※この作品はR-18です。

果てなき夜で、貴方に愛を   作:毒蛇

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第十九話 さあ、華を咲かせましょう

 不倫とは文化だ。

 何故だかそんな言葉が思い浮かぶ。

 

「――――」

 

 己の身体を這う白い手は蛇のようにうねり獲物を絡め捕食せんとする。

 柔らかく冷たい少女の手はいつの間にか発汗し熱を持つ身体を冷まし、覚ましていく。背中から胸板の感触を確かめるように、愛憎を確かめるように、ぬるりと絡みついた。

 

「あ―――」

 

 鼓動が自らの体内で響き渡る。

 ドクン、ドクンと血流を加速させ、心臓を震わせる音。

 その脈打つ鼓動を聞くことが出来るのは自らと、背後に密着する一人の少女だ。

 

「……みぃ~ちゃった~」

 

 楽し気に、無邪気を装い笑う少女。

 その表情は見る事は出来ず、自然と少女の声色に耳を傾けるしかない。

 鼻腔を擽るのは甘い、甘い果実を彷彿させる少女とシャンプーの香りだ。

 

 裸体の自らに対し、背後から抱き触れる金色の髪をした少女。

 首筋に噛み付く吸血鬼の如く首筋に顔を埋めようとする不思議な行動を余所に俺と東郷の反応は、まるで体内の時間が世界から掛け離れたようにひどく鈍い物であった。

 

 それは思考の停止ともいえる。

 何せ、初めて誰かに『情事』を見られたのだから。

 

「ぁ、あの、そ、そ、その……」

 

「わっしー」

 

 うつ伏せの状態から此方を振り向き硬直した状態であった東郷。

 少しずつ現状を把握し、深緑色の瞳には様々な感情を宿らせながら口を開こうとした。懸命に何かを紡ごうとする東郷らしくない拙い言葉は、しかし園子の言葉に被せられた。

 

「動いちゃだめだよ」

 

「……ッ」

 

「しー」

 

 雪肌に色濃い情事の跡を残す東郷に対し、薄い唇に指を当てて園子は告げる。

 小首を傾げる園子、俺の首に手を巻き付けながら唇に当てた指はある方向を示す。

 

「……すぅ、……」

 

 それは一人の少女だった。

 起きていれば向日葵の如き笑顔を見せ、一つ一つの仕草は何よりも愛らしい少女。

 毛布に包まりピンクのパジャマを着用する少女は少し離れた窓際で眠りこけている。

 

 うつ伏せ気味に枕に頬を擦り付ける友奈。

 すぅすぅと寝息を漏らす天使のような寝顔。

 

 ――本当に寝ているのだろうか。

 

 ふと俺はそんな疑問を抱いてしまう。

 今回の『お泊り会』では窓際から友奈、園子、東郷、俺といった順番で布団に眠る事になっていた。トランプやボードゲームなどの定番の遊びを行い、そして就寝という流れのはずだった。

 

 その後の東郷とのアレコレは、近くにいた園子には流石にバレたのだろう。

 音は出さないようにしてはいたが、寝床の位置的にも聞こえやすかったのだろう。

 薄暗闇の中、僅かに距離のある少女が寝ているかどうかを確かめようとする俺の視界を自然と塞ぐように抱き着いてくる園子は、どこか愉し気な声音で東郷に揶揄するように笑いかけた。

 

「むふ~、……それにしてもわっしー、すっごくエローイ声だったよ~」

 

「ぁ、ち、ちが……!!」

 

「わっしーはエロエロ大和撫子だね~」

 

「えろっ……!!!」

 

 笑顔で東郷に口撃を繰り出す園子。

 聞かれていた事に耳まで赤くする東郷の姿は薄暗闇の中でもはっきりと見えた。

 じんわりと羞恥の涙を大きな瞳に溜める東郷は、自らの中で何か革命が起きたのだろう。

 

「こんな辱め……もう……、わたひっ!」

 

「――させるかぁ!!」

 

 毛布を巻き付け、窓に走ろうとする機動力のある大和撫子。

 このままでは羞恥に耐え兼ね、窓を割り逃げるのではという予感。

 そんな非常識な事を……、いや前例がある、と思考が加速すると同時に抱き着く。

 

「きゃっ」

 

「わ~」

 

 小声で繰り広げられる逃走劇は僅か2秒で終了した。

 毛布を剥ぎ取り、裸体の少女を布団に押し倒し暴れる身体を押さえ込む。

 何も知らない第三者が見たら完全に誤解されるであろう構図がそこに出来上がった。

 

