――舌先がぬるりと絡みあう。
「は……ぁ……」
にちゅ、にちゅ、と唾液が絡む音を響かせながら舌を絡ませる。
覚束ない少女の舌を導くように、案内するように、丹念に味わう。
丹念に、丁寧に、執拗に、粘着質に、少女の身体を解していく。
奉仕をするように、怯み逃げようとする舌を強引に絡め取り、優しく吸いとる。
「ン……っ」
否、するようにではない。それは紛れもなく奉仕であった。
怖がる少女に甘い毒を注ぎ込むように、口腔奉仕を続けて教え込む。
快楽という甘い甘い毒を浸透させられる――。
「……んっ、ぁふ………」
繰り返されるキスにどこか虚ろな表情を浮かべる少女。
愛し合っている訳でも無いキスはひどく淫靡で、ただ快楽を求める行為だ。
「ぅ……、ぁ、っ」
可哀そうな程に顔を赤くした風。
快楽を知り始め、それに溺れ始める女の息は荒く、目端に薄く涙を浮かべている。
舌の感触を、柔らかさを、見下ろす少女に教え込む度に絨毯の上で哀れな程に息を荒くする風の姿に普段の面影はない。
苦し気に息をする度に唇を塞ぐ。
歯列をなぞり、唇を重ね合わせる度に絡んだ唾液が風の口端から垂れ落ちる。
頬肉の柔らかさを。
舌裏の柔らかさを。
キスという行為を。
一人では決して知ることの出来ない知識を植え付けていく。
「は、ぁっ……、ふ……、……っ」
キスをした際の呼吸の仕方が分からずに鼻息を荒くする風。
その姿に小さく笑みを浮かべ、抗議の声を上げられる前に薄い唇を奪い取る。
「ンんっ!! ……!」
溺れ始めているのだ、彼女は。
男に導かれて、唐突に快楽の海に落とされて、必死に息をしようと。
溺れる者が藁を掴むように、もがくように俺の腕をぎゅっと掴む風は普段の姿からは想像もつかない程に可愛らしく、小動物を思わせる姿に樹の姿を連想させてしまう。
「可愛いよ、風」
「っ、……! ぁ、もうやめ――」
せめて顔を背けようとする少女の横顔に唇を宛がうだけのキスをする。
頬に、首筋に、鎖骨に、唇と少女の柔肌が触れる度にぴくっと身体を震わせる。何かを怖がるように腕を掴んでいた手からは少しずつ力が抜けていく。
そうした反応を見ながら、ふと風に囁きかける。
「キスは好き?」
「そんな、ことは……」
「嘘」
「ひゃん……っっ!」
つるりとした腿を撫で上げると聞いた事も無いような甘い悲鳴を漏らす風。無意識に漏らしたのか、数秒の時間を置き、頬を朱色に染めていく様は美しき紅葉を思い出させた。
ただ撫でただけ。驚きと僅かな快楽を混ぜた悲鳴に少女の顔を見つめる。
「……い、今のは違うからっ! その、ほらっ、驚いただけっていうか」
「そうなんだ」
「いや、本当に!」
「恥ずかしいの?」
「は、恥ずかしいに……っ、んッ!」
するりと腿から股の付け根へと手のひらが滑り込む。
むわりとしたスカート内、僅かに汗ばんだ内腿と恥部を隠す下着に指先が触れる。
「っ」
息を呑む風は咄嗟にスカート内に伸びた腕を掴む。
随分と弱々しい力は非力な少女である事を理解させると同時に嗜虐心を煽らせる。
だが、止めて欲しいなら、どうしてそんな羞恥の表情を浮かべて首を振るのだろう。
指先が、中指が下着越しに恥部を撫でる。
ぴくんと腰を動かす中、想像だけを頼りに下着を撫でるとぬるりとした感触が指先に伝わる。内股になり閉じようとする両脚を力で隙間を作り、ガラス細工を扱うように淫靡な蜜を吸った下着越しに恥丘を上下に擦る。
