しとしと、しとしと、という音が鼓膜に届く。
ガラス窓を伝う雨粒の音がカーテン越しに聞こえる。
曇天の空から降り注ぐ水滴が水溜まりに落ちる音。
快適な部屋で聞く季節の変わり目に訪れた雨音がどこか遠くに聞こえる。降り続く雨音に空調の効いた部屋にも関わらず、目を閉じると湿った土の匂いが脳裏を過る。
「────」
他に音らしい物は何もない。
寄宿舎と言えども、世界的に重要な存在である勇者のいる場所だ。加えてゲームに没頭することの多い少女の部屋は大赦の計らいかしっかりとした防音処理が施されていた。
だから雨音以外で聞こえるのは吐息と、少し早めの心の鼓動ぐらいだ。
「っ……!」
抱擁し抱き寄せると押し殺したような吐息。
ゆったりとした灰色のシャツと膝までのスカートを着用した勇者の身体は柔らかい。
黒タイツに包まれた脚をぎゅっと閉じ、抱き寄せた身体はわずかに強張る。
「んっ」
触れ合うだけのキスは数秒程度だった。
気が付くと少女を抱いたまま背後のベッドに倒れ込む。
柔らかな寝台は男女二人を受け止めて、微かに軋む音を立てる。
少女の長い髪の毛はシーツに広がり、白い肌は湿り、顔は上気している。
ただ緊張しているのか、千景の片手は俺の肩を軽く押し、もう片方の手は胸元に置かれる。
距離を置こうとするには、随分と密着しているのだが。
「んっ……」
戦いの後遺症である甘い疼きを瞳に見え隠れさせる。
それを覗き込もうとする度に、ぷいと顔を背ける。
顎を掴んでこちらに顔を向けさせると、瞼を閉じて感情の逡巡を押し隠す。
キスをする。瞼を閉じて俺を見る千景。
感情を逡巡させ瞳を見開くも、恥ずかしそうに睫毛を震わせる。
借りた猫のように大人しい彼女。
これから自分がされることに羞恥を抱いているのか。
或いは純粋に愛しの後輩に押し倒されたことに恐怖を覚え、緊張したのか。
「────」
それは嫌だ。
彼女に味わって欲しいのは忘れられないくらいの快楽だ。
戦いで疲れた心に酷く効く中毒性の高い、そんな忘れられない甘い果実を食させたい。
まずはキスのお返しだ。
無防備な首筋を吸い付くようにキスをする。
ほんのりと甘い香りを漂わせた白い肉は僅かにしょっぱい。
「あっ……ちょっ、んっ」
子供が好きな子の関心を引く悪戯をするように。
恋人が互いの愛を確かめるスキンシップをするように。
ゆったりとしたシャツから覗く鎖骨をくすぐり、頬を撫でる。
枕に頭を乗せた少女の絹のような黒髪を撫で、腰骨のラインをなぞる。顔を赤くする彼女を見下ろしながら灰色シャツを捲り、布地に隠れた腹部に手を入れるとくすぐるように肌に触れる。
「く、ふふっ……ゃっ……」
くすぐったそうに頬を緩める千景の身体から硬さが徐々に消えていく。
シーツに皺を寄せ脚をくねらせる彼女は俺の魔手から逃れようとするも、僅かに汗ばんだ柔肌を逃す訳もなく、程よく筋肉と脂の乗った少女の臍を撫でる。
臍を指でなぞり、脇腹に『の』の字を描き、抗議の目線を向ける彼女の頬にキスをする。
「ぁ、ん、んっ」
せめて声をあげまいと鼻息を荒くして長い睫毛を震わせる千景。
目端に涙を溜めてされるがままの姿は小動物のようだ。
「……!」
浮かび上がる背中をなぞり、ブラホックを外し上にずらす。
慌てたような表情でシャツごと俺の手を押さえようとする少女の抵抗をすり抜ける。
やや硬いブラに包まれていた成長途中の双丘を揉む。むにゅ、むにゅとプリンのような感触を掌で味わう俺の手を彼女は必死に掴み可愛らしい抵抗を見せる。
「ゃ、ん……」
灰色のシャツ一枚越しに僅かに主張する肉果。
ブラの色も分からず、しかし汗ばむ生乳の感触と硬くなりつつある先端を好きに弄る。
こりこりと乳首を刺激すると、俺の腕を掴む少女の力が抜け、入り、また抜ける。
胸が好きなのか千景の吐息に甘い物が混ざり始める。
しっとりとした乳肉を揉みながら、乳首を指の腹で擦る。
そうして彼女の反応を見ながらシャツを捲り上げようとして──、
「あっ、だ、だめ……」
小さく喘ぎ始めていた千景がストップを掛ける。
