※この作品はR-18です。

果てなき夜で、貴方に愛を   作:毒蛇

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第二十話 夜の終わりに、鎖という華

 ぽたり、と水音が響く。

 それは瑞々しい肢体を伝い垂れる汗であり、受け入れた雄の精が零れた音だ。

 激しさのある情事に、至近距離で顔を合わせ熱い吐息を交わし見つめ合う二人の男女。

 

 豊満な乳房は男の胸板に厭らしく形を変える。

 眼前には、白い肌に朱色を奔らせた女の表情が。

 揺らめく深緑の瞳が自らを捉え、薄い桜色の唇が吐息と共に名前を呟く。

 

「……りょう」

 

「……?」

 

 余韻に浸る中で、小さく東郷に囁かれる。

 額が触れ合う至近距離で告げられる内容に耳を傾け、真剣な眼差しに頷き返す。

 怒張を抜き取り、媚肉から白濁を垂らしながらタイルに座り込む東郷を余所に、俺は無言のままでいる金色の髪の少女へと向き直った。

 

「園子」

 

「……なーに?」

 

 湯気か興奮か。

 仄かに顔を赤くする紫のビキニを纏った少女は内股で座り込んでいた。

 

「小説の資料にはなったか?」

 

「……うん、すっごく良いのが閃いたんよ」

 

「そっか」

 

「……」

 

 にへらっと笑みを浮かべる御令嬢。

 同時にチラチラと白濁と愛液に塗れた怒張に視線を向ける。

 

「あの媚薬さ、どこで買ったんだ?」

 

「えっと、通販でちょこちょこっと~。少しだけなのに凄かったでしょ?」

 

「……ああ、凄いよ。本当に」

 

 何せ、出したはずの怒張は既に回復の兆しを見せているのだから。

 そして何よりも使用する以前より想像以上に薄暗い快感が燃え上がっている。

 東郷よりも、間接的に粘液から吸収した俺の方が効果が高いのではと思うくらいに。

 

「……」

 

「どう、したの?」

 

「意外に効果、あるんだなって」

 

「ね~、凄いよね」

 

「自分で使った事はあるか?」

 

「うん、少しだけなら……」

 

「そっか」

 

 何気ない会話を少女と交わしていく。

 脚を擦り合わせ、艶のある吐息をしながら園子は、目の前で親しい男女の触れ合いを一人で見ていた少女は、恐らくではあるが健全な性欲を持て余しているのだろう。

 

「なあ、園子」

 

「ん~……?」

 

 この空間で唯一、余裕そうな表情を浮かべている少女。

 その表情を快楽で歪め、啼かせ、喘がせ、女という華を咲かせてみせたい。

 彼女の頭の中の『流れ』ならばきっと俺は見境なく園子と性行為を行うであろう。

 

 普段ならば、きっとそうだろう。

 だが今回は園子と俺の他に、もう一人。

 目には目を。歯には歯を。甘い快楽には蕩けた快楽を。

 

「……っち」

 

「へ……?」

 

 そういう『流れ』が仮に存在するのならば、破壊してみせよう。

 羞恥を煽られ、自らが絶頂する様を最後まで見られた少女と共に。

 

「そのっち」

 

「ぇ」

 

 気配は無かった。

 まるで空間を一瞬で移動したかのような機敏さ。

 濡れた黒髪は白い柔肉に張り付き、白濁と愛液が腿を伝う、深緑の瞳の少女。

 

 目を丸くする園子に俺はそっと背後から彼女を抱きしめる。

 痛みなど与えず、さりとて決して逃げ出す事が出来ないように。

 

「さっきは、よくもしてくれたわね……」

 

「わ、わ、わっしー……?」

 

 でも結構ノリノリだったよね、等と茶化してはいけない。

 男女の営みという秘め事をじっくりと見られ、あまつさえ園子に乳首を愛撫され、何度も絶頂し、一人だけ恥ずかしい所を散々見られた東郷の瞳は鈍い光で満ち溢れていた。

 

「さっきの……媚薬? あれって、譲って貰うって事は出来る?」

 