 音を出さないように暴れる少女は動く度に豊満な乳肉がぷるんぷるんと揺れる。

 勇者として鍛えられた少女の力は強い。だが勇者システムの無く、体力も使用した少女が二人の少年少女に容易く押さえ付けられてしまうのは、逃れようのない結果であった。

 

「わっしー」

 

「……ふふっ」

 

 やがて最後の力を出したのか脱力した東郷はどこか諦観を帯びた笑みを浮かべ、園子の静かな声音に口を閉じる東郷を余所に、俺は現状の打破を行うべく必死に頭を回していたが――、

 

「かっきー、さっきの話だけど」

 

「なんだ……?」

 

「あれれ~、聞いてなかったの?」

 

 考える暇は背後の少女が与えるつもりはないらしい。

 二人で東郷を押さえ込みながら、無駄に体力を消耗した俺は聞き返す。

 質問に質問で返す園子は、やがて出来の悪い子供に教えるように簡潔に告げた。

 

「私も、混ぜて~」

 

「――――」

 

 どうしても顔が見たくなった。

 少女が、園子が、琥珀色の瞳に何を浮かべて告げているのか。

 

 薄暗闇の中で見える少女の顔。

 見ていたらしい情事の熱に浮かされたように、生娘のように頬を赤らめながらも爛々と輝く琥珀色の瞳には喜悦を宿し、薄い唇は三日月のように緩く曲げられていた。

 

 俺に向けられる視線、そして無言のままでいる東郷に向ける視線。

 特に東郷に向ける視線は、どこか加虐性を帯びた捕食者の目にも見えた。

 あるいは、普段ならば寝ているだろう深夜帯に活動する者特有のテンションにも見えて。

 

「何が望みですか?」

 

「小説の資料」

 

「……」

 

「やってみたい事があるんだ~、えへへ」

 

「そのっち……?」

 

 深夜二時の出来事。

 英語の授業の如き堅い尋ね方に対し、先生よろしく明確に、簡潔に園子は答える。

 俺に片目を瞑る金髪の少女は、遠足前日の子供のような表情で、妖艶に微笑んだ。

 

 

 

 +

 

 

 

「ん……」

 

 熱くぬめる口内。

 舌と視線を絡め合わせ、頬肉を、舌裏を、歯茎を舐め、吸い、味わう。

 可憐な少女達との濃厚な口腔行為は何度繰り返しても慣れる事は決して無いだろう。

 

 吐息と唾液を交換する行為に多幸感を得る。

 求めて応じられた時、逆に求められた時に、甘い快楽が背筋を撫でる。

 

 多少の時間の経過により萎え掛けた肉棒は硬さを取り戻し反り立つ。

 温水と共にどこか煩雑に上下に動かす園子は艶のある視線を俺に向けてくる。

 贅沢な自慰に近い行為はやがて完全に復活したのを感じ、そっと柔らかい手を離す少女によって終わりを告げた。

 

「……」

 

「……」

 

 否、終わりなどではない。

 これからが始まりなのだ。

 

「ねえ、かっきー。似合う?」

 

「……ああ。園子によく似合うよ」

 

 繰り返される言葉。そこに偽りはない。

 昼間のプール。そこで着ていた水着を彼女達、東郷と園子は着用している。

 既に洗濯し、乾かしていた青色と紫色のビキニは少女達の肌に良く映える。

 

 多少生乾きだと思うのだが、やや強引に園子が提案した。

 どのみち水着とは濡れる為に存在しているのだからと。僅かに渋る東郷には園子から何かを囁くと同時に無言で着替えを行う姿が目に映った。

 

 因みに、何故か着替えだけは見ないようにと言われた。

 裸を見るのは良くても着替えるのを見るのは駄目という謎の乙女心に付き従い、自室を抜け出し現在に至る。

 

「まさか、また風呂場で水着とは」

 

「……また?」

 

「……!? 亮くん。わ、私のは似合う?」

 

「似合う似合う」

 

「ん~……?」

 

 何かを誤魔化そうとする東郷が園子から此方に視線を向ける。

 向けられる深い緑の瞳には当時の回想が、そして暴露だけはしないようにと懇願するように向けてくる視線から逃れるべく俺はそっと周囲を見渡した。

 

 木製の桶と、白い丸椅子が一つずつ。

 足裏に感じるのは緑やグレー等の落ち着いた色合いのタイルだ。

 

