※この作品はR-18です。

果てなき夜で、貴方に愛を   作:毒蛇

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第二十五話 子守歌

 しんしんと降り積もる雪が窓の外から見える。

 雪掻きするほどではないが、それでも脚を滑らせかねない。

 雪が降って喜ぶのは子供だけであって、大半の人間はあまり喜ばないと俺は思う。会社に出勤する者も学校に登校する者も、空を見上げて溜息を吐くことになるのは変わらない。

 

「この雪も神樹……様が降らしてるのかな」

 

「もしくは、中立神やその他の神様かもしれないね~」

 

 天候を始めとした全てのことを神樹がなんとかしているのだ。

 人間のことが好きなのだろうかと、なら男も勇者にして欲しいと思う気持ちが衝突することは多々あるが人間を守ろうという意思とその行動には感謝せざるを得ない。

 約三百年の尽力が無ければ転生先であるこの世界の人類など既に滅んでいるだろうから。

 

「そうじゃなきゃ、園子にも会えなかったからな」

 

「運命感じちゃった? ……へくちっ!」

 

「ほら、そんな恰好してるから」

 

 俺と園子は家まで乃木家の車で送られた。隣に立つサンタの恰好をした女の血筋や家のことを考えると送迎を行うのは防犯のことも考えて当然なのだ。

 運転手に挨拶をして、去り行く車を後目に家に入る。外は冷え冷えとした寒さで、サンタのコスプレ程度の防寒では冷風を防ぐことも出来ず、金髪の女を凍えさせようとしていた。

 くしゃみをして震える彼女を家の中に入れるも暖房も何もついてない。

 

「かっきー、お風呂にする? ……お風呂にしない?」

 

「よし入ろう」

 

 幸い、事前に設定していた為か風呂は問題ないようだ。

 ブルブルと両腕で自らを抱くミニスカサンタを脱衣所に連れていく。背丈が俺よりも上になった美女の衣服を寒さに震える彼女から剝ぎ取り始めるとあわあわと慌てだした。

 何かを忘れていたらしく、ポンチョを脱がされたミニスカサンタが俺の腕を掴む。

 

「ゃ、まって……プレゼントが……サンタ服で贈りたいんだけど」

 

「園ちゃんが欲しい」

 

「──、去年もそんなこと言ったじゃん……」

 

「ほら早く脱いで。手足が冷たいじゃん。お腹もほら」

 

「やん! えっちだぁ〜!」

 

「ちょっと大人になった身体を見せて貰おうか」

 

「も~……」

 

 スカートのジッパーを下ろし、彼女から衣服を剥いていく。

 それを止めることもなく金髪の美女は寒さと羞恥に頬を朱色に染めながらも、俺に脱衣させる。

 

「自分で脱げよ」

 

「え~……でもかっきーって私の服を脱がせるの好きでしょう?」

 

 大人らしさを見せる為か装飾の凝った黒の下着類も脱がせる。曲線を描く彼女の明らかに成長した裸体をジックリと眺める暇はなく、反撃とばかりに彼女に衣服を脱がせられる。

 まずは温まろうと浴室に突撃する彼女を追って、ざぶりと湯舟に身体を沈めた。

 湯舟に浸かると浴槽から湯が溢れタイルを濡らす。

 

「はあ……」

 

 肺から息を抜くように吐息したのはどちらか。

 裸の少年と大人の女。好みで使用している入浴剤はハーブの香りを漂わせ、寒気に自然と力ませていた筋肉と意識が解されていくのを感じた。 

 食事や風呂といった生活で欠かせない物に俺は多少の金銭は掛けることにしていた。

 それでも乃木家実家の浴室のレベルには到底及ばないことを知っている。

 

「お金の使い方ってのは人それぞれだと思うんよ~」

 

「園ちゃんレベルだと特に考えることもないだろ?」

 

「まあ……これでもお嬢様ですから。でもね、かっきーと一緒に入るお風呂はどれだけお金を掛けたゴージャスなお風呂よりも最高なんよ」

 

「……そっか」

 

「うん、そう!」

 

 顎まで薄緑色の湯舟に沈ませる美女はふにゃふにゃとした表情を浮かべる。

 外の気温で冷えた身体がじんわりと熱を帯びていき、蕩けるような表情を見せる女は見知った姿の時よりもやや伸びた素足を湯舟の中で伸ばした。

 それなりに広い浴槽ではあるが、彼女の爪先が容易く俺の下腹部に触れる程度には狭い。 

 触れた感触に顔を上げると園子と視線が重なる。

 

