着で海へと駆け走る。
勇者部でも実際に海へ行った事があり、そういう印象は強いと感じられる。
「でも、想像してみて下さい、亮さん。家の風呂場で水着を着た少女を……」
「……ふむ」
「普通なら見る事すら出来ない、禁断の光景を……」
「……、――!」
想像するまでもなかった。
俺は紳士だが、いつの間にか固定概念に囚われていたのかもしれない。
風呂場とは裸とタオルがセットと思い込んでいたが、それだけではないかもしれない。
いつの間にか思い込みが激しくなっていたのかもしれない自分。
この新しい人生の中で少しずつ初心が薄れ、環境に慣れてしまったのか。
そんな俺に、紳士として大事な事を隣の優男はスク水という話題で示してくれたのだろう。
「ありがとう」
「いいえ、良いですよ、亮さん」
「じゃあこちらからも話題を提供しよう。――裸エプロンって着衣に入ると思うか?」
「いや、あれはもう着てないような物じゃないですか」
「だよなぁ、こういう制服で……、というのがやっぱり良いよな」
「まあ、そうですね……おっと、じゃあ失礼します」
「おお」
紳士の雑談を終え、去っていく優男。
教室から出ていく少年と入れ替わり、ツインテールの少女が近づいてくる。
自信に満ち溢れた姿ながら、完成型勇者の少女は真っ直ぐにこちらに歩いてきた。
「どうした、夏凜?」
「私って今、風や東郷から料理習っているじゃない?」
ここ最近、ようやく夏凜も自炊の道を進み始めた。
以前から夏凜の食生活は偏りが見られていたが、最近は食生活にも気を使っている。
もともと努力を惜しまない性格なのか、着々と上達していっている状況である。
「ああ、そうだな。俺も何か教えようか? というか、今度遊びに行っていいか?」
「いいわよ……っと、もうすぐ授業ね」
そうこうしている内に昼休みは終わった。
チャイムが鳴り響き、そそくさと自分の席に戻るとすぐに授業が始まった。
午後の授業が進む中でふと東郷の方に視線を向けると、気づいたのか小さく微笑んだ。
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鼻歌が唄う人物の機嫌を教える。
目の前の彼女はエプロンを着用し、黙々と調理をしている。
「――――」
彼女を一言で称するならば、可愛いではなく美麗と称するべきだろう。
純白の肌、形の良い耳を見せるように時折髪を指で上げる仕草は艶めかしい。
「……? 亮くん、味見する?」
彼女が差し出したスプーンに載っているのは餡子だ。
ぼた餅を構成する為の重要な要因であり、彼女が作るそれは一級品と言える。
当然、躊躇う事などはせずに、味見をするべく口を開き甘味を舌で味わう。
「うん、甘さ控えめで美味しい。さすが東郷さん、これなら店も出せるかもな」
「もう……褒めすぎよ」
満更でもなさそうな顔をする東郷。
調理に戻る彼女から目を離し、俺は周囲を見渡す。
ここは東郷家、加賀家別邸の向かいの隣にある大きな屋敷だ。
唐突に俺は東郷のぼた餅を食べたいと思い、こっそりと頼み込むと快く了承してくれた。
ぼた餅自体は俺も作れない訳ではないが、やはり食べ慣れた味を舌が求めていた。
最初は手伝おうと進言したがやんわりと断られた。
一応彼女なりのポリシーがあるのだろうと、仕方なしに彼女の手腕を観察していた。
キッチンの隅で影となり、ただ息をするだけの存在と化した俺はジッと東郷を見ていた。
「はい、出来たわよ亮くん」
「……わーい」
やがて完成したぼた餅をリビングに運び、東郷と二人で食べる穏やかな時間。
手入れの行き届いた床は清潔さを保ち、家に住まう人物の性格を教えてくれる。
何となく東郷の甘味に胃を支配されたような気分になりながらも称賛は止めない。
