※この作品はR-18です。

果てなき夜で、貴方に愛を   作:毒蛇

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【番外】図書室で堕ちた彼女と

「亮之佑……良いだろ?」

 

「先輩……そんな、駄目、です……」

 

 掴まれる肩の力強さ、真剣な眼差し、掛かる吐息。

 思わず目を逸らすも頬に手を添えられる。

 長い睫毛に縁取られた瞳は凛々しく、その真っ直ぐさに思わず目を伏せてしまう。視線を下げると目につくのはブラウスとプリーツスカート。

 ブラの感触がする胸元を自らの腕に抱くと、そっと腰に腕を回される。力強い。

 

「ぁん……」

 

「捕まえたぞ。……もう逃がさない」

 

「ダメ……」

 

 俺……いや私が手を出すも彼女の、いや彼の胸板を押し退けることはできない。学ラン越しに感じる柔らかさは何度も手で押すと弾力と共に「んッ」と小さな嬌声が聞こえた気がする。

 だが、それを誤魔化すように唇を奪われる。

 更には尻を手で揉まれてしまい、股の間には膝を入れられる。

 

「んちゅ……ぁ……ダメです、棗先輩」

 

「そんなことは無い。海は全てを洗い流してくれる」

 

「でも、これは浮気で……東郷くんに悪いから……」

 

 そうだ。生まれた時から尽くしてくれる許嫁がいるのだ。

 彼にも世話好きで妹大好きでチアガール姿がエッチな幼馴染がいる。だから、こうして二人きりでいるのも、まして唇を重ねるなど──、

 

「不倫だな。オレもお前も裏切ったんだ」

 

「ち、ちが……ッ」

 

「大丈夫だ。オレも風に内緒にしているから……バレないようにする」

 

 胸板を弄られる。

 ブラ越しに的確に乳頭を弄る指先に思わず吐息が漏れる。

 

「ぁん」

 

「ふっ……こんなところで喘ぐな……今の声真似はひなたか?」

 

「棗先輩……。こんなの私……濡れちゃうよ……。それに先輩には幼馴染の子以外にも連れ子が……園子ちゃんと須美ちゃんと銀ちゃんがいるのに……」

 

「今のは雪花の真似か。怒られても私は、……オレは知らないぞ。それに娘と言ってもまだ赤子だ。ほら──」

 

「ばぶー!」

 

「ば、ばぶ」

 

「ちゃーん!!!」

 

 床を見下ろすと寝転がるのは前掛けとおむつを着けた少女が三人。

 虚空を見上げ、羞恥に浸り、全力で演技を楽しむ赤子。顔を上げると小麦色のイケメン。そのあまりにもなイケメンっぷりとテクニシャンな手つきに腰が砕ける。床に座り込む私に赤子の一人、園子ちゃんが四つん這いに近づき抱き着いてくる。

 他の赤子もだ。三人を抱き寄せる中、彼に声を掛けられる。

 

「亮之佑。間違えた、……亮子。一緒に三人を育てよう。婚前交渉をしないと突っぱねる東郷と違って、オレは決して不満な思いをさせないから──四人目を作ろう」

 

 

「カーット!!」

 

 

 パン、とメガホンを叩く音と共に私は……俺は正気に戻る。

 目の前のイケメン学ラン少年──否、古波蔵棗は感情が抜け落ちたように虚無のような表情を浮かべる。俺は彼女の学ラン越しに揉んでいた手を引っ込めると自らの装いを抱き締める。

 スクールブラウス、プリーツスカート、靴下、ブラジャー、ショーツ。

 その全てに包まれるとなんだか頭がクラクラした。

 

「……若葉に包まれている」

 

「脱げー!!」

 

 顔を赤くしたブレザーの制服姿(ノーブラノーパン)の若葉に襲われて、俺が身に着けていた彼女の制服を奪われそうになる。何故着用していたのか。それはサイズ的な問題と気分だ。

 シャツの中に手を伸ばし、豊かな乳房を揉まれながらも若葉は叫ぶ。

 

「だからって普通、人のブラもパンツも着けるか!? ただの変態じゃないか!!」

 

「いやー!! 俺の服と下着を剥ごうとする変態に襲われるー!! 助けてー!!」

 

