──年頃の男女が一つ屋根の下で情事に励む。
それを本来は妨害するであろう東郷の両親だが、大赦提供の夫婦旅行で家を空けている事は東郷の口から聞いている。あるいは、こういうことをするという事を理解しているから家を空けたのか。
どのみち世界を裏から牛耳っているだろう組織が関わっていないとは思わない。
こうして据え膳食わぬはと用意された舞台が偶然なのか、必然なのかは判断がつかない。
だが、裏で大赦が動いているかどうかなど、目を潤ませた浴衣姿の少女を前に吹き飛ぶ。
「────」
俺に抱擁をして、抱擁を求める東郷は唇を離そうとはしない。
ついばむようなキスを繰り返し、些細な事など考えるなと唇を押し付ける。
私を見ろと、私のことだけを考えろと、舌を絡ませる濃厚なキスをする。
「──ンっ、ふ………ぁ」
彼女の着用している薄紫色の朝顔模様が施された浴衣の生地は柔らかい。
その生地から覗く鎖骨は白く、触れる肌は柔らかく、瑞々しい唇を差し出す少女。さらりと揺れる黒髪は絹のようで、翡翠色の瞳は熱を孕ませながら一心に俺を見続ける。
「ん……」
瞼を震わせて薄く開いた瞳。
その奥に宿るのは薄暗い部屋の中でも隠せぬ女の情欲だ。俺を見つめる双眸は薄く開かれ、どこかへと行かないように俺の浴衣の端を小さく握る姿は、いじらしさと儚さがあった。
キスの度に曖昧に薄く微笑む黒髪の少女に白磁の肌は良く映えた。
両手で触れた少女の頬は柔らかい。
餅肌は滑らかであり、ふにゅりと弾力を返す。
「ふふっ……どうしたの?」
「柔らかそうだなって。触っても?」
「もう触ってるじゃない。……いくらでも触っていいのよ」
くすぐったそうに眦を和らげて、小首を傾げて告げる声音は柔らかい。
愛おしさと嬉しさを混ぜ合わせた笑みが俺の手の中で咲く。もちもちとした肌を掌で楽しみ、自らの肌を無抵抗に男に弄ばれる少女と戯れる。
彼女の自室、布団の上で正座を崩し、浴衣越しに俺の手に自らの手を重ねる東郷。
さらりと垂れる黒髪が手の甲をくすぐる。
「くすぐったいわ……」
「凄いモチモチしてる」
「これでも日頃から努力を怠ってないから。……今日の手は冷たくないのね」
身体の熱をそのままに、手を引かれ連れ込まれた先にある東郷の自室。
見慣れた和洋折衷な部屋で、しかしベッドではなく畳の上に敷かれた布団は二組。
一組は俺と東郷の尻に敷かれている。
そしてもう一組の布団には黒髪の少女があどけない寝顔を見せていた。
「そんな顔しなくても、須美ちゃんなら起きないから。大丈夫」
「根拠は?」
「大丈夫」
根拠は教えてくれないらしい。
チラリと目を向けると、すやすやと眠る少女は腕を伸ばせば届く距離に横たわっている。
夢を見ているのか、或いは深い睡魔に意識を刈り取られたのか瞼を開くことはない。
浴衣越しに腹部が規則的に上下するのを確認したのは一瞬だった。
「んー……はむ──」
薄暗闇に咲く絶世の美少女がそっと俺の手を取る。
そうしておもむろに、しかし躊躇いなく人差し指をパクリと口に含んだ。
「っ」
湿った口内は熱く、ぬめっている。
チロチロと舌先が俺の指先を歓迎し、少女の歯がそっと指を噛む。
甘噛み、少し痛いと思わせる絶妙な力加減に東郷の噛む力がどれほどか教えられる。程よい痛みが癖になりそうになりながら、左右に揺らすように動かす指に少女の鼻息がくすぐる。
「私の噛む力、覚えてね」
指が蕩けそうな舌先に絡め捕られる。
東郷の口の中で、艶めかしい舌が蠢き、指を噛む力は痛く、気持ち良い。
思わず息を飲みながら口内から引き抜くと、指に残った余熱に名残惜しさを覚える。
「────」
たかが指、指だけでこれなのだ。
チラリと俺の下腹部の膨らみに目を向けた東郷が、ほう、と熱い吐息を漏らす。
一途に身も心も捧げんとする浴衣の少女は蕩けた女の表情をしていた。