彼女の作ったぼた餅は俺の心と胃袋を暖かく満たし、東郷は照れ臭そうな顔をしていた。
食後、せめてもと食器は俺が片づけ、その後はゆったりと東郷と雑談を交わしていた。
今日は一度も彼女の両親の顔を見てはいない。
単純に仕事なのだろうと思っていると、チラチラと此方の顔を窺う東郷は、
「そういえば、今日はお父さんとお母さんが出掛けていてね……帰ってくるのが遅いの」
「……」
「ぁ、えっと、その、変な意味で言っているわけじゃなくて……」
「東郷さん」
そろりと東郷の隣に腰掛け、手を重ねるとびくっと少女が震えた。
少女の手を掴み、羽のように軽い少女の体を持ち上げ、俺の脚の間に座らせる。
柔らかく甘い少女の背中が俺の胸板に当たり、唐突に近くなった距離の中で、
「そっか。今日は、誰もいないんだ」
「んっ……」
交錯させていた両手をゆっくりと服の間から侵入させて豊かな膨らみに触れる。
薄着でエプロン姿の少女は嫌がるように俺の手に手を重ねるが、それは抵抗ではない。
スカートに皺が寄り、既に熱を帯びたような甘い少女のいやらしい体臭が鼻腔をくすぐる。
「誘っているの?」
「ち、ちがっ――、んくっ……」
熱を帯びた白い首筋に唇で触れる。
既に外していたブラのホック、服の中に侵入した手がブラをずらし双丘を揉む。
沈み込むような感触が指に伝わりつつ、プリンのような感触をむにむにと楽しむ。
「ぁっ」
普段は長い黒髪に隠された白いうなじが覗く。
慈しむようにキスをすると顔を逸らして少女が喘いだ。
雪のように白い肌は美しく、頬が赤らむのがはっきりと分かる。
首筋に鼻を押し付け、少女の甘い匂いを嗅ぎながら、むにゅりと乳肉を手で包み込む。
安易に乳首には触れず、強く揉みすぎずに優しく少女に感じさせないように揉みしだく。
「っ……」
焦らされているのが分かるのだろう。
もじもじと脚を擦り合わせ、その度に柔らかい尻肉がスカート越しに怒張を刺激する。
甘い吐息を吐き、彼女は切なげに呻きながらも既に抵抗はなく逃げる事もしない。
「ぁ、はっ」
形の良い豊かな胸は俺の手のひらで自在に形を変える。
焦らすような愛撫を始めながら、既に勃起した怒張を臀部に押し付ける。
片手で胸肉を弄り、もう片手で彼女の黒髪を梳きながら唇で首筋にキスを繰り返す。
「……っ、りょうくん……」
「キスしよっか」
「ん―――」
熱に浮かされたような表情をする東郷の熱を帯びた唇に唇を重ねる。
柔らかく、正面から見た彼女の深緑の瞳はトロンと内部まで熱が奔っているのが分かる。
ただ触れるだけの行為、舌を入れる訳でもない、ただ相手に親愛を伝える為の接吻。
「ぁ、んんっ……、んふっ……ぁ……ッ!」
餅のような乳肉は極上の柔らかさを誇り、軟骨のように硬度を帯びる乳首を指で摘まむ。
キスの合間に片方の乳首だけを弄ると、骨を振動させるようにビクッと少女が震えた。
玩具のように乳首を指先で弄ぶ度に目の前の少女の快楽の悲鳴が上がり俺を興奮させる。
「ッ」
ふと東郷の手が俺の怒張に触れた。
ズボン越しに大きさを確認するように上下に動かし、ジッパーを下ろそうとする。
積極的な彼女は真面目で自分だけ奉仕されるのが嫌らしく、必死に反撃を試みる。
しかし主導権は俺にある。
寧ろ自分からジッパーを下ろし怒張を見せつけると、躊躇いながらも東郷が触れる。
柔らかく、わずかに汗ばんだ手のひらに包み、前回の要領でやや強引にしごき始める。
奥歯を噛み締めつつ、彼女を屈服させるべく次の一手を打つ。
彼女の両脚をわずかに開き、スカートから覗かせる花柄のショーツをずらす。
既に愛液が染み込み、更に奥の蜜壺から熱い滴が溢れている中で陰核を指で弄る。
「ぷ、ぁぁっ!」
普段ならば聞けないであろう、はしたない声を少女は上げる。