「叫ぶな!! 変なことはしてない!! それに私のだ!!」

 

「いいえ、若葉ちゃん。今の若葉ちゃんは男装モード。女装して可愛い亮之佑さんを襲っているようにしか見えません。完全にレ……危ない雰囲気ですが、これはこれで若葉ちゃんの獣性が……ああ、亮之佑さんが脱がされて若葉ちゃんの下着が……! ハァ……ハァ……」

 

 パシャパシャ。

 その一挙手一投足をひなたが腰をくねらせながらカメラに収めていく。「今は我慢……」と噛み締めながら、親友の姿に身体をくねらせる巫女。

 

「俺のパンツ上げたから良いじゃん」

 

「そういう問題ではない! 今更だがやはりおかしいぞ!」

 

「若葉ちゃんのが着たかったの! この後はぐんちゃんと高嶋さんとひなたさんのも杏のも防人サーのも赤嶺ちゃんのも皆の制服を着るの! 温もりのある下着も身に着けてれば、疑似的に皆の中に入り込んで演技力を上げることが可能なの!」

 

「そんな訳があるか!!」

 

 ちなみに讃州中学校組である友奈を始めとした少女たちのは着用済みだ。

 彼女たちとは肉体関係や家族のような何かを超越した関係だ。……ちなみに反応は夏凜が一番面白くて、東郷と園子は嬉々として自らの制服と下着を着せて写真を撮った。

 樹のブラは俺にはきつくて、友奈はいつも通り可憐な笑顔で俺の制服を着ていた。風のは少しサイズが緩くて合わなかった。

 その日は皆が俺の真似をして、俺は皆の真似をしていたのを思い出す。

 

「若葉ちゃんに包まれてる。制服交換は最高だね」

 

「よし、やはり殴るか! 皆、亮之佑の頭が馬鹿になっているから集まってくれ!!」

 

「……手伝うわ、乃木さん。今日の加賀くんは気持ち悪いもの」

 

「次はぐんちゃんだから。速く脱いでよ!」

 

「ぐんちゃんって呼ばないで。気持ち悪い」

 

「やだやだ、ぐんちゃんの控えめなおっぱいを包むブラに包まれたいの! ちなみに今日のブラは下着と同じ可愛いピンクの生地に黒のリボン! ちょっと大人な感じの紐パン!!」

 

「千景、紐パンなんて穿いていたのか……エッチだな」

 

 バッ、とスカートの裾を押さえる千景の姿に俺はニッコリだ。

 真実がどうなのかではない、その羞恥に満ちた仕草が俺の下腹部に元気を与えてくれるのだ。きっと誰か賛同してくれるだろうとサムズアップを見せると、返されるのは拳だけだった。

 

「……加賀くんは私が殺してから死ぬわ。乃木さんは黙って」

 

 その乃木さん……若葉は何故かひなたに無言で詰められていた。

 壁際に追い詰められた彼女は周囲に助けを求めるが、少女たちは目を背ける。

 

「若葉ちゃん?」

 

「いや……感想だからな? 別にひなたに穿けという訳では……」

 

「これから若葉ちゃんのパンツは全て紐パンにしますね」

 

 それらの全てをキラキラとした眼差しで見つめる金髪の少女。

 俺にくすぐられながらも、笑って抱きつき、甘えながら、園子(小)は呟く。

 

「オギャ……修羅場なんよ、メモはどこ~」

 

「そのっち、演技しないと」

 

「わああ……みんな落ち着いてー!?」

 

 オギャオギャと騒ぐ赤子たちを友奈たちがあやす。俺は少女たちに集団リンチに遭いながらも必死に上を見上げて千景たちのスカートの中を覗き込んだ。

 視界の端、椅子に座るのは総監督である杏とメガホンを持った風だ。

 

「棗さん。亮之佑さんではなくて亮子さんですから。気を付けて下さい」

 

「あとちょくちょくアタシの方を見ないで!? 本当に浮気しているみたいで気まずいんだけど!」

 

「いや、この撮影内容の方がもっと気まずくない!!? 学校で撮る内容なの!?」

 