行為の最中に良く発せられることの多い言葉だが意味合いは真逆な事が多い。なので気にせずに捲り上げようとするシャツを乳房の上から押さえつける彼女の力の強さに戸惑う。
これまでとは異なる、弱々しくとも本気に近い拒絶を感じた。
滑らかな腹筋、下乳まで捲れ上がった肌を見せる千景。
彼女はそこから上の肌は見せたくないとばかりに顔を強張らせ露出を拒む。
思わず手を止めながらも露出した乳肉を甘噛みすると、んっ、と甘い吐息を漏らす。
押さえられたシャツ越しに主張する乳首を布ごと口に含む。
んん、と目を閉じた千景が軽くのけ反り、乳首を手で隠す。
だから今度は白い乳房の下部を唇で啄むと、小さく喘ぐ千景の手は弱々しくなっていく。
「は、ふ……」
散々遊ばれて捕食寸前の草食動物のように息絶え絶えの少女。
今すぐにでも灰色の薄布と手を剝ぎ、その奥に隠された慎ましい乳房を晒すことは容易ではある。ただ、目に涙すら浮かべ、見ないでとばかりに首を振る姿に思わず口を開く。
「何が駄目なんだ?」
「ッ! や、やっぱり、……電気消してくれない?」
「どうして?」
「その……、傷があって……あまり人に見せられるものじゃ、ないから」
「…………」
「人に、加賀くんに見せるんだって思ったら、……怖くて」
蚊の鳴くような声で千景が囁く。
少女が告げる傷、それは彼女の胸元にあるという。
どうしてそんな傷があるのか、千景が自ら語ろうとすることは無かったが、同じ時を共有する中で、なんとなくだが察する事があった。ただその原因については今は言及する時ではない。
「俺が気にしないって言っても?」
「……だ、だめ」
「なら、この傷は? 耳の方は良いの?」
「っ……!」
さらりとした黒髪は指の隙間をするりと抜ける。
見知った大和撫子に負けず劣らずの黒髪からふわりと漂う甘い香り。
長い髪の毛に隠された形の良い耳、少女の左耳には切り傷のようなザックリと何かで切ったような小さな痕があった。僅かに身を強張らせる千景の耳にキスをする。
「は」
声にならない甘い吐息。
僅かに汗と少女特有の香りがする髪の毛に鼻先を押し付けながら耳の柔らかい肉を甘噛みする。コリコリとした軟骨部分も、耳朶も、噛んで、舐めて、吸って、柔らかくしていく。
首の皮を張り、顔を背け逃れようとする彼女をどこまでも追いかけてキスをする。
「みみ、ひゃめて……」
柔らかい身体を押さえつけて、赤らんだ耳に、首筋に口づけする。
そっと歯形を立てて、優しく舐めて吸って何度も温かい首にキスをする。
のけ反って見せる白い喉に甘噛みをして、汗ばむうなじを唇で吸い痕をつける。
「ゃ、ぁ、たべ、ないで……」
トロリとアイスが溶けたような声音。
甘く、快楽に溶かされ始め、涙すら浮かべる少女の声はそれでも拒絶ばかりだ。
その原因がネガティブなことをつい考えてしまうのなら。
いっそ、何も考えられないように、快楽という逃げ道を教えてあげなければ。
「千景が美味しいのが悪いから」
「ゃっ!」
しっとりとした白い肉が俺の掌に吸い付く。
シャツに隠された乳房を揉みながら、指の感覚のみで右胸上部辺りに確かな傷跡があることを指の腹でなぞりながら確認した。
柔らかすぎず硬すぎない質感を肌で味わいながら、顔を寄せてキスを迫る。
「────」
唇が触れるか触れないかの距離で、先に触れてきたのは千景の方だった。
ちゅ、と触れるだけの瑞々しい唇の感触に初々しさを感じながら、強引に唇を割り拓く。
「ん、ぅ!?」
ぬちゅ、ぬぷ、と唾液が交わる音を聞きながら舌が頬肉をなぞる。
歯茎を、歯の形を舌で確かめながら少女の舌を絡め合わせる。
「ぁ……」
シャツの上から乳房を揉む俺の手を押さえようとする少女の手。
唾液を嚥下する度に甘い嬌声を漏らしながら、目元をとろんと緩ませた千景の乳房を揉むと全身が痙攣するかのようにびくっびくと震えて見せた。
にちゅにちゅと唾液を混ぜ合う下品な音を響かせて口腔行為を続ける。
「ぅぅんっ!!」
甲高い声を上げて、俺の手を握る少女。
千景の口の端から溢れた唾液は枕に小さな水たまりを作っていた。