「……こっち来て」

 

 湯舟の中で自らの腿を叩いて誘う美女。

 水面に波紋が広がり、浴槽で向かい合っていた彼女の言葉に従う。

 

「……」

 

 悪戯っぽい笑みを浮かべる長い髪を纏めた美女。

 その意図を理解して、彼女の両腿の間に座り込むとふかふかとした上質な枕を思わせる乳房の感触を後頭部に感じた。 

 尻に感じる女の裸体は成熟し、双丘の大きさが身体の成長を如実に物語る。

 

「んふ」

 

「っ」

 

 不気味に笑う彼女の態度は今に始まったことではない。 

 腕を前に回す彼女が、俺の肉茎を手で包み込み耳元で囁く。

 

「こうしていると私の方がお姉ちゃんみたいだ」

 

「園子お姉ちゃんって呼ぶ?」

 

「──、もう一回呼んで」

 

「園子お姉ちゃん」

 

「は〜い! ……フフッ、かっきーは私の弟ね」

 

 ゆっくりと竿を扱く彼女の手が、肉竿を反り立たせていく。

 白い乳房を俺の身体に押し付けて湯の中で手淫を続ける彼女は耳を甘噛みする。

 両腿が俺の体躯を挟み込み、尻肉に陰毛の感触を覚えさせる。園子は俺の胸板を片手で撫でながら空いた方の手で怒張を、白く細長い指で雁部分を刺激する。

 

 金髪をアップに纏めた美女に背後から抱かれる。

 彼女の股の間に収まる俺は彼女の悪戯に、思わず腿を掴んで抵抗する。

 

「……まあ見た目だけはそんな感じかも」

 

「あっ! そういうこと言うんだ。ふ~ん」

 

「いや、ほら、昔から俺の方がお兄ちゃんやってただろ? 誕生日的にも性格的にも。昔は凄い素直でどこに行くにも一緒だよ~ってついてきたのに」

 

「数か月だけでしょ? それにそんな過去のことは振り返らないのだ」

 

 程よくも容赦なく反り立つ怒張を扱く園子の手。

 背後から抱擁する園子の手の大きさも変わったのか、見知らぬ他人のような女の手が激しさを増す。身じろぎする度にしっとりとした乳房が形を変える。

 最高級の座椅子による奉仕機能は先走りを湯に溶かしていく。

 

「……もう我慢出来ない? お姉さんになった私に興奮しちゃう?」

 

「……い、いや」

 

「年上の方がお好みですか? ……ピクピクしちゃう身体は正直だ~」

 

 降参するのか、限界なのか。

 幾度も繰り返した女の手淫に気が付くと呼吸が乱れていた。

 体温が上昇し、高鳴る鼓動も密着している彼女には容易に把握出来ている。激しさを減らした園子の手に射精を管理される怒張はただ震えるばかりだ。

 高められる射精感に身を任せようとした瞬間──、

 

「なんちゃって」

 

「っ!?」

 

 痛いほどに勃起した肉棒から手が離される。

 ぴん、と指で雁を弾かれると情けない声が出てしまう。彼女の両手が俺の背中を押し、極上の肉椅子からの離脱を余儀なくされる。

 焦らされたことに対する僅かな苛立ちとその意図を探るべく、押し出された勢いに逆らうことなく浴槽の端に辿り着くと彼女の方へと振り返った。

 

「────」

 

 優美な裸体がそこにあった。

 浴槽から立ち上がり湯水を滴らせる女の裸体だ。

 

 眼前の裸体、湯の温もりでほんのり朱に染めた肌をジックリと見つめる。

 鎖骨を伝う湯が豊満な乳房の谷間を伝う。まろやかで薄い腰の肉は無駄な脂肪が少なく、彼女のスタイルの良さに寄与している。

 重力に従い垂れ落ちる湯が彼女の腹部から鼠径部を伝う。

 恥毛が湯水を吸い、彼女の大事な場所を濡らし、ぽたりぽたりと水面に落ちた。

 

 彼女の美麗な肢体を余すことなく見つめる。

 それを至近距離で感じ取っているであろう園子は自らの肌を隠すこともなく、それどころか見せつけるかのように手を後ろに回すとどこか自慢げに笑う。

 老若男女問わず見惚れるであろう端麗な顔立ちに、俺も思わず目線が釘付けになる。

 この世界で様々なことを体験してきた脳みそに、その裸体が確かに刻み込まれた。

 

