同世代の同性とも遊ぶ事はあるが、勇者部の美少女たちと遊ぶのは楽しい。
他の一般人では正確に覚えていられない一年、その中で忘れられない一日を共に作り、共に進む事ができるからだ。
それでも最近はマンネリ化していると考えた俺はピッカーンと閃いた。
「それで急にどうし……んむ──!?」
早速だが、今日も楽しく思い出を作ろうと思う。
必要なのは購入してきた様々なフルーツ味の飴玉だ。思い出作りに必要なルールは簡単。
飴玉を口に含んで、生意気な事を口にする勇者や巫女に口腔行為で与える。拒絶している間は好きに彼女たちの身体を弄り、自らの口に飴玉を受け入れるまで悪戯を続ける。
なお、気分によっては悪戯を続けても良い。
「そんなっ、げーむじゃっ、まっ、きゅうに……」
ミルキーブロンドの長髪を手に取りながら、伊予島杏の唇を奪う。
レモン味の飴玉は彼女の柔らかな舌を転がり、口端から唾液が垂れる。細い両手首を片手で持ち上げて拘束、ブラウスから覗く乳房を揉みながら、片膝をスカート奥の恥部に押し付ける。
何故、こんなことを思いついたのか。
自分でも分からない。ただ、純粋に刺激的な事をしたいと思った。
多分、後で吊るされるか殴られるだろう。
「んっ、ふっ……あっ、はぁ……さいへっ……ッ!」
柔らかな唇を啄まれた杏は既に飴玉を受け入れている。
ブラから解放された片乳を手のひらに収めながら、ゆっくりと乳首を弄る。同時にスカートの奥で布越しに湿った秘所を膝で揺すると、きゅっと内腿を閉じる。
傍目からは俺が杏を襲っていると見えるだろう。
ただ、飴玉を口で渡すついでにちょっと悪戯をしているだけなのに。
「~~~~ッッ!! ……! は、ぁ、おっ!」
飴玉の大きさが口内で随分と小さくなってしまった頃。
俺は杏の恥部に指を挿入していた。
締め付ける媚肉からは蜜液が垂れ落ちる中、絶頂に達する杏を見下ろす。
自室で本に囲まれながら、男に遊びと称して法悦に昇らされる。
蕩けた眼差しと、震える睫毛。
ブラからこぼれた乳房、ツンと尖ったピンクの乳首、大きく開いた脚。衣服の乱れた杏は、俺と唇を重ねて、肉壺の弱点を指で弄られ続ける。
「それっ、きもち……ぁ、あッ、イク、イクッ……!」
スカートを捲り上げ、大きく開いた両脚を震わせて腰を浮かせ、乳房を揺らす。
淫臭を漂わせる杏の陰核を柔らかな陰毛と共に指で愛でると、彼女は嫌々と首を振る。左手を陰核に、右手を彼女の肉壺の悦ぶ場所に置いてそれぞれを弄ると拒絶が強まる。
「だめ、だめっ、両方はだめっ、だめっ──!! あああっっ!!」
彼女の膣内で指を曲げ、ぞりりと擦る。
魚のように杏の身が跳ねた。
陰核を親指で押し潰し、膣襞を指で擦ると小水を噴いた。
床や、自身の肌や恥毛を濡らす姿に、俺は締め付ける膣を無視して、指を動かす。
「ぅああああっっっ!!」
温厚な彼女に似合わず、激しく腰を跳ねさせる。
指ピストンで、ビクンと腰を前後に動かす。
「ダメッ、あっ、ああっ、またイクッ!」
あられもない悲鳴と共にピンを背中を反らす彼女は数度痙攣を繰り返す。荒々しい呼気を繰り返す彼女の尻が俺の膝に落ち、徐々に落ち着くのを見届ける。
「はぁー……ハァ…………強引ですね」
愛液で濡れた手を彼女の頬に宛がうと、少女は安心したように目を閉じる。
彼女をベッドに寝かせ、白の清楚なショーツ、ついでに穏やかな顔と蜜液で濡れそぼった秘所が映るように携帯端末に収める。
その途中、指で陰唇を割り開くと、トロリと愛液が奥から垂れた。
妙な興奮と共に杏の自室から廊下に出て、次の少女を探す。幸い、標的はすぐに見つけた。
「さーてお次は……おっ?」
「ハロー、亮之佑さん。ちょうど良かった」
「農業王」
『農業王』と大きく書かれた白のシャツを着た少女と出くわす。
白鳥歌野。諏訪で勇者をやっていた少女だ。農作業をしていたのだろう土の匂いがした。