 夏凜の言葉はもっともだった。

 肉体関係を超えて、疑似家族的な関係を超えた俺たち勇者部。そう、部活動である以上、学校行事にもある程度の力を入れる必要があるのだ。

 讃州中学の文化祭。今年の勇者部は映画、あるいは演劇のいずれかにまで絞られていた。

 脚本は杏、そして総監督兼責任者は風という体制で話は進んでいた。

 

「今年はあんずんの年だね」

 

「園子先生の弟子として恥じない出来の物を作ります!」

 

 フンスと彼女、杏はやる気を見せる。

 俺にあの手この手で主役交渉を行い、男ではなく女として出演を促したのも彼女だ。

 

「かっきーは女の子でも可愛いんよ」

 

「ね。私、ちょっと自信なくしちゃったー」

 

「ゆーゆはゆーゆで可愛いんだぜ~」

 

「そのちゃーん!」

 

 ハグし合う友奈と園子の間に挟まりたいがグッと我慢する。

 今の俺は演技に集中している真面目モードだ。杏の脚本である、子連れであることを隠している先輩と後輩の不倫物という誰も止めない内容に意識を割き続ける。

 友奈に抱かれながら杏を見る園子はサムズアップで撮影を促す。

 

「何かあっても大丈夫なようにサブプランも実行中なんよ。青春の邪魔はさせないぜ! あんずんは存分に撮影の為の脚本を練るんよ~」

 

「はい、園子先生! ……サブプランですか?」

 

「皆凄い熱気と悪ノリ全開だけど文化祭で不倫モノはマズイ気がするから普通の日常風景も撮っているんよ。皆、撮られているのに気付かなかったでしょ? 盗撮力の高いわっしーの撮影技術は凄いんだぜ?」

 

「東郷さんすごーい!」

 

 幾度も時を繰り返すのはストレスだ。

 だから、こうして頭のおかしい行為で解消する。馬鹿馬鹿しくても必要な行為だ。皆で不倫モノの映画を作るのも、可愛い少女たちの衣服に包み込まれるのも必要な行為なのだ。

 俺の意見に賛意を示すのは、俺の頭を撫でて恍惚な表情を見せる東郷だ。

 

「そう……良いのよ、亮くん。私の制服から下着まで着用して私になる。そして私は亮くんのを着るから……。どうしよう、こんな気持ちになるなんて……んっ……」

 

「東郷さん? 顔、赤いよ。お腹痛いの?」

 

「友奈ちゃん、駄目! こんな私を見ないで!」

 

 全肯定されるって気持ちいい!

 息をするように抱き着いて来ては躊躇いもなく豊満な乳房を押し付ける東郷に妖艶に微笑まれる。深緑色の瞳には熱を宿し、媚びるような声音で名前を呼ばれると下腹部に血が巡る。

 そっと手を出すと、恭しく腕を掴んだ東郷は自らの胸元に置かせ、俺は静かに乳房を揉む。

 

「東郷さん、抱かせろ」

 

 腰を掴んで抱き寄せられた黒髪の少女は抵抗の一つもしない。

 ただ、愛想よく微笑み、信頼と淫欲を浮かべた瞳を和らげる。

 

「──はい、旦那様」

 

「いや、はいじゃなくて。抱かせろ、じゃないわ。自重しなさいよ。ここ学校だって言ってんでしょうが!」

 

 ツッコミ役は空気を読まない。

 

「東郷さん、夏凜も添えるのはどう?」

 

「いや、どうって節操無しか!」

 

「……たまには夏凜ちゃんとも良いかもね」

 

 正妻的な余裕を見せる東郷に驚愕を示すも、俺に対しては変態を見るかのような半眼になる夏凜のスカートをなんとなく捲り上げると、顔を赤くして尻を叩いてくる。

 

「東郷!? ちょ、ちょっと……お腹を撫でるの止めなさいよ。それされると変に……」

 

「そのうち、また亮くんの家にお泊りに行こうね?」

 

「……そうね」

 

「今日でも良いよ?」

 

「ま、まあ……そこまで言うなら……考えておくわ」

 

 期待していたのか、真新しい白色のショーツだった。それ以上のお触りは駄目なのか慌てたように夏凜は俺から距離を取り、獣のように唸り声を上げていた所を背後から友奈に抱きつかれ腹部にマッサージを受けると、ビクッビクッと小刻みに震えていた。