女なら感じるであろう快楽器官を指で弾き、自分が出した声に東郷は赤面を隠せない。
お互いにお互いの性器を弄りあう。
前回のでコツか何かを掴んだのか、東郷は俺の手を片手で押さえつつ肉茎をしごく。
徐々に高まる射精感の中で俺は自分の人差し指の爪が短い事を確認し、挿入する。
「んっ」
熱く濡れた肉が吸い付く感触。
「……ぁ!」
にちゅ、と少女の奥に指を進ませると東郷の息遣いが変わった。
狭い肉の通路をこじ開けて進むように熱い肉の中を指が進んでいく。
その感覚に、少女は怒張をしごく事を忘れたようにわずかに息を止めたのが分かった。
俺の指を包み込む膣はうねるように締まり、ぽたりと愛液が床に滴る。
やがて呼吸を再開するように熱い吐息を漏らしながら、俺の肉茎を再度しごきだす中、
「ぃっっ、ああぁっ……!!」
「ッ」
それは突然だった。
挿入した指を曲げた瞬間、東郷の悲鳴と共に締まる膣肉。
背筋を伸ばし、顔を逸らす少女は同時に痛い程に俺の怒張を握りしめる。
突然に、少女は果てた。
驚きながらも確認するように指を動かす。
落ち着くように自らに言い聞かせ、先ほどの行為を再現するように指を動かす。
「んくっ……! んひゅ!」
ぴちゃ、ぴちゃりと飛沫が俺のズボンを濡らす。
奉仕を忘れた東郷の声とは裏腹に俺の指を呑み込む蜜壺からは更に蜜が溢れる。
洪水のように後から後から湧き出す中で、俺は宝を発見した探検家の気持ちになっていた。
「ここか?」
「ンン、んあっ……!!」
第二関節をゆっくりと曲げた指で近くの膣壁をこする。
比喩ではなく跳ねるように体を仰け反らせる東郷はビクビクと痙攣する。
蜜が噴き出す中でぎゅっと俺の腕を掴み、止めて嫌々と首を振りながら抵抗を試みる。
「ぅぅ~~~ッッ!!!」
ささやかな少女の抵抗を無視し、少女を飛ばすべく指で膣壁をこすり続ける。
蜜は少女が履いているショーツを濡らし、もはや下着としての機能を失わせる。
じゅぷじゅぷと指を動かす度に溢れ出す愛液と、少女が聞かせる悲鳴は俺の鼓動を高める。
先走り汁が東郷の細い指に絡まり、限界がいよいよと近づく。
そんな中で気づくと俺は更なる快楽を与えるべく服越しに少女の双丘の先端を唇で噛んだ。
その瞬間は同時だった。
「かっ、ぁ、~~~~~~っっっ!!!」
「づッ」
ぷしゃっと小水のような飛沫が舞い、床を汚す。
同時に東郷の手のひらが亀頭を包む中、感情を吐くように精を勢いよく出し脱力感に襲われる。
「~~~っ」
息を吐き出すように、くたりと東郷は俺に体を預ける。
だらしなく口端から細い涎を垂らし、真面目で聡明な少女らしからぬ淫らな姿を晒す。
荒い呼吸で服越しで分かる程に胸の先端を尖らせ、甘くいやらしい雌の匂いを充満させる。
「東郷さん」
「ふぇ……、りょ、くん……」
頬に手のひらで触れ、しばし呼びかける。
絶頂の荒波に揉まれ続けた東郷は少しずつ呼吸を整えながらこちらを見上げる。
流石に勇者として鍛えているだけあるのか回復も早く、ややジト目で俺に言う。
「……いじわる」
「そうか?」
「――――」
彼女にしては不満げに小さな毒を放つ。
相互に奉仕をしていたはずが、一方的に奉仕されたのが嫌なのか。
それとも一人だけ羞恥と快楽による悲鳴を何度も何度も俺に聞かせたからか。
獣欲が薄れ始めながら、至近距離で見つめ合う。
少女の涎を舐めとるように口づけをしながら、ふと思い出す事があり口を開く。
「風呂に入りたいな」
「……そう言うと思って沸かしているわ」
それは最初から期待していたのではないのだろうか。
それを問いつめると何となく拗ねそうなので追及はせず、静かに耳元で囁いた。
「……今日って、スク水、家にある?」
「……」
少女はコクリと頷いた。