「この前作ってくれたそば、美味しかったよ」
「それはグレートね。そろそろ蕎麦党に本格的に鞍替えしない? 私は七味の量にどうこう言わないから。今ならこの大根も付けて──んむっ!?」
出会い頭にキスをする。
硬直する彼女の頬に手を置いて、優しく唇を重ねる。ゆっくりと背中をなでると農作業をしていたからか汗ばむシャツが手のひらに付着する。そのまま弄るとブラホックを見つけて外す。
「……ん!? きゅっ、急に大胆むぐッ!」
密着した乳肉の揺れ率が上昇するのを確認する。
あくまで紳士的に唇を重ね合わせ、目を白黒とさせる間に唇の隙間から舌を入れる。
「ん、りょ、っ、まっ……! ……!」
ドサッと大根が地面に落ちた。
俺は自らの男根を彼女の下腹部に押し付けながら彼女の口腔に飴玉を差し出す。逃げ出さないようにと尻を掴んでいた手を外し、歌野が飴玉を口に含むと離れる。
唇同士を繋ぐ透明な糸を歌野は虚ろな目で見ながら、
「い、今のは……」
「何味?」
「えっ、いやっ、え?」
「何味だった?」
唖然とした顔の歌野は見ていると笑ってしまいそうだった。
ニッコリと笑みを見せながら落ち着かせるように、重ねて問い掛ける。やがて、ころんと口の中で飴玉を動かす歌野はゆっくりと呟く。
「……メロン?」
「正解~。じゃあ、そういうことで」
「えっ? えっ?」
「挨拶ってこと。欧米じゃよくあるだろ?」
「エッ!? いや、流石にこんな感じじゃ……あれぇ……?」
いつものなんちゃって英語を使う余裕も無い歌野に背中を向けて歩き出す。
挨拶という名目と勢いで大抵の勇者はいけそうだなという実感と共に次の標的を探す。
それから俺は鷲尾須美、乃木園子(小)をそれぞれ別の場所で見つけて飴玉をあげた。
須美は恍惚とした表情を見せ、園子(小)はいくつかの飴玉を溶けるまでねだった。
その後、寄宿舎を歩いていると呆けた声が聞こえた。
「「あ~」」
「これは良いな」
「だねー!」
と、談話室に設置されていた扇風機で遊ぶ少女二人を発見した。
少女の名は高嶋友奈、そして乃木若葉だ。
男がいない時の女子高のようなノリで制服のスカートをたくし上げる彼女たちは風を下腹部に感じて遊んでいた。暑さも随分と収まってきた今日この頃だったが、女子は蒸れなどの問題もあるのだろう。
俺は無言の優しい眼差しでカメラに収める。
高嶋は可愛らしいピンク色のショーツだった。
「だが若葉は何も穿いておらず、恍惚な表情を浮かべるとおもむろに手を……」
「穿いてる! 見ろ! ふざけた事を言うなよ!」
顔を真っ赤にしてスカートを臍までたくし上げる若葉。
堂々と水色のショーツを見せつける彼女は、高嶋に制止される。
「わ、若葉ちゃん、そんなにスカート捲っちゃダメだよ!」
動画にしておいて良かったと思いながら携帯端末を仕舞い込む。
俺を睨む若葉は高嶋の言葉に頭を振る。
「この男とはもう今更だろう。互いに見る所まで見て、……こ、子作りまでしているのだから今更……」
「あまーい! ぼた餅以上に甘いぞ、ワカバーン。ちょっとエッチなショーツを穿いて俺を意識してるエチエチワカバーンよ……おっと、暴力は止めようぜ。平和主義に乾杯しよう、ハッハッハ!!」
「放せ友奈。夏に頭をやられた亮之佑を地獄に出荷してやる」
「だ、ダメだよぉ」
顔を片手で掴んで粉砕しようとする若葉を高嶋が抑える。
普段から鍛えているだけあって、高嶋の拘束を抜け出せない若葉に俺は正面から抱き着く。
「おい、なんの……んむッ!?」
「……わあ」
そして唇を重ねる。
今度はグレープ味の飴玉は思ったよりも抵抗なく若葉の口腔に送り込まれる。
サラリとした髪を撫でると、彼女の鼻息が荒くなる。
「…………」
ほんのりと赤らんだ耳の若葉は無言で俺の腕を掴む。