 加賀家の風呂場。

 紫のビキニを着用した園子とアサガオの模様の入ったビキニを着用した東郷。そして全裸の俺が深夜の風呂場で物理的に密着し合いながら暖かいシャワーを浴びていた。

 

 それなりの大きさの風呂場には、3人の少年少女が収まるには充分だろう。

 しかし、そんな事は知るかとばかりに柔肉が触れ合う感触に鼓動が高鳴る。

 

「それで、園子。どうするの?」

 

「えっとね、先にかっきー。ここ座って~」

 

「……お、おう」

 

 その言葉を受け、俺は素直に椅子に腰掛ける。

 座り込む俺の脚を広げ、東郷の手を引っ張る園子は右脚の付け根に座り、東郷を左脚の付け根に座らせた。ビキニに包まれた尻肉の感触と同時に人の重さに息を呑む。

 

 余談だが、こうしていると何となく体重が分かったりする。

 羽のように軽い彼女たちだが、やはり個人差は存在し、どちらが重いかも――、

 

「かっきー」

 

「亮くん」

 

 きゅっ、と両脇腹を抓られる。

 まさか顔に出ていたのだろうかと慌てて無表情を保つ。

 ついでに水着姿の彼女たちの腰回りに腕を伸ばし少女達の安定を保った。

 

「いや、風呂場で水着っていいなぁって」

 

「ふーん」

 

「両手に花の気分はどう~?」 

 

 二人の腿肉にぺちぺちと当たる怒張。

 自らを女に変えた肉棒を前に、東郷と園子は濃緑と琥珀色の瞳を交わす。

 触れ合いも程々に脚から降りる彼女達は怒張を前に大きく目を見開いた。

 

 何をするつもりなのか。

 何となくだが、園子の考えが紳士には分かった。

 

「あー」

 

「……ぁ、ぁー」

 

「……!」

 

 喉を鳴らし小さく口を開ける二人の少女。

 どこか積極的に、微かに羞恥を残し、それでも渦巻く快楽が上回ったとばかりにお湯と先走りが伝う怒張を東郷と園子は舌で、唇で、手で、懸命な奉仕を始める。

 

 右側に黒髪を纏めた美麗な少女。

 左側に金髪を後頭部で束ねた可憐な少女。

 これぞまさしく、両手に花という状態である。

 

 亀頭に口付けを繰り広げる少女達は、思い思いに性器を弄り始める。

 チラチラと此方を見る東郷が先走りを細い指先に絡め肉茎を上下にしごく度ににちゅにちゅと水音を立て、射精感を高めていく。

 

 陰嚢に手を伸ばす園子がやわやわと精液が作られる睾丸を手のひらで揉み解しながら、時折愛おしそうに雁裏を指先でなぞる度に電流が奔るように思わず背筋を伸ばす。

 此方の反応に目を細める園子は雁裏を、東郷は肉茎を指で、手で弄り続ける。

 

 時折チラリと互いを見やる深緑と琥珀色には様々な感情が渦を巻いている。

 しかし、瞳の奥に宿る感情を覗き込む前に瞬きを繰り返して隠してしまう。

 そして何よりも、徐々に高まる射精感に思考の変動を余儀なくされた。

 

「くっ……」

 

「我慢しなくていいんだよ~?」

 

「ええ、出して」

 

「が〜んばれ、が〜んばれ!」

 

 やけに息の合う少女たちの淫魔な猛攻。

 亀頭をごしごしと手のひらで洗われ、肉茎は容赦なくしごかれる。

 羞恥を置き去り、目の前の雄を呻かせようと花々は息を呑み奉仕を続ける。

 

「っ!!」

 

 耐えようとは思わなかった。

 抗う事こそ罪であるとばかりに、やがて視界が白く染まる。

 どぴゅ、どぴゅと白濁が肉茎を伝い正面にいた彼女たち目掛けて噴き出した。

 

 マグマの如き射精感と、確かな快楽。

 浅く呼吸と瞬きを繰り返す中で、自らの精液が年頃の少女たちの柔肌や艶のある髪に付着したこと、明確に彼女たちを汚したことに薄暗い快感が脳裏を過った。

 

「……わ~」

 

「……、ぁ、そのっち。こんなところにも付いてるわよ」

 

「えっ、どこ? わっしー取って~」

 

「はいはい」

 

「……」

 

