※この作品はR-18です。

果てなき夜で、貴方に愛を   作:毒蛇

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第二十一話 貸切

 様々な時代や異なる場所から召喚された勇者や巫女たちは寄宿舎に住むことになっている。

 神世紀時代の旧勇者部以外のほぼ全員が寄宿舎で寝食を共にするのだ。

 大赦にとっては300年前の勇者たちの存在は恐れ多いのか、或いは少しでも懐柔させて言う事を聞かせたいのか、彼女らに与えた寄宿舎は中々に豪華な施設である。

 

 バーテックスとの戦闘はいつ発生するのか巫女以外には予見不能だ。

 朝か昼か夜なのか。定期的に訓練なども行うことから大浴場は常に開かれている。大赦が用意したスタッフたちが定期的に清掃を行っておりいつでも入ることが出来るのだ。

 謙虚な少女たちはスタッフを手伝おうとするも断られ、最終的にこの環境を受け入れている。

 

「──私は……基本的にはシャワーで済ませるのだけど」

 

「はい」

 

「……ここはお風呂上がりに飲む牛乳が美味しいのよ」

 

「売ってるんですか?」

 

「あそこにある小さな冷蔵庫。あそこにコーヒー牛乳とかあるから……無料よ」

 

「勝手に飲んでいいと」

 

「ええ」

 

「最高かよ」

 

 この程度の特別待遇は勇者なのだからあっても良い筈だと主張する千景。

 友奈のような聖人ではない俺は彼女のその言葉に首肯を重ねると同時に口を開いた。

 

「でも、シャワーだけだと疲労があんまり抜けないんですよね」

 

「……そうでもないわ。たまに高嶋さんがマッサージしてくれるから」

 

「風呂に入ればいいのでは?」

 

 風呂は魂を洗濯する場所、そんな言葉をどこかで聞いた気がする。

 前世で一人暮らしをしていた時は掃除が面倒だからとシャワーで済ませていたこともあり、千景の言葉に理解は出来る。千景も同じ理由とは限らないが。

 

 男子禁制、女人専用の浴室という訳ではないが使用する人物が勇者部に所属する見知った少女たちである為か、銭湯にあるような広い脱衣所に芳香を鼻腔に感じる。

 見知った同年代の少女たちが普段から使っている風呂場なのだ。気のせいではない。

 並ぶ棚の一つ、そこに置かれている籠にタオルや着替えを置く千景は自らの衣服に手を置く。

 

「この時間帯は人がいない……穴場よ」

 

 奥ゆかしい先輩は他人と風呂に入ることをしないらしい。

 時刻は深夜帯に近く、少なくとも小学生は既に寝ている時間だろう。

 大半の少女たちも特に何も無ければ既に湯舟に浸かり終えているという。しゅるっと衣擦れ音を出しながら、ゆっくりと衣服を脱いでいく千景の白い背中を見て頷く。

 

「そうなんだ~。ちーちゃんは凄いね~」

 

「……ふん。ちーちゃんって呼ばないでくれる?」

 

 心なしか得意げな表情を見せる彼女は僅かに顔が赤らんだままだ。

 情欲の激しさが腰から抜けていないのか、おんぶは嫌だ、抱っこも嫌だと駄々を捏ねた彼女は俺の肩に手を置いてゆっくりと歩いてきたのだ。

 乱れた衣服を脱ぎ、再度肌を見せる彼女はジロリと俺を睨みつける。

 

「あと、あまり……見ないで」

 

「ふらふらしてるじゃないですか、先輩。手伝いますよ」

 

「触りたいだけでしょ……エッチ」

 

 女の大事な部分を全て俺に晒した彼女は、それはそれとして羞恥に肌を朱色に染める。

 罵倒する彼女を無視して、衣服や下着の脱衣を手伝うと抵抗はなく、十数分前まで散々よがり狂い、男に悦んでいた肌色が脱衣所の照明に艶やかに晒される。

 肌に残る噛み痕と肌に付着した体液は見る者が見れば何をしていたかは察するだろう。

 