ぎゅっと力強く掴む彼女は言葉とは裏腹に欲求不満だったのか、俺の尻を掴む。
荒い呼気で俺を掴む若葉と情熱的なキスをする。
高嶋ごと抱き締めて、硬くなった怒張を若葉の下着越しに秘所に擦りつける。
「んっ、ッ……! ……っ」
「……欲求不満若葉ちゃん? もう濡れてるよ?」
「……う、うるさい。生理的な……ぁん! ……ッ」
動かす指先からくちゅっと水音が響く。
唇を離すと混ざり合った唾液が淫靡な橋を作る。それが途切れる前に、誤魔化すように男らしく俺の唇を奪う若葉。甘い香りと遠慮の無い姿勢になんとなく心地よさを覚える。
図々しさへの苛立ちは無く、遠い親戚からの触れ合いへの楽しさが勝る。
「ぁっ、ん、っ」
甘えるような声と、トロンとした表情。
耳をくすぐる手に顔を押し当てる若葉は媚びるような瞳を揺らす。何食わぬ顔で俺の肉棒の先端に自らの媚肉を擦り当てて小さく震える。
「ん、んむ──」
コクンと唾液を嚥下する若葉。
ガリッと飴玉をかじる彼女の行動に、俺は動きを止める。
「……かじっちゃう派か~」
「えっ、ダメだったか?」
「そんな事はないけど。高嶋さん、チューしよ?」
「良いけど……私、お邪魔なんじゃ……──んっ」
口ではそう言いながらも便乗するつもりの悪い子。
ちゅっと恋人がするようなキスと共に、リンゴ味の飴玉を舐めさせる。当たり前のように口腔に俺の飴玉を受け取る高嶋は嬉しそうに笑う。
「……えへへ、ありがとー。リンゴ味だ!」
「見ろ、若葉。これだ」
「ど、どれだ? おい、溜息を吐くな。あることないこと園子に言うぞ。東郷と結城にもだ」
「その時はひなたさんに言うから冷戦な。それはそれとして、高嶋さんは可愛いね。頭撫でて良い?」
「ほえ? うん! 良いよー」
ふわふわな薄紅色の髪を撫でる。
天使のような柔和な笑みを見せる高嶋は若葉を挟んで俺にキスする。その合間にも、俺はズボン越しに怒張の先端を若葉の秘裂へ上下に擦りつける。
「今日は唐突にごめんね、高嶋さん」
「ううん。りょーくんに会えて嬉しかったし、若葉ちゃんのりょーくんに甘える所を見れて良かったなーって。仲良いよね〜」
「ち、違うぞ友奈。これはそういうのではなくてだな……」
「どういうのー?」
「んッ……これは亮之佑のハグ症候群を解消する訓練なんだ」
「そっかー。若葉ちゃんは賢いね」
「ば、馬鹿にしてないか?」
分かっていながら、小首を傾げる高嶋。
戦闘で満開、もしくは前衛で多く活躍する者ほど、後遺症で性感が疼く事が多い。その解消の為に俺の家に泊まってきた背景もあったからか、昔よりも若葉との距離は縮んだ気がした。
俺が高嶋を撫でて高嶋が若葉を撫でる。
困ったような表情を浮かべる若葉は何故か俺の頭を撫でた。柔らかで細い指が頭皮を撫で、髪の毛に指が絡む。楽しそうに笑みを見せる若葉が俺を見る。
「亮之佑は結構甘えん坊な気質があるな」
「それは若葉もだろ。高嶋さん、ちょっと手伝って」
「うん、いいよ!」
若葉を羽交い絞めする高嶋。
弱々しい態度の若葉はその拘束を解くつもりもなく、自らの下着の隙間から俺の指の挿入を受け入れる。
少しの触れ合いでも熱く濡れた媚肉は彼女の心境の変化を指すかのようだ。
「あっ、友奈……耳は……」
「こしょこしょーってしてあげる」
「ぁ、ぁっ、甘噛みするのはひぁぁああっっ……」
性感帯として作り変えられた耳への刺激で、彼女の膣が指を締め付ける。
茂みを撫でながら陰核を指で弄り、指で上下にピストンする度に、若葉の甘い吐息と嬌声を二人で聞き届ける。高嶋はブラウス越しに若葉の乳房を揉み、俺は若葉の秘所を弄る。
「若葉ちゃんって……可愛いねー」
何かを含んだ言い方に、若葉がビクリと震える。
耳をくすぐられ、何も言えない彼女の花蜜が俺の指を汚し、床に垂れる。
ピストンの速度を速める。
涙で濡れた若葉の手が俺の尻を強く掴む。
「あっ、そこは……」