すりすりと中指で撫でる度に熱い滴が染みを広げていく。
ゆっくりとした動きで、貝肉を手のひらで揉むように愛撫をすると吐息に熱が混ざる。
されるがままに抵抗の少ない少女を見下ろすと、薄く目を開いた風が此方を見上げる。
腕で抱いた頭を僅かに上げ、羞恥の涙を浮かべながら、せめてもの抵抗に口火を切る。
「……変態」
「――――」
「随分とっ、手慣れてるじゃない……」
時折漏れる嬌声を必死に隠し、それでも漏れる甘い声の合間に必死に虚勢を張る。
それは見て分かる程度には薄い虚勢であって、今更ながら先輩としての威厳を保ちたいのか。その姿は数日前の夏凜を思い出させ、同時に比較対象を持つ自分自身に哂ってしまう。
そんな俺に眉を顰める風を可愛がるように薄く笑い掛ける。
「……変態なのは風先輩ですよ。自分がどれだけ濡らしてるか、分かりますか?」
「―――!」
「ぬちゅぬちゅって音しているの、聞こえます?」
「……ッ、っ、ぁ」
顔を赤らめた少女は事実を拒否するように薄く開いた目を再びぎゅっと閉じる。
だが、目を閉じれば同時に聴覚の方が敏感になる物だ。姉妹と俺以外に音を出す存在は無く、ちゅくちゅくと淫靡な音を聞かせているのを自ら理解しただろう。
ザクロの実のように硬さを帯びた肉芽を親指で撫でる。
下着越しに感じる小さな肉粒は親指が触れるだけで少女を小さく喘がせる。
じわりと下着に新しい染みが広がっていく様を指の腹で感じ取りながら囁く。
「先輩。可愛いね」
「……!」
再び開かれた瞳は先ほどとは異なり、僅かな熱を孕んでいた。
顎を持ち上げ、何かを告げようとする風の唇を塞ぐと、唐突に風が仰け反る。
「んッ――!! ぁ………」
唇を離し、見つめた少女の顔は虚空を見上げパクパクと口を動かしている。
どこか見覚えのあるその表情を見るに、軽く絶頂に達してしまったらしい。
驚くほどに敏感な少女に絶頂のご褒美として口付けをする。
そうして葡萄の皮を剥くように、力の抜けた風の身体から衣服を剥いでいく。
スカートはそのまま、ただ上着を脱がせる。
部屋着故にか薄い布地越しに人肌を感じながら、ボタンを一つずつ外していく。
「ぁ、ぁの……」
抗議とも困惑の声音とも取れる風のか細い声を聴きながらボタンを外す。
黒曜石を連想させる黒色のボタンを外していくと、むわりと風の素肌から甘い匂いが漂う。
「恥ずかしいからっ……、そ、そのっ、女子力的にもこの辺で十分かな~……って」
「そうですか? ここで止めたら女子力はマイナスになりますよ?」
「えっ、そんなに下がるの……?」
「恥ずかしいと思う程に女子力は上がります。さっきみたいに絶頂する程に上昇します」
「い、イってないからっ!!」
「……」
「ホントだから! っ、……アタシくらいになればあ、あんなもん余裕よ!」
衣服の下には、薄黄色のブラジャーが見える。
彼女の肌を包むのは薄いシャツとブラジャーのみと、雄を前に随分と無防備だ。
上着の前面を半分程開き、薄黄色の下着は乳房を包んでいるが簡単に外れそうだ。
まだ男の手が触れた事の無い無垢な領域。
汗が僅かに肌に浮かび、ブラジャーと乳肉の間を伝う光景を暫く見つめる。
衣服を脱がされ黙り込む少女を余所に、眼下の光景を目で愉しむと手で乳房に触れる。
風の乳房は餅を連想させる程に柔らかくしっとりとしている。