「……う、うん。気に入って貰えたなら、わっしーにあげるよ~」

 

「ありがとう、そのっち」

 

「えへへ~」

 

「……」

 

 美しき友情。

 僅かに強張った笑みを浮かべる少女と微笑を浮かべ続ける少女。

 

「そのっち」

 

「ん、何~……?」

 

 そう告げる東郷の手にはピンク色の容器が。

 聡明な少女はやり過ぎた事を悟ったのか、俺の腕の中で笑みを浮かべる。

 どこか諦観したような、こうなる事をある程度予測はしていたのであろう表情と共に。

 

「私だけ気持ちよくされるのって不公平だと思うのよ」

 

「……そんな事ないよ、わっしー。わっしーのエッチな声や表情を沢山見る事が出来て、私は満足かな~って思うんさ」

 

「ううん、そのっち。私ね、そのっちにも、一杯気持ちよくなって欲しいのよ」

 

「……わ、私は普通にする感じでいいかな~って。ねー、かっきー?」

 

「ふふっ」

 

「かっきー?」

 

 にこりと東郷は微笑む。

 その緑の瞳に宿るのは、やり過ぎた親友に対する怒りと年相応な感情だ。

 即ち、恥ずかしい所を散々見られたのだから、キチンと報復をしなくてはという思いが。

 

「か、かっきー」

 

「園ちゃん」

 

 腕の中で暴れる事なく、しかし僅かに現状に抗おうとする園子。

 最後に潤んだ瞳を向け甘い吐息で俺の愛称を呼ぶ少女に一言だけ告げる。

 

「園子のエッチな声が聴きたいな~」

 

「――――」

 

「遠慮しなくていいのよ、そのっち。……任せて」

 

 不思議な少女の全てを露わにしたい。

 黒髪の美少女を溶かし、啼かせ、喘がせ、噴かせ、悦ばせたように。

 愛おしい金色の髪の美少女もまた、何も考えられないくらいに咲かせてみたい。

 そんな事を考える中、容器を手に微笑む東郷は無言のまま手のひらにジェルを出していく。

 

「あの、わっしー。ちょっと出し過ぎじゃないかな~」

 

「意外に出にくいわね、これ」

 

「ひゃわ!?」

 

 容器の蓋を取る東郷。

 一切の躊躇いもなく、中身の液体全てが園子の身体に掛けられていく。

 瑞々しい肢体、白い肌に掛かる大量の液体を勿体ないと思うのは貧乏性か。

 

「そのっちの身体って、凄く……」

 

「す、すごく……?」

 

「……」

 

「ぁ……、ふくっ……!」

 

「動いちゃ駄目よ。抵抗したら吊るすわ」

 

 恐る恐るといった様子で尋ねる園子。

 その言葉に答えずに、マッサージをするように白い肌に塗り広げていく。

 少女の脚を押さえるように両太腿に座り込む東郷はどこか妖艶な笑みを浮かべる。

 

「亮くんも」

 

「あ、うん」

 

 どこか妖しい光を宿した濃緑の瞳を向けられる。

 頷く俺は観客である事を止め、華を咲かせる為の準備を始める。

 背後から抱き着く俺はそっと腕の拘束を解き、園子の左手を手に取る。

 

 掴んだ腕は柔らかく、瑞々しい肢体は噛り付きたいという欲求すら湧く。

 しなやかで程良く脂と筋肉の乗った少女の腕を手に取ると、完全に無防備になる腋に目が向く。綺麗な少女の腋に目が向かない訳がない。

 

 ――当然、腋をくすぐる。 

 

「あは、あははははっ……ッ!!」

 

 園子の滑々の腋をくすぐりながらも媚薬を塗り込む。

 蜘蛛のように、親指、人差し指、中指、薬指、小指を用いて蠢く。

 園子本人もくすぐられるとは思わなかったのか、慌てて腕を下ろそうとした。

 

「くひゅ、くっ、やめ……っ、あははははっ!!」

 