 立ち上がった彼女は俺を見下ろす。

 優越感に似た眼差しで優美な裸体を惜しげもなく見せてくる。

 弾ける湯の粒とその肌が俺の視線を釘付けにし、視覚だけで興奮させる。

 

「……どう?」

 

 ぽたぽたと女の身体から落ちる湯の粒が浴槽の湯を叩く。

 園子の細い指が自らの肌を撫でるように、俺の視線を惹きつけながら自らの雪肌を指し示す。柔らかな乳房を撫で、腹部を這う彼女の端的な言葉に反応出来ない。

 どこか煽情的なポーズを決める美女。

 そんな俺を前にして、言葉を介さずとも全てを理解してるとばかりに園子は微笑む。

 

「……この身体を見たの、かっきーだけだよ」

 

「……、あっそ」

 

「そうだよ~」

 

 僅かに口元がだらしなく緩みかけ、慌てて平静を保つ。

 園子もそれを一々指摘することも揶揄うこともしない。

 お互いにその胸中は理解していたから、

 

「……座って」

 

 続く園子の言葉に無言で立ち上がり浴槽の縁に座る。

 園子は再び湯に身体を沈めながらも、雄茎の前に膝立ちとなる。

 

 微笑む園子は湯に浮かぶ白い胸を見せつけながら俺ににじり寄ると生暖かい水風船のような質感の乳房で怒張を挟み込んだ。

 男の前に跪く彼女は胸の谷間に怒張を挿入させ、その感触を楽しませる。

 

「ぅ」

 

 東郷並に成長した大人になった園子の乳房。

 それを味わうことが出来て嬉しいでしょう、そう目が告げている。

 

「────」

 

 小さく頷く俺に余裕の笑みを浮かべる女が奉仕を続ける。

 実際、園子ほどの美女を跪かせ乳房で奉仕させている状況はどうしようもないほどの征服感と快感に襲われていた。

 射精寸前の怒張を湯を潤滑油に乳房で挟むと上下させる園子。

 

 自分の乳肉に押し付けるように肉棒を掴み先端を擦らせる。

 軟肉越しに押し潰し、挟ませ、擦り、吐精衝動を高める。

 稚拙とは程遠い、俺を悦ばせる確かな技量を持つ彼女は嗜虐的な笑みを浮かべる。

 

「気持ちいい?」

 

「ハァ……ハァ……、くっ……!」

 

「そっか~……でも、出しちゃダメ」

 

 雄茎を乳房で刺激する彼女、しかしその奉仕では射精寸前の肉棒がギリギリ限界を超えないように加減されたものだ。

 どこか嗜虐的な眼差しで俺を見る彼女が俺の腰に手を回す。

 

「……私のこと好き?」

 

「ああ」

 

「なら、もっと言って」

 

「園ちゃんが好きだ」

 

「もっと!」

 

「好きだ!」

 

「もっと!!」

 

「好きだ!!」

 

 密着する女の頬に肉竿が当たる。

 それを淫らに見る眼差しに情欲を宿す彼女はちろりと舌で唇を舐める。

 肉棒を手に取り、鼻息と表情で喜悦を見せる園子が淫らに口を開いた。

 

「あ、ッ……!」

 

 遠慮なく、ぱくりと陰茎を口に含む。

 くぷぷ、と唾液の海に亀頭を沈める彼女は腿裏に腕を回す。

 

 歯が肉竿を擦り、頬肉を亀頭に擦りつける。

 陰茎の根本に熱い鼻息を吹き掛け、ゆっくりと上下に頭を動かす園子が唐突に口を開く。

 ぶるりと先走りが彼女の顔を汚すのも気にせず艶やかな唇を舐める園子が見上げる。

 

「もっと」

 

「そ……園ちゃんが好きだ」

 

「ん」

 

「好きだ」

 

 気が付くと腰を前後に揺らし、荒い呼気をしていた。

 アイスを舐めるように竿裏から先端まで舌を這わせた美女は妖艶な笑みと共に上目遣いをして催促する。

 ──誰が好きなの? と。

 

「園ちゃん」

 

 唾液を引く唇が怒張とキスをする。

 ビクリと震える竿肉を愛おしむように頬張り、ざらついた舌が絡みつく。

 男の前で膝をつき、くぷっ、ぢゅぷ、と性器をしゃぶる彼女は目線だけで問い掛けた。

 

 ──他の子よりも?

