――非常に唐突ではあるが。
重ねた唇は、柔らかく、チョコの味がした。
「――――」
「ん……」
ただ唇を押し当てただけの口付け。深夜に交わるような色濃さを残す口付けではなく、相手からの確かな親愛を知ることが出来る甘い言葉以上に柔らかな触れ合いだった。
両頬に伝わる手のひらの感触、押し付けられて形を変える唇の形、熱い吐息が俺を擽る。
それは一種の愛撫であった。
悪戯ともとれる少し密な触れ合いは、少し長めに続く。
薄眼で眼前の相手を見つめる。
積極的に口付けをしてくる相手はどこか熱に浮かされた表情で唇を重ねる。
「ぷは~」
「どうしたよ……?」
「ん……したかったから」
やがて触れるだけのキスに飽きたのか、或いは満足したのか。
柔和な笑みを浮かべた少女は俺の唇を解放し、至近距離で瞳を見つめる。
交錯する血紅色の瞳と琥珀色の瞳。
互いの瞳の奥の感情を見下ろし、見上げる俺に園子は小首を傾げ言葉を紡ぐ。
「ねえ、ぎゅーってしてくれないの……?」
「……」
爛々と輝く琥珀色の瞳には少年の顔が映し出されている。
呆けた顔をする少年を見下ろしながら両腕を広げて抱擁を求める園子。
重力に従い、垂れ下がる絹のような金色の長髪からは上品な甘さと少女の香りが漂う。
俺の身体に遠慮なく馬乗りになるお嬢様の長い睫毛を見ながらゆっくりと手を動かし園子の背中に回すと、んぅ……とご満悦そうな吐息を漏らした。
「今日は甘えたがりな感じですか」
「そんな感じかな~、駄目?」
駄目。そう告げれば彼女はどんな顔をするだろうか。
一瞬そんな事が脳裏を過りながらも、猫のように甘える少女の髪の毛を手でどけて露わになる形の良い耳元に噛み付くように、囁くように、肯定の意味を込めて彼女の名前を呼んだ。
「園子」
「……!」
「いちいち、聞くなよ」
抱きしめた園子の身体は細く、柔らかかった。
少女の身体には筋肉が無いのかと思う程に、抱きしめると柔らかい女体は神秘の一つだ。リビングのソファ上での抱擁、背中に腕を回し、首に顔を埋める園子の表情を窺うことは出来ない。
「――――」
抱擁を始めとした園子からの触れ合いは珍しい物ではない。
年頃の少女にしては恥ずかしがったりする事も少なく、純粋に甘える事に戸惑いを覚えない。ふんわりとパンケーキのように柔らかく、母性を膨らませたような笑みを浮かべる園子は、このようにして人肌を求めて擦り寄る。
「すりすり~」
ふわりと漂う園子の香りが鼻腔を擽る。
絶対に離さないとばかりに強く抱きしめる少女の髪の毛から甘い匂いを嗅ぎ取る。テレビから聞こえる音声は遠く、視界の端を金色に彩るニットセーターを着た令嬢が漂わせる香りの正体。
「……今年はちゃんとかっきーにあげられそうだな~って」
「……園子からは久しぶりな気がするな」
「でしょう? 楽しみにしてた?」
「そりゃあ……キッチン占領してから漂うチョコの匂い、園子様直伝のお菓子なら期待ですよ」
「わ~、期待されちゃった~」
そう告げる園子は長い睫毛を震わせ小さく囁く。
大抵の事は大体なんとかなる万能系のお嬢様、園子は顔を上げてジッと俺を見つめる。
「食べたい?」
「園ちゃんを?」
「昨日も食べたでしょ~……? 寧ろ私がかっきーを食べちゃいたいな、がおーって」
俺の股座に収まるようにすっぽりと小さな体躯を埋めた園子は手を伸ばす。
指を丸めて動物の物真似のような動きをする少女はそのまま指を広げ、俺の頬に触れる。