 

「ゆうなぁ……こ、これ、おかしくなる……っ」

 

「うんうん。大丈夫。これはマッサージだから。おかしいことは何もないよ? 東郷さんや園ちゃんみたいにお腹を押されるだけで気持ち良くなろうね?」

 

「……ぁ、ぁぁ」

 

「でも、気持ちよくなったら『イく』って言わないと駄目だよ? 分かった?」

 

「わ、分かったからぁ……」

 

 夏凜を可愛がりたいのは東郷だけではないのだ。

 友奈に弄ばれる夏凜から目を逸らす。

 一方、悲鳴をこぼしながら、自らの身を抱いて後ずさりする少女もいる。加賀城雀だ。

 

「もう勇者部は駄目だよ。……今年は変態度に磨きがかかり過ぎでおしまいだよ!」

 

「加賀城……加賀と被っているよね」

 

「ヒィ!!? 今更、そのネタで弄ってくるってことはここで脱げということですかチュン!」

 

 今日も元気な雀の姿を見て、やれやれと頭を振る少女が近づいてくる。

 豊満な胸元は制服越しでも分かる大きさを主張し、ロールを描く髪の毛を手で払いながら、

 

「やれやれ、これだから小娘は。カガフレッドに必要な行為だと言うのなら、わたくしがいくらでも衣服でも下着でも貸してみせますわ──んんッ!!?」

 

「ああ!? 流れるように弥勒さんがキスされた!!」

 

「流石は弥勒さん。執事の扱いがよく分かっている。でも欲しいのは服じゃなくてキミなんだ。お嬢様」

 

「まあ!」

 

 俺の一言で喜びを示す疑似お嬢様。

 彼女とハッピーエンドなキスをしてからガクブルと震える雀に告げる。

 

「……雀、キミの服も脱ぐ準備をしておきな。ちょっと色気づいた下着もな」

 

「ヒィ!!? さ、先にメブのからにしてー!」

 

 ブロンドロールの似非お嬢様である夕海子に感謝の口づけをしながら豊満な乳房を制服越しに揉んでいると、

 

「杏さん? そういえば今日は図書委員の手伝いがあったのでは?」

 

 と、冷静沈着な容貌を見せるひなたが杏に声を掛ける。

 自らの巨乳をアピールするようにさりげなく俺の腕に自らの胸元を擦りつけてブラジャーを着けていないことを無言で教えてくれる巫女、彼女の胸元に肘を押し付けるとパン生地のような感触が制服越しに伝わる。

 

「むっ、亮之佑はマウンテンか~。今、ひなたでビバークしているだろぉ」

 

 男心を若干理解している心は乙女な球子にからかわれる。

 その唇を塞いで黙らせると、彼女は無言で顔を赤くして逃げて行った。

 

「もう~、タマっち先輩ったら防御力が低すぎだよ。そういうところが可愛いけど」

 

 くすくすと笑う杏は球子の背中を見て、含んだ笑いを浮かべた。既に男を知ったような蠱惑的な表情、チラリと俺を見る瞳は確かな淫熱を浮かべる。

 それらを気にせず俺が総監督である風に抱きついている間に、彼女たちは会話を続ける。

 

「では図書委員の代わりに本の整理を行ってきますね」

 

「お願いします、杏さん。亮之佑さんは連れて行って良いので」

 

「はい、亮之佑さんの撮影は終わったので。では残りの撮影の方、お願いしますね、風さん」

 

 出掛ける雰囲気を察したのか、クタクタになった夏凜を床に寝転がした友奈が俺に飛びついてくる。柔らかく軽い彼女に軽く甘噛みされた俺は少女たちに見送られる。

 東郷には下腹部を撫でられ、園子には尻を撫でられる。

 バシバシ、と千景や若葉、ひなた、風、棗、銀……色んな子にあちこちを叩かれ撫でられて現場を退場する。触れられた箇所に何かパワーを貰った気分だった。

 

「よーし、みんなー、ホラーシーンがあるけどカットして亮之佑が刺された修羅場の後に起きる廊下での戦闘シーンよ! 主人公たちは男装して集合ね!」

 