若葉の弱点、膣内のザラザラした場所の位置など既に把握済みだ。
陰核と同時に攻める。高嶋は静かに笑みを浮かべながらいつの間にかブラの隙間から覗く乳首を擦り合わせる。
「ぁ、ぁぁっ、まっ、イく……イク!! ぁああああっっ!! ……ッぁあッ!!?」
思いもよらぬ共同作業は、若葉の身体が何度か強く震えた時に終わった。絶頂に達した若葉だが、高嶋が追い打ちを掛ける。
耳元を甘噛みすると嬌声を漏らして床に座り込む。
「若葉。ほら、パンツを俺に渡して、舐めて」
袋から飴玉を取り出して唇に咥える。
俺の言葉に従い、従順に自らのショーツを脱いで恥ずかしそうに渡してくる若葉は、唇に咥えた飴玉を無視して、俺のズボンに手を掛ける。
「これで良いだろ。そうだな……次は私の番だな」
「そっちじゃなくて、飴、飴をだな」
「えっ、飴? なんで……いや、よく喋れるな」
「奇術師だから」
戸惑いながらも若葉は従順に唇で受け取る。
「……甘いな」
「ヨシ。じゃあ味わえよ。バイバイ」
「いや、ちょっと待て」
背中を向けて立ち去ろうとする俺の腕を若葉が掴む。
「どうした? 今週も泊まるんだろ? それともカラオケの件か? 手マンカラオケ……ゲフンゲフン、若葉の歌声は楽しみだが……」
「そうではなくて……その、しないのか?」
「しない。でも下着は貰う。次に会うまでに一人でシてて。バイバイ」
あえての突き放し。
とりあえず若葉は放置で良いだろう。その間の期間でより性感も高まる。
そんな思考で、迷い人のような顔をした若葉の唇を奪い、静かに胸肉を揉む。ついでに高嶋の乳房も揉み、その場を去る。
その数秒後に、俺は背後から襲われた。
「亮之佑。……私ばかりがされるのはやはり不公平だ」
そう言って強い力で俺を物陰に連れ込んだ若葉。
俺を仰向けで押し倒し、ズボンを脱がせると反り立つ怒張を握る。
にやりと笑う邪悪な気配。
「くっ……」
俺の両手を片手で掴んだ若葉に怒張を扱かれ、情けない声を漏らす。
それを見て笑う若葉は暗い笑みを見せながらしゅっしゅっと的確なリズムで限界を超えさせられる。奥歯を噛み締める余裕もなく迫る射精感に身体が強張る。
「ま、待て。分かった、調子に乗ったのは謝るから……」
「……美味しそうだな」
半眼で俺を睨む若葉は口を開く。
口内に覗く小さくなった飴玉を見せ、頬裏を亀頭に押し付けて上目遣いで吸い付く。
「あ、うぐっ……ッ!!」
それが決め手だった。
視界が酩酊し、白濁が噴き出す。
液体が彼女の口内で跳ね汚すも、若葉はゴクリと飲み込んでいく。
もともと昂っていた物を若葉に余すことなく嚥下され、彼女は笑う。
「何事にも報いを。今日のは甘くて美味しかったぞ。……今回は引き分けだな、亮之佑」
してやったり、そんな表情を浮かべた顔に俺は苛立った。
次に出会う時には、必ずどちらが上か理解させる事を誓う俺に、機嫌良く若葉が飴玉を渡した。口移しなのは俺の真似だろうか。
俺に顔を近づけて、優しく微笑む若葉に口を歪める。
「……次に会うのが楽しみだな亮之佑。それで私に園子を産ませられるのか?」
「生意気だな。俺で処女を捨てた癖に」
「その発言は強すぎる」
捨て台詞を吐いて、思わず飴玉を噛み砕いてしまった。
引き分けと語る若葉が選んだ味はグレープフルーツの味だった。
「あっ」
と、俺を押し倒していた若葉が固まる。
同時に頭上に影が生まれ、上を見る。
ひなただった。
上から見上げる双丘から見える端正な小顔。
無表情の彼女の目に映るのは、乱れた着衣の若葉に押し倒された俺の姿。
俺は叫ぶ。
「一緒に園子を作ろうって襲われたー!!」
「ち、ちがっ、いや、合ってるがひなた、誤解なんだ!」
若葉はひなたに連れられ、俺もひなたに呼ばれた東郷と園子に怒られ、搾られ、飴玉も取り上げられた数日後の事だ。