「先輩」

 

「……なに? 後輩くん」

 

「このブラジャー、頂戴」

 

「……ダメよ」

 

 乳房を腕で隠す少女からピンクのブラをそっと奪い取る。

 ただの下着が欲しいのではない。美少女の可愛らしく、エッチな下着に胸が躍るものだ。

 裏地に付けられたタグに目を向けて、彼女の目の前で数値を声に出して暗記すると、羞恥とは異なる朱色に肌を染めた千景が襲い掛かってくる。

 ビンタを決めようと振りかぶった腕を搔い潜り、華奢な体躯を抱き寄せる。

 滑らかな背中を下から上へ指の腹でなぞり上げた。

 

「あんッ! ……!」

 

 身体は素直なのか、一瞬の刺激に女の喜悦が口からこぼれる。

 自らの嬌声に驚いたように、口元を手で押さえる彼女は出入口に目を向けた。

 

「……最低」

 

「清掃中の立て看板を置いてるので大丈夫。それよりこれ貰いますね」

 

「ダメよ。高嶋さんからのプレゼントなんだから」

 

「他のなら良いんですか? 大人っぽい黒のエッチなのとかありましたよね」

 

「なんでそれを…………、な、何に使うつもり?」

 

「神樹……様に捧げようかと」

 

「はあ?」

 

 想像とは違ったのか、一転して哀れみと蔑みの眼差しを彼女は見せる。

 食べ物や祈りではない特殊な物を神樹に捧げることで少しでも状況の改善に繋がるのではないのか、それにはやはり神樹が選んだ無垢な少女、その下着類が喜ばれるのではないのかと。

 そう告げると絶対零度の視線は和らぐも、不思議な物を見るような眼差しへと変貌した。

 園子とか、雲のようなふわふわした女の奇行を見る目をしていた。

 

 抱擁状態を解除しろと背中を叩く千景を解放する。

 彼女は薄い胸元を手で隠しながら俺に半眼を向けて、

 

「知能指数下がってるわよ」

 

「いや、でも、ロリコンウッドだし喜ぶよ」

 

「そんな訳ないでしょ……根拠はあるの?」

 

「前にひなたさんがそんなことを言っていたような」

 

「嘘ね」

 

 犯罪者を見るような目の千景は俺の手から生暖かい下着を取り上げると、衣類の中に隠す。

 緩慢とした動きで脱衣していく千景よりも素早く服を脱ぐ俺を忌々し気に見る彼女は小さな白いタオルで申し訳程度に己の身体を隠す。

 長い髪を纏めてアップにする彼女はこれ以上下着を触られないようにと俺の手を取る。

 

「……そんなに欲しいなら、考えてもいいけど」

 

 ボソボソと呟く千景に手を引かれて、浴室に入る。

 途端、むわりと漂う熱気と立ち昇る白い蒸気に思わず目を細める。

 

 以前に街の銭湯に勇者部で向かったことを思い出す。

 サウナがあり、泡風呂や薬風呂など一般家庭では味わえない広い湯舟の規模に近い。とはいえ、この人生で最も広くゴージャスな風呂が乃木家の実家にあったことも脳裏を過ぎった。

 鼻腔をくすぐるのは、身体をリラックスさせる香草だろうか。 

 

「走ると転ぶから……気を付けて」

 

 霧のような白い蒸気の中をつるりとしたタイルに気を付けて歩く。

 先ほどまで誰かが入っていたのだろう、その名残を感じさせる浴槽に思わず飛び込みたくなる童心を抑えると、複数ある丸椅子を手に取り壁に設置された鏡の前に座る。

 備え付けのシャンプーは当然のように女子が好みそうな見た目であることに苦笑する。

 