小さな痙攣を繰り返す勇者の唾液を舐めとり、右端から左端まで吸い付いた唇の柔らかさを堪能しながら、シャツに隠れた乳首を指先で丹念に弾く。
「ゃ、ぁ……っ」
切なげな千景の声を聞きながら、彼女の下腹部へと手を伸ばす。
膝丈までのスカートから覗く、黒タイツに包まれた脚をシーツにくねらせている。つるつるとしたタイツの感触と生温かい少女の脚を撫でながら脚の付け根へと進む。
「ぇぅっ! そこは……ぁっ!」
くちゅ、という水音と共に千景が喘ぐ。
スカートの奥、少女の恥丘は薄布とタイツ越しでも濡れていた。
柔らかな肉は指で押すだけで程良い弾力と確かな湿り気、そして漏れ聞こえる彼女の声を聞かせる。スカートを捲り上げ、黒い薄皮に包まれた白のショーツを目に焼き付ける。
ピンク色のリボンがついた下着に顔を近づけながら、尻肉を掴み腰を上げさせる。
羞恥混じりの吐息を聞きながらするりと下着を脱がす。ずり下ろしていくことで露わになる鼠径部、生えそろった恥毛、透明な糸を引く媚肉、色白な内腿。
無言でジッと見つめると慌てて恥部を手で隠す千景は羞恥に赤らむ顔を伏せる。
「あ、あんまり見ないで……」
「もう濡れてるけど、そんなに気持ち良かった?」
「ち、ちがっ……!」
指ごと千景の媚肉に吸い付く。
細い少女の指を舐め、隙間から覗く陰唇を舌先で開き、貝肉に挿入する。
「ぁぁっ!」
俺の頭を掴む千景の喘ぎを聞きながら、キスをする。
彼女の髪色と同じ黒色の陰毛が鼻先をくすぐりながら、やや酸っぱく仄かな甘い香りのある蜜をじゅるるっと音を立てて吸う。
膝を立て、咄嗟に脚を閉じようとする腿を無視しながら下品な音と共に啜る。
「ふわぁっ!」
震える恥部を俺の舌で犯す。
腰を浮かせる彼女は自ら見せつけるように秘所を俺に差し出す。
照明に照らされた少女の恥部を見ながら、陰唇を開くと千景は悲鳴を上げた。
「ちょっ、どこを見て……へ、ヘンタイ! ヘンタイっ!」
「綺麗だよ」
「~~~~!!」
顔を赤らめ、屈辱とばかりに声を上げ、罵倒する千景。
ピンク色の花弁からは一方的な愛撫に新鮮な蜜が漏れ出している。
感想を告げ、返される彼女の罵倒に心外だとばかりに媚肉に問答無用で吸い付いた。
「やぁぁああっっ!! それっ、まっ……ぁぁっっっ!!」
ぷしっと小さく蜜が跳ね、俺の頬を叩く。
衣服の意味を成さない捲れ上がったスカートを揺らし、白い腹肉が上下する。
軽く絶頂に達してしまったらしいが俺の愛撫は止まらない。
恥部にある小さな肉芽。
トロリと溢れる蜜を人差し指と親指で掬い取り、左右から挟む。
少女の愛液を塗りたくると指の腹で小さな包皮ごと擦る。
「ぁ、かっ、ぁ、待って!」
快楽器官に触れると、パクパクと口を開く千景。
自分がこれから何をされるのかを理解し観念したのか瞼をぎゅっと閉じる姿を見ながら、肉の芽を爪の裏で撫でた後、指の腹で挟み込み、すりすりと軽く潰す。
「まっ、ぁぁぁっっ!!」
肉芽を潰すと溢れる蜜液を塗りたくる。
愛液でコーティングした陰核を指の腹で擦ると、新鮮な蜜がシーツを濡らす。
それを繰り返すと、淫らな水音と女の蕩けた悲鳴が部屋に響く。
「ぇぁっ、ぃ、ひぁっっ!! ~~、イくっ!!!」
クンニリングスで敏感にさせられた彼女の性感帯を指で弄る。
快楽のあまり腰を浮かせ、喜悦の悲鳴を上げる少女は法悦の空を見ることになった。
絶頂に震える彼女は、汗と長い髪の毛を張り付かせる。
白い腹を上下させて水中で溺れているかのように開いた唇に唾液が絡み、糸を引く。
すっかりふにゃふにゃになった彼女。
千景の大好きな少女によるマッサージよりもふやけ、乱れた姿は他の男には見せられない。
中途半端に脱がしたタイツはショーツと共に片足に絡みつく。
スカートは捲れ上がり、灰色のシャツは唾液や汗を含み、慎ましい乳房が揺れるのが分かる。
目は焦点を結ばずとろけた表情の千景とキスをする。
そのまま挿入する。
「ぅっ、ぇ?」
正常位で、根本まで肉竿が飲み込まれる。
どこか呆然とした彼女に対して、快楽が襲い掛かったのは1秒後だ。
「ぁ、ぉ、ぐ、ぅ~~~~~っっっ!!」