「俺が食べられるのか」
「そうだよ」
そのすべらかな指の感触を頬に感じながら眼前の美少女を見つめる。
ふんわり、ぽわぽわな雰囲気とフレンドリーさを醸し出す金髪の少女はエプロン姿だ。
丈の短いクリーム色の縦セーター、黒色のストッキングに包まれた少女の脚は曲線美を描く。
「私が、食べるの」
――白く綺麗な指だ。
小説を書き、お菓子を作り、夕飯を作り、武器を握り、幸せをもたらす指が俺を擽る。
その指先に敵意は無い。
どこか愛おしさを感じるような指付きは、寧ろ心地よさすら感じさせた。
「……」
「……かっきー」
「うん?」
園子との距離感は近い。
パーソナルスペースは物凄く近く、こうして密な触れ合いは珍しくはない。
かと言って空気が読めない訳ではなく、誰とでもこうして密着し合うような事はしない。
男女として、異性としての間を考えるならば近すぎるだろう。
特に性行為をした思春期の男女なら、こんな些細な触れ合いですら甘い毒になる。
それは決して俺だけではない。
健全な肉体には健全な性欲が宿る。それは当然、快楽の味を覚えた令嬢ですら――、
「……」
「……ッ」
頬を撫でていた園子の片手はいつの間にか俺の下腹部、膨らみを見せる股間に向かっていた。ズボン越しに勃起し始める男の肉棒の裏筋を舐めるように撫でる少女は静かに吐息をする。
視線を交わす中で、互いの瞳に拒絶の色は無い。互いにこうなる事を理解し、望んでいる。
ズボン越しに反り立ち始める肉茎を小さな手で擦り刺激する園子は、微笑を浮かべて俺を押し倒す。後頭部に感じる柔らかな感触に気を取られる前に、視界は白金に染まる。
「おっきくなってる……」
「……」
「ふふっ、この部屋……少し暑いね」
「園ちゃんだけじゃない?」
「……そういうこと言うんだ、へー」
ゆっくりと上下に手を動かし、男の不思議な構造について呟く園子。何度も見ているだろう男の肉棒の反応に仄かに顔を赤らめながらも大胆にズボンを引きずり下ろし、外気に晒した。
赤黒く脈打つ肉棒を躊躇いなく握る少女の指は細く、冷たく、力が籠められている。
「ッ」
「あー……むっ」
小さな唇が亀頭とキスをする。
ふにゅりと上唇と下唇の感触を感じ、思わず息を呑む。
ぬぷ、ぬぷぷ、と大きく口を開いた園子の口内に誘われる昂った怒張。ぬるりとした唾液と歯の感触が亀頭を包み込み、柔らかくぬめる舌先が雁裏を舐め上げていく。
チラリと此方を上目遣いで見上げる少女の鼻息が恥部を擽る口腔奉仕。味わうような舌の動きと自らの頭部を上下させ雁周りを刺激する姿はどこか慣れた物だ。
「ひもひい……?」
「ああ……良いよ」
ちゅぱ、ちゅぱと啜るように怒張を頬張る園子の奉仕姿を目に焼き付ける。
熱い吐息が肉棒を昂らせ、ぬめる唾液と僅かにざらついた舌、唇が吸い取るように締め付ける。第二の花弁とも言える園子の口内の感触は最高と言える。
だが絶頂に達せるかと言えば、少しもどかしい。
「んぶっ! んんっ」
軽く腰を揺すると苦しそうに園子は呻く。
同時にチラリと此方を見上げる少女の批判的な目つきに興奮を覚える。
ゆっくりと腰を揺する。歯茎、頬肉、歯と口腔の各部の感触に甘い刺激を貪る。
「っ」
口端から漏れる唾液と愛液の混ざり物を舐めとる暇は無い。
自らの唾液を肉茎に染み付かせ、にじゅり、にじゅりと手で扱く姿は厭らしい。
優しく甘い奉仕だ。