 大人びた紫色のビキニのみが彼女が着ている物だ。

 その部分以外は、少女の白い柔肌も、艶のある肢体も剥き出しのままだ。

 それらが如何に性的なのか理解していないのか。或いはそれを理解して俺に見せようとしているのか。いずれにしても園子の柔肌を堪能せずにはいられない。

 

「はふっ、あははっ、あ~、あっ、ほああ!?」

 

 軟体生物のように、身体をくねらせる。

 汗を肌に浮かべ、強制的に零れる笑い声には思わず頬が緩む。

 くねくねと厭らしく腰を動かし、指先より与えられる刺激に少女は悶えた。

 

 左の腋が終わったら右の腋を。

 右の腋が終わったら、左の脇腹を。

 首筋を、鎖骨を、脚を、臍を、東郷とくすぐるように塗り込む。

 

 上半身を俺が。

 下半身を東郷が。

 

 目配せしながら塗り込んでいく。

 ゆっくりと水着の布地の中も手のひらを滑らせていく。

 谷間が出来る程に豊かな園子の乳房と、僅かに硬さのある肉粒の感触が塗り込む手のひらに広がる。痴漢をしているような感覚で水着の隙間から少女の乳房を味わい、媚薬を染み込ませる。

 

 東郷より僅かに小振りな御椀型の乳房。

 しかし柔らかさは園子の方が上である、という比較基準がある故に抱ける思いの中で優しく柔肉を揉み解していく。

 

「はひゅ、んっ、……ぃ、ちょ、ちょっと、……ぁ」

 

 丹念に、丁寧に塗り込みながら園子の様子を窺う。

 最初は二人でのくすぐりに対し、悶えるだけの様子であった園子。

 しかし、時間が経過する程に少しずつ、園子の吐息に艶が籠り始めた。

 

「……」

 

「……そのっち、どう? 気持ち良い?」

 

「……うん」

 

 全裸の少年少女が二人。

 一人だけが水着を着ているのは不公平ではないのだろうか。

 そんな思いで、抵抗の薄い園子の紫色のビキニを剥き、白い女肉を拝む。

 

 外気に曝け出された園子の乳房。

 ぷるん、と震える極上のプリンのような乳房に一筋の滴が垂れる。

 

「んっ……」

 

 段々と口数を減らす園子。

 胸板に背中を預け、ゆっくりと目を細める少女はふと此方を見やる。

 いつの間にか潤んだ琥珀色の瞳に喜悦の色を宿し、顎を上げ、唇を窄める。

 

 それは意地悪な自らに拗ねたのか、キスを望んでいるのか。

 

 恐らくは後者なのだろう。

 乳房の感触を両手に感じながら、園子に顔を近づける。

 整った目鼻や眉、透き通った白い肌を伝う一筋の汗に目を奪われる。

 

「んっ!?」

 

 そんな時だった。

 大きく目を開く園子の反応に、下半身担当である東郷へ目を向け、

 

「おぉ……っ」

 

 その光景に呟かずにはいられなかった。

 いままで避けていたらしい恥部へ、ついに東郷の魔手が伸びていた。

 左腕を少女の腰部に回し、抱き着くような姿勢で水着の中の恥部へと手を入れている。

 

「……っ」

 

 ぎゅううっと俺の腕を園子は掴む。

 目を細め、熱い吐息を漏らす園子と同時に東郷による『責め』を見やる。

 

 水着の中に手を入れ、媚肉に触れているであろう東郷の指。

 隙間からは園子の髪色と同じ毛色の薄毛と、耳を澄ませば小さく聞こえる水音。

 そして手の中で反応する乳首と、至近距離で漏れる園子の淫魔な声音だ。

 

 浅い所がいいのか、臍側の膣壁がいいのか。

 初々しく、どこか大胆さを兼ねる同性からの愛撫に園子は息を呑む。

 小動物のように震える園子の紫の水着の中から、徐々に粘り気のある淫音へと変貌する水音が東郷の手より奏でられる光景は、感動すら覚える物であった。

 

「ふふっ、そのっちの……凄くぬるぬるしてる」

 