 

「他の、誰よりも……」

 

 園ちゃん、とうわ言のように繰り返す度に園子は口腔でもてなす。

 舌が適度に巻き付き、膣よりも的確に射精を促す。

 彼女のさらりとした髪を掴むと、園子は俺の脚に抱き着く。

 

「あぁっ!!」

 

「ンっ───! んッ……ん……っ」

 

 甘い快感が俺の脳を溶かし、射精する。

 白濁が園子の口を汚し、喉まで達する中、彼女は静かに吐精を受け止めていた。無意識に背後に下がろうとする俺の脚を抱く園子は竿から吸い出すように精液を飲み込む。

 嚥下する音を聞かせ、竿に残る白濁も舐めとる女は余裕の笑みを浮かべた。

 

「……私も好き」

 

 

 

 

 

 

 

 鼠径部が尻肉を叩く度にくぐもった喘ぎ声が周囲に広がる。

 ぱん、ぱん、と乱暴に、肉竿の根本まで押し付けるようなピストンが繰り返される度に子宮口と亀頭がキスをする。それほどまでの深い挿入に眼前の女は呻き、喘ぐ。喘がされる。

 

「うぁっ、あ゛ッ、あぁ、ああぁッッ!!」

 

 逃げ場を求めるように裸体の女がシーツを握る。

 最奥を擦られるのが好みなのか、反り立つ肉棒で女の奥の奥に擦り付け、膣襞を雁で擦る度に枕に顔を押し付けて悲鳴を漏らしていた。

 女が好むサンチョと呼ばれる枕、そのカバー部分には大きくYESと書かれている。

 

 枕カバーに新鮮な涎の痕を残しながら、彼女は自分が誰の女なのかを教えられる。

 自身の性感帯、弱点となる膣襞部分を背後から雄棒で抵抗も叶わず教え込まれる。

 

「フーッ……フーッ……!」

 

 ぎゅうっと片手で枕を握る女に覆い被さり、俺は腰を振る。

 打ち付ける度に揺れる尻肉が赤らみ、同時に響く淫音が耳に心地よい。

 

「ごめん……なひゃい……!! もぉ……ゆるひてぇ……んんっ!!」

 

 揺れる髪ごと園子の頭を抱き、もっちりとした尻を叩くように腰を振った。

 身体ごと支配するように、背後から抱き、身体を寝台に押し付けて、乱暴に絶頂させる。

 枕に埋めた顔が横を向き、蕩けた表情の彼女と唇を重ねる。

 

「ンっ、ん……ぷぁ、はッ、ぁ……あぁぁ……っ」

 

 甘ったるい喘ぎを漏らす女の声。

 恥部では園子の蜜と先走りが絡み、部屋中に卑猥な音を響かせる。

 背後から手を回し、寝台に潰れた乳房を揉みしだき、唾液を交換する。

 

 ピストンの度に彼女の踵がぺちんと俺の尻を叩く。

 抽送をやめて、女の最奥に亀頭を押し付けると、ぎゅうっと膣襞が怒張を締め付ける。

 

「やぁぁ……、しょれ……らめらからぁ……、んん……ッッ!」

 

 寝バックと呼ばれる体位。

 二度目の射精感は既に限界までせり上がり、それを堪えて彼女を悦ばす。

 

「~~~~ッッ!!」

 

 何度目かの絶頂に達したのか、悲鳴を枕に押し付ける。

 胸を押し潰し、耳まで赤らんだ美女は涙で瞳を潤ませて膣肉を窄める。

 嫌々と首を振りながらも、身体は雄からの支配を悦ぶように膣を蠕動させた。

 

「ん、ふッ、んんっ、ん゛ッ! ん゛〜〜〜っっ!」

 

 濡れた肉のぶつかる音が響く。

 喘ぎ声を枕で抑える彼女の首筋に口づけし、打ち付ける腰の力を強める。

 此方の絶頂が近いことを理解したのか、枕に顔を押し付けて身を震わせる。

 

「んぅぅぅッッ!!!」

 

 再び湧き上がる白濁が、今度は彼女の内部を汚す。

 獣の交尾のような性交の果てにどく、どくっと最初の射精よりも濃厚な汚濁を注ぎ込む。そのまま彼女の膣襞の一つ一つまで汚していく感覚に目を閉じる。

 成長した美女の身体に圧し掛かり、余すことなく全ての精子を注ぎ込んだ。

 

 白く染まる意識が元に戻り始め、ゆっくりと肉竿を引き抜く。

 こぽりと結合部から流れ落ちた白濁と蜜の混ぜ物が恥毛とシーツを汚した。

 

「園ちゃん」

 

 チラリと此方に横顔を見せる美女の耳元で囁く。

 

「好きだ」

 