流し目で此方を見やる園子はどこか余裕の雰囲気を漂わせている。
俺を食べると、そう宣言した通りに、まずは俺の子種を食べようしているのだ。
「――――」
目の前の彼女が尽くしてくれる。
それは凄まじい幸福であり、奉仕する彼女の姿を知っているのは自分だけという事実に心が震える。その震えが射精感へと繋がり、彼女の喉奥へと白濁を爆ぜようと――、
「んっ」
「……園子?」
ちゅぱっ、と怒張が外気に晒される。
少女の唇には唾液と愛液の混じったものが糸を引いていた。
「駄目だよ、かっきー」
「――――」
「無駄撃ちしたら、もったいないよ~」
ぺろりと猫のように舌が唇を舐めとる。
此方を見上げ挑発するように、誘惑するように、園子は立ち上がる。
「よいしょっと」
ソファから立ち上がる園子。
その後ろ姿を見つめ、その真意を視線のみで問い掛ける。
「別に止めたりしないよ。でも、汚しちゃいそうだからね……」
「……」
「かっきーも脱ぎ脱ぎしてね」
「……ん、ああ」
暴発寸前の状況で『お預け』を与えられた俺は目の前でセーターを脱ぐ少女を見上げるばかりだったが、混乱と苛立ちの混ざる思考の中で辛うじて上着を脱ぐ。
そうして一瞬だけ冷静になる事で、ふと思う事があった。
――俺は衣服以下なのか、と。
汚れるのは嫌だ。それが衣服ならば当然だろう。
非常に些細な事を考える自分はきっと器が小さいのだろう。
「今日は黒でーす。似合う?」
「背伸びしすぎ」
「む」
「冗談。綺麗だよ、ただ他の人の前では着ないで欲しいかな」
「かっきーの前でしか着ないよ~」
恥ずかしいからね、そう呟く声を俺の聴力は拾う事に成功した。
セーター越しですら隠せていない少女の乳房のライン。彼女が衣服を脱ぎ、残すはストッキングと黒色の下着だけだ。
透き通る白い肌に映える黒色の下着には華の装飾が施されている。
長い金色の髪の毛を揺らし、眼前で自らのストリップを見せつける園子はゆっくりと背中に手を回す。プチッとブラの留め具が外れる音がした。
脱いだセーターの上にそっと置かれるブラジャー。
ぷるんと雄の前に晒される白い柔肉は震え、伸ばした両手で掬うとしっとりと手に馴染んだ。
「ん……」
「脱がせる?」
「脱がせたい、でしょ?」
「そうとも言う」
彼女の肌を纏う物はたったの二枚だ。
ストッキングと薄い生地越しに見える黒色のショーツのみ。
薄い腰を抱き寄せて、触れた下着は湿った感触。指には光る愛液。顔を赤らめる彼女。
限界だった。
下着と共にストッキングを膝下まで下ろすと透明な糸が少女の恥部と下着を繋いでいるのが見えた。むわりと漂う雌の香りが鼻腔を通じて脳裏に麻薬の如き痺れをもたらした。
「きゃっ!!?」
思わず少女の恥部に顔を埋めても仕方がない。仕方が無いのだ。
ぎんぎんに反り立ったままの怒張からは先走りが肉茎を伝い、思考が乱れる中で眼前にあるのは最高級のデザートなのだ。貪りたくなるのは当然だ。
「ちょ、ま、あっ、ん……ッ、ぁ、もう! 私が攻めるからぁ」
恥毛を鼻に感じながら既に濡れそぼった花弁の蜜を啜ると、数回程身体を震わせた園子は顔を赤くしながら俺を押し倒す。ストッキングと下着を脱ぐ時間すら惜しいとばかりに全裸となった少女は先ほど振りの余裕の笑みを浮かべる。
「それじゃ……いっくよー!」
「お」
仰向けで倒れた俺に馬乗り、園子は怒張を挿入させる。