「……!」

 

 東郷の言葉責めに顔を赤らめる園子。

 同性とはいえ、同級生に弄られて濡れているという状況。

 どこか開き直り、妖艶な笑みを浮かべる少女は、一体誰を参考にしたのだろうか。

 

「……こうだったわね」

 

 何故かチラリと俺を見る深緑の瞳。

 やがて、するりと園子の身を包む最後の布切れが取り払われた。

 媚肉に細い指を吸わせ、遊ぶように薄い陰毛付近を親指で弄る東郷の姿に俺は目を離せず無言のまま少女の乳房を弄り、くすぐられ力の抜けた園子を見下ろすばかりだ。

 

「ぁ……!!」

 

「! このあたり……」

 

「ふくっ……」

 

 ぬぷぬぷとピストンをするように指が上下に動く。

 嫌々と首を振る園子の脚を抱くように、至近距離で恥部を見つめる少女。

 興奮し、意地になる東郷は、挿入した指を用いて絶頂の為の探索を続ける。

 

 東郷と園子の『良いところ』は場所が異なる。

 それなりのテクニックと経験と、運で導いた場所は簡単には見つけられない。

 だが、うら若き少女には疑似性交する指の動きでも十分に快感は得られた。

 

 んふ、ふぅ、と鼻息を荒くする園子。

 甘えるように胸板に髪や頬を擦りつける姿に、小さく頬を緩める。

 東郷の手伝いをしたいが、手は届かず、さりとて乳房から手を離せない。

 

「ぁ……」

 

 乳首を指先で弄ると喘ぐ園子の声が耳朶に響く。

 眼前の光景に、復活した怒張は園子の尻肉に硬さを教えつつ出番を待っている。

 

「んあ……っ!」

 

 突然、園子が嬌声を上げた。

 ビクン、と身体を硬直させる姿に東郷の方へと目を向ける。

 

「くりくり……」

 

「ふっ、……あっ、ぁ、ぁぁ……」

 

 園子の探求を行いながら、東郷は確実に絶頂の為に動いていた。

 自らの経験を元にしているのか、少女の髪色と同じ色の陰毛、薄毛の中から陰核を掘り出す。

 探索の合間に、女が確実に感じる快楽器官を虐めようと親指と人差し指で優しく摘まむ。

 

 園子の身体が震え、同時に脚がジタバタと動く。

 蛇のようにくねり動こうとする園子の腰と脚をがっしりと拘束し、愉しそうに東郷は捕食するように園子の恥部を弄り、絶頂に導こうと指先を動かしている。

 

 親指で陰核を潰し。

 人差し指で根本を擦られる。

 片方の指で媚肉と愛液と戯れる。

 

「……っ、ッッ」

 

 腕を掴む園子は必死に堪える。

 自らの行動の結果とはいえ、本当に親友に絶頂させられる。

 そこに発生する羞恥と、抱く快楽の強さとは一体どれほどなのか。

 

「わ、わっしー、ね、ね、もう……やめ」

 

「そのっち」

 

 誰にでも初めてはある。

 そして今、その初めてが達成されようとしていた。

 慈愛の笑みを浮かべる東郷は、優しく厭らしく、小さな肉粒をひたすらに擦った。

 

「逝って」

 

「っ、ッ、~~~~~っっっ!!!」

 

 言葉にならない悲鳴。

 ビクンと腰を浮かし全身を痙攣させる。

 しかし、上ったばかりの少女は、更なる追撃を受けた。

 

「~~~っ!! わっ、まって、いまは」

 

「もっとくりくりしようね……そのっち」

 

「ふくっ、ぃ……、ああぁぁっっ……!!?」

 

「そのっち、可愛い……」

 

「あひゅ、まって、少し、んん、わっしー、ィ~~~……っっ!!」

 

 くりくり、と言いながら東郷は陰核を弄る。

 剥きだされ震える肉粒を愉しそうに優しく指で撫でる。

 