「なるほど。時間的にはそれらを撮った後でホラーシーンの撮影と……」

 

「ひゅ~、どろどろ~かっきーのお化けだぞ~」

 

「撮らないから!!」

 

「あれ? 風先輩の後ろに……」

 

「い、いないから! ちょっと!! 意味深な顔でアタシの後ろを見るな!!」

 

 自我を出す総監督に物申す数多くのスタッフと主演女優達。

 この撮影の結末がどうであれ、きっと上手くいくだろうと思いながら、杏の肩を抱いて俺はその場を離脱した。

 

 

 

 

 ──学校も休日になれば静かな物だ。

 珍しく図書室は機能しているが主に本の整理の為だ。だが図書委員が急用で来れなくなり、勇者部から人手を割くことになった。

 選ばれたのは本が大好きな杏と俺。

 

「そういえば、着替えなくて良かったんですか?」

 

「着替えるとは?」

 

 小首を傾げる彼女は図書館の空気に馴染んでいた。

 半袖のスクールブラウスとプリーツスカートという様相、しかし最近は色気づいたのかスカートの丈を短くし、白のタイツではなく素足を晒している。暑いのかポニーテールにした彼女のうなじが眩しい。

 あの頃の小動物染みた無垢な少女の姿はなく、男を知った女の姿があった。

 

「こ、これはそもそも亮之佑さんがそうするようにって言ったから……私はいいですからその恰好です。着替えなくて良かったんですか?」

 

「ああ……」

 

 そう指摘されて思い出す。

 俺は今、若葉の制服を着たままだった。下着も彼女の物だ。あまりにも包み込まれる感触と香りに完全に一体化してしまっていた。

 腰布のスースーとする感覚が怒張を冷却するも、若葉のショーツの感触がそれ以上に怒張を刺激する。

 

「ああ言っていたけど同意の上だから。変態に見える?」

 

「……い、いえ、凄く着こなしていますし、他人として見ても女子に見えます」

 

 奇術師を舐めてはいけない。

 見た目は女、心と体は男というあらゆる時代に対応できる俺の姿は完全に女子、それもカースト最上位に位置するであろう姿だ。

 たまに図書室に来る生徒がチラ見する程度の容貌なのは間違いない。

 

「東郷さんの姉妹と言い張っても通用しそうですね。誰も亮之佑さんが男子だって気づいてませんでした」

 

「フッ……ボクの技術なのだから当然だろう?」

 

「く、口調まで!? もう亮之佑さんの原型がないですね」

 

「完璧だとも。ボクを誰だと思っているのかな? 杏」

 

 見た目は髪を切った東郷に近い、つまりは初代を真似ているのだ。

 最強の少女、ここに見参。

 

「杏……」

 

 くいっと彼女の顎を持ち上げて見つめる。

 はわわ……と慌てる杏の背後には図書室の棚。本の隙間からは図書室が一望できるが殆ど無人状態だ。

 ほんのりと頬を赤らめる彼女は恥ずかしそうに顔を背ける。

 

「そんなに見ないで下さい……」

 

「可愛いよ、杏」

 

「……ッ」

 

 耳元に囁くと敏感な杏は下唇を噛んで甘い呼気を漏らした。

 ふわふわな髪の毛を一房掴み、甘い香りを漂わせる少女の唇を奪う。

 

「んっ……」

 

 彼女のプリーツスカートの中に手を滑らせる。俺は尻に伸ばした手を広げ、円を描く。

 もっちりとした肉と肌触りの良いレースの下着は手に心地よさを伝える。

 

「ぁ……」

 

 甘い、嬌声。

 唇をきゅっと結んだ少女は顔を背け、床に置いた本の入った箱を手に取る。文庫本や図鑑など多様だが一定のルールで分けられた本を手に彼女は歩く。

 

「だ、駄目ですよ。ちゃんと依頼をこなさないと……っ」

 

「杏がやって。俺は忙しいから」

 

「どこがッ……ですか」

 