「もう硬いね……」
「そうだな……」
「もっと気持ちよくしてあげるね」
彼女は恭しく俺の前に屈みこむ。
風呂の着替えに彼女が用意した紺色の浴衣は脱がしやすく、ぶるりと飛び出した硬い肉棒をうっとりと見つめる。
散々焦らされ続けた剛直は萎えることを知らず隆々と反り立っている。
くん、と亀頭に鼻を近づけ雄の香りを嗅ぐ行為。
雄の香りを楽しみ、慎ましやかに口を開いた東郷は肉棒を頬張る。
「っ」
太腿に手を置く彼女の口腔に怒張が沈む。
ぬめる肉の感触は亀頭、傘裏、竿と唾液を馴染ませていく。酩酊したように目元を緩ませている彼女の頭が上下に動き、咄嗟に少女の頭を包むように手を添えた。
さらりと揺れる黒髪の感触すら少女の奉仕の一つに思えた。
ゆっくりと顔を前後させる東郷は、鼠径部に手を置く。
ん、ふ、という少女の鼻息に、俺は東郷の頭を軽く撫でた。
チラリと俺を見上げる翡翠の瞳に征服感を覚え、東郷の頬に差す朱色が色濃くなる。
柔らかな髪の感触を感じながら、肉茎を吸う度に俺は思わず吐息を漏らした。
「んぷっ……ん、ちゅ……、亮くんの、美味しい」
少女は唇を肉茎の至るところに降らせていた。
唾液と先走りで濡れた竿肉を手でしごき、丹念に亀頭を吸う。
ちゅぽっと唇から離した怒張は東郷の頬を叩き、唾液と先走りの混ざり物が少女を汚す、そんな視界の暴力に思わず目を閉じると、俺自身の心の鼓動が聞こえた。
置かれた掌に頭を押し付けるように黒髪を揺らし、東郷は愛おしむように口腔奉仕を続ける。舌先で竿裏を掬い上げ、腰を引かせようとすれば腿をつかみ、逃がすまいとする。
陰嚢をやわやわと手で撫で、陶然とした表情で亀頭を頬張った。
緩急のある刺激は俺の限界を見極めて、的確に俺の意識を消し飛ばす。
「くっ、ぅっ……!」
身体の奥からあふれ出す快楽に奥歯を噛み締める。
熱い精液が先端から迸り、東郷の口内へと注がれていく。
「んんっ──、ん………」
少女の口内を、雄汁が汚していく。
射精の衝動に思わず掴んだ頭に反応を示さず、東郷は瞼を閉じて嚥下する。
こくんと喉を鳴らし、静かに、一滴も余すことなく飲み干していく。
射精したての亀頭を舌で清め、唇で愛情を込めたキスを肉棒に捧げる。
薄く目を開けた彼女は目だけでこう告げた。
──ごちそうさま、と。
「────」
東郷に捕食されて、それでも己の怒張が萎える様子はない。
食事に何かを盛ったのだろう、身体の奥の熱は未だに健在だ。
どこかうっとりとした表情を見せる彼女の姿に肩を掴もうとして、逆に腕を掴まれる。
「今日は私が攻める日よ」
「そんな日があったっけ?」
「今作ったわ。いつも亮くんばかりでズルいから」
「東郷さんが悦ぶ姿を見たくて」
「いじわるしたいだけでしょ」
彼女は力が強く、布団に押し倒されたのは俺の方だった。
身体の背面に感じる布団の柔らかな感触、俺の腰に馬乗りになる少女は主人を押し倒した非礼を詫びるかのように目を伏せると自らの浴衣の帯をしゅるりと解いていく。
薄青の浴衣、腰に巻かれた帯を少女はゆっくりと解く。
街ですれ違えば百人中百人が振り向くであろう美少女が自ら浴衣を脱ぐ。
紺色のそれを外し、前面が僅かにはだけると少女の肌が見える。
東郷は下着を何も付けていなかった。
浴衣の前面を僅かに開いたところで甘い匂いが鼻腔を擽った。
カーテンのように浴衣が広がる中、雪肌の景色が視界に映る。
白い鎖骨、薄い生地越しに主張していた乳房は丸みを帯びていた。
曲線を描く細い腰と、程よく脂と肉の乗った腹部。
下腹部に生える黒色の茂みと、その奥で薄く濡れた媚肉で肉棒を押し倒す少女。
「ん……は……っ」
両脚を大きく広げた、はしたない姿。
むっちりとした尻肉が俺の上で弾力と共に形を変える。
上から押し付けられた媚肉は透明な滴を腿に垂らしながら肉棒に熱さを伝える。