 自らの指先や頬、白い谷間に付着した子種は、白い指先に掬い取られる。

 不思議な味という評価を頂きながらも、自らの白濁を舐め、指に絡め遊ぶ少女たちに何とも言えない気分にならざるを得なかった。

 

 個人的な話だが、俺は『される』よりも『したい』方だ。

 要するに少女たちに尽くされるのも好きだが、俺自身彼女たちに尽くして、啼かせて、喘がせて、悦ばせて、自らによって淫らな華が咲く様を眺めていたいのだ。

 

 ――という考えを見透かしたように、園子はゆっくりと立ち上がる。

 

「これで小説の資料になったのか?」

 

「ううん、これからだよ」

 

 微笑を浮かべて否定する園子はシャンプーや石鹸等が置かれたスペースに歩み寄る。その動きを東郷と二人で見ていると、いつの間に置いたのか身に覚えの無いピンク色の容器を手に取る水着の少女は金の髪を耳に掛けながら口を開いた。

 

「かっきー、これ何だと思う?」

 

「……?」

 

 拳二つ分程度の大きさの容器だ。

 それだけならば日焼け止めやオイルなどの可能性を浮かべるが、どこか禍々しいピンク色のソレは現在の状況において使用するであろうことを考えると――、

 

「ローション」

 

「ろっ!?」

 

「外れ~」

 

 俺の回答に顔を赤らめる東郷とは別に、ぶぶーっと否定する園子。

 想像豊かな東郷を素通りし、容器を持つ園子は無言でそれを俺に渡してきた。

 謎の容器の裏側、説明部分に目を通すと可憐な小説家の意図が紳士には理解出来た。

 

「園子、お前。……分かってるね」

 

「でしょ~」

 

「えっと、そのっち? それは……?」

 

 容器を返しながら告げると頷く園子。

 状況の把握に至らず僅かに眉を顰める東郷に俺は抱き着く。

 抱き枕にしたくなるような感触を抱きしめながら、園子に目を向けた。

 

「これはね~、性感を高めるジェルなんだ~」

 

「じぇる?」

 

「ん~、分かりやすく言うと、媚薬かな」

 

「媚薬……え」

 

「人体に害は無いから大丈夫だよ、わっしー。ちゃんと私たちが塗るからね~」

 

 蓋を開け、数回程押し出た液体を手のひらに載せた園子に絶句する東郷。

 手のひらを合わせて捏ねる園子から逃れようと東郷はもがくが動けない。

 流れを察知した俺は、くびれのある東郷の腰に腕を回し優しく拘束を行う。

 

「あの、亮くん……? 放してくれない?」

 

「東郷さん。俺さ……、今日、いや昨日水練ではお世話になったからさ……、キチンとお礼をしたいんだ。いっぱい気持ちよくさせたいなって」

 

「ぇ、え」

 

「わっしー、覚悟~」

 

 どのみち逃れる術などない。

 目には目を。歯には歯を。快楽には快楽を。

 

 

 

 +

 

 

 

「わっしーの肌、凄く綺麗だね~」

 

「そのっ、ち」

 

「ここ?」

 

「……んっ」

 

 園子の指がするりと水着の中に入り込む。

 アサガオの柄が入ったビキニの中で指が蠢く度に顔を赤らめる東郷は小さく呻く。

 園子自身の身体に東郷の上半身を横たわらせ、背後から少女の乳房をゆっくりと揉む。

 

 媚薬を生乳に染み込ませるように。

 敏感な少女を更に喘がせ、啼かせる為に。

 

 媚薬数回分をプッシュした手のひらで園子は東郷を虐める。

 どこか興奮した様子で乳房を揉みしだく園子は妖艶な笑みを浮かべて東郷の反応を確かめている。男の武骨な手ではなく女による繊細な手つきを俺はジッと見ていた。

 

「わっしーのおっぱい、本当におっきいね〜」

 

「そのっちだって、ぁん……大きい、じゃない」

 

「そうかな~? かっきーはどう思う?」

 

「俺はどっちも好きだよ」

 

 呻くように園子と会話をする東郷。

 それは会話を止めれば快楽に喘いでしまうからか。

 東郷の脚を開き、その間に入り込みくびれのある腰に触れながら百合の花を見やる。

 

 園子がゆっくりと東郷の水着に触れる。

 嫌々と首を振る少女を余所に、ずらされた水着からぷるんと乳房がまろびでる。

 白い肉の中で硬さを帯びたピンク色の乳首は上を向き、再び外気へと晒された。

 

「ああっ……っっ!!」

 