「シャンプーやボディーソープとかはそこにもあるのだけども自前で用意する人もいるわ……」

 

「誰?」

 

「秋原さんとか……藤森さんもね……」

 

「まあ、拘る人は多そうですからね。先輩は備え付けのでそんなに髪が綺麗なんですね」

 

「……え、ぅ、ぁ、あり、ありがとう」

 

 バルブを捻り、シャワーヘッドから溢れる湯水に汗が流れ落ちる。

 浴室に漂う香草と身体を流れる湯水に忘れていた疲労感が身体から浮き出ては流れていくような、そんな感覚に捕らわれる。

 隣に座る千景も肌を流れる湯雨に静かに吐息する。汚れた自らの身体が綺麗になっていくことに満足げな様子の彼女は小さく頬を緩めて、今更ながらチラリと俺に目を向ける。

 

「……慣れてるのね」

 

「何がですか?」

 

 ぱちゃぱちゃとタイルを叩く湯雨の音。

 湯水が毒蛇のように白い裸体を不規則に流れていく中での彼女の呟き声。

 隣にいなければ聞こえなかっただろう千景のか細い声音に耳を傾ける。

 

「やっぱり……他の子ともこういうことするの?」

 

「こういうこと、とは?」

 

「お風呂……一緒に入ったり、とか」

 

 小さな白いタオルが湯水を吸って女体に張り付き、肌色と黒色を透かす。

 チラリと俺の裸体を上から下へと視線を彷徨い怒張で止める少女。何事も無かったかのように目を逸らす千景の姿を鏡越しに捉える。

 

「まあ、しますよ」

 

「……ふぅん」

 

「ここでは千景先輩が初めてですが」

 

「……あっそ」

 

「なんですか? その返事は」

 

「別に。あなたの真似よ」

 

「俺はそんなこと言いませんよ」

 

 プイっと顔を背ける千景の肌を湯雨が伝う。

 慈雨の如き湯水は疲れた筋肉を解していき、自然と身体をリラックスさせる。湯水に吐息しながらも、チラリと半眼で俺を見ることはやめない彼女への態度に苦心する。

 他の女の話題を出したのが機嫌を損ねさせたのだろうか。

 

「あひゃん!?」

 

「はーい、お背中流しますねー」

 

「な、なに!?」

 

「後輩が先輩の身体を洗うのは当然ですよ」

 

 フォローをせねばと千景の背後に回り、泡に塗れた手で少女の肌を擦る。

 優しく、愛しい女を抱くように、両手で少女の肌を掌で撫でると、くすぐったかったのか、悲鳴と共に身をよじらせる。

 しかし勇者の姿にもなっていない彼女の力は弱く、撫で回す男の手から逃れられない。

 

「洗わなくていいかぁぅ!?」

 

 上から降り注ぐ湯雨に泡が流れていきながらも少女とのスキンシップを楽しむ。

 脇から始まり、腹部や背中は敏感なのか、或いは他人に洗われることが無いのか、怒りながらも強制的に笑い声を上げさせられる千景の細く白い脚がタイルに伸びる。

 

「先輩の肌は綺麗ですね」

 

「く、ふ、くぅ……んふっ!」

 

 親指、人差し指、中指、薬指、小指。

 蜘蛛のように這い回りながら執拗に乙女の柔肌を蹂躙すると鈴音のような笑い声が浴室に響く。開放感ある広い空間に、聞き慣れない千景の声を聞こうとシャワーのバルブを閉じる。

 

「やめっ、やめ……いい加減に……ふはっ、ぁっ、あははっ……」

 

 中指で下から上に肌を摩られるのが好きらしい。

 1オクターブほど跳ね上がる声色に緩急をつけて腹部を撫でる。

 滑らかな太腿を撫でて、丸みを帯びた尻肉を揉む。臍の窪みを指で撫でながら、腋の窪みを指で押すと楽しそうに、苦しそうに、彼女は笑い声を上げながら俺の身体をその手で叩いた。 