騎乗位と呼ばれる体位、にじゅん、と湿った肉を押し広げる感触に俺は思わず呻いた。
「ンンっっ!」
締め付ける少女の肉壺は子種を求めて蠢く。
どこか不慣れな動きで腰を動かす度に結合部からは泡立ったどちらかの愛液が垂れる。にゅじゅと雌肉が下品な音を立て、肉壁は驚く程に猥らに絡み、思わず飛ぶ。
「ぁ」
「ぅ、ぁ……!」
抗う事すら許されず、少女に搾られる白濁。
最奥に注ぐ感覚と同時に訪れる白く染まる意識は一瞬だった。
「……あれれ~? どうしたのかな~」
細めた視界で最初に映りこんだのは得意気な顔をしている金髪の美少女だった。何をそんなに喜んでいるかは俺には分からない。だが、ひとまずやられっぱなしは嫌だ。
ゆっくりと上体を起こし、俺を逝かせて喜ぶ少女。
そんな可憐な少女を悦ばせるべく、男の尊厳を掛けて繋がったまま彼女を持ち上げる。
「うおおおぉぉ―――ッ!!」
「えっ、かっ、浮いて……ッ」
こういう時、若い身体というのは便利だ。
案外自分は負けず嫌いらしい、そんな思いと共に既に回復の兆しを感じさせる自らの怒張は硬さを少女の膣内で取り戻し始めていた。それを組体操の如く持ち上げられた園子も理解したのだろう。
軽く腰を揺すると少女は一際甲高い声を上げた。
「ひぁぁっ!!?」
普段と比べ挿入角度が異なるからだろう。
下から斜め上を抉るように行われるピストンは少女の喘ぎ声を高くしていた。
「やっ! それっ、あ、ああっっ!?」
普段刺激されない膣壁は彼女を悦ばせるらしい。
大きく目を見開き、落ちないように首に腕を回す少女は、
「園ちゃんはっ、エッチだね……っ」
「ひぅ……ッ、ち、ちがっ」
「そんな情けない顔して何言ってんだ、よっ!!」
「あああっっ!! あ、ひぁッ……!!」
快楽に目尻に涙を浮かべる園子の喘ぎ声が自らを昂らせる。
もっと少女の声を聴きたいと、もっと啼かせたいと、もっと悦ばせたいと。
湧き出す源泉に終わりは無く目の前の少女の臀部に叩きつけるように腰を揺する。
「ぃぃ、ぅう~~~っっ!!」
びくびくと身体を震わせ、ぷしっと噴き出す小水が床で跳ねた。
「ま、まって……、今は駄目……」
怒張の抜けた恥部からはドロリと白濁と愛液が姿を見せる。
激しく呼吸をする少女は必死に絶頂の空から戻ろうと掴む手に力を籠める。
しかし、そんな容易く帰す訳がない。
ふとある事を思い出しながら、少女を床に寝転がす。
フローリングでは駄目だ。彼女の身体に負担が掛かるし冷える。
絨毯が敷かれた場所に汗だくの彼女を下ろし、狭い膣穴に亀頭を宛がう。
愛液と精液でぬめり、膣壁が蠢く少女の花弁は精液を採取する為だけに生まれたのだろう。俺の子種を幾度となく受け、俺の怒張の形へとその姿を変え、厭らしく真新しい蜜液を臀部に垂らす。
「サンチョ先生」
「――――」
「どうして別名義で官能小説を投稿してたの?」
「……何の事か」
「ランキングトップだったね、おめでとう。あんなドスケベな妄想書いちゃって……園ちゃんって結構マゾだよね。あんな風に虐めて欲しいんだ」
「……べ、別の人じゃないかな?」
「『ちょっと乱暴にされても、自分が相手の物だと主張されてるようで少し嬉しくなる』」
「~~~!!」
「あんなバレバレなの書いちゃう、園ちゃんが好き」
「やぁん!」
とあるWEB小説の金髪の令嬢が見た事のある少年と致す時のモノローグで語られたフレーズ。読めば気づかない訳がない。誰かの日記のような、しかし官能小説として高められた存在について問い掛けると少女は目を逸らした。