 びくん、と東郷は身体を震わす。

 一切の躊躇いなどなく尖った肉粒を園子は摘まみ、媚薬を塗り込む。

 

「はぁ、ぁ、っ、そのっ、待って、本当に……っ」

 

 乳首の先端から根本を指で擦る。

 それは自慰のような、遊びなどない最短で快楽を得る為の動きだ。

 唇を噛み、身体を丸めようとする東郷を許さないとばかりに園子は責め立てる。

 

「ぁ、ぁ、あぁ……っっ」

 

「ここでしょ?」

 

「……っっあ!!?」

 

 漏れる喘ぎ声は風呂場に響く。

 それはきっと同性だから分かる愛撫なのだろう。

 

 もじもじと脚をくねらせる東郷はあと一息で天国に飛ばされるだろう。

 胸を弄られ身体を震わせる少女の為に、俺もまたピンクの容器を手に取る。

 手のひらの透明な液体は微かに薔薇の香りがした。

 数回程容器から液体を取り出し、目の前でくねる少女の腰付近に塗り始める。

 

「……んっ、ぁ、ぁ!」

 

 園子のように水着の中に手を入れる。

 薄い茂みの感触と同時に媚肉に触れると東郷は腰を浮かせる。

 媚肉を割り拓き、熱い膣内に媚薬を塗り込むようにして指を動かしていく。

 

 襞の一つ一つに染み込ませるように。

 皺の一つ一つに馴染ませるように。

 少女の敏感な肉粒も余すことなく塗り込み、丹念に愛撫を続ける。

 

「~~~~~っ!!!」

 

 二人で東郷を喘がせ、悦ばせる。

 やがて、身体の奥を震わせるように東郷は上った。

 それは園子にも分かったらしく、驚いた直後に小さく笑みを浮かべた。

 

 荒い息をする東郷を俺はそっと立ち上がらせる。

 再び剥ぎ取り、ずり落ちた水着を余所に、風呂場の鏡面付近に手をつかせる。

 これから何をするか理解したのか、無言のまま大和撫子は尻肉を突き出した。

 

 それはいつかの情事の再来。

 ぬるりと怒張を挿入すると、待っていたとばかりに膣壁が締め付ける。

 尻肉と腿肉がぶつかり、ぱちゅりという音が風呂場に響き渡る。

 

「ぁ……っ」

 

 背後から少女を貫く体位は、本来相手の顔を見る事は出来ない。

 しかし、目の前に鏡がある状況においてはその限りではない。どれだけ相手が悦び、快楽に対してはしたない表情をしているのか余すことなく見ることが出来るからだ。

 

 肉厚の尻肉は、怒張を最奥まで叩くように突く度に形を変える。

 ぱんぱんと腰を揺する度に顔を赤くし喘ぐ東郷から甘い声音が幾度も零れる。

 薄い腰を掴み、目の前の白い背中が仄かに汗ばむのを見る中で獣のように腰を揺らす。

 

「ぁ、ぁ、っ、あっ、ああっ!!」

 

 ぱちゅぱちゅと水音を響かせ、お互いの吐息を聞きながら抽送を繰り返す。

 床石に水が垂れ落ち、どちらかの体液が東郷の細い脚を伝い流れていく。

 崩れ落ちないように腕を震わせながら、一突きごとにはしたない声を東郷は漏らした。

 

「すご……」

 

 チラリと鏡越しに園子を見やる。

 琥珀色の瞳は男女の営みをジッと見つめ、無意識のうちに指が水着の布地越しに秘裂に触れている。ゴクリと喉を鳴らし生娘のように顔を赤くし、他人の情事を覗き見る。

 

 ――そんなに見たいなら見せてやろう。

 

 全身に力を入れ、華奢な東郷の身体を抱き寄せる。

 胸板と背中が密着し、今にも崩れ落ちそうな身体を貫いたまま、少女の太腿を掴みながらゆっくりと持ち上げていく。鏡の前には、M字で開脚させられ全てを晒される東郷の姿があった。

 

 愛液に濡れ張り付く陰毛も、揺れる乳房も、濡れた媚肉も、泡立つ結合部も。

 もっと少女を啼かせ、悦び、華が咲く姿を、余さず園子にも見せようと。

 

「ほら、園ちゃん! 見て!」

 

「ひやっ!! やだ、やだ、そのっち、見ないで、ぇあっ……ッッ!!!」

 

「……!」

 