 東郷は意外にテクニシャンだった。

 じゅぶじゅぶと猥らな水音を響かせ、自らの顔に掛かる飛沫を物ともせず、どこか目の据わった表情でお嬢様を狂わせる様は、もはや美しいとすら感じさせる物であった。

 

 可哀そうに。

 助けてあげたい。

 

 そんな思いで、喘ぎ涙を浮かべる御令嬢の唇と唇を重ねる。

 乳房を揉み、乳首を弄り、陰核を弄られ、恥部を解される園子。

 

 きっと媚薬の所為で身体の表面が敏感になってしまったのだろう。

 そろそろ洗い落とそうとシャワーヘッドを手に取ると、満足気な東郷がそっと立ち上がり、ぐったりと身体を弛緩させた園子に薄く微笑む。

 

 その光景を見て、ふと思う。

 機械が織りなす無機質な放水。

 それを直接恥部に当てて洗えば、少女は、一体、どう咲くのだろうか――。

 

「亮くん」

 

「うん……?」

 

「教えて欲しいの……」

 

 シャワーヘッドを手にする俺に、冴えた月光のような微笑みを浮かべる少女。

 酩酊したように、或いは捕食者の如く、加虐性を帯びた獣は、床石上で震える少女を見やる。

 豊満な乳房、谷間を流れる滴に目を向けながら、鈴音の如き声で俺に『お願い』を告げる。

 

「亮くんなら、もっと……」

 

 華は愛でる物だ。

 華は咲かせる物だ。

 愛という水を、慈悲という肥料を与え、初めて華は猥らに咲くのだ。

 

 片脚を東郷が。

 もう片方の脚と腰を俺が掴み固定する。

 分娩台のように無慈悲に脚を開かせ、恥部を曝け出す。

 

「!」

 

 息絶え絶えであった少女の意識が戻り、慌てて上体を起こそうとする。

 ぐぐっと腕に力を入れて抵抗する少女は致命的なまでに遅く、既に媚肉へと指が挿入される。

 女の細く柔らかい指ではなく、どこかゴツゴツとした硬い指先は、すぐにある場所に辿り着く。

 

「ぁ、まって、かっきー……そこ、本当に、だめなっ」

 

「東郷さん、見ててね」

 

「うん」

 

 強制的に上らされる事を予感する園子は腕を伸ばし俺の頭を掴む。

 初めて示す抵抗、それは繰り返す性交の中で見付けた園子の『弱点』に触れられる恐怖からか。或いは本当の意味で愛撫され、よがる様を親友に見られる事への危惧からなのか。

 

 どちらにせよ、遅いが。

 膣内の、ざらついた部分を、指で撫で――、

 

 

 

 +

 

 

 

 どれくらい時間が経過したのだろうか。

 仰向けにし、無理やり脚を開かせ、四つん這いにさせ、空へと上らせる。

 蕩かすように、恥も外聞もない声を上げさせて、少女を唯の雌へと変えていく。

 

「……、ぅぇぇ……」

 

 ただ、その過程がやり過ぎたのだろうか。

 あの園子が涙を浮かべる様に流石に心が痛み、口端が歪んだ。 

 

「……ぁぁ」

 

「そのっち」

 

「……っ」

 

「気持ち良かったでしょ?」

 

「……」

 

 黙り込む自らとは異なり、優し気に東郷が話しかける。

 大粒の涙を浮かべる少女は嗚咽しながらも、コクンと頷いた。

 その様子を見る黒髪の少女は安堵したように、続行させるよう俺に目線で訴えた。

 

「亮くん。もう一回」

 

「えっ、まって、もうイきたく……!」

 

 それから数回、無機質なシャワーと自らの指先と口が園子を絶頂に導いた。

 余裕の表情を無くし、腕の中で息絶え絶えの少女は涙ながらに哀れみを乞う。

 その姿は今すぐに押し倒し、ぐちょぐちょに犯したくなるが、下は体液塗れのタイルだ。

 

「……」

 

 向き合い、静かに挿入する。

 熱くぬめる膣内は子種を求めて締め付ける。

 

「は、ぁ……」

 