 纏わりつき、彼女の乳房をブラウス越しに揉む。

 豊満なことは衣服越しでも明らかな乳肉は俺の手のひらにずしりと収まる。背後から揉みしだくと汗が混じった彼女の芳香が興奮を誘う。

 小動物のような仕草、チラリと俺を見る困ったような横顔。

 太腿を撫でられ、ショーツを擦られる度に僅かに気持ちよさそうに目を細める彼女は無意識なのか尻を俺の下腹部に押し当てる。

 

「ぁっ……っ、んん」

 

 一冊、一冊、本を所定の場所に置いていく。

 それを手伝いながらも、俺は指や唇で彼女に悪戯をする。杏の白い太腿を手で撫で回し、下着が湿る感触を指で感じ、俺の肉棒も涎を垂らす。

 

「ひゃ……ぁ、亮之佑さん?」

 

「リョーコです」

 

「……亮子さん?」

 

「ここで全裸に剥いたら、どうなるんだろうね」

 

「……だ、駄目ですよ」

 

 思わず抱き締めるとびくっと小刻みに肢体が揺れる。

 少女の匂い。甘い芳香を肺一杯に含みながら、

 

「一回、気持ちよくなろっか」

 

「はっ……ぅん……」

 

 俺は杏の背後から下着をなぞる。秘裂を布切れ越しに擦り、濡れた秘所を指の腹で押し、肉芽を爪でカリカリ擦る。柔らかい貝肉に指が沈み、じわりと愛液が滲み出る。

 少女は背を反らし、唇を結んで快楽に抗うが、

 

「はぅ、ぁッ、イクっ……イクぅ~~~ッ!!」

 

 図書室で彼女は快楽に負けて絶頂に達した。

 随分とあっけなかったが、単純に身体が快楽に弱くなってしまったのだろう。

 静かに、しかし確実に法悦に至った少女は肩を震わせて顔の朱色を濃くする。感情が溢れたのか涙を滲ませ、僅かに雌の匂いを漂わせる。

 

「も、もう、良いですか……」

 

 気丈に振る舞う杏のブラウス、その背中を弄る。

 プチッと少女のブラホックを外すのは、虚勢を張る小動物相手には簡単だった。

 

「りょ、りょう……こさん。ここ、学校ですよ!?」

 

「案外バレないから」

 

「そういう問題じゃ……」

 

 ヒソヒソと小声で告げる杏からブラを剥ぎ取るか少し悩んで保留する。

 代わりに愛液で濡れた内腿を撫でながら、周囲に目を向ける。

 人はもういなかった。

 仕事は順調で、後はいくつかの本を棚に戻すのと本を借りたい人が来たら対応するということだ。つまり、清楚ぶっている少女と快楽を愉しむことが可能だ。

 

「っ、ゃ……」

 

 スカートを捲ると白いレースの下着が露わになる。

 腰回りにはヒラヒラがついており、側面の布が少ない。尻肉を包む生地はやや薄く透けて見える。興奮しているのかクロッチ部分は濡れて中の茂みがしっかりと見えていた。

 

「エッチじゃん」

 

「……園子先生と一緒に選んだんです」

 

 ひそりと杏が囁く。

 赤らんだ横顔をこちらに向けて、

 

「きっと喜んでくれるからって」

 

 その言葉に賞賛代わりとして尻を撫でる。

 秘所部分を特に指で弄ると、彼女は満足気な吐息を漏らし、

 

「すみませーん。誰かいませんかー?」

 

「……ッ!!」

 

 突然の中性的な声音に杏の腰が浮いた。

 その動きで、彼女の陰核に指が偶然当たるように擦れた。

 

「~~ふぁ! ……ひゃ、い」

 

 咄嗟に口元を手で覆った杏は真面目な顔を作り、喘ぎ声を押し殺す。

 汗ばんだ額を拭い、赤らんだ顔を手で扇ぎながら、つい今まで男の愛撫に感じていたとは思わせない姿でカウンターにいた生徒の対応を行う。

 俺は何食わぬ顔で先に受付に戻った杏の後ろに立つ。

 

「ど、どうしましたか?」

 

「らいじょうぶっ、ですぅ……そ、それで、どうしましたか?」

 

 歩く度に普段よりも乳揺れのする胸元をさり気なく手で隠す杏。

 その事後感を漂わせる姿に何かを察したのか、生徒がおずおずと告げる。

 