 

 丁寧に、執拗に、彼女の性感帯を探るように柔肌を楽しむ。

 これが先輩と後輩のスキンシップだと告げると嘘だと断言した千景を笑わせる。

 

「混浴ってこんな感じですよ」

 

「そんなわけ……ッ、く……こ、この……ふ、くくッ……!」

 

「あんまり騒ぐと人が来ますよ」

 

「誰の……っ、せいだと……!」

 

 次第に叩く力も弱まり荒い吐息と椅子から崩れ落ちた少女。

 硬いタイルではなく、俺の胸板に身体を預ける千景の肌は泡で所々が白い。唾液を始めとした体液は既に流れ落ち、歯形といった痕に目を瞑れば何も無かったと言い張ることが出来るだろう。

 

「先輩って身体とか洗って貰ったことないでしょ? 嘘だって断言しちゃだめですよ」

 

「…………分かったから、もうくすぐらないで」

 

「もっとして欲しい?」

 

「はぁー……はぁ……本当に怒るから」

 

 荒い吐息でようやく解放された身体を腕に抱く千景は唸り声を上げる。

 そんな彼女の猜疑心を解く為、木製の椅子ではなく肉椅子に身体を預けさせるように座らせ続ける俺は怒張を隠すどころか、臀部に押し付けながら真面目に身体を洗う。

 

 硬くなった陰茎は反り返り、振り返る千景の眼差しが俺を昂らせる。

 尻肉に挟まれた肉竿の存在を口にするべきか、チラチラと幾度も俺に目を向けて、

 

「……か、加賀くん」

 

「ん?」

 

「その、……当たってる」

 

「何が?」

 

「……アレよ」

 

「どれですか?」

 

「…………」

 

 ぉ、お、と何度か唇で発音するも、淫語を口にするのは恥ずかしいのか。

 楽しいスキンシップで体力を消耗した彼女は無言のまま従順に洗われる。

 手で柔肌を洗う俺を鏡越しに見る千景の視線。その視線に顔を上げる。

 

 重なる視線に逸らしたのは千景。

 彼女は何かを話したそうにしており、顔を見て少し待つとおずおずと口を開く。

 

「さっきの話って本当なの?」

 

「……混浴?」

 

「こんな風に洗いあうって……」

 

「まあ、人によるんじゃないですか?」

 

「そう……人に身体を洗って貰ったことなんてなかったから、よく分からなくて」

 

 背中を預けた千景の鼓動は密着した故か高鳴っているのが聞こえる。

 鎖骨付近、薄い乳房の上部にある傷をなぞる指に、

 

「何か言われるんじゃないかと思って」

 

「……」

 

 細い身体が僅かに震えるのが分かった。

 腹部を撫でながら少女の身体を背後から抱くと、強張りが少しずつ解れていく。

 

「加賀くんってイジメとか受けたことないでしょう?」

 

「いや、ありますね」

 

「……意外ね。あなたみたいな──」

 

「ここにいるのは俺が理想とする最強の自分ですから。昔は昔。まあ俺から言えるのはイジメをする奴はクソだな~っと。どうです? 一緒に報復合戦でもしますか? 虐殺キメちゃう?」

 

「……そうね、考えておくわ」

 

 あくまで前世の話だからと話すことはせず、彼女もまた聞くことはない。

 それは彼女の柔肌にある傷についても同じだ。

 互いに踏み込むことはせず、ただ察しと思いやりが無言を作り、話が終わる。

 

 話が終わって、ただ官能的な空気だけが残る。

 

「……ん」

 

 ボディソープの容器から新しい泡を掌になじませると、マッサージをする施術師のように千景の太腿から足首までを手で擦る。

 先ほどまでのじゃれ合いのような荒々しさのない、優しい触り方だ。

 程よく脂と肉の乗った腿肉を擦ると、少女は小さく喘いだ。

 

