「こんな時間にすまないな」
綾小路の部屋に招かれた俺が客用のクッションに腰を下ろすと、綾小路が詫びを入れる。
やや緊張してる俺と違い、櫛田は慣れてるようで、俺の隣に腰を下ろした。
「まだ9時前だから大丈夫だ」
「そうか」
「それで俺に話ってなんだ?」
教室の綾小路とは雰囲気が大違いだ。
これがこいつの本当の姿なのだろうか。
「単刀直入に言おう。Aクラスになるためにオレたちに協力してくれないか?」
やはり綾小路も暗躍していたか。
これで茶柱先生に脅されていることが確信できた。
それと綾小路はオレ"たち"と言った。つまり櫛田と協力関係を結んでるということだ。
「綾小路くん、いきなりすぎるよ。ちゃんと説明しないと」
「……そうだな。オレは諸事情でAクラスにならないといけなくなった。櫛田にも協力して貰っている」
「強制的にだけどね」
「え」
強制的に櫛田を利用しているのか。
いつの間に櫛田を従えたんだ……。
「櫛田、余計なことは言わなくていい」
「はーい」
「えっと、もう少し具体的に教えてくれないか?」
「わかった。オレはAクラス入りを目指してるが、あまり目立ちたくない」
そこは原作と変わらないのね。
だが綾小路は失態を犯している。
「言いにくいが、すでに綾小路は目立っているぞ」
「確かにそうかもね」
「……どういうことだ?」
まさか本人が気づいてないと思わなかった。
「いや、人気者の櫛田と二人で行動することが多いだろ」
「そうだな」
「人気者って照れちゃうな~」
「人気者と一緒にいるってことは、それだけで注目されるということだ」
「っ……」
これはホワイトルーム育ちが原因で、綾小路に一般常識が欠けていることが原因だろう。
原作と違って、鈴音ではなく櫛田を利用したことが仇になったな。
「綾小路の言葉から推測すると、俺を隠れ蓑にしたかったんだろ?」
俺が平田をそうしてるように。
これじゃ隠れ蓑のループだな。
「そういうことだ」
「そうか。……でもなんで俺なんだ?」
「それはだな」
綾小路が説明しだした。
Sシステムを暴いてから俺に注目していたこと。それから俺を観察するようになり、優秀な生徒と評価してくれたらしい。
俺が暗躍していたことも薄々気づいていたようだ。
「上里が平田を利用していると確信したのは前回のホームルームだ」
「ホームルーム?」
「ああ。平田と軽井沢が体育祭の種目の順番が変わったことを説明しただろ」
「そうだな」
「クラスの誰もが驚いてるなか、お前だけが動揺していなかった」
嘘でしょ。一応、目を見開いて驚いたフリしていたというのに……。
「目を見開いていたが、演技だとすぐにわかった」
やだ。俺って演技の才能なさすぎ。
櫛田のマン汁でも飲んだ方がいいかもしれない。
「今回、種目の順番を入れ替えたのはクラスに裏切者がいると確信したからだろ」
「……」
おいおい、裏切り者が近くにいるのに言っていいのかよ。
「そう怖い顔をするな。追及するつもりはない」
「……そうか」
「だからオレたちに協力してほしい」
「そうだな……」
綾小路と協力関係になれるなんて、こっちからお願いしたいくらいだ。
ただ櫛田の存在が怖いんだよな。
「もしかして私のことで悩んでる?」
「は?」
「とぼけなくたっていいよ。どうせ堀北さんから聞いてるんだよね」
腹黒女が勘違いしてくれてるぞ。
この世界の鈴音は、櫛田のことをまったく覚えていなかったぞ。
「どこまで聞いてるの?」
だがここは櫛田の勘違いに乗ってみよう。
原作でも知りえない情報が手に入るかもしれない。
「クラスを崩壊させたとこまで」
「……そっか、そこまで知ってたんだ」
「まぁな。つーか、綾小路の前で言っていいのか?」
「問題ないよ。一応、協力関係だし」
「協力者だからって過去まで明かす必要はないだろ」
「確かにそうかもしれないね。でも知ってもらってた方が楽だったから」
「楽ねぇ」
余計に演技をしなくていいって意味だろうか。