 どこか満足気に吐息をする園子。

 繋がり、彼女の重さを感じながら、俺はゆっくりと床石に身を横たえる。

 お互いに無言のまま、俺の身体に跨り貫かれた少女は腰を動かし白濁を望む。

 

 性交を望む者同士において成立する体位。

 ぱんぱんと尻肉と腿がぶつかる度に音を立てる。

 自ら腰を動かし、喘ぎながら、胸を揺らす少女。

 

 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、と。

 淫らな水音は、雄と雌が激しく動く結合部から生まれる。

 俺を捕食しているのか、それとも俺が捕食しているのか曖昧になる。

 

 見事な金髪が舞い、乳房が上下に舞う。

 汗と湯が少女の裸体を弾く中で、男女で異なる筋肉がぶつかりあう。

 

「……っ」

 

「かっきー、……かっきぃ」

 

 名前を呼ばれる度に自らもまた怒張を最奥に突き上げる。

 口端から涎を垂らし、此方を見下ろす瞳には確かな情欲が宿る。

 雄と雌の交尾。体力を振り絞る俺に、ふと腕を折り畳み園子はもたれかかる。

 

「かっきぃ」

 

「……」

 

 疲れたのか、胸肉を押しつぶしながら園子は顔を近づけてくる。

 カエルのように脚を開き、しなだれかかる可憐な少女は小さく囁いた。

 

「かっきーの……、私の中に、びゅーって、一杯出して」

 

「……っ」

 

 殺し文句とも言える言葉。 

 神経に電流を奔らせるような甘い、甘い声音だった。 

 お願いならば仕方ないとばかりに少女の尻肉を掴む。

 湧き上がる衝動に突き動かされ、ぐにゃりと形を変える柔肉を怒張に叩きつける。

 

「ンあ、っ、ぁ、ぁ!」

 

 玩具のように少女の腰を強引に動かし怒張をしごく。

 亀頭と雁裏に意識を集中させ、最高の快楽を貪るべく腰を揺する。

 絶頂を意識する御令嬢の子宮口に、懇願する物を注ごうと歯を食い縛る。

 

「っ」

 

「っっ」

 

 やがて、行為の果てにその時は訪れた。

 天上を目指し、樹海のように広がる精液が吐き出された。

 

「ぁぁぁ、っ、~~~~……!!!」

 

 身体から抜けていく感覚に酔いしれる。

 僅かに発生する倦怠感の中で、喜悦の声を上げる園子の唇が近づく。

 薄紅色の唇から覗く白い歯がゆっくりと俺の右の首筋を狙い、吸うように噛む。

 

 がりっと、血が滲む程に。

 同時に吸い付き、ざらつく舌の感触に、俺は思わず呻いた。

 

「……美味しいか?」

 

 何故か噛みつかれる。

 一体、東郷も、園子も、急にどうしたのだろうか。

 他人に噛み付く理由を理解できず、思わず冗談めいた風に目の前の少女に聞く。

 

「うん」

 

 真顔で、頷かれた。

 

 

 

 +

 

 

 

 時計を見る暇は無かった。

 媚薬の所為なのか、今宵は異常に身体の熱が収まらない。

 

 身体を洗われ、湧き上がる衝動のままに湯舟で東郷を犯すように抱く。

 疲れ気絶する東郷を自室に運び込み、残りの熱を全て、園子に注ぎ込んだ。

 いじらしく思い出の枕を抱き、盾のように抱える少女をうつ伏せにし、背後から挿入する。

 

 僅かにでも声を出せば、抽送ではなく、ひたすらに奥を擦り続けた。

 寝バックという体位だが、意外と園子(の身体)は気に入ったらしい。耳を甘噛みしながら抽送する度に尋常ではない程に膣内が蕩ける程に熱く、熱く、子種を求めた。

 

「……ふぅ、んぅ」

 

「……また声出したから、ぐりぐりしてやるよ」

 

「……ひぅッ」

 

「友奈が起きるだろ。声を出すな」

 

「や……ぁ」

 