「ん、ぁ」

 

 きゅっと千景は自らの唇を閉じる。

 はぁ、はぁ、と熱い吐息を漏らす唇は何かを言いかけて、閉じる。

 潤み始めた瞳が俺を捉えるも、俺から彼女に話しかける言葉は他愛もない。 

 

「千景は肩から洗うんだ」

 

「そうね……あと普段はスポンジで洗う……。加賀くんもでしょ?」

 

「そうですが、でも手の方が肌が傷つかないですぜ姉御」

 

「あなたみたいな弟はちょっと……」

 

「…………」

 

「……ぁ、はっ」

 

 現実から目を逸らすような白々しい会話、そう千景も分かっているのだろう。

 切なげに喘いでいる彼女の身体は既に淫らな熱を帯びていた。

 

 ぴんと背を反らした千景の視線には咎める色と求めるような色が混ざり合う。

 いつの間にか小さな白いタオルは水を吸ってタイルに落ち、掌に収まるまろやかな乳房や既に硬いピンク色の乳首を優しく揉み刺激を与えるも、彼女は拒むことはしない。

 

 それが千景の望むことだからだ。

 

「気持ち良いですか?」

 

「……ん」

 

 恍惚とした吐息を漏らす千景は小さく頷く。

 上下に動く腹部を掌で撫で、鼠径部を指で伝い、女の花園へ。

 

「ここはいつもどうやって洗ってるんですか?」

 

「どうって……ちょ、引っ張らないで……ぁ、ぁぁ……!」

 

 年相応に生え揃った薄くも黒色の恥毛を泡で染める。

 毛並みに沿い、ゆっくりと進む指先はトロリと濡れた蜜裂と陰核を見つける。

 

「んっ!」

 

 陰核を擦られた少女が大きな声を上げる。

 指が、掌が無造作に貝肉を上から擦っただけだ。

 

「ぁっ! は、ぁんっ!」

 

 それを忘れないように媚肉と陰核を乱雑に上下に擦る。

 女の大事な部分を、陰唇を指で弄られる度に愛液が腿を伝い、甘い声を漏らす。

 

「んぅぅ……ッッ!」

 

 腰を浮かばせて酩酊する眼差し。

 唇を交わして会話は途切れ、くちゅくちゅと淫水の溢れる音だけが聞こえる。

 

「お」

 

 後輩として彼女の身体に奉仕している時だった。

 尻肉に肉竿を押し付け過ぎたのか、柔らかく細い指が怒張に絡みつく。

 せめてもの抵抗か、彼女は言葉もなく射精を促そうと、上下に肉棒を扱く。

 

「今、先輩を洗ってるんですが……」

 

「うるさい」

 

「────」

 

「私、ばかり……」

 

 乱雑に、力に任せて千景は怒張を扱く。

 互いの性器に指を這わせ、妖しく光る眼差しの彼女の呼吸は乱れる。

 

「こんなに硬くして……ひ、ぅっ……!」

 

 千景が身をよじらせ、腿が俺の手を挟み込む。

 口を離し、潤んだ瞳から溢れる涙が頬を伝い乳房に落ちる。震える乳房を揉み、にゅるりと陰唇に入る指を浅く差し入れする度に千景の身体が悦ぶ。

 俺の指が恥部や陰核を撫でると千景は嫌々と首を振る。

 

「だめ……だめだめ、だめっ!」

 

 これから何をされるのかを察した、切なげな少女の声色が鼓膜を震わせる。

 甘えるように、男に乞うように、肩を掴み絶頂を堪える女の表情に鼓動が高鳴る。

 

 肉芽をぞりぞりと指で擦り上げる。

 

「ィ、ぅぁぁぁッッッ!!!」

 

 とろみのある泉から噴き出す潮。

 背中を反らし、跳ねるように腰が動く千景は悲鳴を上げて怒張から手を離す。

 