くしゃ、とブラの形が変わり、ずれたことで隠れていた雪肌の乳肉が露わになる。
「ゃ……っっ」
桜色の突起は既に硬さを帯び、羞恥を感じた乳房はぷるると震えている。
咄嗟に隠そうとしたのか胸元に伸びる少女の手を掴むと、風と目が合う。
「っ」
ふい、と横を向く風の横顔は赤い。
そんな彼女の反応を見ながら、確かめるように舌先で乳房を口に含んだ。
「ぁっ!」
小さく声を上げる風、唇で乳首を優しく愛撫する。
指で弄るのも良いが赤子がするように肉粒を唾液で濡らしながら舐める。
上唇と下唇を擦り合わせ、間の乳首を挟み込むようにしごくと喘ぎ声が漏れる。
「ゃ、ぁ……それ、っ」
東郷にも迫らんとばかりの双丘は手のひらにズシリと重みと柔らかさを伝える。
やわやわと下乳を揉みながら乳首を舐め転がすと、風が泣きそうな目で俺を見つめる。
もっと優しくして欲しいのか。
或いは虐めて欲しいのか。
きっと後者なのだろう。
そう判断した俺は、風の身体を抱き上げる。
「えっ、ちょ、ちょっと……ッ!?」
あれだけ食べているというのに驚くほどに軽い少女の身体。
突然抱き上げる俺に視線を向ける風を寝台に横たえさせると少女は驚愕の表情を浮かべる。
それは突然の紳士的な行為に対する物ではない。
酩酊し、初めての性的行為による物で視界が狭まっていた自らと目の前の光景にだ。
「ぁ……」
樹が寝ている。
事実としてはそれだけだ。
「………」
自らが使用する寝台で妹が寝ている。どこかズボラらしい樹、それに加えて甘酒の所為か、或いは奇術でテンションが上がったのか、少し前から姉の寝台で寝転がっている少女。瞼は震え僅かに不規則な寝息を立てる樹に風は息を呑む。
その寝顔は僅かに赤らんでおり、今にも起きそうな――、
「んっ、んぅぅ……」
自らの口を手で塞ぎ、嗚咽を、悲鳴を、嬌声を抑える姉。
妹の手前である事を酩酊していたとは言え忘れた自らを恥じ、そして自らの状態に羞恥を抱く少女は抵抗を、――あまりにも遅い抵抗を行い、男の嗜虐心をくすぐった。
「……静かに」
「ッ~~~!!」
力の無い腕が俺の胸板を叩く。
嫌々と無言で首を振る風を無視し、スカートを捲り上げる。
上下セットだったのか僅かに花柄の刺繍が施された薄黄色のショーツは、汗と花弁から滴る蜜液で張り付いていた。するりと下ろすと風の蜜は透明で、糸を引いていた。
「ぁ、ぁ……!」
風は恥部よりも自らの赤らんだ顔を隠す。
抵抗する素振りを見せながら、拒むふりをしながら、既に待ち構えている。
そっと両脚を開くと少女の花弁は程良く濡れそぼっている。
髪と似た毛色の陰毛が蜜液で恥丘に張り付き、開いた陰唇から濃厚な雌の香りが漂う。
チラリと少女の顔を見るが声を隠そうと必死な姿が目に映る。
声を抑える気満々の少女だが、そんな彼女の腿を掴み媚肉を覗き込むと小さく声を上げた。
「ぇ、ちょッ……!?」
俺はひくつく風の媚肉に問答無用で吸い付いた。
じゅるるっと下品な音を立てながら貝状の肉から蜜を啜ると、風は突然腰を浮かした。
「やぁぁっ……!! ん――、んん……っ」
ぎゅっと掴んだ風の腿に力が入るのが分かった。
大きな瞳を見開き、喜悦の悲鳴を漏らすも慌てて押し殺す。
哀れな程に顔を赤くする風は声を出す事も抵抗をする事も出来ない。
動けば、声を漏らせば、抵抗すれば、自らの痴態を樹に見られる事になるからだ。
だから風は我慢するしかない。男の手で与えられる快楽の暴力に、ただ耐えるしか――、