地元の市に新しくできた骨付鳥専門店の支店。
俺は千景と二人で食べに来ていた。骨付鳥とは鶏のモモ肉を骨付きのまま焼き上げた料理。丸亀市のご当地グルメの骨付鳥は県内でも多くの人からの人気を勝ち取っている。
その多くの人の中には俺も入っている。
好物の一つなのだ。
地元に新しい店ができたなら行かない筈が無かった。
「……なら、一人で来たら良いんじゃないの?」
「まあ男一人で黙々と食べるのも良いけど、折角だから誰か可愛い子と一緒がいいなって」
「それなら……高嶋さんとか乃木さんとか……他にも誘えば来る人がいるでしょ。飴玉で釣れば来るんじゃないの?」
飴玉の件は勇者部に知れ渡っていた。
女性陣には偶に起きる男の奇行として受け止められていた。伊達に長い付き合いではない。
「いや~、千景先輩しか思いつかなかったな。最近二人であんまり話してなかったし」
「……そう? そう、ね」
「千景先輩可愛いよ。好き。ペロペロしたい」
「……あっそう」
そっぽを向きながら、付いて来てくれる彼女は知っている人が見れば変わったと思う。
同い年に間違われがちだが年上属性を持っている千景は、以前ならば間違いなく断っていただろう。人は変わる物なのだと感じさせる。
店内は賑わっていた。
小奇麗で清潔感のある室内のテーブル席で彼女と向かい合う。
メニューを見て、店員に注文し、料理が運ばれてきた。
見た目だけでも食欲をそそる骨付鳥。
骨の部分を紙ナプキンで掴み持ち上げると、その重量感に思わず喉を鳴らした。
「それで……何かあるんじゃないの?」
男らしくガブリッと骨付鳥にかぶりつく。山賊か海賊が豪快に肉に喰らいつき噛み千切る気分だったが、容姿端麗な美少女がいる手前、ある程度は上品に口と手を動かす。
絶妙な歯ごたえと共に鼻孔をくすぐる香ばしい匂い。
口の中で広がる肉汁に頬を緩める。
骨付鳥の魅力を知ったのはいつの時だったか。
生前は存在すら知らなかった。あの頃はうどんもそんなに好きではなかった。嫌いという訳でもない。ただラーメンや蕎麦の方がなんとなく好きだった。
それが生きていく中で、他の人に触れる中で好物に変わった。
この骨付鳥もそうだ。
「ねえ」
「ん? どうしたのちーちゃん」
「ちーちゃんって……そんな、その、呼び方は止めて」
少し妙な挙動で呼び方を否定する千景。
「……美味しいわね」と俺の豪快っぷりに釣られてかぶりついた千景は気に入った様子だ。
小さな口元をモゴモゴと動かしながら咀嚼する彼女は半眼を見せる。
「聞いてなかったようだからもう一度言うけど……何か私に用があって、この店で二人だけになったんじゃないの?」
「いや? 無いけど」
「え?」
きょとんとする千景を余所に俺は食事を進める。
「純粋に、千景先輩と一緒にご飯が食べたかったから」
「……、……それだけ?」
「うん」
「うんって」
「おかしなことじゃないだろ。骨付鳥の美味しさを広めたい。それが身近な人ならもっと良いだろ。ところで、千景先輩は『ひな』を選んだけどどうして?」
「えっ? ……そうね、柔らかくて美味しいから」
「そっか。高嶋さんは? ……『私はどっちも大好きだよ! 『おや』も『ひな』も美味しくて最高! あっ、でもぐんちゃんが食べる『ひな』美味しそうだなぁ……。一口だけ交換しない?』」
「高嶋さん、ここにはいないわよ。……一人で声真似しないで」
「くぅーん」
ぷっ、と噴き出す音。
口元をナプキンで押さえて、ふ、ふ、と小さく声を漏らす少女。ふるふると黒髪を揺らしては眦を和らげる千景は、手に持った骨付鳥をかじる。
「……でも、そうね。……あなたと一緒に食べるのは、悪い気持ちはしないわ」
と言って、彼女は微笑を浮かべた。
自然と千景の手を握っても解かれる事は無かった。
俺のしつこさに辟易したのか、もしくは完全に俺を受け入れたのか。