 男の手から逃れようと千景は身体を持ち上げるもタイルに足を滑らせる。

 絶頂の最中だというのに、必死に男から逃れようとする彼女を背後から抱擁する。

 ぱくぱくと開閉する唇を奪うと、彼女の舌は理性を失ったように動く。

 

「ん、ん、む……」

 

 絶頂に昇らされた少女の身体が小刻みに震える。

 徐々に震えが収まりつつも、淫らな香りを振り撒く少女。

 

 ゆっくりとバルブを捻ると久方ぶりにシャワーヘッドから湯雨が降る。

 固定台からシャワーヘッドを外し、温かい湯で肌に付着した泡を流していく。

 

「……、ッ……」

 

 タイルに流れる泡に比例して朱色に染まった白い肌が露出していく。

 ぐったりとした身体を俺に預け、絶頂の余韻に浸る虚空を見つめる彼女を抱き上げる。

 

 そもそもここは浴室なのだ。いつまで身体を洗っているつもりか。

 すぐ背後には湯舟一杯の温かな湯が広がっている。

 独特な薬草の香りは不快ではなく、白い蒸気を湧かせる湯水への興味を惹き立たせる。

 

 軽い体重の千景はふにゃふにゃと口の中で呟いている。

 俺への罵倒か、更なる快楽のおねだりなのか。

 それなりに熱い浴槽に足を入れると、おおと思わず息を呑む。

 

「んん……」

 

 少女の裸体を湯舟にゆっくりと浸からせる。

 アップにした彼女の頭が沈まないように浴槽の縁に身体を置くと徐々に黒色の瞳に理性の光が戻りつつあるのが見て取れた。

 そんな彼女の顔の前に怒張を差し出す。

 

「……ぇ、ぁ」

 

 鼻息すら感じるような距離で、少女の瞳が俺と肉棒を交互に見た。

 幾度も唾液を交換した唇に、その口元に陰茎を添えた。

 

「……へんたい」

 

 屈辱と喜悦の混ざり合った表情で、千景は呟く。

 俺の顔を恨めしそうに睨みつける彼女の滑らかな頬を肉竿で叩く。

 何をしろと、詳細を口にせずとも彼女の脳内では既に理解が及んでいるらしい。怒りらしき感情を見せた深紅の勇者は大胆にも唇を亀頭に触れ合わせる。

 

「ぁ……む」

 

 従順に、淫らに、千景は男の怒張を口に入れる。

 亀頭部分を唇で咥えては離し、唇を重ねるとおもむろに雁首までを包み込む。

 

 千景のフェラチオは稚拙ながらも男を悦ばせようという努力が見て取れた。

 想像と知識によるものか、舌を絡め、唇を窄め、肉竿から子種を搾ろうとする。

 しかし歯が肉竿を擦り、どこか戸惑い気味な初々しさのある奉仕だ。

 

「ぅぇ……」

 

 カウパーを舌に絡める彼女は見下ろす俺の視線に目を伏せる。

 鼻息を肉竿の根本に感じながら、ずじゅ、ずぷと自らの奉仕による浅ましい水音に耳まで赤くする少女の姿に怒張はより硬さを増す。

 千景が快楽に悦ぶ姿に興奮を覚え、その本人に中途半端に手で扱かれていた肉竿は、稚拙な奉仕でも十分なほどに射精感を昂らせていく。

 

「……くッ!」

 

 無言で射精を求める千景の口腔奉仕。

 俺の腰に手を置く彼女の口内は熱くぬめる。

 ざらりとした舌先が雁裏を舐めた瞬間、咄嗟に腰を揺すった。

 

「……ぅ、お」

 

 滑らかな絹のような髪の毛を掴み、白濁を口内に注ぐ。

 熱い汚濁が歯裏や舌を汚し、意識が僅かに白く染まっていく。

 

「ん、ぶっ……」

 

