パンッ、と空気を叩く音が鼓膜を震わせる。
目の前で両手を合わせ、まるで神に拝むように少女が俺に頭を下げている。
ぺこりという音が聞こえそうなソレは、どうやら『お願い』をする為の物らしい。
「明日までだから……!」
「東郷さんには……?」
「前回頼っちゃったから、連続では頼りにくくて……。ダメ……かな?」
両手を擦り合わせ、上目遣いで見上げる薄紅色の瞳は潤んでいる。
計画的ではなくとも、これだけで大半の男を堕とせそうな仕草に少女は気付かない。
もしもこれを無意識ではなく意識的に行われたら、俺も生唾を呑み込むかもしれない。
「……」
後頭部で揺れ動くポニーテールを見ながら、しばらく俺は思考を重ねる。
帰宅途中の出来事で、周囲を見渡しても誰もいないのは運が良いと言えるのだろうか。
「珍しいな……。なんだかんだ、締め切り前に提出してたじゃないか」
「うん。その、私の中では既に提出した物だと思ってて……。ね? お願い、なんでもするから」
「…………、分かった」
「やったー、ありがとう!」
「……」
大げさに両手を上げて笑顔で喜ぶ友奈の姿をジッと見る。
制服姿の赤い髪の少女、幼さの残る柔和な笑みに釣られるように含み笑いをする。
なんとなく首元の指輪を制服越しに指で触りながら少女と共に加賀邸へと向かうが、
「あ、待って。スーパー寄って行こう?」
「いいけど」
自然と少女に手を引かれ、同じ歩幅で通い慣れたスーパーに方向を変えた。
適当に少女の白いうなじを指先でなぞる悪戯を行うと、ひゃッという声が少女から漏れる。
基本的に公の場では触れ合いはしない俺だが、周囲に人がいない為に軽い悪戯心に囚われる。
「んっ、くすぐったいよぉ亮ちゃん」
「ここか、ここがいいのか~」
「にゃ、やめてよ〜!」
首筋を指の腹で撫でると小さな笑みを浮かべつつも身体をよじらせる。
そんな風にじゃれ合い、スーパーに着くとピタリと悪戯を止めて、しばらく別れる。
「あれ、今日白菜安いっけ……ふーん、買おう」
チラシには載っていなかった特売品等を見つけて喜ぶ。
自炊の精神が染み付いているなと思いながら会計を済ませて再度合流する。
彼女の持つ透明な袋の中にはお菓子や飲み物等が幾つか入っているのが見えた。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
打てば響くような返事。
十分程歩き、加賀邸に辿り着き玄関を開けると、先に友奈が入り込む。
その行動に微かな疑問を覚えたが、その真意を理解するのはわずか数秒後であった。
「おかえり!」
「……ただいま」
可憐な華が咲き誇り、家主を出迎える。
いつまでも飾っていたいと、自分だけの物にしたい華が。
---
「ほら、もう少しだ」
「うん」
カリカリとペンが紙の上に字を形作る音が聞こえる。
一つ一つの単語が集まり、意味を成す文章へと昇華していく音だけがリビングに響く。
「……」
「……」
制服姿の少女、黒縁眼鏡を着用した友奈の瞳は心なしか凛々しく見えるのは錯覚か。
俺が使っているからと伊達眼鏡を借りた少女の横顔を見ながら、ぽりぽりと菓子を啄む。
基本的に友奈は集中力が高く、躓く場所のみを丁寧に教えれば手間が掛からない。
だいぶ前になるが、テストで赤点を取った際に東郷から受けたお仕置きがトラウマらしい。
スパンキングで揺れる白い尻肉が紅葉のように徐々に赤くなる様は今でも覚えている。
「……」
「……お仕置き」
「……!」
ぼそりと呟き、わずかに反応した少女に小さく笑みを浮かべる。
チラッと此方を見る友奈の視線を余所に、菓子を片手に進行状況を尋ねる事にする。
「どう?」
「あと一問だよ」
「解らなかったら遠慮せず聞いてね」
「うん、……ところでお仕置きって」
「独り言。眼鏡姿似合うよ、友奈」
「ありがとう、賢そうでしょ」
くいっと人差し指で眼鏡のテンプルを持ち上げる姿はより可愛らしく見える。
曖昧な笑みを浮かべながら、再び課題の用紙と格闘を進める少女に静かに近づく。
夕飯の準備は終わり、教科書の内容も見飽きたので友奈が最後の問題を解くのを見守る。
やがて五分程経過した後。