結合部からぷしゅっと蜜が噴き出る。
ぐんと背を反らし、天国へ再度送られる彼女を余所に俺は歯を食い縛る。
絶頂に浸された彼女の媚肉は驚くほどに引き締まり、きゅっと怒張に吸い付く。
互いの理性を削り合い、あるのはただ快楽への追求だ。
かがくん、とふやけた声で甘えるように千景がキスを求める。
「んっ、ん、ん!」
その求めに応じて唇を奪い、両手首を掴みベッドに押し付ける。
こつこつと鼠径部と鼠径部が触れ合う中で、円を描くように怒張を少女の秘められた場所へ突く度に、しっとりと水気を含んだ黒髪が周囲に広がる。
にちゅにちゃ、という下品な音を結合部から聞かせながら、衝動に従い腰を振る。
「ふぁぁぁっ!!」
喉を見せるように千景が背を反らした。
にゅるると腰を引き、膣口の最奥へと腰を揺する。
抽送を繰り返す度に俺にしがみつこうとする脚を震わせる。
千景は嫌々と首を振り、振り乱した髪から甘い香りを撒き散らす。
そんなに悦んでくれるならと、俺の手は結合部へ。
「まっ、まっへ……! それはダメ……!」
様々なシロップが混ざり合い泡立った結合部。
白濁した愛液で濡れた恥毛に隠しきれていない肉芽を爪の裏で弾く。弾く。
「ぁぁぁぁあぁっっ!!!」
歓喜の声を上げ、ぴんと両脚を伸ばす千景。
収縮する膣にどうにか射精を堪えながら、圧し潰すように彼女に覆い被さる。
いやとか、だめとか。
千景はそんな拒絶の声を上げる一方で甘えるように抱き着いてくる。
獣の衝動に腰を止めることなく俺はピストンを繰り返す。
シーツが歪み、あられもない女の喘ぎ。
ぱんぱんと肉が肉を叩く音と遠くに聞こえる雨音。
唇を吸い唾液を啜る中で、彼女はまた甘い悲鳴を室内に響かせる。
「~~~っっ!!!」
背中に爪を立て法悦の極致に至る千景。
俺もまた、彼女の絶頂と共に少女の最奥へと子種を注ぐ。
どくどくと吐き出した精子に媚肉は蠢き、飲み込んでいく。
「ぁ………は……」
最後の一滴も余さず彼女の子宮へと注いだことを確認する。
そのまま彼女に倒れ込み、ぎゅむりと潰れる乳房を感じながら、またキスをした。
+
「はい、完成」
「……何、これ」
「三つ編みにしてみた」
「勝手に……私の髪型を変えないで」
いつの間にか髪紐が解けていた黒髪。
行為を終えて息絶え絶えの少女の身体を清めながら、髪型を変えてみた。
後ろ髪を一つに纏め、肩付近に垂らした姿はなんとなく文学少女を連想させる。
「凄く似合うよ」
「……」
そんな事を告げると自らの毛先を弄る千景はそっと目を伏せる。
気に入ったのか三つ編みを解くことはせず、タイツを履きなおした脚を擦り合わせる少女は何を考えているのか無言のまま衣服を整えていく。
シャツを着替えるからか此方を見ないでと告げる彼女に素直に従い窓の方へ目を向ける。
ざああっと耳を傾けずとも分かる強くなった雨音。
このまま外に出れば酷いことになるというのは明白だろう。
しゅるりと衣擦れを聞きながら今後の事を考えていると背後から声が聞こえる。
「……雨、酷いわね」
「ん? まあ……どうしようかね?」
「もう振り返っていいわよ」
振り返ると殆ど事前状態の彼女がベッドに座っていた。
違いは乱れたシーツと汗を吸ったシャツを丸めて背中に隠しているくらいか。
ほんのりと頬が赤らんでいることには指摘しないでいると、先に少女が口を開く。
おずおずと千景は言った。
「夕ご飯……食べていかない?」
その言葉に部屋に置かれた目覚まし時計に目を向けると夕刻に近い。
カーテンの隙間から覗く空は暗く、雨音だけが聞こえる。
「カップ麺も良いけど」
「そうじゃなくて……食堂の」
こちらを見上げ揺れる黒瞳に少し珍しく思う。
ぶっきらぼうで人見知りで無口なことの多い彼女から、夕食を誘われるとは。
「おすすめは?」
「……色々とあるわ。加賀くんの好きそうなのもあるから。知っているでしょう?」
「まあね。よし、行こう」
「あっ、ちょ、ちょっと……」
多少の疲労と快楽の余韻を感じながら柔らかな千景の手を取る。
空腹は感じていたので、有無は言わせずそのまま食堂へと向かうことにしたのだった。