 涙目の少女の唾液に濃厚な雄汁が絡まる。

 瞼を閉じる少女の口腔を性器のように汚す。

 征服感と快楽が混ぜこぜになり、天井を見上げて俺は白く甘い快楽に浸った。

 

「────」

 

 無言で怒張を咥えたままの彼女が腿を叩く。

 足元のおぼつかない俺は千景の頭を掴み、少しの間奉仕に専念した女を見下ろす。男の味に不快そうに顔を歪める彼女は口を開けば不味いと言い出しそうだ。鼻腔から漏れる呼気は荒く、呼吸が苦しくなってきたのだろう彼女に精液を味わわせながら選択を迫らせる。

 

 飲むのか、吐くのか。

 

「ぅ、ん……」

 

 やがて、観念したように白濁を嚥下する音が聞こえた。

 ごくっと喉を鳴らした千景がはっきりと体内に精液を取り込んだ音だ。

 

 ゆっくりと唾液と白濁の混ざり合った竿を口腔から引き抜く。

 少女の唇と鈴口には恋人が情熱的なキスをしたかのような淫らな糸が橋を作る。

 

「……よくこんなの飲めるわね」

 

 そう呟く彼女の表情は奉仕の末に雄汁を味わわされた屈辱と、俺を果てさせたことへの達成感が見え隠れしていた。先ほどよりも硬度が減り始めた怒張を興味深そうに見ると口元を指で拭う。

 そのままぼんやりと怒張を見ていた彼女は俺の視線に気づくと肉棒から目を逸らす。

 

「……座ったら?」

 

 湯舟に浸かる彼女の頭に手を置き怒張を見せ続けた状態から身体を動かす。

 膝まで使っていた湯舟に肩まで浸かると全身が弛緩していくのを感じる。

 

 虚脱感に浴槽に沈む俺は、千景の裸体を見下ろす。

 男に噛まれた乳房、くびれた細い腰や媚肉を視姦する。

 

「……見すぎよ」

 

「見せて欲しいですね」

 

「……いやよ」

 

「もっとエッチな声が聞きたいな」

 

「……恥ずかしいから」

 

 そっと恥部を手で隠す少女は湯舟の温度に上気したように頬が赤い。

 伸ばした少女の脚、その爪先が触れた肉竿がその刺激に僅かに奮い立つ。

 

 交わした視線。

 距離を近づくと、千景の伸ばした腕が俺の胸板に置かれる。

 

「だめ……」

 

 持ち上げた顎は白く細い。

 撫でた肌触りは心地よく、甘く切なげな声が女の口からこぼれた。

 許可と拒絶、相反する感情に先ほどまで雄竿を含んだ唇が震えて、

 

「──ぁ?」

 

 脱衣所の方で音が聞こえた。

 しゅるりと衣服を脱ぐ音は少し前に聞いた物と似ている。

 ただ脱ぎ方は違うのか、千景のように男の前で恥じらう物とは異なり、どこかで聞いたことのあるような鼻歌を歌いながら手早く衣服を脱いでいる人物の正体に脳を回す。

 何かしらのリアクションを取る前にガラリと脱衣所の扉が開く。

 

「おっふろー!」

 

 明朗快活、人の和を重んじる少女は開放感ある浴室で裸体で歩いてくる。

 小さなタオルを手に持ち、乳房も秘裂も堂々と見せる足取りは少しフラフラとしている。髪留めの無い髪は瞳と同じ薄紅色。タイルの上を歩く彼女の頬は僅かに上気していた。

 

 そんな彼女を見ていると彼女もまた此方に気が付く。

 屈託のない陽光の如き笑みに俺は思わず目を細めてしまう。

 振り向いてその姿を見た千景は石化したかのように硬直した。

 

「あれー、ぐんちゃん! りょーくんも! やっほー!」

 

「────」

 

 機嫌良さそうに手を振る彼女は、友奈だった。

 高嶋友奈だった。

 

  

 

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