「……見て」
自ら浴衣をはだけさせた少女を下から見上げる。
思わずなだらかな東郷の乳房、その肉を下から持ち上げ生乳の感触を味わう。
「おっきい」
「……こんなの、重いだけで良いことなんてあまり無いのよ」
「俺を喜ばせるためにあるんだろ」
「そんなわけないでしょう……ばか」
確かな質感と重量が掌に広がる。
すべすべの肌は汗で湿っていた。
「下着もあまり可愛いのが無いし。変に注目を浴びるし……」
「東郷さんが綺麗だからだよ」
「もう……、そんな風におだてても何も出ないわよ」
白い果実、その先端は硬さを帯びていた。
ゆっくりと乳首の周縁をなぞると東郷の口から切なげな吐息が漏れる。
帯のほどけた浴衣はまだ肩に引っかかっている。
豊かな乳房の下で腹部が収縮し、臍の辺りに汗が溜まっていく。
「ぁっ!」
腰に乗る彼女が身動ぎする度に陰唇部と肉竿が擦れ合う。
その刺激に喘いだ東郷は乳房を揺らし、俺の肩に手を置き小さく喘ぐ。
自らの乳房を差し出すかのような姿勢に口を近づけ、乳房を吸う。
汗とミルクの風味を舌で感じ取りながら、ちゅぱちゅぱと口に含む。
「は……ッ」
赤子のように乳首を吸う。
痕を残すように甘噛みをする。
背筋をぴんと伸ばし、小さく身を震わせる東郷。
「ん、ん……!」
もどかしそうに腰を前後させる度に新たな蜜で濡れた媚肉と亀頭が擦り合う。
情熱的に、自らのペースで自慰に耽るように腰を揺すると彼女は甘い声を上げた。
熱い吐息と共にゆっくりと腰の動きを加速させていく東郷と目を合わせると、自らの行いに羞恥を覚え顔を背けながらも、新鮮な蜜を溢れさせる蜜裂が肉棒を味わう。
「りょう、くん……」
吐息と衣擦れ音と遠くに聞こえる小雨の音。
小さく呻く女の呼び掛けに身体は熱と共に応える。
怒張は少女の陰唇からの奉仕により反り立っていた。
それを見下ろす少女、その翡翠色の瞳の奥には淫熱が揺らめいている。
陶然とした表情を浮かべた彼女はゆっくりと俺に倒れ掛かる。
きゅっと目を閉じた少女は鎖骨付近を唇で吸いながら、腰を前後に動かす。
腰を両腿で挟み込みながら、汗を伝わせ、頭を振る。
「ぁ、ぁ、あぁぁ……!」
糖度を増す声の持ち主は下にいる俺を忘れたかのようだ。
髪を纏めるリボンを揺らし、恥丘を浅ましく肉棒に擦り続けて、
「ィ、ぅ~~~~ッッ!!」
短く静かな嬌声。
俺の肩に頭を預け、そのまま軽く肩を震わせる東郷。
瞼の裏に見るのは法悦だろうか。
俺にぴたりと身体を重ね、顔を蕩けさせた少女の顔に目を向け。
少しだけ、なんとなしにその奥の方へ眼を動かす。
「────」
須美が起きていた。
あどけない顔は淫香に惑わされたかのように朱を差している。
性行為に耽る俺と攻め立てる彼女を見るように此方に身体を向け、見開く翡翠の瞳。
──目が合った。
「……ぁ」
「……」
少し悩んで、知らないふりをした。
小さな観客に反応は返さず、乳房を押し付ける女の滑らかな背中を撫でると、愛おし気な表情で首筋に唇を押し付け、ゆっくりと上半身を起こす。
「んぅ……」
少女がやや大胆に脚を開く。
蜜が薄く流れる色づいた秘所に、肉棒の先端が触れた。
ぬぷりと男根が少女の膣に飲み込まれていく。
ゆっくりと、しかし止まることなくぬめる媚肉を割り拓く感触。
「っぁぁ……!」
甘い悲鳴に東郷の身が揺れ、軽く背中を反らす。
乳肉を揺らすも、快楽を逃がさないように細い腰を掴み、串刺しにする。
「ひ、ぅっ、ぁ、はっ……!」
直前に絶頂に達した媚肉は貪欲さを増していた。
勝手に怒張を使われたことでこちらも随分と高まっている。
今更淑やかにゆっくりと腰を振ろうとする大和撫子に、一気に腰を突き上げる。
乳房を握り、甘く虚ろな表情を浮かべている少女の尻が軽く浮く。
「やぁぁぁあッッ───!!」
部屋に響く涙混じりの嬌声。