 小刻みに身体を震わせながらも、園子は小さく微笑む。

 余裕はなく、快楽に頬を染める姿は以前の彼女と差異は無かった。

 

 うつ伏せになっていた彼女を仰向けにする。

 ぷるんと乳房は揺れ、汗に濡れて上下する園子の腹部を撫でる。

 生まれたままの姿の彼女に俺が覆い被さると、彼女は小さく囁く。

 

「……私も、大好き」

 

 両手を俺に伸ばして、脚を広げて園子は俺を受け入れた。

 その証拠を身体中に残すべく、大人になった彼女の喘ぎ声を聞き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 むにゅ、と豊かな乳房が俺の顔を包む。

 絶世の美女、その身体と色香が脳を麻痺させて、少ししてから抱擁されたことに気づた。

 

「かっきー」

 

「ん……」

 

「よしよし……」

 

 成長した園子の裸体。

 寝台に横たわる彼女に押し付けられた柔肌の感触は枕の比ではない。

 彼女の力加減一つで形を変える質感は水風船のごとく、ずっしりとした餅のような乳房の中に余韻に浸る尖ったままの先端が俺の顔を僅かにくすぐる。

 

「ぁんっ、鼻息くすぐったいよぉ……」

 

「────」

 

「でも、離れるのはダーメ」

 

 息もせず眠れと告げる割には彼女の声色はあまやかなものだ。

 離れることを許さない、園子の言葉は柔らかく、しかし厳しい。

 

「よしよ~し」

 

 先ほどまで散々吸って揉んで好きにしていた乳房。

 上質な枕に顔を置かせ、赤子をあやすかのようにそっと俺の頭に手を置く。おずおずと、相手の機嫌を窺うように、ガラス細工に触るような手つきで彼女は俺の頭を撫でる。  

 

「いい子でちゅね~」

 

「ばぶー」

 

「おっきい赤ちゃんだ~」

 

「ちゃーん」

 

「ぁッ……、す、吸っても出ないよぉ……ッ」

 

 顔を左右に揺らし、乳首を口に含むと小さく震える美女。

 豊かな乳房を押し付けて、滑らかな腹部と腹部を合わせて、脚を絡ませる。中学生時代から実った汗ばんだ乳肉を口にすると困ったような顔を見せる園子。

 

 よほど仲の良い、深い関係でしかありえない全身を余さず使った園子との抱擁。

 満足気に吐息する彼女の腹部が上下し、あやすように俺の髪を撫でる。

 密着することで聞こえるゆっくりとした心の鼓動が俺に眠気を誘わせる。

 

「もう一回する?」

 

「ん……ねむい」

 

「うん。そうだね〜……焦らなくても明日だって……、ふあ~」

 

 欠伸をする園子に釣られて瞬きを繰り返す。

 酷く安堵してしまう空間、あと何度か瞬きをすれば自然と意識が落ちる、その予感があった。

 それでも瞼を閉じない俺を怪訝な表情で見る園子が口を開く。

 

「寝ないの?」

 

「園ちゃんが寝たら」

 

「それじゃあ競争だ~」

 

 ぽんぽんと子供をあやすように頭部を撫でる園子。

 母性本能が目覚めたのか、目元を緩ませる美女が静かに囁くように歌い始める。

 

「〜〜♪」

 

 どこかで聞いたことのある歌だった。酷く記憶を刺激する歌だ。

 眠気に抗い瞬きを繰り返す瞼の裏に幼い頃の記憶が過る。

 

 加賀家に生まれてまだ数年の頃。 

 園子と出会って、彼女が加賀家の実家によく訪れることが増えた頃。

 俺の母、綾香が寝かしつけようと口ずさんでいた子守歌。

 

「大丈夫」

 

 何が大丈夫と言うのだろうか。

 そう問いかけるも、全身を彼女に抱かれて言葉にならない。

 

「かっきーを一人になんてしないから」

 

「────」

 

「起きてもいないなんてことはないから、眠って大丈夫だよ」

 

 眠っている深夜帯にバーテックスの襲撃があったことがある。

 夜中に目が覚めて、誰もいなかった時の衝撃は忘れられない。

 そのことを彼女が告げているとしたら、

 

「ずっと一緒にいるから。安心して眠って」

 

 返す言葉は無かった。

 琥珀色の瞳に慈しみを込めて、普段の奇想天外な言動は鳴りを潜めて。

 絶世の美女は身体を、匂いを、言葉を、全てを使って俺の意識を塗り潰していく。

 

 痛みも不快感もなく、ただ静かに。

 彼女よりも先に俺は目を閉じた。 

 

 

 

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