綾小路は、俺と櫛田のやり取りを静観している。
「ちなみに裏切者は櫛田だぞ」
静観してると思ったら、とんでもないことぶちまけちゃったよ。
「ま、マジかよっ!?」
「上里くん、演技下手すぎ。その様子だと上里くんもわかってたんだ」
「……」
くそ、綾小路の前だから緊張して本領発揮できない。
俺の本領が何なのかわかってないけど。
「凄いね。綾小路くん並に頭が切れる人いたんだ」
「だから言っただろ。上里は優秀だと」
いや、綾小路と俺じゃ帆波と伊吹の胸囲くらい差があるんだが。
「綾小路、櫛田が裏切者だとわかってて協力させてるのか?」
「ああ。オレが櫛田と組んだのは、すでに龍園と協力関係を結んだあとだった」
「龍園と?」
「うん、うちのクラスの情報を色々流してるの」
この子、笑顔でとんでもないこと言っちゃってるよ。
「今も龍園と組んでるのか?」
「そうだよ。ただ今回は上里くんのせいで失敗しちゃったけどね」
「参加表か」
「そう。龍園くん、悔しがってたよ」
まずいな。俺が暗躍してること、龍園に知られてるんじゃないか。
「それは見てみたかったな。それで綾小路は、Dクラスの情報を教えてもらってるのか?」
「いや」
「教えてもらってないのか?」
「ああ」
てっきり櫛田にダブルスパイのようなことをさせてると思ったんだが違ったようだ。
「私が教えようとしても、まだ早いって言うんだよね」
「まだ早い?」
「現時点で必要はないということだ」
俺だったらすぐに訊いちゃうけどね。
「んで、櫛田はいつまで龍園と手を組むの?」
「うーん、龍園くんが使えなくなるまでかな」
「悪女だ」
「悪女って酷いよ。それに綾小路くんだって許可してくれてるんだから」
「……そうなの?」
「そうだ」
「余裕だよね。オレと龍園、どちらが強者なのか見極めろって言うんだもん」
やだ、カッコいい。
俺もいつかそんな台詞言ってみたい。
「だから私は二人に協力してるんだ」
「なるほど。……それじゃ肝心なこと訊いていいか?」
「なに?」
「なんで櫛田はクラスを裏切ってるんだ?」
理由は知ってる。鈴音を退学させたいからだ。
だが綾小路も櫛田の過去を知ってる。それなのに櫛田は綾小路に協力している。――いや、させられているのか。
「そんなの上里くんなら、言わなくてもわかるんじゃないかな?」
「まぁな」
「さすが上里くん。そんな私がいるから、綾小路くんに協力するのを渋ってるんだよね」
「そうだ」
櫛田がいなければオールグリーンなんだ。
なんで綾小路にも協力してるんだよ。
「そこは安心していいぞ」
綾小路が俺を見据えて言う。
「櫛田じゃオレと上里に勝てない。つまり堀北を退学させることはできない」
「……っ。言ってくれるね、綾小路くんっ」
「オレ、上里と櫛田の実力差を客観的に見たまでだ」
「ほんと、ムカつく」
おや、一気に険悪な雰囲気になってきたぞ。
そろそろ帰っていいかな。
「だから気にせずにオレたちに協力してくれないか?」
櫛田をコケにしてるのに、仲間だと認めてはいるのか。
よくわからないやつだな。
「……わかった」
「よろしく頼む」
「こちらこそ」
綾小路とガッチリ右手で握手を交わす。
櫛田は不機嫌なまま、俺たちを眺めていた。
☆☆☆
「疲れた」
30分後。綾小路と協力関係を結んだ俺は廊下でためていた息を吐いた。
綾小路の協力者になった俺だが、隠れ蓑になるつもりはない。龍園に情報がいってるかもしれないが、今まで通り暗躍路線を貫くつもりだ。
綾小路も俺を通して平田に隠れ蓑になってもらうつもりのようだ。
平田の心労が絶えなさそうだが、リーダーなので頑張ってもらいたい。
「緊張するよね」
「そうだな」
一緒に綾小路の部屋を後にした櫛田が声をかける。
「私も最初は震えちゃったもん」
「怖くてか?」
「うん、正直今も怖いと思ってる」
櫛田が綾小路の部屋で普段よりテンションが高めだったのは緊張を隠すためのものだったのか。
やっぱり原作主人公は格が違うな。