乱暴に乳頭を刺激し、快楽を得る為の一方的なピストンで思考を崩す。
「ゃっ、ま……ッ、私がっ……うごくって、ぁんっ! あッ、ぁ、はぁぁ……っ!!」
唇の端から垂れる涎。
目を閉じ切なげな表情の女の横顔を、ジッと見つめる少女。
どこかへと逃げようと腰を浮かせる。
涙を目端に浮かべる少女を捕まえて奥まで貫く。
「ゃ、ぁ……くぅぅっっ!!」
甘い悲鳴を響かせて、しかし奉仕への喜びを忘れていないのか、濡れた髪を振り乱し、少女の腰が左右に揺すられる。その動きに蜜壺が肉竿から子種を搾ろうと引き締まる。
そんな彼女の抵抗に歯を食い縛り、腰を突き上げる。
「ぁ、ぅあぁ、ぁ……ッッ!! ぁぁっっ!!」
じゅぶっ、じゅぷっと蜜が跳ねる。
結合部からは淫らな水音を響かせて白濁した小さな泡が陰毛を濡らす。
ぱんぱんと肉が肉を叩く。
首を横に振り、絶頂が近いのか全身を小刻みに震わせる。
「りょ……くん。すき……」
開かれた脚も伸びては曲がり、俺の腰を必死に挟み込む。
俺は突き上げる動きを止めず彼女も自ら腰を振ることを止めない。
獣の交尾、快楽を求めあいながら、一人の観客を前に互いの身体を貪り食う。
「すき……すき……」
酩酊した瞳を揺らす東郷。
余裕の無い呼吸の合間に告げる「すき」という言葉がふにゃふにゃになるまで。
「すき……りょうのすけ……」
嗚咽に似た呼吸。
涙を瞳に浮かべ、卑猥な結合音だけが大きくなる。
しばらくして「すき」が「しゅき」になる頃に俺を抱く東郷の全身が強張った。
「~~~~ッッッ!!!」
パクパクと開閉する東郷の唇を奪う。
しょわわっと結合部を濡らす淫水が腿を伝う。
肩に爪を立て、声も出ないほどの強烈な絶頂に、俺も限界を迎えた。
白濁が勢いよく噴き出す。
独特の弾力のある尻肉を掴み、最奥に押し付けた肉棒から子種を注ぐ。
天にも昇る快感を覚えながら東郷を抱きしめる。
どく、どくっと膣襞の一つ一つを精液が汚していく。
たっぷりと余韻に浸り、ゆっくりと竿を抜く。
ぐったりとした彼女を横にすると、媚肉からとろりと垂れる白濁を見届ける。
東郷は俺の肩に顔を預け、満ち足りた呼吸を繰り返している。
窓の外は随分と暗く雨音だけが小さく聞こえる。
殆ど半裸に近い恰好で抱き合っているが、既に蒸し暑さを感じるこの季節ならこのまま寝ても問題ないだろう。
「────」
目の前の黒髪に鼻先を突っ込みながら目は少し遠くに寝転がる観客に向ける。
薄暗闇の中で赤らんだ顔は熱でもあるのか、ぎゅっと閉じた瞼は震えている。布団に横たわった少女の浴衣は僅かに乱れ、毛布の下で身体を小刻みに震わせて脚を曲げたり伸ばしている。
薄く開いた目は潤み、口元が緩みかけてはきゅっと結ばれていた。
異性に痴態を晒したくはなく、しかし身体は耐えられない。
甘く熱く濡れた吐息を漏らしながら、彼女は、須美は一人で慰めていた。
可哀想に。
一人で慰めるくらいならば、助けてあげよう。
「だめよ」
そんなことを思う俺に、掛けられる声。
快楽に淀んだ呼気を、肩に頭部を乗せた東郷の呼吸を身近に感じる。
「……だめよ。そんなのだめ」
くすぐるように耳元で囁き、胸板に豊かな肉果が押し付けられた。
想像を絶する柔和な感触と同時に、少女が乳房を軽く揺さぶる。
「見るだけならともかく、触れるのは許さない」
「りょうのすけは、私の──」
「昔の人でも、『私』でも──」
ぼそりぼそりぼそりと呟く独り言が耳元で囁かれる。
「私以外の女の子に関心を向けるくらいなら……」
彼女は細い指を肉竿に巻き付けるように握る。
ぐちゅっと吐精したての竿を握り、ゆっくりと上下にしごき始める。
「……全部、私の中に出して」
俺を見つめる瞳は妖しげな翡翠色だった。
抱きしめ、抱きしめられた白い身体は滑らかでひんやりとしていた。
──裸で寝ても問題ない、暑い夏が近づいていた。