復習も含めて、およそ二時間と少しの課題との闘いは無事終焉に導かれた。
勝利を収めた友奈はう〜っと唸り声を上げながら、ゆっくりと腕を上に伸ばした。
「お疲れ様」
「やっと、終わったよー。……ありがとう、亮ちゃん」
「ん」
手早く完成した課題をカバンに仕舞う友奈。
告げられる感謝の言葉はじんわりと俺の心を温まらせるが、
「じゃあ、なんでも言う事、聞いて貰おうか」
「う、うん。……それで、なに……するの?」
それはそれ、これはこれと俺は薄暗い笑みを少女に向ける。
恐らくは彼女も理解した上で言ったのではないかと思うが、聞いてみないと不明だ。
そんな事を思いながら黒縁眼鏡を取り上げ、ジッとこちらを見上げる少女と視線を交わらせる。
広々としたリビング、絨毯の上の座布団に座る少女と何となしに見つめ合う。
薄紅色の瞳は大きく見開かれ、俺と友奈はしばらく睨めっこをするようにお互いを見合う。
何かしらの意図を込めたわけでもなく、ただ何となく顔を突き合わせて無言で見つめ続ける。
「……」
「……」
「……ぷわぁ」
「……っ、ふふ」
一分が経過した後、適当な変顔を見せると小さく友奈は笑う。
柔和な笑みを浮かべた少女は小首を傾げて隣に座る俺に飛びつき、抱き着いてくる。
俺の頬に頬を擦りつける友奈は、楽しそうに俺の首裏にぎゅうっと両腕を回し力を込めてくる。
そのまま友奈に押し倒され、絨毯の上で抱き着かれる。
不快感などなく、寧ろ仄かな甘い香りと熱い吐息に俺の神経が安らぐのを感じる。
リビングの天井の染みを数えながら、手持ち無沙汰な両手は躊躇う事はなく少女の臀部に触れる。
「ん……」
見慣れた冬の制服、オフホワイトのプリーツワンピースとグレーのショートジャケットといった制服は変装の際に着たことがある。
寒い場合、東郷のようにカーディガンを上に着用する事も出来る制服越しに柔らかな尻肉を揉む。
手のひらが沈むような弾力のある柔肉を両手で揉みしだくと、首筋に熱い吐息が掛かる。
「ぁっ!」
ぱんっ、と制服越しに臀部を叩く。
「や、や……! ぁ」
荒々しく両手でこねるように揉むと小さな吐息が、叩くと甘い声を聴かせる。
手の動きに合わせ友奈が喘ぎ、まろやかな弾力と合わせて俺の怒張を反り立たせる。
「ん……?」
「むぅ……」
そうして尻肉を手のひらで味わっていると、首筋に何かが食い込む感覚。
チラリと目を向けるとわずかに拗ねたような顔で、吸血鬼のように友奈が歯を立てている。
少女の歯の感触を肌で感じ、熱い唾液と息に反抗的な意志を感じ、静かに話しかける。
「がおー」
「どうしたの?」
「ぁ、えっと、美味しそうだったから……?」
「そうなんだ」
「ぁ……んッ」
友奈は友奈で俺を味わいたいらしい。
あるいは、快楽から目を逸らそうとしているのかもしれない。
どちらにしても俺も友奈を味わおうとスカートの中に両手を忍び込ませ、尻肉を割り開く。
「ぁっ、りょちゃ、開かないで、ふぁ!」
スカートの中は外よりもわずかに熱く、俺の両手が弾力のある臀部に触れる。
左右から手を入れ、秘部をこじ開けるように尻肉を開き、秘部の周囲に指を這わせる。
マッサージをするように下着越しに秘部に触れると切なげな吐息を友奈は漏らした。
「ねえ、友奈」
「なに……?」
そんな可憐で淫らな少女の形の良い耳に俺は囁く。
先ほどの『なんでも』という言葉を安易に使う事の意味を教える為に。
耳を傾け俺の言葉を聞いた友奈はわずかに疑問の顔をし、理解が及んだのか顔を赤くする。
「……え」
「なんでも、だろ? ほら、はやく」
「ぅ……うん」
コクリと頷く友奈は、密着させた身体を離して絨毯の上にゆっくりと仰向けとなる。
そして、後ろに開脚するように黒色のハイニーソに包まれた肉感ある太腿を持ち上げる。
俺に見せ付けるように脚を肩付近にまで持ち上げて、自然とスカートから下着が露わになる。
「ん……」
「……」
自らの恥部を突き出すように、頼まれたとはいえ異性に披露する。
それはどれだけの羞恥が伴うのだろうか、顔を赤くし、わずかに瞳に涙を滲ませる少女。
脚を持ち上げ、上下が一体化した制服は臍まで垂れ下がり、ピンク色の下着と尻肉が晒される。