「それじゃ俺は部屋に戻るから」
「あ、待ってっ」
先ほどと同じように、櫛田に上着を掴まれてしまった。
「実は上里くんに話があるんだ」
「話ならさっき言えばよかっただろ」
「綾小路くんには聞かせたくない話なの」
「……来週でいい?」
嫌な予感しかしない。
早く自分の部屋に帰れよ腹黒女。
「駄目。ほら、入ろ入ろっ」
「おい、押すな!」
結局、櫛田は強引に俺の部屋に上がり込んできた。
靴を脱ごうとすると、背後から柔らかい感触が俺を襲った。
「……何のつもりだ?」
俺に抱きついてる櫛田に問う。
「上里くんに私の協力者になってほしいの」
「さっき綾小路と手を組んだばかりなんだが」
「だから綾小路くんには内緒で」
「断る」
「そんなことを言わずに。もし私に協力してくれるなら……私のこと好きにしていいよ……?」
これが転生直後だったら了承してただろう。
だが今の俺に色仕掛けは通用しない。
「堀北さんより私の方が気持ちいいよ」
馬鹿め。鈴音のあそこの締まり具合は最高なんだぞ。
「悪いな。俺は櫛田と組むつもりはない」
「……ふーん、そうなんだ」
「だから帰ってくれないか」
「わかった。遅くまでごめんねっ」
櫛田は表情を一瞬で切り替え、いつもの笑顔で部屋から出ていった。
しかし、展開がベタすぎる。いくら櫛田とはいえ、あんな安っぽい手を考えるだろうか。
「もしかして綾小路の指示か?」
俺がハニートラップに引っかからないか試したのかもしれない。
俺は疑問を抱いたまま、浴室に向かった。
☆☆☆
「んぁっ、はぁんっ、激しいっ!」
櫛田と別れてから一時間後。
俺は鈴音を呼び出し、極上の締まりを正常位で感じていた。
「あんっ、あぁんっ、凄いっ! 奥まで抉られてっ!」
櫛田に鈴音を馬鹿にされたように思えた俺は、無性に鈴音を抱きたくなり、彼女を呼び出した。
鈴音からすぐに返信があり、お互い風呂上がりだったこともあり、すぐにベッドインした。
「鈴音、お前のあそこは最高だよ!」
「あひぃっ、あぅぁっ、う、嬉しいっ! もっと私のあそこ使ってぇっ!」
「ああ、そのつもりだ……!」
二ヶ月間毎日抱いてた頃と比べると、明らかに身体を重ねる回数は減ってしまった。
きっと鈴音も不満に思ってるだろう。
だから俺はお詫びの気持ちも込めて、鈴音の美しい身体を誠心誠意貪りつくす。
「うぉ……! もう出そうだ……!」
「んはぁっ、あんっ、出して! 奥にいっぱい出してっ!」
今までに何度鈴音の膣内に射精したかわからない。
少なくとも三桁はいってるはずだ。
それでも俺が鈴音の身体に飽きることはない。
「んひぃっ、あぁ……きちゃう、きちゃうぅぅぅぅっ!」
白目を剥きながら絶頂の準備を迎える鈴音。
それに伴い射精感も限界を迎える。
「鈴音、出すぞ……! ぬおっ……!」
「んひゃあああああぁぁぁぁぁっ!」
肉棒から精液が発射され、鈴音の膣内に大量の白濁液が一気に溜まっていく。
「いぐ、いぐ、いっひゃうううぅぅぅっ!」
鈴音は恍惚に紅潮したメス顔といえる表情で、淫らな声を部屋中に響かせる。
「んぉ……ふぅ……」
「あはぁ……はひゅ……ふぁ……」
精液をすべて出し終えると、鈴音はアヘった様子で、舌を垂らして、意識を手放そうとする。
この顔も何度見たかわからない。
学校ではクールな鈴音の、俺にしか見せない下品な顔。
そんな顔を見せられて、俺の愚息が元気を取り戻す。
失神寸前の鈴音はそれに気づかない。
俺は体位を変えるため、肉棒を抜き、鈴音を四つん這いにさせる。
「んはぁ……はぇ……うぇ……」
「鈴音、また入れるぞ」
尻肉を掴み、膣奥まで挿入し、子宮と肉棒を再会させる。
「んにいいいいぃぃぃぃぃぃっ!?」
直後に、鈴音が獣のように絶叫する。
俺は櫛田の言葉を振り払うように、鈴音を抱き続けた。
体育祭に向けてコンディションを整えていたが、鈴音の身体に負けてしまった俺は早朝まで欲望を吐き出し続けた。
原点回帰で堀北を抱きました!