「その……本を借りたくて……」

 

 差し出されるメモ。

 それを見た杏は「ちょっと待ってね」とお姉さんぶって対応する。既に先ほどまで男の手で絶頂に達した女とは思えない落ち着きぶりを取り戻していた。

 

「初めてなんだね。じゃあ、あの棚見える? あそこにあるから数字に沿っていくとその本を見つけられるよ。見つけたら……」

 

 だが、先ほどの行為が忘れられないのか。

 俺に向かって突き出された腰が肉棒を擦るように小刻みに揺れていた。無意識の要求に俺は中指と人差し指を彼女のスカートの中に入れ、秘裂を擦った。

 

「……ふ、ぅ……!」

 

「……先輩?」

 

「ちょ、ちょっとしゃっくりが……ッ……、ごめっ、本を取ったらカウンターに来て、……ぁ、そしたら対応するから、ん……!」

 

 くちゅ、という水音。

 それは俺と杏にしか聞こえない程度の物だが、手を腿で挟もうとする彼女の体温が先ほどよりも上昇しているのは分かった。

 腰を引いた杏は俺の手から逃げきれず湿った恥部を弄られる。

 

「んぁ……お、ねが……ぃ」

 

「わ、分かりました」

 

 慌てたように口元を覆う杏に慌てたように頷く生徒。

 チラリと俺を見て顔を赤らめると、指定された本棚に移動する。その後ろ姿よりも俺を睨みつける杏の媚肉に指を挿入すると、嫌々と首を振る。

 媚肉の中は熱くぬめり、浅い部分を弄るだけで蜜液がどんどん溢れてきた。

 

「ふッ……だ、めぇ……」

 

 必死に手で口元を覆う彼女の下腹部から水音が漏れる。

 無言で膝を震わせて、床に愛液を垂らす彼女を無理やり絶頂させる。声を我慢した彼女はとろけた表情を見せながら俺に背後から抱き締められる。周囲からは女子二人が抱き着いているようにしか見えない。

 だから、女装をする必要があったのだ。……こじつけだけど。

 

「あの子はアレだよね。女子に見える系の男子」

 

「お、男の子……? でもスカートを履いて……」

 

「そういう子なんだ。この時間に出現する。そして、どちらかというと男の娘。あの子、たぶん杏のこと好きだよ。前からキミのこと目で追っていたし」

 

「えっ、そ、そうなんですか?」

 

 杏の形の良い耳元に囁く。

 

「でも、俺の方が好きだ。それに、ここは俺の方が大きいと思うけど、どう思う?」

 

 グリグリと少女の臀部に怒張を擦りつけると少女は顔を背けた。

 それに構わず、俺は彼女の乳房を揉みながら耳元に口を寄せ、囁いた。

 

「俺とあの子、どっちのをここに挿入したい? 子宮口を突かれたい? 嫌だって声を上げても無視して気持ちいい所をほじられて、自分の性癖を全部知られて、雄に逆らえない雌のように力づくで犯されて、好きな官能小説のシチュエーションを真似て、みっともない顔を誰に曝け出したい?」

 

 ブラウス越しに彼女の下腹部を撫でる。

 僅かな逡巡後、杏は涙声を漏らしながら囁いた。

 

「亮之佑さんです……」

 

「はい、駄目。即答しないからお仕置きね」

 

「えっ、ちょっと、待ってください……ゃ、ゃだ」

 

 俺は杏に屈み込み、スカートの中に手を突っ込む。むっちりとした太腿が眩しいが、それは後で堪能しよう。

 下着の腰部分を掴み、一息に引き下ろすと彼女は息を呑んだ。

 

「ぁ、ぁ……!」

 

 慌てたように膝まで下ろされたショーツ。

 すぐに引き上げようとする彼女の両手首を掴む。

 

「すごい濡れてる。うわ、この状況でこんなに興奮したんだ」

 

「……!」

 

「変態だね」

 

 指摘すると、かああっと赤らむ杏。

 彼女の秘所はスカートで辛うじて隠されているが外部に晒されている状態だ。このまま捲り上げたらどうなるのだろうか。

 そう囁いて彼女の脳内妄想に身を任せると彼女から一度身体を離し、抱き着くに留める。

 