 鏡の中に、はしたない少女がいる。

 鏡の中には呆然と東郷を見やる園子と、自らの痴態が晒されている。

 それを理解した瞬間、羞恥の涙を浮かべる東郷の膣は痛い程に怒張を締め付けた。

 

 ぴちゃぴちゃとタイルに蜜液が落ちていく。

 恥辱の悲鳴を上げる東郷を抱えたまま、ゆっくりと腰を引く。

 ぬるりと白い泡が肉茎を伝い垂れ落ちる様を見ながら、パンッ、と奥に捻じ込む。

 

「ああああっ~~~~……っっ!!!?」

 

 重力と彼女自身の体重も用いて、一思いに最奥まで少女を貫く。

 直後全身を硬直させる東郷、その結合部からぷしっ、ぷしっと小水の如き蜜液が俺の腿肉を伝い床石に流れていく様を、小さく口を開けて耳まで赤くした園子が見続ける。

 

「はっ、ぁぁ、そこ、だめッ」

 

 臍側の膣壁を擦られるのが好きらしい。

 普段ならば当たらない部分を削るように亀頭と雁裏に意識を集中する。

 

「ひゃめっ……、っぁ……ッ」

 

 抽送を繰り返す度に白い泡が結合部から溢れ出す。

 一突きごとに嫌々と首を振る少女の膣からは濃厚な蜜が垂れ落ちる。

 腰を揺する度に一オクターブ高い悲鳴を聞かせ、たゆんたゆんと乳房が上下に揺れる。

 

 全ては鏡越しの出来事。

 しかし、彼女は瞬きを忘れたように扇情的な光景を見続ける。

 

 だからこそ、俺は止まらない。

 瞼を閉じても鮮明に焼き付き忘れられないように動き続ける。

 具体的には、法悦の空に上る東郷を地面には下ろさないように。

 

「~~~~、~~~っ、~~……ッ!!」

 

 媚薬のお陰か、もしくは東郷自身の体質なのか。

 ぱんぱんと肉を叩く度に鏡から目を背けるように東郷は首を反らした。

 熱い、熱い東郷の膣内。その突き当りを亀頭で擦ると淫らな声音が耳朶に響く。

 

 繰り返される法悦の空。

 耐えられないと言わんばかりに肢体を仰け反らす度に眼前の鏡が水飛沫で濡れる。

 

 再び鏡の縁を掴み、玩具のように貫かれる東郷。

 纏めた髪は解れ、むわりと広がる少女の香りが鼻腔を擽る。

 汗と雌の愛液が混ざり合った独特の匂いが、音が、雄を奮い立たせる。

 

「りょ……、く……」

 

 射精感が高まり限界が近くなる。

 それを体内で感じ取った東郷は荒く呼吸を続けながら告げる。

 

「顔……みたい」

 

「……!」

 

 ギリっと奥歯を食い縛り、少女との体位を変更する。

 限界寸前の怒張を引き抜き、背中を鏡に押し付け抱き着かせるような体勢にする。ふにゅんと胸板に潰れる乳肉を挟み込み、蕩けた表情の東郷と正面から向き直った。

 

「……っ」

 

「……!」

 

 深い、深い、潤んだ緑の瞳。

 喜悦と快楽に骨まで蕩けたような女の表情が眼球に焼き付く。

 

 だからだろうか。

 暴発寸前の怒張を再度受け入れる最奥へと叩きつける寸前に、

 

「……孕め、美森」

 

「……っ!!」

 

 思わず耳元で囁いた。

 本能が囁かずにはいられなかった。

 

 返事は無かった。ただ行動で示された。

 勢いよく噴き出す子種、白いソースを飲み干そうとする膣壁と共に東郷の長い脚が拘束具のように巻き付き爪が背中に刺さる中、少女は淫魔な獣のように左の首筋に噛み付く。

 

 爪痕を残し、自らとの行為を証明するように。

 或いは首に鎖を巻き付けるように、強く、強く、噛みついた。

 

「――――」

 

 痛みを感じつつも振り解く事はしなかった。

 寧ろ両脚に力を入れ、白濁の一滴まで少女の子宮に注ぎ込んだ。

 

「ぅ、ぁ」

 

 鏡に押し込むように精液を吐き出し、しばし余韻に浸る。

 その背後で、ぼたぼたと結合部から溢れ出す白濁が床石へと垂れ落ちていく。

 

「――――」

 

 その様子を。

 鏡越しに琥珀色の瞳がジッと見ているのが見えた。

 

 

 

 

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