「別に……そんなに手を繋ぎたければ好きにすれば」
ツンとした態度で俺から目を逸らす千景。
きゅっと僅かに握る手に力をいれながら歩道を歩く。
「じゃあ、好きにする」
「……っ、ちょっと、外よ」
彼女の履いたスカート越しに臀部を揉む。
独特の弾力と共に、慌てた彼女が俺の手を叩き落とす。スカートから伸びた黒タイツに包まれた脚が小さく震え、形ばかりの拒絶を見せる。
千景に目を向けると、顔を背ける少女の耳が赤い。
本当に……最初に出会った頃と比べると随分と丸くなったと思う。
「じゃあ部屋に行って良い? ゲームするんでしょ?」
「……まあ」
ボソボソと呟く彼女だが、上目遣いで俺を見る。
潤んだ瞳、薄く朱色が差した肌と艶のある黒髪を揺らす少女は何かを期待していた。すりすりと指先を絡める千景が落ち着きのない様相を見せる。
「加賀くん……ゲームはするけど……」
いつの間にか寄宿舎にまで戻って来ていた。
自然と手を離す千景だが、腕を伸ばせば抱き締められる距離に彼女は留まる。
艶やかな唇。長い睫毛が震える。
彼女は緊張した面持ちにも、誘っているようにも見えた。
「その、何か……して欲しい事とか、ある?」
「えっ、急にどうした?」
発情した雌のような表情を見せながら、誤魔化すような話題の提示。
思わず抱き締めて、有無を言わさずに雄を身体に教えたくなるようないじらしさと初々しさを彼女は見せる。俺と目が合い、千景の頬が増々色付く。
ベッドの上では歴戦の戦士である俺は、初々しい態度に今更動じない。
だが、見つめ合っていると何故か無性に恥ずかしさを覚えてくる。
「今日の食事……連れて行ってくれて嬉しかったから。何か、したいと思って」
「ふーん?」
「……なんでもいいわ」
一歩、千景が俺に近づく。
それなりに大きな一歩で、縋るように俺の手に触れる千景の淫靡な眼差し。あらゆるゲーム、ネットに誰よりも触れているからこそ、『なんでも』という言葉の意味は重い筈だ。
友奈や若葉のような子が『なんでも』と口にするのは意外と多い。その度に『なんでも』の重さを理解して貰ったが、千景の口から聞く事は非常に少ない。
「なんでもは……なんでもよ」
少女らしからぬ陶然とした笑み。
理解した上で、俺を煽り、誘い、その根底に俺への『お返し』をしたがっている。
肩もみのような奉仕ではない。
漫画、ゲームのような物で見る爛れた奉仕のお返しを彼女はしたがっているように見えた。
「そうだな……」
ただ純粋に抱かせろでは面白くない。
自撮りを送って欲しいというのはひなたと被る。耳かきはお願いしても良いがなんとなく主旨から外れそうだ。せっかく千景が仄暗い方向へのやる気を見せているのだから、より良い物を。
普段は着ない服で、普段はしない場所でも良い。
だかそれも何か違うなと考えて、頭を回して、俺は千景にある『お返し』を口にした。
アンケートありがとうございました。
千景のちょっとエッチな短編を書きました。完結済みです。
https://syosetu.org/novel/326519/
他にも以前千景の可哀そうな話
https://syosetu.org/novel/185138/
若葉のくっ殺マッサージ話
https://syosetu.org/novel/242410/ も完結済みなのでついでに紹介。
参考までに もしもR18短編が別にあるなら
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西暦勇者VS天の神主催企画モノ
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ひなた闇落ち勇者裏切り物
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千景性的羞恥いじめ物