「あ、あの……」

 

 先ほどの男の娘である後輩生徒がカウンターに近づいてきた。

 手に持つ文庫本を杏に差し出し、チラチラと俺と杏を見る。特に不自然な所はない。何故なら見た目は美少女である俺が杏の背後から抱き着いているだけなのだから。

 これくらいなら女子同士の触れ合いであり、生徒の視線は膝元のショーツにまで向かわない。そもそもカウンターのおかげで腰から下が見えないが、応対する杏は羞恥に震えていた。

 

「んッ、は、はい……新規ですね。こちらのカードに……」

 

 後輩生徒が必要事項をカードに書いている間、彼女は俺の手に耐えていた。

 尻を撫で、陰唇をなぞった指で肉芽の周囲を爪で擦る。

 その間も杏は唇を結んで、机に手を置き、鼻息を荒くしていた。

 

「……は、い。問題ありません。返却日はあちらです」

 

「あ、ありがとうございました」

 

 後輩生徒が背中を向ける。

 一歩、一歩、図書室の扉に向けて脚を進める中、俺は杏を彼の方に向ける。彼女は嬌声を隠すのに必死でスカートの裾を掴まれた瞬間、抵抗はできなかった。

 

「……!!」

 

 ガララ、と扉が開く音。

 それに合わせて俺は杏のスカートを捲り上げた。

 

「失礼しました」

 

 後輩生徒は振り向かなかった。

 少女たちのじゃれ合いが眩しかったのか。恥ずかしかったのか。

 そんな初々しいから、図書室の照明に照らされた杏の愛液が付着した髪色よりくすんだ恥毛も、濡れた恥部も、そこに挿入された指も、見ることはなかった。

 

「~~~~ッッッ!!!」

 

 指はあっけないほどに狭い肉をこじ開ける。

 熱く濡れ、うねる膣は弱点を早く突けと、穿れと、愛液を滴らせる。

 だから、扉が閉まると同時に指を曲げ、肉壁を擦る。

 

「んッ、ふっ、~~~~ッッ!!! っ!!」

 

 小柄な身体を揺らし彼女の背中が俺にぶつかる。

 陰唇から愛液が勢いよく噴き、スカートの裏地を汚した。

 

 膝から崩れ落ちるように力の抜けた杏を抱えて俺は床に座り込む。その合間も指の動きを止めずに杏の膣内を指で弄る。 

 上履きが脱げ、脚がピンと伸びる中、捲れたスカートから腰を浮かせた。

 

「声、ちゃんと抑えてね」

 

「だ、だめ……だめだめだめッッ──!!!」

 

 強姦魔に逆らうように頭を振っては長髪のブロンドを揺らす。

 せめて声だけは絶対に上げまいと指を噛む杏に俺の中の獣性が暴れ出す。下腹部が痛いほどに反り立ち、今すぐにでも犯したいと涎を垂れ流し続ける。

 自らの肉欲よりも今はただ、目の前の女を快楽で狂わせたかった。汗と愛液で濡れた陰毛を指で弄りつつ、陰核に指を添えて、押し潰す。

 中と外、両方から責め立てると、何度も何度も杏は腰を跳ね、潮が散った。

 

「ふ、ぅぅぅ……ッ!!」

 

 ぷしゅ、ぷしゃ、と小水を思わせる飛沫が床を汚した。

 ゆっくりと荒い呼気を整えようとする杏に、膣から引き抜き濡れた手を見せる。脚を大きく広げ、無意識に肉棒を受け入れる体勢を取っていた彼女に俺は微笑を浮かべる。

 

「はぁーっ……はぁー……!」

 

「杏。続きはキミの部屋でしたいけど、良いかな? ……大浴場でも良いけど」

 

 法悦に酔ったように視線を虚空に彷徨わせていた彼女は。

 ぐったりとした様子で下腹部を晒し、鬼畜のサディストを見るかのように俺を睨みつけて。

 

「……どちらでも、良いですけど」

 

「じゃあ、どちらも。杏とお風呂でねっとりとしたいんよ」

 

「ですけど! ……私ばかりなのはズルいので私にもさせてくださいっ」

 

 彼女は頷いて同意した。

 

 




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