両手は脚を下げないように自ら内腿を抱えて俺へと見せ付ける。
程良い筋肉と脂が乗った少女の肉と、おむつを替えるようなポーズをする少女の下着。
羞恥の涙を浮かべ、それでも止めない健気な友奈のショーツには真新しい染みが浮かぶ。
薄っすらと秘裂の形に浮かび上がる下着と、何よりも友奈の表情が俺を興奮させる。
征服感すら得るような、巷ではまんぐり返しと呼ばれるソレを少女がする事に高鳴りを覚える。
「恥ずかしい……?」
「……ッ」
敢えて口に出すとふいっと薄紅色の瞳を逸らす。
すべすべの太腿と黒色のハイニーソで覆われた腿肉の間を手で這わせる。
動かないようにと言いながら、先ほどの吸血鬼の真似をするように白い内腿に甘噛みをする。
「ぁ……、ぁッ」
肉厚で弾力のある腿肉を確かめ、もう片方の肉も頬張る。
捕食するように、摂取するように、メインディッシュの前の前菜を食べる。
熱い吐息と共に歯が触れると、びくりと内腿を震わせる少女の下着は愛液が染み込んでいく。
そうして既に湿った布切れに顔を近づける。
メインディッシュを目前とし、どう調理しようかと思い肺一杯に匂いを嗅ぐ。
「……やっ、そんなところ、嗅がな、んぁ……ッ!」
下着越しに秘部を指で撫でる。
誘うように淫液で下着を濡らし、ゆっくりと、少しずつ速く上下に擦る。
ちゅぷ、ちゅぷっと水音を聞かせる友奈は呼吸を乱しながら指での愛撫に身を委ねる。
「……ぁ、ぁ、ああっ……!!」
昇った。
わずかに激しく下着越しに擦ると、唐突に腰を震わせる。
じんわりと広がる真新しく濃厚な愛液がもはや下着の役目を失くした布切れを濡らす。
絶頂を味わった身体はわずかに弛緩し、自然とポーズが解け掛ける。
そうはさせないと少女のくびれた腰を掴み、顔を近づけられるように持ち上げる。
下着を剥ぎ取ると淫らな香りと女の愛液が糸を引き、薄い毛に珠を作る姿を視界に収める。
「友奈ちゃんの、美味しそうだね」
「はっぁ、……ぇ、ぁ、まって、今はあぁ……!!」
我慢など出来なかった。
引き留めようとする少女のか細い声音を無視して貝状の肉を口に含む。
ばたばたと動く太腿を強引に掴み、じゅるるっと厭らしい音を立てて淫液を啜り飲む。
「んっ、ま……、ぁ、~~~ッ!!」
蜜壺から溢れ出す蜜液を舌でがむしゃらに舐める。
ひくひくと動く陰口を丹念に味わうと一際濃厚な液が頬に飛び散った。
そっと脚を下ろすと、はッ、は、と呼吸を乱しながら友奈はぽうっとした表情で俺を見上げた。
制服のスラックスをそそくさと脱ぎ、出した怒張は既に汁を垂らしている。
未だに羞恥と興奮とかすかな期待を宿した瞳の友奈の身体をゆっくりと対面座位で貫く。
幾度か重ねた事のあるとろとろの膣肉は、変わらず初々しい締まりで俺を迎え入れた。
ゆっくりと少女を串刺しにすると、悦楽の朱を頬に差す。
その姿を見られるのが嫌なのか俺の背中に手を回し、顔を首に埋める。
「んぅ……!」
ぱちん、という柔らかい音。
白い尻に手を這わしながら、腿が薄い脂肪を叩く。
奥の奥まで深く貫き、入り口付近まで引き戻す度に秘裂から生暖かい蜜がこぼれる。
一瞬汚れる事を気にした俺は少女の制服を脱がす。
同時にブラジャーを剥ぎ取り己も服を脱ぎ、裸での触れ合いを楽しむ。
下半身がぴたりと結合し離れない中で、より密着させるべく少女の軽い身体を持ち上げる。
俺が何をしようとしているのか気付いた少女は両脚を腰に回す。
俗に言う駅弁という体位に切り替え、ぬるりと汗ばんだ腿と尻肉が触れ合う。
「ひゃぁ、ぁぁぁっ……ッッ!!」
快楽に耐えられなくなったのか背筋を反らす友奈の奥に膣肉を擦るように叩きつける。
秘裂から溢れる蜜液が肉茎へと垂れ落ちる中で、髪を揺らし少女は切なげな声を上げる。
汗を流し、頬を朱に染め、口端から涎を垂らす光景に俺はリズミカルに少女を突き上げる。
「ぅぁ、ぁ、ぁ、~~~~、ひぁ……ッ!!」
絶頂の波に揉まれた少女を更に追い込む。
天国へと昇る少女の締め付けぬめる肉に怒張を突き立てる。
揺れる乳房に噛みつき、抱きしめながら怒張の存在を少女の身体に徹底的に教え込む。