絨毯に横たわらせた裸体の園子、汗と自らの愛液で透明な肌を汚す少女のくびれた腰を持ち上げてピストンを繰り返す。ぱちゅ、ぱちゅと一突きごとに淫水音が部屋に響く中で、少女は快楽の悲鳴を上げた。
尻から下だけを下ろさない。
柔らかな尻肉が腰を揺する度にむにゅりと弾力を伝える。
「あっ音、立てないでっ、ゃ! ……ィ、く、あっっ!!」
唇を噛みしめて赤らんだ顔を細い腕で隠そうとする少女。
薄い腰をがっしりと掴み、荒々しく玩具を扱う様に臍側の膣壁を擦るように腰を振ると少女の身体は跳ね、小水を思わせる水飛沫が俺の腹に掛かる。
最奥から滲み出る熱い蜜を怒張は感じ取り、締め付けが性感を高める。
「やっ……まっ、て、いまは、……またっ」
「凄いね、園ちゃん。意地悪されて潮吹きしたの?」
「ち、ちがっ、……ん、んぅああっっ!?」
にゅちゅ、にゅちゅと噴き出す少女の蜜は周囲に飛び散る。
園子の両腕を掴みあらゆる抵抗を阻止し、腰を揺すると眼前で少女の肢体に汗が飛ぶ。
ぐったりとした園子を抱き起こし、下から突き上げる。
突き上げる度に桜色の乳首が上下に揺れ、白くまろやかな乳房も揺れた。
何度もこの手で触れた餅状の肉は俺の手のひらに心地よく吸い付く。
根本まで少女の腰を下ろし、突き上げながら園子の両胸を揉むと、その度に快楽の悲鳴を上げた。
「もっ、や、やらっ、あ……! んっ……ん」
軟骨を思わせる少女の乳首を齧る。
それだけで弓なりに反る少女は法悦の高みに上る。
「吸わなっ、んんっ、それ……はっ!」
嫌々と首を振る園子を見ながら深いストロークを繰り返し、乳首を虐める。
震える園子の両手が俺の首元を掴み、両脚はぎゅっと腰に回され、膣肉の締め付けが増す。
「ンっ、ん~……! ちょ、ひゃめ……!!」
少女の何度目かの授乳経験を俺の唾液で更新する。
ちゅぱ、ちゅぱっと吸っては離す度に苦しそうに、嬉しそうに園子は喘ぐ。
そう告げる園子の腰は俺のストロークに合わさるようにゆっくりと動く。
腰を突き上げ、赤子のように乳首を吸い、余った乳房を己の好きに揉む。
仄かに血の味がする乳首を甘噛みし、飽きる事の無い少女の胸を揉み、再び訪れる射精感を下から打ち付けるようにピストンで昂らせる。
「イ、また、イクっ……!!」
「一緒に……!」
「ん……!」
離れるどころか、自らの両脚を俺の腰に回すあどけない少女。
先ほどまで俺の為にチョコを作っていた可憐な少女は猥らな声を上げ、俺に汚される。
俺は園子を突き上げ、突き上げ、突き上げて。
その時が来た。
「っ」
「ふわぁぁっっっ!!?」
二度目の射精。
びゅぶる、と濃厚な精液を眼前の少女に注ぎ込む感覚に襲われる。
両脚でホールドしている園子に逃れる術はない。余す事なく最後の一滴まで奥の奥で受け取った少女は甘い悲鳴と共に身体を震わせた。
白く染まる視界の中で辛うじて意識を保ちながら、甘い痺れに身を任せる。
「かっきー」
「……?」
「その作品読んだなら、最後にその少女が何て言ったか覚えてる?」
「なんて、言ったっけ」
は、ふ、と息をする少女は両手脚を俺の身体に巻き付けながら囁きかける。
至近距離で見つめる園子は長い睫毛を震わせ、憑き物が落ちたような微笑で告げた。
「愛してる。――私のかっきー」
少女の唇は、甘く、チョコの味がした。