「っふ! くっ、んッ―――!」
妹の為なら姉は頑張れる。
ならどれだけ頑張れるのか。教えてくれないかと思い、ゆっくりと肉芽に顔を近づけると、気配に気づいたのか必死に両脚を閉じようとする風は悲鳴にも似た喘ぎ声を漏らす。
「や……」
「声、我慢してね」
涙をじわりと滲ませながら風は声を押し殺す。
その姿に笑みを浮かべそうになりながら、俺の舌が貝肉に届く。
鼻先が恥毛にくすぐられながら、丹念に愛撫を始める。
貝肉を舐め、時々クリトリスを舐めて、丹念に、執拗に絶頂へ誘った。
+
淫らな水音が止んだ。
姉としてのプライドを守るため、何度も絶頂に達しても彼女は大きな声を上げなかった。汗を滴らせ、湯気と熱を絡ませ、シーツに自らの蜜で大きな海を作ろうとも。
「あ……ぁ……」
それでも既に限界なのだろう。十分程度の攻防だが終わりは近い。
スラックスを脱ぎ、反り立った怒張を風に見せつける。頬を桜色に染め、しかし顔を隠す指の隙間からしっかりと怒張を見つめる姿は興味関心がある事の証明になるだろう。
「……!」
対面座位で、先端が秘裂に沈む瞬間を風と共に見つめる。
そして――、
「ぁ………ぁ、あ!」
同時に肉芽を指で摘まみながら奥深くまで挿入する。
ぬるりとした媚肉が怒張を受け入れるように、ぎゅっと締め付ける。
「んぅ……ッッ……んぁあっ!!!」
クンニリングスで沈黙の舞を披露した風に体力は残されていない。
僅かに余裕のある表情を見下ろしゆっくりとピストンを繰り返しながら、そのまま親指と人差し指で肉芽を弄ると恥も外聞も無く風はぐんと背を反らし、再び天国へ。
幾度にわたる絶頂で思考を塗りつぶされ、首を仰け反らせる風へストロークしながら肉芽を弄り続ける。処女でも感じる快楽器官は彼女の普段の自慰に因る物か、簡単に少女を絶頂に導く。
肉芽を潰す度に、熱く濡れた媚肉が怒張を締め付ける。
「ぁ、いッ、や……やりゃっ、ぁ、あぁぁッ!!」
必死に声を抑える理性すら決壊し、嬌声を少女は寝台に響かせる。
敏感になった風は奇術師のテクニックと肉芽への集中的な愛撫で絶頂の波に揉まれている。
虚ろな瞳、我慢を忘れ、口端からは粘度の高い唾液がシーツに垂れる。
いやらしさの増す雌の香りが室内に漂い、脛骨部と臀部がぶつかる音が響く。
シーツが乱れる音、寝台が軋む音。
嬌声を漏らす風の唇を塞ぎ、ストロークと同時にクリトリスを責める。
やがて――、
「〜~~~~~ッッ!!!」
怒張による物か、愛撫による物か、両方か。
何度目かの絶頂に達し、締め付ける膣内から竿を引き抜く。
せりあがる射精感に逆らわず、手で数回程しごくと白濁が風の白い腹に掛かる。
「っ」
虚脱感と共に鮮明になる思考。
そして僅かにぐったりとした風を余所に、たった今出した精液を指で掬う。
「――――」
「……」
「気づいてるよ」
「……え?」
そうして眠る少女の、――眠ったふりをした樹の唇を指でなぞる。
ぴくっと肩を震わせる樹、そして俺の言葉が聞こえたのか小さな声を漏らす風は慌てて隣の樹に目を向ける。風の健闘にも関わらず、結局自らの痴態が妹に見られていたのか。
当たり前の事実だ。
だって、こんな事をしていて起きないはずがない。
否、そもそも少女が最初から眠っているという事実すら――、
「……いつき?」
「………」
――ぺろりと精液を塗った唇を舐めとる音がした。