「ま、まって、ストップ、でちゃ、ぅ」
いくらでも出して欲しい。
少女が快楽に溺れ、俺に溺れて欲しい。
ぴちゃぴちゃと絨毯に蜜液をこぼし、少しこの場を離れようと少女を抱えて歩き出す。
「ぁ、ぁっ、ぁっ……!!」
歩く度に少女の蜜肉が蠢くのが怒張に伝わる。
振り落とされないように両手両脚で抱き着く少女の肉に、ぱんぱんと肉が叩く。
「ぁ、もっ、だめ……、やぁぁっ……ッッッ!!!」
リビングを抜け、廊下に辿り着いた瞬間に友奈が震える。
同時に限界を超え、少女の奥へとこみ上げる物を全て吐き出す。
「はー……ぁ」
白く視界が染まる中、濃厚な精液を最奥へと注いでいく。
思わず倒れ込みそうな感覚に少女の身体を抱き寄せ堪えると、ふと気づく。
結合部が妙に生暖かく、どこかで嗅いだ事のある少女の黄金水が臀部を伝い廊下に滴る。
「ご、ごめっ、止まらなくて……」
「……大丈夫だよ」
しょわわ、と水音が鼓膜に伝わる。
その音を作り出した快楽に決壊した少女は俺の肩に熱い吐息を掛ける。
やがてぽたぽたと少女の尿が止まった中、涙ながらに謝罪する少女の身体を抱きしめて囁く。
「気持ち良かった?」
「……うん」
「そっか。ならいいんだ。……お風呂に入ろうか」
「うん」
少女の生暖かい水を脚に感じながら口づけを交わす。
申し訳なさと、羞恥と、後悔と、それ以上の興奮と満ち足りた吐息を漏らす少女。
そのまま両手両脚で抱き着く少女を抱えて歩くと、ぐじゅぐじゅと結合部から淫音が聞こえた。
「……」
「する?」
「……」
「……ん」
困った事に、吐き出したばかりの怒張はむくむくと少女の中で復活の兆しを見せる。
怒張の動きに気付き、困ったような、嬉しそうな顔を見せる友奈もまだ体力はあるようだ。
様々な想いを込めた言葉に頷き、風呂場に連れ込んだ俺はシャワーに濡れながら少女を抱いた。
---
若さに任せた行動、その片付けを終え、少女と共に寝台に倒れ込む。
そうして微睡みに、浅い眠りに誘われていると鈴音の声が子守歌のように聞こえた。
「今年も春が来たね」
「……ん」
声の方向に目を向けると、此方に目を向ける少女。
薄紅色の瞳と告げられた言葉に、ゆっくりと疲れた頭脳が働きだす。
「そうだな……、今年も、そんな時期だな」
「お花見、しようね」
「皆で?」
「うん、勇者部の皆で」
「まあ、風先輩は花より団子だろうけど」
「そうだね、夏凜ちゃんも、東郷さんも、園ちゃんも、樹ちゃんも、皆一緒に」
少女の頭に手を伸ばす。
さらさらとした手触り、艶のあるわずかに濡れた赤い髪の毛を手で触れる。
他愛無い会話をする事が出来るのは、日常の合間の戦いで得られたご褒美だろう。
前回の人生よりもはるかに濃密で、死に近しい旅路を歩いている。
天の神は退けたけれども、それでも世界を取り返せた訳ではなく、寧ろこれからだ。
「そうだな、皆で行こうな」
「うん」
「――二人だけでも行こうな。……あの桜の木を見に」
「そうだね、今年も……来年も……」
俺と友奈だけの思い出の桜を見に行こう。
頭を撫でられて眠たそうな顔をする少女に笑い掛けるとコクリと頷く。
幼げな顔で何かを求めるように細い腕を俺の身体に回し、ゆっくりと目を閉じる。
「……ぅん、ぜったいに」
「何時に起こして欲しい?」
「亮ちゃんと同じ時に」
「……分かったよ」
「お花見、場所、あるといいね……」
抱き枕のように俺の身体を抱き、眠りという水に沈み始める少女。
その無防備な表情を見せる事に絶大な信頼を感じ取りながら、眠るのを見届ける。
「……それなら、きっと、大丈夫だよ。友奈」
とんとん、とお腹をリズミカルに叩きながら。
子守歌のように、愛おし気に、狂おし気に、俺は囁いた。
「きっと、――死ぬまで、ずっと一緒にいるから」
『果てなき夜で、貴方に愛を』-完-
ひとまず、ここで奇術師の淫らな日常話は終わりです。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
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