 赤くする耳に言葉を囁き、腰を揺する。

 身体を痙攣させ、ビクンと硬直させようとも、ひたすらに擦る。

 しっとりとしたお腹を押し、陰核と子宮口と自らの怒張に刺激を与え、背後から犯す。

 

「~~~~!!」

 

 闇夜の中で行われる。

 金の髪、甘い香りのする首筋に顔を埋め、狂ったように腰を振る。

 時計を見る事は叶わず、ぐちょぐちょという猥音が聞こえる中で、新しい子種を吐き出す。

 

 叫び疲れ掠れた少女の声と鈍い肉の音にもやがて終わりは来る。

 吐き出せるだけ吐き出して、衣服を着せて、脱力感の中で、眠りについた。 

 

 

 

 +

 

 

 

「……」

 

 目を覚ます。

 カーテンの隙間から覗く僅かな光が、友奈の覚醒を促す。

 しばし天井を見つめるがゆっくりと上体を起こし、無言で周囲を見渡した。

 

 彼の自室だ。

 見慣れた家具、壁に掛けられた時計は八時を過ぎた事を教える。

 休日であって良かったとぼんやりする頭で、腕を伸ばし瞬きを繰り返す。

 

「……」

 

 瞼を擦り、小さく口を開く。

 乾いた口内に入り込む空気に舌を動かしながら少年に目を向ける。

 暑かったのか、シャツとトランクスだけという姿に僅かに頬を赤らめた。

 

「ん……」

 

 少年は酷い寝癖だった。

 髪を乾かすのを忘れたように黒い前髪が逆立っていた。

 僅かに眉を顰め、小さく唸る少年は悪夢でも見ているのだろうか。

 

 一体どんな夢なのだろうか。

 月の綺麗な草原で誰かとお茶会でもしているのだろうか。

 何故か思い浮かぶ妄想を切り捨てて、友奈は少年の周囲に目を向ける。

 

「……」

 

 彼の右隣りに眠る金色の髪の少女。

 彼が大事にしているサンチョの枕を抱きしめ、うつ伏せで眠りについている。

 金髪を広げ、まるで声を抑えるように顔を埋める少女の表情は確認出来ず、力むように両手で掴む白いシーツには皺が寄っている。

 

 暗闇の中で誰かに着させられたかのように前後逆のシャツと、下腹部を冷やさないように薄い毛布を掛けて眠る園子をジッと見つめる薄紅色の瞳はチラリと彼女の白い脚付近に向かう。

 彼女のパジャマが、丸まった花柄の下着(ショーツ)が、乱雑に散らばっていた。

 

「……」

 

 続いて、彼の左隣で眠る黒い髪の少女。

 珍しく友奈よりも眠りこけ、黒い髪を乱れさせ、無防備な寝顔を晒している。

 彼女もまた暑かったのだろうか、着るパジャマはボタンが外れ、雪肌のような素肌が覗く。

 

 珍しく寝相が悪かったのか、染みのあるシーツを握る彼女たち。

 昨日は水泳を行い、焼きそばパーティを行い、トランプをして一日中楽しく過ごしたからか、体力を消耗し疲れてしまっているのだろう。 

 

「……」

 

 すん、と鼻を鳴らす。

 窓もドアも閉められた部屋に漂う、なんとも言えない匂い。

 普段は嗅がない、しかしどこかで嗅いだような匂いに小さく眉を顰めた。

 

「……」

 

 無言のまま四つん這いで友奈は動く。

 園子の身体を踏まないように乗り越え、疲れたように眠る少年の元へ。

 見下ろす薄紅色の瞳は前髪に隠され何者にも、宿る色を見る事は出来ない。

 

 あーん、と口を開く。

 同時に小さな声で呟く。

 

「……絶対に」

 

 かりっ、と噛み付く。

 マーキングをするように、喉元に、口づけをするように、噛み付いた。

 

 ――首筋に、鎖のような華が、咲いた。 

 

 

 




+++
絶対に、離さない。
絶対に、赦さない。
絶対に、――――。

ヤンデレこそ至高。
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